あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

The Boulet Brothers' Dragula: Titans Season 1 episode 9 "Grand Finale"感想

(日本からは鑑賞しづらい番組のレビューをネタバレありで書いていますので、ご注意ください!メインチャレンジであるフロアショーはyoutubeで見られるので、感想の途中にリンクを貼っておきます)


ついにフィナーレ!

今回は今までのフィナーレの定番の形式である「Horror, Glamour, Filthをそれぞれ体現する三つの表現を見せる」という課題ではなく、その全てを融合させて1つのパフォーマンスとして見せる、というのが最終課題でした。これは賛否両論あるかなあと思うのですが、例えばグラマーはAさんが1番だけどホラーはBさんが圧倒的、でも全体通してバランスよく魅せられたのがCさん…みたいに割れることもあるじゃないですか、なので、1つに集約させて全体の総括を行うというのは悪くないのかな、と思いました。ちょっと気になったのは今回のシーズンだけでなく、その人の参加したオリジナルシーズンの成績も加味すると言っていたところで、そうするとファイナリストになっているヴィクトリアとホソさんに対して圧倒的にココが不利すぎるのでは…?というところ…(過去シーズンからの成長度合いを見せられるという点はある種のアドバンテージにもなり得ますが)私はそこはこのシーズンの表現だけで見て欲しかったなぁというのが正直なところです。


それぞれのパフォーマンスの準備に入る前に、ポッドキャストの収録がありました。

成績がいいと一度もやらなくて良かったりするエクスターミネーションチャレンジのような苦行を今回は毎回課題の頭にフライトフィートとして持ってきていたことは、みんなその苦しみを越えてでも掴みたいものがあるから逃げずに取り組んでいたんだよね、とか、それぞれの話が色々聞けて良かったです。


ホソさんについては、毎回飛行機代かかるんだけどアメリカに拠点を移す気ないの?という問いに、今のところそのつもりはない、韓国で自分のレベルで同じようなことをやってる人がいないから現地の人に影響を与えたい、とはっきり言ってくれたのが嬉しかったです。あと4年半付き合ってるパートナーがいたとしても(この番組で話題になったラブトライアングルを含め)他の人とロマンティックな気持ちになったりロマンティックな関係になることは2人の間の関係性とはまた別の話だよね、みたいなこととか(日本のガチガチの家父長性観念の中での婚姻関係だとそういう考え自体許されないので、それを口に出せることがどれだけ痛快なことか…!)お母様がフェミニズムを大学で教えてるみたいな話とか、ホソさんのクールだけど芯のある性格の元になるものが伝わるような話が聞けて良かったです。


またヴィクトリアは(お友達が前髪がうさぎちゃんみたい…って書いてるの見てからすっかりヴィクトリアを見るたびにセーラームーンちゃん…って心の中で思ってしまうのですが)3人のドラァグドーターがいて、さらに多くの孫がいて…とかなり大きな影響力を持ってるよねという話(堕胎しとけば良かったとか思わない?s2でドラァグドーターなんて持つもんじゃないよ、吸い取られるばかりだよって忠告したのに〜なんて冗談混じりで)とか、今回のメンツで1人ビンタしていいならアストラッドかなとか、ドラァグしてない時のお仕事であるユニバーサルスタジオでのハロウィンホラーナイトの招待券ちょうだいよっておねだりされたりとか(ホソさんから賄賂やん!って突っ込まれつつ)s2のあと作ってもらったブレストプレートお高かったんだけどまけてくれても良かったんじゃない?ビッチ勝たせたからそういう仕打ちするの?とか(本人としては値引きしたつもりだったらしい)わりと和やかな話で終わって。ピラニアたくさんの池の両側に高い建物を作って、繋ぐ橋を歩かされる…みたいなエクスターミネーションチャレンジが今後あったらそれはヴィクトリアのせいだなぁと思いました。


ココはパジェント出身ということで、男性部門でも女性部門でも出演していたとのこと。ちょっとこの辺り英語が難しくて読み取れなかったのだけど(すみません!なんかココさんの英語だけ難易度が高い気がするんですよね…)パジェントではまず勝つよりも負けることから始まって、いざ勝った時に「はい、これが冠でこれが賞品ね」って色々物質的に得ても、自分が優勝者として君臨する際に結局自分のやるべきことを示してくれる人がいるわけではないし、結局王者という立場があったとしても、なかったとしても、自分が自分でやりたいドラァグをやるという本質は変わらない、まあお金や立場があれば楽になるけどね…みたいな話をしていたと思います…多分!あとは嘘発見器で判明したトキメキのあった相手がイヴァだということが分かったり、「ちゃんとホラー感だせるの?また魔女の笑い声やってみて?」って言われてティヒヒ♪の再来になっていたのが可愛かったです。総じて平和なポッドキャスト収録でございました。(ところでココさんの正装姿があまりにホットでキュンとしてしまったのは私だけでしょうか、普段のクールな装いとグラマーな美女からのギャップが…!)


さああとはフィナーレに向けて各自見せたいステージを構築していくだけ。それぞれの構想のもと、淡々と準備を進めていくのが小気味良く見えました。本当それぞれの個性あふれるパフォーマンスになりました。正直全員分合わせて一曲分にまとめて編集されちゃうと見たりないよ!本当は1人ずつのパフォーマンスをそれぞれじっくり堪能したかったよ…!


https://youtu.be/dp09iQwylzE


ヴィクトリア…まず冒頭、幼い頃の自分のビデオを見ている男性から心臓を抜き取り、それは集めてきた「完璧な人間を錬成するためのパーツ」の最後の一つだった…という出だしが秀逸。バラバラのパーツを繋ぎ合わせ、電気ショックを与えると、それが完璧な人間となってショーを始める…という物語性が最高でした。horrorかつfilthが罪深くも表れていたと思います。何よりもあの手の込んだ大道具と小道具の数々が作り上げる世界観が最高…!自分自身の衣装やウィッグ、メイクを作り上げるのでなく、周りの造形を固める方に注力することで出てくる説得力が良かったと思います。1人だけ制作過程のスケールが大掛かりすぎてちょっと笑いました、建築じゃん!(危ない工具を使う時はもう少し防護服とかマスクとかつけて欲しい!)

曲に入った後のダンスもエレガントで素敵だった(それこそglamourの体現かもしれません)、でもヴィクトリアについて惜しいなぁと思ったのが、曲が始まる前の人体錬成シーンの部分に全体のピークが来てしまっていて、その後のパフォーマンスが少し霞んだように見えてしまったことかなぁと思いました。いや、素晴らしかったのは間違いなかったのですが…!あとマッドサイエンティストの前半パートと、錬成後の服との服の色味が違っていたら、もっと「完璧な自分が出来上がってそっちに乗り移った」というのがわかりやすかったかもなぁと思いました。


ココ…今回一番パフォーマンスの中でHorror, filth, glamourの融合が体現できていたのがココなんじゃないかなぁと思いました。出だしの首から血を吸って男性を瀕死にさせてるところ、恐ろしすぎて最高〜!!!女郎蜘蛛、という誰もが分かる、不気味で畏怖されるような存在をココのセクシーさで表現してくるところ、ぴったりだなぁ、いつもの大きな胸と、それにまけないくらいの大きな臀部、そしてそこから生える蜘蛛の足…というルックがもうグラマーさ満点で素晴らしかったです。血を吸い終わってもう興味がなくなった男性のお尻をペチンペチンして弄んでるのも捕食者の残酷さを表していて最高だったし、途中腰を落として歩くと蜘蛛が歩いてるかのように脚がワサワサするのも良かった。他の2人が男性ダンサーを引き立て役のバックダンサーのように扱うのに対して、ココは不気味さを表す死体(もしくは瀕死体)として放置してるのも、自分1人でステージを掌握している強い女郎蜘蛛の感じがして素敵でした。


ホソ…ホソさんはやりたいことやっとるなー!!という感じでした、それでいい、フィナーレまで来たら自由なんだから自分のやりたいことやるのが一番ええ!と背中を叩きたくなってしまいました。Horror, Filth, Glamourの観点では一番分かりやすくない形で提示していたかなと思いますが(まあ虫というだけである意味私にはHorrorですが…)不気味な繭を破って、洗練された虫として生まれてきてパフォーマンスするという物語が本人の道のりというか、ここまで来た上で表現したいものなのだろうなぁと思いました。他の2人と違いピークを初めに持って来ずに途中のリビールに持ってきたことと、リビールした後の振り付け付きのリップシンクが力強く素晴らしかったです。あと最終的に繭の一部を武器にして周りにいたバックダンサーたちを薙ぎ倒していくのですが、それも虫の世界の弱肉強食というか、多数存在する集団の中で強い個体しか生き残れないみたいな残酷さを表現しているようで良かったです。


…というわけで三人三様で素晴らしかったんだ…!Boulet Brothersも全員を褒めてるし、どうすんの、優勝どう決めるの?と思っていたら、全員の遺影の中をカメラが進んでいき、最終的に立派なお墓の前に辿り着き、カメラが上に上がると優勝者、ヴィクトリア・エリザベス・ブラックの写真が写っている、という感じの優勝者発表で終わりました。

あれ…なんか…あっさりしてるね?もうちょっと…なにか…冠とか被せるとか…血とか浴びせるとか…本人不在なんだ…あれ…みたいな呆気なさでシーズンが終わってしまって、ちょっと消化不良感が残ってしまいました…もったいない…もったいない…

(あと皆の遺影を写してる時に一言ずつ名言が出るのですが、ヨヴスカがいいこと言った後にケンドラの「トイレットテレタビー!」が来てエリカちゃんの「ニューヨークでブイブイ踊ってたし!」と来る流れに笑ったし、アストラッドのところでは長々と何か喋ってるところをブツっと打ち切る感じにして欲しかったです、という気持ち)(そしてココとホソさんのお写真も欲しかったな…)

このシーズンは基本的にエクスターミネーションなしで処刑台からの落下での退場だったので、去り方があっさりしているな〜と思っていたのですが、最終回までそれを超えてあっさりしているとは…通常シーズンの処刑シーンが怖くてキツくて最高なので、そういうドラマ要素がもう少し欲しかったなぁ〜と思いました。


しかしBoulet Brothersの言う通り、このタイタンズは今までのシーズンの集大成のような存在で、ここで一旦ひと段落、ドラギュラ第一章の完結となるようなシーズンだったのだろうなぁと思いました。今まで見てきた中で好きだったテーマの再構築みたいな感じのチャレンジは見ていてとても楽しかったし、オリジナルシーズンからのレベルアップも感じられました。参加者たちもドラギュラらしさを体現する素晴らしいメンバーが集まっていて、毎週ワクワク見ることができました。

今S5に向けてのキャスティングが始まっていますが、第二章はどんな感じになるのだろう?それこそエクスターミネーションなんかはどんどんエスカレートすると大変なことになるから安全性を担保しつついやらしいやつをやってほしいし、結構Horror, Filth, Glamourの三原則から外れているような表現も増えてきているし、どうやってドラギュラらしさを残しながら新しいことを取り入れていくのか、とても楽しみにしています。

 

最後になりますが、海外在住のお友達の力がなければ私は見られなかったので改めてありがとうと伝えたい…!DMで感想やりとりするのも楽しかった、本当にありがとう!(私信)