あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul’s Drag Race Season11 episode12“Queens Everywhere”感想

前回のあらすじ

ルーから「誰が帰るべきだと思う?」と全員が聞かれ、シルキー、アケリア、ヴァネッサのドリームガールズの3人から名前を挙げられてしまうイーヴィ。理解者だと思っていたニーナもイーヴィの名をあげ後味悪く去っていき、親しくしていたと思っていたブルックからも「シルキーの名前を挙げたけど、イーヴィよりシルキーのほうが近しいと思っているし」と心の距離を感じさせる一言を投げかけられ、4対1で孤立するイーヴイ。TOP5からファイナルに進めないのはあと一人、果たしてどうなる…!?頑張れイーヴィ、負けるなイーヴィ、視聴者は君の味方だぞ!!(ドラマチックな音楽)

今回の導入

…開始5分でなぜか丸く収まってしまいました。(ズコー)えっ??そんなにあっさり仲直りしちゃうの!?

ここまでかなりのエピソードを割いて燃え上がらせて最高潮にしたイーヴィを起点にした不仲感を、まさか開始10分も経たずに鎮火されるとは思っておらず。 解決したとはいえ、あっさりしすぎててまったくカタルシスがない…! でもまぁtop5まできてギスギスしてるより全然いいんですがね!うん!よかったよかった! (やけくそ)
あと特筆しておきたいのが、ドリームガールズだし一番シルキーと仲が良いといえど「リップシンクひどい、ニーナと二人とも落ちるんじゃないかと思ったわよ!」ってちゃんと指摘できるアケリアはやっぱりいい姐さんだなぁということ…

最後のメインチャレンジ

今回はファイナル直前、最終課題なのでミニチャレンジはなし。毎回恒例、ミュージックビデオを収録するぞ!ついでにルーとミシェルがやっているpodcastも収録するぞ!という感じ。トドリックの白黒半分の髪型かっこいいね〜!

ミュージックビデオの頭、最初アケリアのパートからで、ラップも振り付けもめっちゃ手こずってる感じだったのでヒヤヒヤしてたけど、本番でバシッと決めてくるの素敵すぎる!!度胸がある人大好き!
後半の黒髪ウィッグ可愛かったし、基本的にツン!としてるけど最後にニコォ!って笑ったのかわいすぎた…好き…

どうでもいいけどこのつぶやき色んな人が同意してくれて嬉しかった。

続いてブルック。決して悪くなかったと思う。いつもどっちかっていうと炎メラメラ!って感じではなくて、でもそのスマートでクールなところがブルックの良さだと思うんだけど、それじゃダメって言われてしまうと難しいね。私はエレガント女王様で素敵だったと思うんだけどな…ラップだし、もっとBad ass bitchな感じが求められていたのかもしれない。

シルキーは私が見たかったシルキーを久々にやってくれた!っていう感じ!それだよ!!それ!!!バイーンバイーンって蹴散らして出てくるの最高だった!!ルージカルのオプラ役とかドラァグリンピクスの時とかの、目が離せないようなエネルギーを見せてくれて嬉しかった。パンツはね!見えたけどね!仕舞っておいて欲しかったけど!でもそのエネルギーだよ!! シルキーのよさがビシッとチャレンジの中にハマってないことも多かったけど、最後の最後で見たかったものが見られた気がして、なんかとっても痛快だった。細部にちゃんとこだわりなよ、って思う気持ちはずっと持っているけど、細部なんでどうでもいいくらい勢いがあれば許されるんだな、そこが審査員が評価したシルキーの良さなんだなって、何となく腑に落ちたのでした。

ヴァンジーはレコーディングが面白すぎて最高だったし(ラカカカカカ!ヴァ!最高すぎた!)振り付けのときも生き生きしてて最高だったのにどうして本番だと固くなってしまうの…?なんでもヒールが壊れていたとかそういう話らしいのだけど、本当にもったいない…!あとヴァンジーはオフドラァグのときはめちゃめちゃ表情豊かでニコニコでキュートなのに、ドラァグになるとラテン能面になってしまって、すごく表現が狭まってしまうからそれがすごく残念。もっと楽しんで、ポジティブなエネルギーを出せる人だと思うんだけど…

イーヴィはラップも最高だったし、パフォーマンスもラップと合ってて本当によかった…!自分のできること得意なことと、思ってて伝えたいことをちゃんとリンクさせて見せられてて本当に格好良かった。トドリックの振りつけも、この歌詞で、こういうことができる人だからそれを活かそう!っていうのが一番伝わってきて、一番普段通りの自分の良いところが見せられていたと思う。しびれたよ!

ランウェイ

久しぶりにカーソン・クレスリー登場。このシーズン、ランウェイの出来での加点減点があんまり成績に加味されていないような気がしていたけど、ファッションスペシャリストのカーソンが不在だったからってのもあったのかもしれない。カーソンの柔らかくて、でもたまに毒があって、時に変態的なコメントが好きなのでもっと見たかったなぁ。

ブルックの白鳥衣装、上品でよかった!s2のサハラのウェディングチャレンジのときの衣装みたい、って言われてたけど、それよりさらにエレガントで、肌を出さない感じがブルックらしくて、清潔感と高級感があってよかった。ここにきて「ベストドラァグ」というテーマで自分の原点であるバレエを持ってくるところに意地と誇りを感じて、とてもグッと来た。脇汗のことは気にするな!!!

シルキーはドレスとしては悪くないのだけど、オレンジランウェイとスパンコールランウェイで見ていたのと同じようなガウンだ~という感じ。そして「ベストドラァグ」ってテーマなんだから自分のもの使いなさいよー!と、見慣れ過ぎたアケリアのウィッグをあからさまに借りてるのを見て思ってしまった…それぞれ貸し借りしても全然いいんだけどあのウィッグはちょっと特徴すぎかつ頻発しすぎていた…別にドラァグレース出るためにいろんな人から色々借りたとか、200万借金したとか聞くとそこまでしなくていいのよーって思うんだけど、でもこの最後の最後のランウェイで、自分のベストを見せろって言われてる時に人の使うのはちょっとどうかなぁ…と思う。

ヴァンジーは可もなく不可もなく、またレオタードじゃなくてよかったわぁくらいの感じ。形もわりとシンプルで、飾りもあんまりなかったので、ちょっと思ってたよりもあっさりしすぎていたかなぁ…

イーヴィ。ミュージックビデオのパフォーマンスも一番良かったと思うし、ランウェイも間違いなくトップだった!全部”odd”なの、見た目の面白さもそうだけど、思想と意志がしっかり現れてて、それでこそベストドラァグという感じだったし、ジャッジが見たいと思っていた「綺麗目・グラマー」も打ち出せたし、本当にまったく非の打ちどころがなかった。思想と表現ががっちり一致することの価値の高さを最終課題でやってのけるのが本当にすごいと思う。残念なことにこの最終課題は毎回トップを決めないでウィナーを出さないようになっているのでイーヴィはここまでのウィンがep2の一つだけ、ということになっているのだけど、本当に今回は断トツで良かったから勝ち星を付けてあげて欲しかった!!

アケリアのガウンは流石パジェント!!という感じで、私の好みストライクだった~!下まつげを含めていつもより化粧が濃いめだったけど、プロモの時のメイクみたいで、彼女なりのアイコニックなメイクなんだろうなぁと思う。私はとても好き!猫目でまつげビシビシで目力ある中で眉が上がりすぎてなくてあんまり主張しないのがいいんだよ… あと毎回彼女のお胸の作り方がだいすき!!盛り上がってはみ出してるところを触りたくなるような柔らかそうな感じが毎回素晴らしい… 。髪型のバランスとか衣装とか、本当彼女の得意ないつもの形だから見慣れちゃって面白くない~っていう評価も一理あるけど、ベストドラァグに自分の自信のある表現を持ってくる感じがまたアケリアっぽくて良かった。前回のメイクオーバーが無難だったからそこでもう少し冒険していてくれたらよりよかったんだろうなぁ。
あとアケリアがセーフで名前呼ばれた時、さらっとども…って感じで抜けるのがハート強くて最高。

全員のランウェイが終わった後、「ちっちゃい頃の貴方に今のあなたから何かアドバイスをするとして、何を伝える?」っていうインタビューがあったけど、そのインタビューも嫌いじゃないんだけど、他のシーズンでちょくちょくやっている、どうして他の人じゃなくて貴方がネクスドラァグスーパースターになるべきなの?っていう質問を聞いて欲しかった。あのスピーチこそそれぞれの心意気と覚悟が見えて好きだから残念だったなぁ。 

リップシンク 

もう途中からあーーストーリー的にどうしてもブルックとヴァンジーリップシンクをやらせたかったんだろうなぁ!はいはい予定調和予定調和と思ってしまったけど… (ブルックはメインチャレンジもランウェイもジャッジの評価が低すぎないか?と思ったので、仕組まれた感を感じてちょっとやだったなぁ)

ブルックはランウェイの衣装そのまま、バレエで全編リップシンクする決意をしていて、曲と表現があっていないかも?って最初は思ったけど、途中からバレリーナの意地だなって受け止めることができて、彼女の確固たる芯の部分が見えて、心意気が伝わってきた。リップシンクの表現自体はep8でイーヴィと戦った時のアクロバティックな感じのほうが華やかでいいのかもしれないけど、怒りのような、いら立ちのような情熱的な表現がとてもよかった。ちょっとだけ表情の作り方からs9のサシャを思い出したよ…
ヴァンジーは今までに勝利なし、リップシンク2回と成績的に厳しい中、だいぶ不利だったと思うけど、エネルギーに溢れててよかった。私はここに残りたい!って意地が伝わってくるリップシンクだったと思う。

終わった後に二人がキスして、キス終わった?と思いきやヴァンジーが唇もっかい出してもっと!って要求するのかわいくてかわいくて。untuckedでもリップシンクのために出てくる直前にキスをしていて、あ~ドラマティックってこういうことか…って思ってしまった。 またこの時の照明が効果的でいいんだよね…謎の唇の形のやつ…

そしてヴァネッサの退場シーン。なんであんなに面白いんだ!!最高じゃないか…これだけ愛おしいと思われて退場していくクイーンなかなかいないよ…来るぞ来るぞ、と思って、それを裏切らずに面白いことをやっていく感じ、本当にこれぞミス・ヴァンジーという感じで、そりゃあ皆好きになっちゃうよなって思う。ヴァネッサにはできるだけ長く残っていてほしいと思いつつ、でも退場シーンも見たかったんだなっていう複雑な気持ちを持っていたんだなぁと改めて感じた。s10初回退場のことを思い出せば思い出すほど、よくここまで頑張ったなぁ…と感慨深くなってしまう。

ファイナルに向けて

ここまでチャレンジ3勝(ep1、ep5、ep11)のブルック、2勝のシルキー(ep4、ep8)とアケリア(ep6、ep9)、1勝のイーヴィ(ep2)でファイナルへ進むことに。(イーヴィは個人的にはep7でも勝ってても良かったと思うし今回もがぜんTOPだから劣ってるとは全く思ってないけど)このシーズンは後半本当にジャッジと気が合わなくて、あ~なんらかの番組からの作為があるんだろうなぁと感じつつも、まぁ与えられた筋書きを楽しもうって受け入れてみていたので(受け入れているといいつついまだにシュガとニーナの脱落にぶーぶー言ってるけど…)TOP4みんな頑張れ!でもまぁ今までの評価的にはブルック、展開の流れ的にはイーヴィのどちらかがタイトル獲るんだろうなぁ、ダブルクラウンでもいいよ~という感じで見つつ、推しのアケリアを応援するぞという感じ。でもやっぱり、推しが番組の作為で不当に扱われた人とか、このTOP4を飲み込めない人も少なくないだろうなぁ、それも仕方ないよなぁと思っていた。案の定、この回が終わって、公式ツイッターやインスタなどで応援してるクイーンをハッシュタグで教えてね!という毎シーズンやっている視聴者の反応を求める動きがあったのだけど、ツイッターリツイート数でシルキー500回、アケリア1800回、ブルックイーヴィ1万1千回、イーヴィ2万2千回と超大差がついてしまっていたのでした。

シルキーはリツイート数は最小なのに、「シルキー以外を応援してる」「なしだね」みたいな負のコメントが千件以上ついてしまっていて、見ていてとてもしんどかった〜!私もシーズンの中でなんでこんなんなの〜?って思うこと何度もあったし、クラウン取ったら納得いかないなぁ、top4の中では最も推してないなぁ、と思っていたけど、でも批判を本人や公式に当てて言う人がたくさんいてちょっと見ててキツかった。各自感想として呟くのは全然構わないけど本人にも分かる形でつぶやくのは個人的にはなしだなぁ…

 テレビの編集的にシルキーのハートの優しいところや、脆いところにクローズアップするのがここ二回くらい?で、それまでは傍若無人で押せ押せなパーソナリティばっかり見せられてたから、最後まで行く前に見限ってしまう人も多々いただろうなぁと思う。一度悪印象がついてしまうとそれを拭うのはとても大変なので、制作側はもう少しシルキーにドラマを集めない編集にした方がよかったんじゃないかなぁ。(それ以上にジャッジを公正にするべきだったとも思うけど)視聴者は辛抱強くないから途中で嫌になってしまったら見なくなってしまう、ということを理解しているのか疑問が残ったのでした。
あとシルキー本人も、批判を受けた時に居直るような態度をすることがあって、それが放送の中だけでなく、放送を見た人のツイッターなどでの反応に対しても開き直っちゃったのも良くなかったよね…人の話を聞いて歩み寄る姿勢や、良くなかったことは受け入れて謝罪を見せていたらもう少し違っていたんじゃないかなぁと思う…。

s7のときも、とても素晴らしいクイーンなのにケネディが大人気のカティアを負かしたことで批判が集まって、お仕事が来なくなってしまった…みたいなことがあったと聞いた。それを知って、結局topにどれだけ近づくかよりも、どれだけシーズンの中で愛されて、その後の仕事に繋げられるかどうかがトータルで「勝ち」なんじゃないかなと思ったし、このシーズンが終わった後もみんなの人生は続いていくんだから、放送後の人生にも影響することを理解した編集をしたり、本人の態度を決めたりしてほしいなぁって思った。もちろん過去シーズンでもヴィランを引き受けて、時が経ってから評価されて愛されてる人も何人もいるので、そうなってくれればいいんだけど、それにしてもクイーン個人にヘイトが集まっても結局番組側がフォローしない形はもう少し改善するべきだと思う。

さてこの次の回はリユニオン。リユニオンの収録はファイナルの収録が終わった後、ということで、もうクイーンたちは優勝者以外は知ってる状況だけど(ファイナルでは決勝に残った人分だけの戴冠シーンを撮っておいて、放送日当日までどれを放送するかわからない…という形にしているので)色々人間模様の方で解決があるといいな、と思っていたのでした。久々の全員集合、華やかでいいぞ〜!