あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

Canada’s Drag Race vs The World ep6 "Grand Finale - Canada’s Drag Race vs The World"感想

カナザワも今週がファイナル〜!これで今年度のドラァグレース本編の更新は最後です、皆様お疲れ様でした!今年最後の更新がこのハッピーな回で本当に良かったです。

 

 

 

Estoy viendo Grand Finale - Canada’s Drag Race vs The World en WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/cvw-106

 

 


さてファイナリスト4人。膝の負傷でUKs3を途中棄権になったヴィクトリアさん以外は、シルキーはs11で、ラジャっちはASs6で、リタバガさんはカナダのs1で、それぞれファイナリストになった経験があるという実力者が残ったなぁ〜という感じです(ヴィクトリアさんも怪我がなければ残っていたのでは!?UKs3優勝の可能性もあったのでは!?)順当に実力者が残るようなリップスティックの選び方になっていたのは参加者の性格のおかげなのか、それともカナダという風土の環境のおかげなのか…?ウィナーがリップシンク前に選ぶ、帰らせる対象の名前の書かれたリップスティックが常に一致していたのも未だかつてないことでしたよね。いずれにせよ本当に順当に、平和に(視聴者としても)ファイナルを迎えることができた気がします。


さて、今週のゲストはAS4のウィナーことモネ・エクスチェンジ先生。(また友情出演価格か?とか予算を訝しがってしまういやらしい私…)番組放送前に今週のジャッジ紹介みたいな感じでオフドラァグでメガネをした豹柄のスーツを着たモネを見た瞬間に、ルポール先生かと思ってちょっと二度見してしまいました。いや全然似てないんだけど、なんかオーラというか佇まいというか…なんかOGクイーン達のカリスマ性がどんどん高まっていて、本当いつ誰がどこのホストに呼ばれても驚かないみたいな空気感出てきましたよね…!

ドラァグ姿もいつも通りチャーミングなモネとのトークタイムを兼ねてのフォトシュート。みんな自分のリップスティックをロケットにしてその上に跨って撮ったお写真、かわいかった〜!衣装、結構ミニチャレンジには勿体無いくらいの豪華さじゃなかったですか?モネが最初ラジャっちに「ドラァグレースのフォトシュートだから当然捻りあるからね、このあとそのリップスティック雄牛のように動くよ」なんて大嘘かますの最高でした。私カナダのこの最終チャレンジ前にフォトシュートやって、その写真を見ながらシーズンを振り返る形式大好き。小さい頃の写真もいいけどさ、出したくない人もいるだろうし、集大成みたいになるしこれで良くない?

 

その後ファイナルランウェイをしっかり参加クイーン全員でやってくれて本当に良かった!全員が一番力を入れて用意したであろうドレスが披露できる場があるの、本当に嬉しい。そして何よりも心身の回復を理由に途中棄権したアイシス・膝・クチュール先生が戻ってきてくれて本当嬉しい…すごく尖ったルックで来てくれるのがまた"らしい"よなぁ…インスタなんかで見ると、ドラァグレース以前のルックはどちらかというと、こういうダークな系統が多くて、出演時はだいぶ分かりやすい方向にチューニングしたんだろうな、なんて思っていたので本領発揮という感じでしたね。王者になったカナダs2の時もファイナルランウェイでいきなり変化球効かせてきて痺れたことを思い出しました。


シルキーのルックはこのシーズンで一番好きだったなぁ。4年前s11の時はフィナーレの場に立ちつつも自分が勝たないだろうことを知っていた、でも今回こうしてファイナルに戻って来れて、やっとこの場にふさわしく立てているって感じられたし勇気づけられた、しかも隣にラジャがいて…と喜びの涙を流す姿、「s11の後ドラァグをやめようかとことも考えた、でもそれを踏みとどまらせてくれたのがラジャで…」みたいな話もワークルームで聞いていたからこそ胸を打たれました。

ラジャっちもs11からの参加で、ブルックリンに「あの時からずっと見てたけど、本当に花開いたね」と言われて笑顔になるのが本当に可愛かったです。s11で帰る時のセリフが「to the moon」だったから、フォトシュートでロケットに乗って月に行くのは運命的、と語ってるのも可愛かったし、この場に立てるのをAS6のときよりもずっと誇らしく思ってると話すのも印象的でした。シルキーもラジャもs11ではヴィラン編集されていた部分もあり、本当に大変だった時期があったのを知っているし、あの頃を思うとこの2人がファイナルで晴れやかな笑顔で並んでいるのがすごく不思議で、愛おしい気持ちです。

ヴィクトリアさんの王冠ルック、最高だったなぁ!今年はカナダs3のファイナルランウェイで、インド出身のボンベイちゃんが(奇しくもイギリス女王の亡くなった日に)インドから"奪われた"コイヌールダイヤモンドをつけた王冠をモチーフにしたルックで歩いていたけれど、半年もしないうちにイギリス人のヴィクトリアさんが同じカナダのランウェイを王冠ルックで歩くなんて、興味深いことだなぁなんて思いました。スピーチでは、普段部屋に入る時、自分は求められてないなとか、場違いなんじゃないかなんて思いがちなんだけど、みんなの中では一度もそう思わなかった、と語っているのが、シス女性でドラァグクイーンとして活動する普段の苦労が滲んでくるように感じました。本当、ドラァグの魅力はジェンダーセクシャリティでは決まらないんだよってことがヴィクトリアさんの今回の活躍でどれだけ示せたことか!

そしてそして何よりも、この場を使ってのガールフレンドへの公開プロポーズですよ!!驚いた顔のヴァニティもシルキーも可愛い、「イエスっていいなよ♪」ってニコニコのラジャっちも可愛い。このプロポーズの行方はインスタやTwitterなどで見られると思うので是非チェックしてみてください、こんなに幸せな瞬間があるんだろうかってくらい暖かい気持ちになれるので…!

リタバガさんはカナダs1では緑色の肌のエイリアンプリンセスでフィナーレを迎えて意表をついてきましたが今回はゴージャス衣装でしたね。私はs1の時チームリタだったのですが、彼女が語る「最初は勝ちたかったけど、オンエアされて一部のファンの人たちがリタはTop3にふさわしくない、と語るのを受け止めて、勝ちたくないと思った、そしてフレンチカナディアンのいる地域どころか家からも出たくないみたいな時期もあった、でもケベックの人たちのおかげで自信が戻って、またここに来ることができた」と語るのがとても重かったです…そうなんだよね、前回もそうなんだけど、今回もちょっと不当な反応を受けていて、素晴らしいクイーンなのになんでやねん、と私は憤っています。ほんとなんなんだろう、素晴らしいクイーンじゃんね。

 

この後untuckedでアニータさんがいう通り、4人ともスピーチが良かった、みんなそれぞれのドラァグレースの歴史を抱えてるよね、という感じで、それぞれの挫折、自信の喪失を超えてこのフィナーレに立ってるんだなってことが伝わってくるようで、4人とも素晴らしいなぁと思いました。カナダのシーズンは本当、人のこういうエピソードを自然に引き出してくるんですよね…みんなのこと好きになっちゃうじゃんね…そういうところ番組作りとして上手だなぁと思います。みんな出て良かったと思ってくれてるといいな…


untuckedでみんながアイシスを気遣ってるのも良かったし、このシーズンのポークチョップクイーンであるケンダルがスクリーンタイム欲しさに「爆弾発言があるんだけど〜…うっそっぴょ〜ん!」ってするのも可愛かったし、リタバガさんとシルキーが正直に同盟の話を暴露するのも面白かったし(笑い飛ばしてくれて良かった)ヴァニティがSRVの2人が残って黒人の若い子たちにたくさん影響を与えてくれるのが嬉しいって語ってるのも、ステファニーがラジャのリップシンクはショーみたいだから二回戦ってほしいな〜なんて言ってるのも、全部全部平和で良かったです。違う国、違うシーズンから集まってきてる人たちだけど、本当に穏やかに自然に、仲間としての繋がりができたよなぁ…と改めて実感しました。


リップシンクスマックダウン、今回は1人ずつ箱を選んでリップシンクする曲を決める、みたいなくじ引きでの対戦相手決めだったので、フェアといえばフェアだったのですが、第一戦目でヴィクトリアvsラジャという私が決勝で見たかった組み合わせ、第二戦目もシルキーvsリタという好カードに決まって、特に一戦目はどっちを応援すればいいのよ!という悲鳴をあげてしまいました。

2人とも良かったけどラジャっちの気合いがすごかった…!s11でのアサシンっぷりを思い出しました。完全に音楽に乗ったキレのあるパフォーマンス、素晴らしかったです。ヴィクトリアは私は本気で冠を取って欲しかったのでここでの敗退は残念で仕方ないのですが…!


2戦目、シルキーはこういう時にパッと見て目を引くようなアイコニックな動きを入れてくるのが上手だなぁ!歌と歌の合間の部分で腕をガガガって動かす部分、思わず唸ってしまいました。リビールのタイミングや場所も完璧だったし、最後のダメ押しの小物も可愛かったです。

リタバガさんもここまでのコミカル路線ではなく、ガチでリップシンクに向き合っていて、私はs1の抑えた怒りを表現したリップシンクが大好きだったので、こういうリタバガさんを見られるのが嬉しかったです。(もちろん茶目っ気のある時も最高なのですが!)


ファイナルリップシンクアメリカs11のラジャっちとシルキーとの対戦になって、それをs11仲間のブルックリンがカナダにてジャッジするというのは面白い巡り合わせだよなぁと思いました。同窓会じゃん。リップシンクアサシンとリップシンクグルの対戦というだけあって、2人とも良かった、シルキーは間奏部分のお尻プリプリがまた最高に印象的だったし、ラジャっちは本当いつも、実際にその曲を歌っているかのような、歌詞が届いてくるリップシンクなんですよね、どっちが勝ってもおかしくない、心からそう思っていましたが…!ラジャっちが勝った…嬉しい…!!


UK vs the worldの時は、本シーズンの時にまだ熟しきっていなかったクイーンが成長を見せて冠を掴んだ、という感じでしたが、今回は本シーズンで魅力を出しきれなかったクイーンがオルスタでその真価を人々に伝えることができるも優勝には一歩届かず、今回信頼できる仲間達の中でリラックスして挑んで掴んだ王座…というように感じました。今回トップ4みんなそこまで勝負に対してガツガツしていなかったような気がして、それぞれ苦しい時を超えてきたクイーンだからこそ「自分がどう足掻こうとも、最終的には天運(正確にいうと番組の意向なんですが)に任せるのみ」ということをよく理解して、全力で戦いつつも穏やかに身を任せていたような気がします。なんだか未だかつてない荒れないシーズンで珍しいなぁと思いつつ、そんなシーズンの王者に本シーズンで力みすぎていたようなクイーンが選ばれるというのもまた面白いような気がします。

また、AS6で他のクイーンがデザイナーに依頼した絢爛な衣装を多く持ち込む中で、ランウェイ衣装は大体自分で作ったよ〜お金もあんまりかけてなかったよ〜という痛快さを感じさせてくれたラジャ、今回も(少なくとも今インスタに上がってる分は全て)自作衣装で揃えてきているというのも、金とコネの殴り合いのランウェイになりがちなオルスタ的システムの中でももっと評価されて良いと思います。いや〜格好いいなぁ…


Runner upになったシルキーも、もうすっかりs11のヴィランのイメージも薄れたでしょう。本当に最後までどっちが勝つかわからなかった!アイシスが去った後に、残された皆と手を取り合って導きの言葉をかけていたことが一番印象的でした。ずっと前半不安そうな顔をしていたAS6に対して、穏やかな表情で、ハートウォーミングなところがたくさん伝わってきたいいシーズンだったなと思いました。

リタバガさんはこのあとドラァグレースベルギーのホストとしての活躍が待っているので!今回見せてくれたような、少し俯瞰的位置から落ち着いて出てくる愛情が伝わるようなホスティングを見せてくれたらいいなぁと思います。背筋を伸ばして、その思慮深さと落ち着きを持って世界を魅了して欲しいなぁ。

ヴィクトリアさんは、トラックレコード的に一番良かったというのが本当に誇らしいし、たくさんドラァグレースで成されてなかったことを成して歴史を塗り替えていってくれたし、何よりも最終的に超幸せを掴んだ時点で優勝なので…!惜しむらくはもうちょっと賞金をあげて欲しかったなぁという感じなのですが、でも副賞でもらっていた旅行はきっとハネムーンになるのかな、なんて思うと、幸せで顔が綻んじゃいます。


インスタで改めてリップシンクを見てこの人がスマックダウンに残っていたらマジ分からなかったぞ…と苦笑してしまったヴァニティ、途中離脱を選んだけれどその威厳と美しさと素晴らしさを世界に納得させたアイシス、唯一のミスコンジニアリティの参加で、今回ももしかしたら受賞しちゃうんじゃないの?と思わせるいつも愛らしいアニータ、残りたいというガッツを見せてくれた、そして唯一のアジア勢として最後のドレスも袖が特徴的なフィリピンのテルノを選んでくれたステファニー、なんと控えクイーン枠だったらしく、準備はしていたものの出演が決まったとが伝えられたのが出発の直前だったらしいというケンダル、本当に大好きなクイーンが集まっていて誰を応援すればいいの?なんて最初困ってましたが、最後まで全員を大好きで全員を応援できたシーズンだったなぁと思いました。

一年の締めくくりがこの素晴らしいフィナーレで良かったな、来年もまたたくさんの素晴らしいシーズンに出会えますように!