あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

Drag Race Holland Season1 episode6 "It Takes Two"感想

I'm watching It Takes Two on WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/it-takes-two

 

本当…本当に…?昨日寝る前にそろそろ坊を評価せんと怒る言うたやんか…ああ…
というわけで坊ことチェルシーボーイさんがお帰りになられて複雑な気持ちの私です。ええ〜本当?本当に…?ううーんまだ気持ちがついていかない…

一回フラットに書きます。

ミニチャレンジの感想: 食べ物は大切に!食べ物で遊んじゃいけません!!(それだけ?)
みんな可愛かったけども〜!!

メインチャレンジはみんな大好きメイクオーバー回、特に、知らない人を連れてくるんじゃなくてその人の家族だったり縁者をつれてくるパターンのやつは本当毎回感動してばかりで、今回も例外でなくて。めちゃめちゃハートウォーミングでよかった!!
いつも以上にリラックスした表情のみんなが見られたし、ランウェイでペアの人から「どうして相方が勝つべきか」ってスピーチがあって、そりゃみんなモチベーション上がるし、愛を感じるし、自信になりますよね…ほんと素晴らしかった。

それぞれにドラマがあったけど、わたしは特にママのところにお父様が来てくれたのがグッときたよ…元々お父様はドラァグをすること自体に否定的ということではないようで、ママは小さい時からずっと髪の毛も長かったし「女性の服」を着たがったりしてて、7歳のときとか早い時点でママが幸せならばもうそれでいいって受け入れてくれてて、でももっと一般的な人生ならば目立って傷つくこともなかったんじゃないか?って、人からママが嫌な思いをさせられるたびに父として心を痛めて…そんな中、こうしてメイクオーバーされに出ることが一番のサポートだろ?って出演してくれて、30年以上伸ばしていた髭も剃ってくれて…。家族が来てくれるメイクオーバーは何回かあったと思うけれど(AS2とUKかな?)男親が出てくれるのって初めてじゃないですか…?やっぱり女性よりも男性、若年よりも老年の方のほうがドラァグされるのに抵抗があるのではと思うのだけど、そこでこれだけ堂々と出てくれるのは本当に理解があることの現れだと思うし、素晴らしいことだと思う。

それに伴って、自身のお父様は二年前に亡くなってしまっていて、最期の病床でやっとドラァグについて理解を示してくれたけどもしここに同じように居てくれたら…って思いを抱えて、ママのパパ(複雑)の勇気を称えて涙を流すジェイニーさんにももらい泣きしてしまいそうになった…普段コンフェッションで割と辛口だったり、過去の辛い話をする時も表情は平静だったりするジェイニーさんがこんなにエモーショナルになるのを見るのは(コンテスタントのエンヴィも初めて見たって言ってたけど)初めてで、心を掴まれてしまったよ…。

あとはエンヴィのお母様とジェイニーのお母様がメイクされ終わって鏡を見て嬉しそうになる瞬間もグッと来てしまった。私も40年弱女をやっていて、割と「女性的」にメイクしたり装ったりすることも好きで、でも自分が大変身!ってくらいに人に綺麗にしてもらえたことってほとんどないんだよね。自分でもびっくりするくらいの美女に変身できて、しかもそれを自分の息子にしてもらえて、ってどんなに幸せで誇らしいことなんだろう!って心から思った。
アビーの弟さんも素敵で、「兄はゲイでもドラァグしてても、男性としてのロールモデルなんだ」って語るの、なんかこう、男とか女とかじゃなくて人としての勇気だったり強さを家族として誇りに思ってるんだろうなってニコニコしてしまった。

あとね、あんまり血のつながり至上主義みたいな感じにはなりたくないけれど、なんか家族として並んでて似てるパーツがあったりするとすごく嬉しくなってしまう。ジェイニーさんの少し垂れたおめめが大好きなんだけど、完全にお母さんのおめめだったね!可愛くて仕方なかった…
でもじゃあ一人だけ家族じゃなくて親友が来てくれたチェルシーが劣ってたかっていうとそんなことはなくて(ワークルームに入ってきて抱き合う時の完全にリラックスした笑顔の素晴らしかったことよ!)きちんと課題であるfamily resemblanceを実現させていたし、今回どのペアもすごくよく家族感を出せていたからとてもレベルが高かったと思う。だから決め手になったのは着想とプレゼンテーションだったのかな、と。

今回のwinnerであるエンヴィちゃんについては、とても素晴らしかったので妥当だな、という感じ。自分の故郷のルーツ持ってくる場面として大正解だよね、メイクオーバーチャレンジがあるってオーダー時点で知ってたんだと思うけど、自分のルーツを表現する際に相手がお母様って最強すぎない?ラマに乗って登場するお茶目なところも可愛かったし、脱いだ後も素敵だし、髪型もメイクも素晴らしかった〜。

私は次に好きだったのはママ。ママにとって妊婦というモチーフがきっととても大事なものなんだろうなぁって感じる。人の営みとして根源的で、でも人の力では完全にコントロールできない神聖なもので、そして生物学的男性にとって実現が難しい妊娠という行為をドラァグで具現化すること、とてもいいと思うんだよね。今までもドラァグクイーンが赤ちゃんを産んだり妊娠したりみたいな表現はあったけどどちらかというとユーモア的観点だったから、ママが茶化さず美しいものとして真っ直ぐに妊婦姿で歩いてくれるのがとても尊いものに感じる。しかも一緒に歩いてるのがママのことを実際には産んでないけど生を与える片割れになったパパなの、本当深くないですか…?スタイリングもメイクも悪くなかったと思うんだけど、ボトム3か〜…そうか〜…

逆にあれ?二番手?ってなったのはアビーちゃんで、多分アメリカのジャッジだったらちょっとコスチューミィじゃない?って評価だったと思うんだよね。でも弟さんにきちんとタッキングしてもらってホットパンツを履かせていたところはすごく評価されるべきポイントだとも思う。やっぱり布地で隠すより出す方が大変だもんね。
ジェイニーもチェルシーも悪くなかったと思うんだけど…本当残り5人の局面になっちゃうと、これ!っていう決め手がないと厳しいね…
二人のリップシンクは、これまたもう仕方ないかな、という感じで。最初のリップシンクが抜けちゃったことや、ウィッグが落ちちゃったことや、踊りにくいドレスだったこと、いろいろな不運が重なってしまって、ああ仕方ない…という感じではあったのだけど…いやでも本当悲しい…

一番悲しかったのが、チェルシーがランウェイの評価の時に「もっと期待してたのに」って言われてたことなんだよね。たしかに今回はちょっと今までよりwowが少なかったかもしれない、でも今まで、本当今までずっとよ、ep1のエイリアンクイーンも、ep2のモノクロ2値とカラーペイントの表現も、ep3の暴風に吹かれるランウェイも、ep4の深海のダイヤモンドビスクドールも、ep5のジェンダーハイブリッドミスティークも、全部最高によかったじゃないですか。それで今回期待してたのにそれを超えてこなかった、って言ってるけど、ep1〜ep5までちゃんと期待を超えてきてたのに評価で示して来なかったのは何なの!?と。ちゃんと勝利という評価を与えないまま、ここで帰してしまうなんて…本人はすっきりした顔をしてたけど、私は本当寂しいです。

私の意見だけど、チェルシーに何かが足りてないんじゃなくて、ジャッジがまだチェルシーを評価できる場として成熟してないということなんじゃないかなぁ。アメリカ版もわりとs1、s2なんかは「女性らしい」ドラァグをするクイーンを求めていた気がして、そこからシーズンを重ねるごとにどんどんそれまでの王者とは違う新しいものだったりが求められてきて、結果s12まで来て色々なタイプのクイーンが集まってる。カナダでもこっちがおおっと思うような面白いクイーンが意外と評価が低かったりしたこともあって、その国の最初の王者として求められる像みたいなのがやっぱりあるのかなぁと。そして、オランダについては、今までのepの評価を見てて「オランダの最初のネクスドラァグスーパースター」として求めてるものが、「女性的な」「正統派タイプ」のドラァグなんだろうなぁと思う。

あともう一個!アメリカs6とかs7とか、TOP5の呪いがあったじゃないですか、TOP5で一番人気か!?みたいなクイーンが落とされて、その人がミスコンジニアリティ取るみたいな。筋書きなのかそうでないのかも含めわからないですが、なんかあれを思い出しました…

というわけで今週も色々んんー!!って足をバタバタさせたい思いはあったんですけど、いやはやなんか面白かった。今週はああそうなってしまうなら仕方ないな感があったというか、残念は残念だけどわりと納得できたというか。先週はランウェイ評価とその結果によるwinnerには疑問が多々あったのですが、サシェイについては、全体的に見ると成績の振るわないアビーちゃんでなくて、それまでは高評価だったセダさんがリップシンクで帰ることになったこと自体はめちゃめちゃ納得してたんですよね。この番組の面白さってそこにあるよなぁ、どんなに調子が良くても一回の失敗でボトムになるし、その結果のリップシンク勝負はそれまでの成績が関係なくて、純粋によかった方が勝つ感じで。今回はまさにそのドラァグレースの基準が明確になっていたのかなぁという感じで、結果はとても残念だったけれど、これよこれ、この世知辛さこそドラァグレースよ!という妙な充実感がありました。このままひりつく感じで最後まで行って欲しいなぁ。
なんと今回で4勝目を挙げたエンヴィ…(全8ep中放送済が6epで、そのうちの4勝ですよ!?)もうこのまま独走なんじゃないの!?とか思ったりもするのですが、いやいや本当他のメンバーが食らいつくところを楽しみにしてます。ぜひ。そうじゃないと楽しくないから。次回ルージカル!4人でルージカル!?人数少なくないもったいなくない!?と思いつつメインチャレンジに取られてる尺を考えると4人くらいじゃないと一人一人にスポットライト当ててられないのかな…そういえばこのままソーイングチャレンジないのかな見たかったな…とか色々思うところありつつ、来週も楽しみです。
チェルシー居なくて寂しいけど…えっ?なんで…?あんなに素晴らしいのに本当に来週いないの…?(最初に戻る

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