あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul's Drag Race UK season4 episode6 "Snatch Game - UK Season 4"感想

今週は〜スナッチゲーム!!!知ってた!魔物がいるやつ!わかってましたよ私にとってハッピーな展開になるスナッチゲームは稀なことを!!!

 

 

 

 

I'm watching Snatch Game - UK Season 4 on WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/rdruk-406

 

 

 

 

いつもの前置きですが、楽しめない理由の一つとして、まずセレブが分からないんですよね。アメリカのセレブ、分からない。イギリスのセレブ、もっと分からない。日本のセレブ、叶姉妹しか知らない。でも近藤麻理恵akaこんまりは知ってる〜!!触ってみてときめかなかったらありがとうって言って全部捨てる人でしょ、私もそうやって前のオトコ何人か捨てた〜!という捨て身のジョークは置いておいて。そんなこんなで私自身ももしスナッチゲームをやることになったらこんまりは第一候補だな、と思っていたので、アジアの星・ルフィルちゃんがやってくれて嬉しかったです。優勝!まあ残念ながら結果としては帰ることになってしまったんですけどね…(早くもこのブログの核心部に到達してしまった…)

こんまりさん、やりようによっては面白いと思うんですよね、ジャッジの言う通り、外はtidy中身はmessyみたいな二面性を出してみたりとか…s1の時にブルーちゃんがブリティッシュベイクオフのMary Berryさんをやってたじゃないですか、シェフとして素晴らしい経歴を持つ人をえっげつないドギツい下ネタでいじっていたことをよく覚えていたのですが、そのくらい意外性とパンチのある方向性じゃないと難しかったのかもしれませんね…でも世界のドラァグレースの場でこんまりさんが披露されるというそれだけで一つの大事件だったような気がします。面白かったかはさておきルフィルちゃんよありがとう…もしかしたらポッシュスパイスやってたら、メルBというゲストジャッジ加点でもう少しいい方向に回っていたかもしれないけど、でも日本人的には超感謝です。こんまりさんは喜んでるかどうかは知らないけど…まあそこは私が断捨離頑張るので許していただきたい…(だれか助けに来て、片付けられない女なの、ウッ(泣))


あとはまぁ大体知らない方々だなぁ〜という感じなんですけど、エリザベス1世は面識はないですけど世界史の授業的には知ってはいますね!ああいう歴史上の人物って乗るか反るかが激しいと言うか、きっちり受け答えで知性とウイットを出していかないといけないので、そんな中で文句なしの面白さだったのはチェダーさんの賢さがキャラクターの裏付けになっていたからだなぁと思います。メイクも衣装も世界観バッチリだったし素晴らしかった!エリザベス1世は献上された砂糖菓子の食べ過ぎで虫歯だらけで歯痛に苦しみつつ歯を抜く勇気が出なかったみたいな逸話があるんですよね、真っ黒な歯に笑ってしまいました。


あと特筆すべきはジョンバーズさん、エンヤをやろうかな…とルポールに相談したところ、聖パトリックスの概念の女性化パティちゃんをやってみたら面白くない?と提案を受け、快諾してうまく演じていたのが本当に良かったです。こうやってルポールからこっちのほうがよくない?って提案を受けること自体がかなり気に入られている証拠で(前回の鳥女の成功でだいぶ見る目が変わったんじゃないでしょうか?)提案をを固辞せず受け入れてうまくこなすことでかなりルポール加点が入るのですよね…よく柔軟に対応して、しかも面白く回していたと思います。あと顔が可愛い、笑顔で手を振られた瞬間に心臓がトキュンってなりました。


ダニーさん、そしてペッパさんは開始前からだいぶ色々考えすぎてて頭の中にハマってしまっている感じはしてたので心配してたのですが、ここはコメディクイーンとしての基礎胆力のようなものでダニーさんは爆発まではいかなくてもうまくこなし(まずビジュアルで一笑い取れて素晴らしい)、ペッパさんはやはり苦手意識に囚われてしまっていたなぁという感じですね。意外だったのはピクシーさん、こちらもコメディアン的に期待していたのですが、ちょっとコミニュケーションが取れていなかったかなと…逆にコメディクイーンだと思ってなかったダコタちゃんが確実に面白く返していたので感心しました。でも今回わりとルポールがクールだったというか、あまり回答を膨らませてくれてなかったかな?という印象だったので、その中でみんなよく頑張っていたと思います。


ランウェイは、その前の「ピンク・トライアングル」…ホロコーストでゲイの人を識別するためにつけられた印についての話から始まっての、チェダーさんのランウェイが素晴らしかったですね…私はこういうアクティビズムにランウェイを使うことについては大賛成で、こうやって主張を美しい芸術に昇華させて歩いているのを見るたびに胸を打たれてしまうのですが(当事者ではないので、だからこそ、こういう主張をしないといけない側の人たちのことを学んで勉強しないといけないよなぁと毎回考えさせられます)、ピンクというテーマの中でただのピンクの美しいドレスを着るに留まらず、これを着たいと考えて、この国営放送のプラットフォームで表現してくれることに感謝しかありません。

ピクシーさんがドラァグコミュニティにいる50代の人に「同年代の人とはつるまないの?」と聞いた時に「みんな死んじゃった」って答えられた話とか、自分たちだってあと数年前の世代だったら死んでた側だったかもしれないよね、みたいな話とか、でもダコタちゃんとしては自分の世代は過去として捉えられてるから恵まれてるなって思うとか、チェダーさんみたいな80年代生まれはまだHIVへの恐れと同性愛嫌悪のさなかで、性交渉を持つことは感染と死と結びついていて、その考え方はいまだに染み込んでいる、みたいな話とか…

研究が進んで病気に対する状況は良くなっているにもかかわらず、でもまだ人からの差別や偏見などのスティグマは変わらずにある、というのは本当に考えものだなぁと思いました。幸いこの番組のおかげでU=U(血液中のHIV量が検出感度未満の場合、他者に感染させることはないということ)とか、PrEP(曝露前予防内服によって感染のリスクを減らす予防方法。ちなみに緊急的予防方法ではありますが、曝露後予防内服のPEPというものもあります)とか知らない知識を学ぶことができて、本当にありがたいことだなぁと思います。あまりこういう話を日常的に他人とするわけではないのですが、子どもが育ってきて性教育の話をすることになる機会が数年後にやってくるので、その時にきちんと説明できるようにさらに知識を増やしておこう…


実はカラー縛りテーマのランウェイは他のものよりも遊びの幅が少ない気がして、ちょっと面白みに欠けるなあなどと思うこともあるのだけど、みんなそれぞれクリーンに決めていて素敵でした。ダコタちゃんのフューシャピンクのガウンに、目元だけばっちりピンクメイクしてあとはヌーディーに決めてるのは上級者のまとめ方だなぁと思ったし、私はピンクのウィッグに弱いので薄ピンク〜ビビッドピンクのグラデーションになってるジョンバーズさんのウィッグの可愛さにメロメロになってしまいました。ああいうプロムで着そうな感じのミニドレス大好き!唇も…可愛いよ…(薄くても…可愛かったと思うけど…可愛いよ…ジョンバーズさんのこういうアドバイスをすぐに反映させるところ、本当素晴らしいし、愛されるの分かりますよねぇ…)


ここのところずっとルフィルちゃんはボトム3で、でもランウェイで救われて…みたいな感じだったので、ついに来てしまったなぁという思いです。やっぱさぁ、スナッチゲームって同じ文化を見て育ってる人だから伝わる面白い部分ってあるだろうから(細かすぎて伝わらないモノマネみたいに)移民だったり、他の文化が強い家庭だったり、そもそもジャッジだってイギリスの人じゃなくてアメリカの人だし文化を知らなかったり笑いのツボが違ったりなんかすると難易度が上がったりするんじゃないかしら、と思ったりして…アジア系のクイーンが苦戦してることが多いのはそういう理由もあったりするのかなぁと思ったりします。


リップシンクは2人とも悪くなかった、うーん、でも個人的な意見を言うと、ルフィルちゃんはちょっとやりすぎてしまったのかなぁって。つかみのYou just walk in♪で股間にご案内するところとか最高だったんですけど、本当に最後の方にブーツを脱いで、ひらひらを出して…ってやってるあたりで、ちょっとToo muchになってしまったのかなぁという気がしました(ちなみにこれはスパイスガールズの2枚目のアルバムの2曲目が今回使われてたStop、3曲目がToo muchというハイコンテクストなジョークです)

いやルフィルちゃんは本当によくやったよ。メインチャレンジではこりゃルポールに刺さってないな、残念だけど…とかなり早い段階で悟って、でもできるだけ長く残ってくれと常に祈っていたのですが、ランウェイとそのプレゼンテーションが素晴らしくて、そこで御大の顔に笑顔をもたらしてこの後半戦まで残ったのは本当に素晴らしいことだと思います。やっぱり残念ながらスナッチゲームには魔物が住むからさ、そこから逃れられなかったのは残念だけど、それでも充分立派な成績を残したと思いますし、ワークルームでの話にも印象的なものがたくさんあって(フェミニンな姿であるとゲイの人からは魅力的だと思ってもらえなくて、ストレートの人が興味本位的な付き合いを求めてくる…的な話だとか、中国人家庭において求められる男性性と髪型の話とか…)本当こういういい爪痕の残し方をしてくれるアジアのクイーンがUK版でもやっと出てくれたなぁと感謝しきりです。(s3は個人個人への掘り下げが結構薄かったんだよね…)


いつもスナッチゲームで推しが帰っちゃうんだよね!今回も!つらい!とお嘆きのあなた。私のTLで5人くらい見ましたので、あなた1人のせいじゃないし、あなたたちみんなのせいでもないし、ただ皆の大好きなクイーンが帰ってしまったという悲しみだけ受け止めましょ。魔物は住むかもしれないけど、呪いなんかじゃないさ!

 

 

さてついに人数もスタート時の半分の6人になり、次回はメイクオーバーチャレンジ!ファイナルはさらに半分まで絞られて3人で争うのかな…?なんとなくチェダーさんは残ってくれると信じている(残らなかったらガチで泣いてしまう)、ダニーさんは次回メイクオーバーがキモだと思う、ピクシーさんはあんまり考えすぎないこと、ペッパさんはとにかくこれ以上ボトムに入らないこと、ダコタちゃんは実は当初の予想(初回リップシンク)を考えるとすごいいいポジションにいると思うけどやはりボトムに入らないこと、そしてジョンバーズさん…この人超ダークホースだと思うんですよね、本当見てて楽しい、確かにバッジには手は届いてないけど本人上り調子でニコニコだし、一番意外性のある動きをしてると思うのでこのまま虎視眈々と楽しんで残って欲しいです。総じて展開が読めないけどめっちゃ楽しい!!!みんな好き!