あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

Drag Race España Season 1 episode 6"Drags de la Comedia"感想

*このブログは多大にネタバレを含んでいます。ネタバレしたくない方はここで引き返すか、以下WOW Presents Plusのリンクから本編を見てから読んでください*

 

 

 

 

 

 

 

 

I'm watching Drags de la Comedia on WOW Presents Plus http://www.wowpresentsplus.com/videos/dresp-drags-comedia

 

 

 

 

 

 

 


今週はミニチャレンジのパペットチャレンジからのメインチャレンジのローストという、なかなか皮肉を笑いに変えないといけないチャレンジ尽くしの難しい週だったのではないでしょうか?エスパーニャのメンバーはみんな仲良しで穏やかな性格の人が多いので、苦手な課題だ〜と思ってそうな人も多かったですね…笑って終われるミニチャレンジはまだ平和でしたが、それでも緊張してドヴィマもサヒタリアも様子がおかしかったり、なんだかその後の展開を占うような導入でした…(私はキラーさんがカルメン人形の頭ぶっ飛ばしたところで大笑いしてしまいました。ひどい!)


メインチャレンジ、真ん中あたりを希望するも、いきなり一番手に指名されたキラーさんは、強気の裁判官のようなキャラ作りでうまく持っていきましたね。自分がいつも太っていることやゲイであることでいじられてたので、人を傷つけるようなラインを踏んでしまわないか怖かった…と語っていましたが、トップバッターとして申し分ない活躍だったと思います。最初は一番手やったるわ!って息巻いてたもののジャッジに「一番手キツイよ、選べるんだからやめときな!」と助言され二番手に回ったカルメンもブラ紐が気になりつつも大人の余裕でそつなくこなし。問題は三番手のサヒタリア、ネタ出しの時点で顔色が悪かったですが、やっぱり難しかったようで、ネタは悪くないものの緊張で言葉に詰まる場面あり…四番手ドヴィマはいきなり日記を書いている風に始めて掴みはバッチリだったので、ウィッグに気を取られてそのあと苦戦してしまったのが、ネタ自体は悪くなかったと思うので惜しかったです。リーディングの時に使ってた眼鏡が出てきてちょっと嬉しかった。

こういう課題はコメディ得意なプピさんの独壇場かなと思いきや、意外にも「意地悪を面白く笑ってもらえるレベルに止めるのと、それを越えてただの意地悪になっちゃうのとの、ラインが難しいんだよね…」とうまくいかず。そう、ローストの難しさはそこなんですよね…ただの悪口や意地悪になっちゃダメで、ちくりと皮肉で刺すくらいじゃないといけなくて。コメディ得意だと期待されていた分、結果が出せないのは本人も悔しかっただろうなぁと思います。


今回ランウェイはスペインのシンガーソングライター、ロザリアにインスパイアされた衣装がテーマ。みんな素敵だったんだけど(私はサヒタリアのが一番好きでした)なんとここでカルメンが爆弾発言を。前日、ドヴィマの用意していたルックとカルメンのルックが被ったことが分かるや、「いいよ別の作るから!」とワークルームにあるもので自分の衣装を作ったと言うことを明らかに…!メインチャレンジの準備もあったのに!!超人!?しかもドヴィマに小物を貸してあげたり、衣装の仕上げで手こずってるのを見て、使わないから自分の使ってもいいよ!とまで言ってくれたことがドヴィマの証言で明らかになり…。カルメン、聖母!?超人聖母!?


ドヴィマは孤高のクールビューティキャラっぽいのに、なんだかカルメンには懐いているなぁ、美を追求するドラァグスタイル的に共感があるのかな?と思っていたのですが、ここまで優しくされちゃうともう、なんていうか、この人には勝てない、この人とは勝負したくない、って気持ちになってしまうの、仕方ないよなぁ…。

ドヴィマから見るとサヒタリアもおそらく同様で、エントランスの時は前ルームメイトだったけど男のことで揉めたとか揉めないとかで解消したと語ってそれこそちょっと微妙な表情だったけど、ワークルームでの二人は険悪どころかとても親密な仲で。もしかしたら最初の反応は、家族みたいに思うようになってしまった仲の相手が、ライバルとして競う中にいるなんてやりにくい、という反応だったのかな、と今となると思います。この人とは戦いたくない、そう思う相手がリップシンクの相手になってしまうのは、もうなんというかドラマだなぁと思うのですが…


正直私、ドヴィマがここまで残ると思っていなかったんですよね。ep1からボトムになってリップシンクして、あの時もマカレナのウィッグが外れてなければ勝負はどうなっていたかわからないと思ったし、ep3ではインティの棄権によって一人リップシンクになったけれど、あの時もインティが戦う気になっていたらドヴィマが勝つのは厳しかったかなと思ってました。それでも自分のできることをチャレンジの度にきちんと出して(時には自分のキャラを崩してまで)よくここまで頑張ったな、と思うし、他の人が勝ち星を取っていく中、少しずつ自分の引き際がそろそろ来ることを悟って、どうすれば自分らしく幕を引けるか考えた結果が、今回の「リップシンクしない」という選択だったのかなと思います。きっと仲の良いサヒタリアだから「相手が勝つことに疑念の余地を挟みたくない」とそういう選択になったけど、相手が敬愛するカルメンでもきっと同じだったと思う。プピさんやキラーさんだったらどうだったのかな、戦ったのかな、やっぱり引き際をわきまえて去っていったのかな…直前のuntuckedでの邪気の抜けた、赤ちゃんみたいなふわっとした、達観した表情からすると、その時からもう全部決めていたような気もします、本人にしか分からないけれど。一人リップシンクをすることになったサヒタリアは精神的にキツかったよなぁと思いますが、よくやってましたね…(先に一人リップシンクをやったドヴィマがそれをサヒタリアに強いたのは皮肉なことだと思いますが)途中でサヒタリアが頬にキスしにいったときに、それまで貫いてたポーカーフェイスが崩れてふにゃっと笑っちゃうの、ズルいなぁ、泣いちゃいましたよ…

ヴィランをやるつもりで来たのに、こんなにスウィートなところを見せて去っていくドヴィマ、憎めないなぁと思います。誤解されてもいい、自分は自分の信念を貫く、という姿勢が終始一貫しているのが魅力の一つだと思うけど、人の意見も取り入れ、柔軟に学んで、より人間として成熟して欲しいな、と思っています。素敵な仲間ができたから、きっと成長できると信じてます。


ところで、自分を慕ってくれて仲良くしている弟分二人のリップシンクになり、始まる前からもう表情が崩れてて、後ろからパフォーマンスを見ながらしゃがんで泣いてしまうカルメンさんがね…抱きしめたくなってまうやろ!!!惚れてまうやろ!!!もう本当、コンテストに全力で取り組むその完璧主義者の魂と、こういうときに見せる人間味とのギャップ、好きになってしまうやろ…ずるーい!!ハイ好きです!!!

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さて次回みんな大好きメイクオーバー!DUに続きラガーマンが来る予感ですが、なんでラガーマンが重用されているのかは誰も分からない。フットボールだとファンダムを含めマッチョすぎるのかしら。ところでチャレンジ以上に次回のゲストジャッジのお方のお顔が見たことあるお顔で、それに私興奮しております。もしやあなた、その美しいお顔はDrag race Hollandの覇者の方では…?きゃー楽しみ!!!


(そんな中スペインで、ゲイの男性が同性愛嫌悪者からのヘイトクライムで殺された、というニュースがあり、コンテスタントたちが怒りを表明しています。こんなに素晴らしい番組を作り放送できる土壌のある国でもまだそんなことが起こるんだ、と驚きと絶望がありますが、残念ながら世界中どこでも、まだまだ、こういう性的指向を理由とした差別、犯罪が起こっているんですよね…変えていかないといけない、と強く思います。こういうことが起きるたび、自分には何ができるのか?と問いかけることからしかできていないのがまた歯痒いのですが…)