あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

Drag Race España Season2 episode12 "Reaction from the Queen"感想

I'm watching Reaction from the Queen: España Season 2 on WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/dresp-212

 

 

 

 

 

 


先週華々しいフィナーレを迎えたエスパーニャですが、そのフィナーレを観客の前で流して戴冠の瞬間をみんなで迎えたイベントの動画が公開されました。なんかいいですよね、ボーナストラックというか、アンコールというかそんな感じで…1000人くらいはお客さんが入っているように見えたので(恵比寿リキッドルームくらい?)それだけお客様を入れられるのであれば、アメリカ版同様に観客の前でフィナーレを収録する、なんてことも近い将来あるのかもしれないな、と思いました。


やっぱりフィナーレの場に観客が入って、その熱気が感じられるというのは格別だなぁということを改めて実感しました。画面越しに見ている私でも、現場の熱さやパワーが伝わってきたので、現地にいたクイーンにはなおさらだろうなぁと思います。自分のことを応援してくれる人の声が直接届くことは、きっと自信や活力やモチベーションになるだろうなぁ。このシーズンに出演した12人、全員が応援の元に立っていて、その中で勝ち残ったファイナリスト4人がいて、さらにその中からウィナーが選ばれて、すごく祝福されて迎えられた戴冠なんだということが伝わってきました。


前回書いた通り、s2ウィナーになったシャローンが過去にブラックフェイスをTV番組の企画でやったことがあるということで、果たしてすっきり祝福して迎えていいのだろうか???みたいな葛藤が自分の中で少しあったのですが、現地スペインでこれだけの熱狂のもと、讃えられて王座に着いたのを見ると、もう部外者(スペインに住んでもいないし、アメリカに住んでもいないし、黒人でもない)はその祝福をただ受け入れるのみだよな、という感じです。5年前のことらしいし、今後はないと信じたいし、今回の事が耳に入ったスペインの人が「傷つく人がいることだから、自分はしないし、させないし、している人がいたらやめようって言おう」っていう方向に進むといいのだけど…特に番組制作側が、番組としてそういう考えをベースにしようって考えてくれるといいよなぁ、その国の基準としてセーフかアウトかってのは別に存在するのかもしれないのだけれど、全世界の人が見ている番組なので、できるだけ多くの人のセーフスペースであるために、人を傷つけない表現を尊ぶ姿を見せて欲しいなぁと思います。


(超余談!私は今回の件というより、日本でドラァグレースのフランチャイズを収録するなんてことがある可能性がゼロではないと思っていて、そのときにやらかさないか〜?ということを一番気にしています…私の世代はばりばりガングロ・ゴングロ・ヤマンバ・マンバでやらかしていたギャル世代なので…肌の色だけでなく、セクシャリティジェンダーについても日本は偏見と差別がまだまだたくさんあるので、国際的に見られるような番組を撮るにはまだ早いよなぁ、番組を見る日本の視聴者の知識がまだ育っていないよなぁ…と新フランチャイズの発表があるたびにビクビクしながら日本にはまだ早いよ!もうちょっと育つまで待っててね!という感じで見ています…日本にも素晴らしいドラァグパフォーマーの方々がたくさんいらっしゃるのは存じてますし、その方々が活躍するのは見たいけれど、まだ見る側の土壌、撮る側の土壌が醸成されてないぞという気持ち…日本のエンタメ業界に不信感があり…)


本当に観客の声援こそがこういうフィナーレの華だなぁと心から思った、という話に戻ります。印象に残ったところが3か所あって、一つ目が、4人ファイナリストの紹介がある時に、3人目のシャローンで大きなシャローンコールが起こったところ!エストレジャ、マリナが不人気ということでなく、おそらく順番が違っていたら全員にコールがあったのではと思うのですが、他の二人ではコールが起こらなかったけれど絶対ここは名前を呼びたい!と声を上げたファンがいたことで、やっぱりシャローン人気あるんだなぁ〜と思いました。そして、そのあとヴェネディタの時も同じくらいのコールが起こっていたのもまた良かった!シャローンファンに負けてられないぞ!という気概を感じました。

二つ目、メインチャレンジのプロモ公開のときに、冒頭のカルメンが王冠を置いていくシーンでカルメンコールが起きたこともグッときました。去年もね、戴冠の瞬間の動画はあったのだけど、あの時はトップ3だけ呼ばれてたし、拍手は入っていたけど観客席が映っていなかったので、おそらく関係者のみで収録してお客さんは入れていなかったと思うので(ウィナーが決まった瞬間に膨大な量の紙吹雪が降り積もったことを皆様覚えていらっしゃいますでしょうか、今見返してきてめちゃめちゃ笑った)カルメンが初代王者として愛されていたことが伝わってきたので本当に嬉しかったです。

そして三つ目、今回4人のファイナリストまで残ったけれど残念ながらファイナルリップシンクまで駒を進められなかったマリナへの声援が本当にありがたかったです。本人も悔しかっただろうし、ファンも失望しただろうし、でもこうやって会場全体がマリナの頑張りを讃えてくれたことで、なんだか少し救われるような気がしました。こういう瞬間に顔を見られないようにマスクで隠しちゃうところも、なんというかマリナらしい気がして、好きです。ニコニコするのも何か違う気がするし、悲しい顔や悔しい顔や怒り顔も違うし、その瞬間の表情を自分だけのものにするのと同時にファンへ想像の余地を残していて、すごくクレバーかつマリナのプライドを感じる振る舞いだな、と心に残りました。


楽しかったシーズンが終わって寂しいな〜なんて思っていたらこんなおまけがあって、嬉しい!でもこれで本当の本当に終わりなんだな〜と思うと少ししんみりします。とは言えこのあとs2ツアーもありますし、インスタグラムなどではまだまだみんなの活躍を見られるので、今後もちょこちょこと追いかけていこうと思います。まだ発表されてないけどフィナーレの盛り上がりからするとs3もあると思うので、期待して待ってます!