あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul’s Drag Race Season13 特別編"Corona Can’t Keep a Good Queen Down"感想

*このブログは多大にネタバレを含んでいます。ネタバレしたくない方はここで引き返すか、以下WOW Presents Plusのリンクから本編を見てから読んでください*

 

 

 

 

 

I'm watching RuPaul’s Drag Race: Corona Can’t Keep a Good Queen Down on WOW Presents Plus http://www.wowpresentsplus.com/videos/rdr-covid-special

 

 

 

 

 

 

今回はいつものコンペティションはお休みで、スペシャル企画でコロナ禍における撮影の裏側のドキュメンタリーでした。普段、放映されている以外の部分はなんとな〜く想像しているだけだけど、実際はどうなのかの話が聞けて、しかもコロナ禍のせいで今までにない超イレギュラーな対応になっていることが分かり、世界的なパンデミックの中でどう番組が対応していたかが記録として後世に残る、とても意義のある回だったと思います。きっとシーズン頭やシーズン後に放送してたら視聴率がそこまで取れないのかな、ということもあり、前半戦がダブルステイで終わって後半戦がスナッチゲームで始まる、まさに幕間というような、このタイミングでの放映、大正解ですよね。もうサシェイしてしまったコンテスタントの姿も見られてなんだか嬉しかったです。番組を見て私が感じたことをつらつらと残しておきますね。


まず、シーズン13のオーディションが始まった時にはまだこの「コロナ禍」の中にいなかったこと。みんなきっと、こんなことになるなんて全く予想もせずに、ただ期待だけを胸にオーディションのために撮影してビデオを送ったのだろうなぁ。そんな中でパンデミックが起こり、もしかしたらこのまま今年は撮影がないんじゃないか、見送りになってしまうんじゃないか…と思っている人たちを見て、ああ例年やるのが当たり前のようなことになっているシリーズでも、それを続けている人たちの多大なる努力によって守られているのだなぁ…と心から感謝の気持ちが湧きます。s12のリユニオンやフィナーレがちょこっと映って、こんな中でも今までとちがう形ででも収録ができている、番組がなりたっている!って感動した、って話しているのを見て、私も去年同じようにコロナ禍の中で始まったシーズンをどうやって締めるか心配になって、でも最終的にめちゃめちゃ希望もらったよなぁ!って思い出してまた嬉しかったです。ダリアの後ろで踊るキャンディの姿をひさしぶりに見て可愛かったな〜。このときはまだs13に出ることが決まってなかったんだね…


そして何よりもびっくりしたのが、コロナにかかっていたクイーンがいたこと!!知らなかった…みんな知ってた??私の中では、夏くらいまでは知ってるクイーンたちが罹患してなくてよかった〜くらいの気持ちでいて、秋口くらいにDRカナダ関係で何人か罹ったときについに知ってるクイーンまで来てしまった!くらいの感覚でいたのですが、キャンディとオリヴィアが収録前、タミーシャが収録後に罹ったと語っていて、びっくりしました。そうだったのかー…みんな重篤な症状までいかなくてよかった、特に大腸癌サバイバーでハイリスク軍と言われるタミーシャさんが軽症で済んで良かったです。でももしかしたらの事態があって、症状が軽快せずシーズンに参加できないクイーンがいたり、収録が終わった後に罹ってシーズンを笑って迎えることができないクイーンがいたのかもしれないな、と考えると、本当にゾッとします。


コンテスタントのご家族に医療従事者が少なくなかったのもびっくりしました。オリヴィアとユーティカのお母様、ロゼのパートナーの方、皆さん前線に立っていらして(直接関連の科を担当してはないかもしれないけれど)本当に頭が下がります。ロゼはお互いを守るために離れて暮らすことにした、とのことで、精神的な支えになるはずの人と一緒に生活できなかったの、しんどいですよね…。もちろんロゼだけでなくて、パートナーや家族ともともと別々で暮らしていて、会うことができないなんてことはみんなに平等にあったのですが。みんな人間との会話や触れ合いに飢えていて、最終的に収録が始まって、久しぶりにハグをすることができて、通常の時期以上にその暖かさが沁みたのではないでしょうか。ユーティカちゃんがハグのことをシナモンロールするって言ってたのも可愛かったし、ユーティカはgiraffe of loveってジョーイに言われてたのも可愛かった。


しかし噂に聞いてはいましたが、ドラァグレースの合格のお知らせから収録開始まで、たった5週間しかないのですね…!本当にこのパンデミックでなかなかお店も空いていない、輸送もいつもより回ってなくてなかなか届かない、貸してくれそうなお友達にも会えない、そもそもパンデミックで普段通りドラァグショーも出来てないから稼ぎもないしお金も厳しい…みたいな中で、みんなよく準備したなぁと思います。例年以上に厳しかっただろうな…毎年ソーイングの出来ないクイーンに「出るに決まってる課題なんだから裁縫教室にでも通ってミシンくらいは使えるようになっておけよ〜」みたいなコメントされてますが、今年に関してはもう本当どうしようもなかったと無罪放免にしてあげてほしい!ロゼが自分のサイズのお気に入りのパンプスが黄緑しかなかったから、10足同じものを買ってペイントしたって言ってるのが印象的でした。

そして、衣装の準備だけでなくて、出演することを家族に伝えるという大仕事があったクイーンも…親がドラァグをやることに対して理解があまりない、というアジアンクイーンは少なくないので、カモラも、結果的に一人の大人だからと受け入れてもらったのはよかったけれど、短期間で親に伝えるという重い仕事に向き合わないといけなかったのは精神的にくる経験だったのではと思います。


いざ収録に向けてホテルに入った後も缶詰状態で大変そうでしたね…10日間も、誰が他にいるのかも分からず、外部と連絡も取れず、特にやることもなく、部屋に閉じ込められてたと考えたら辛い…!いやどうかな、ちゃんと10日後にはドラァグレースに出られるというゴールがあるからゆっくりできてある意味幸せだったりもするのかな…?みんなだったらどうやって過ごします…?ホテルで縫い物して追加で衣装作るとかは出来るのかな…?

待機期間中だけでなく収録中も同様にホテルに戻ったら一人、という感じだったようで、まあみんな疲れてるだろうから泥のように寝るという感じなんだろうけど、でももしこの外界と遮断されている期間のうちに、もし身内の身に何かあったら、もしコロナで亡くなってしまっていたら…?っていう言葉、とても胸が詰まる思いでした。


去年のs12の時も、こんないい子達のシーズンがコロナのせいで大変なことになっちゃって悲しい、本当はフィナーレで大きなステージを歩かせてあげたかったし声援で迎えられて欲しかった、本当ならドラァグコンやツアーもあって、きっと外部のショーのオファーもたくさんあって、世界中で大活躍してお金も稼げてたはずなのに、その機会が失われてしまったことが悔しかったです(今年はフィナーレ収録できたりしないかなぁ、s10のフィナーレでs1のクイーンが出てきた時みたいにs12クイーンも出られたりしないかなぁともうっすら思っているのですが、でも今年はs13クイーンにしっかりスポットライト当てて欲しいし、悩ましいですね…)

今年も同じなのですが、こうやってコロナの中で試行錯誤しながらやってきたことをドキュメンタリーで見せてくれることで、まだ終息は見えていないけれど、どうやったら防げるか、どうやったらこの状況の中で成り立たせられるかの見識が増えていることで、去年よりも希望があるんじゃないか、と思っています。

政権も変わったし、BLMもあって。コロナはまだまだ大変だけどワクチンができたり色々対応を頑張っている。アメリカがいい方向に変わろうとしている中で、クイーンたちが、自分の持っているプラットフォームを人々にいい影響を与える場として使いたい、と言ってくれている。そんな素晴らしいことないじゃないですか。心から応援していますし、そんなクイーンたちが報われますように、と思っています。

フィナーレ、4月半ばになるかと予想してますが、ステージでの収録になるにせよリモートになるにせよ、その頃にはどうか今よりもいい状況になっていて、みんなでたくさん笑えますように。クイーンたちも、ジャッジやゲストの人も、収録中にマスクとかで顔がわからなかったスタッフの人も、制作方も、なんなら今年出られなかったピットクルーの人も集まって、楽しく「頑張ったね!」って言い合える機会がありますように!

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今回一番ツボだったのが意図的にモザイクや音声遅延をかけられちゃったララちゃんでした。かわいい…かわいい…