あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul’s Drag Race Season11 episode7“From Farm to Runway”感想

帰ったスカーレットに対して、鏡のメッセージも読みたい人が読めば~?彼女みたいに鏡占有しちゃってやだね~と悪態をつくラジャからのスタートで、前回のサシェイに少しもやもやが残ってた身としてはなかなか胃の痛い始まり方…でもラジャもボトムに3回入って精神的に参っててそろそろ危ないねって他の人に思われてて、それはそれでしんどいだろうなぁ…Season11も折り返し地点、人間関係も含めてなかなか煮詰まってまいりました…

ミニチャレンジ

アメリカといえばでっかいオッパイ!ということで、ボインにドラァグして麻袋を脚に履いてのピョンピョンレースを行い、スローモーション再生して一番バインバインしてた人が勝ち!というチャレンジ。放映当初、このチャレンジに対して不快感を示していた人を何人か見かけたのだけど、女性の大きい胸を笑い者にする!みたいな感じでちょっと悪趣味だなぁ〜と私も思った。実際に胸が大きくてからかわれて体育が苦痛だった人とかが思い出して嫌な気持ちになる人もいるんじゃないかなぁ。あとシンプルに痛そう…ドラァグだと詰め物飛んでいくだけで済むけど、人体にくっついているおっぱいは飛んでかないから笑えないくらい痛いんだよ…そしてwinnerのニーナとシュガにあんまりメインチャレンジにつながる恩恵がなかったのもちょっと寂しかった。

メインチャレンジ

農場直送・オーガニックな素材を使って衣装を作るというソーイング(というよりむしろグルーイング?)チャレンジ。ep1、ep5ときてep7にしてすでに3回目、なんか今シーズン前半に集中して衣装製作チャレンジが多いね。材料の素材の中に豆とか葉っぱとかドライフルーツとか食べられるものがいっぱいで、もぐもぐ食べてるシュガが本当かわいかった!

ルーがワークルームに訪ねてきて進捗確認をするのはいつものことなんだけど、わざわざ「誰が帰ると思う?」って聞くの意地悪だ〜。今回のシーズンはわりと平和だから争いの種を作るために聞いてる感じあって、いけず〜!!って思う。(アケリア姐さんはだれが帰るべきか?聞かれて、成績下位じゃなくて自分より勝ってるブルックを挙げるのがらしいな〜と思って好きだし、うまく逃げたなぁと思う)誰だって名前挙げられたら嫌な気持ちになるし、特に自分がうまく行ってないときは凹むし、 そしてその燃料にまんまと率直愚直イーヴィが引っかかって正直に火を注ぎに行っている感じが…後述するけど本編はとにかくとして、今回untuckedがとにかくしんどいのでした…

プラスティークが個性が薄いって言われて、それはベトナム系の家で生まれ育ってドラァグが理解されない文化だから抑えざるを得なくて、家族を傷つけるくらいなら言いたいことを言わないでいよう、と隠す癖がついたから…と感極まって泣いてしまって、それをルーが抱きしめるところ…最近のシーズンではどんどんルーとコンテスタントとの距離が遠くなっているような感じで、ルーがちょっと俯瞰的に見ていた印象があったのだけど、久しぶりにルーの人間味があるところが見られて嬉しかった。プラスティークの言っていることもアジアに生きる人間としてすごく想像がつくんだよね。私はもめごとが起こったときに一歩引いてしまうプラスティークの性格が理解できるし尊重もできる。でもこうやってルーがそのままでいいんだよ、泣いたり、恥ずかしいと思うようなことも表に出しなさいって、主張することを肯定して背中を押してくれることは本当にありがたいことだと思う。そしてこういう時に一緒に目頭をぬぐってくれるイーヴィや、境遇に理解を示そうとしてくれるニーナは素敵だな…

アリッサ登場とカントリー・ラインダンス

みんな大好きアリッサ・エドワーズ大先生が来たぞー!わー!私も大好きでーす!!正直ランウェイのコツとかもep7になってレッスンするとか今更感あるし、ソーイングチャレンジの最中の製作時間削りのために入れられるこういう余興コーナーやオープニングアクト的ダンスとかはコンテスタントの負担にしかならないから意地悪だなぁと毎回思うのだけど、アリッサ先生のコメントがいちいち面白かったので視聴者としては満足でした。相変わらずお美しい〜!なんかs5の時はよく日焼けしてたアリッサ先生、AS2、ダンシング・ドラァグクイーンと経て白くピカピカしてきてて、あれはオーラなんだろうかレフ板が増えたんだろうか…?

カントリーラインダンスはまさに余興!という感じでそんなに感動はなかったのだけど、アケリアとラジャの可愛さ、見ました?ep4のオマローサといい、存在感がなかったわ!ってジャッジに言われるときのラジャの可愛さ、ちょっと毎回半端ないのでぜひチェックしてみてください。このダンス、前列が後列とあんまり入れ替わらないので後列かつジャッジから一番遠い位置のラジャが印象に残らなかったの責められるのちょっとかわいそうだったなぁ。

ランウェイ

ランウェイは個人的にはイーヴィ優勝!と思ったんだけど…。色味が本当に素敵だったー! 今までのoddだけじゃなくてグラマーもできるところを見せたいって意図だったんだけどとても女性的で、でも髪の毛もりもりのふわふわじゃなくてシャープな形になってるのがイーヴィらしくて素敵だった。これはあくまで私の邪推なんだけど、足の怪我のために踊れなくてバイオリンを弾いている即興演技を一人で行ってカントリーダンスが免除になってたので、ここでイーヴィを優勝させちゃうとカントリーダンスを頑張った人の中から「でもイーヴィ振り付け頑張らなかったし!」って意見が出かねないので優勝させられなかった、みたいな忖度があったのかもしれないな、と思っている。

プラスティークはやっぱり毎回形が同じなのがもったいなくて!でもシルキーが「ヴァネッサはコルセットとパンツばっかって批判されたけど他にもコルセットとパンツばっかのやつがいるじゃん」ってコンフェッションで批判してたけど、プラスティークは毎回メイクや髪型で雰囲気を変えてワンパターンにならないようにしているのがよくて、今回もヘッドピースまで作り込んでる全体感が評価されたんだなぁと思う。でも今回みたいにルーと心を通わせる瞬間がある・ドラァグマザーが来る・untuckedでビデオレターもある・とブーストかかってる回で優勝されるとちょっと出来レース感が出てしまうのでもっと別の回で勝ってて欲しかったというのが正直な気持ち…。ちなみにルーが思い出してたと言っていた1984年11月号のヴァニティ・フェアはこんな感じ(羽使いで思い出したのかな?)

ブルックは素敵だったけど少しオーガニック感が薄かったかな?と思う。でも私の中のオーガニックが枯れ草感を求めすぎてるだけなのかもしれない。かわいいしファッショナブルで一番着たい! と思った。シュガさんも色合い素敵だった~シュガさんはメイクを毎回衣装に合わせて雰囲気変えてるのがいいよねぇ。

ニーナの衣装はボトム3に入るほどひどくなくない?着想を含めてニナさんのランウェイはもっと評価されるべきだよ本当に!! 今回は色合いも良かったし、前に指摘されたプロポーショナイズも改善されてたし、悪いところなかったと思うんだけどなぁ。個人的には1回目のチャレンジの時とシルエットがあまり変わらないものを作って豆を貼り付けただけのシルキーか、ずっと指摘されてるシルエットも劇的に違うわけじゃないし、仕上がりにオーガニック感が感じられなかったバンジーが代わりにボトムなんじゃないかなぁと思ったけど、このシーズンはとにかくジャッジと意見が合わないのでした…

ラジャはパンツが引っかかったのは分かるし仕方ないけど、髪の毛とメイクは一番好きだった!このシーズンのベスト3に入る好きな感じ。茶色の樹皮の中に緑が芽生えてる表現が素敵だったし、お肌の色に黄緑がよく映えていてうっとりしてしまった。ミシェルに「グルートを見た」って言われててなんのことかな?と思ってたけどこの子で合ってる…?

アケリアのは、うん、本人も満足いってない感じの急作りだったから仕方なかったのかなぁと思う。当初の予定通りに完成してたら衣装どんなんだったんだろうなぁ。きっと縫い物できない人だったらリカバリ不能だっただろうから形に仕上げてきたアケリアはえらい。でも批評を受けてる時、いつもの飄々とした感じがなくて浮かない表情で見てて苦しかった〜。そんな中腕見せた方がいいって腕まくりしてるときに歯を見せて笑ってくれたことで少しだけ救われたのでした。

リップシンク

ep3、4あたりから今シーズンの私の推しメンはアケリアだな、と心を決めて、ここまでわりとしれっとこなしてきた中で今回ついにボトム2に入ってしまって、さぁどうなるかと心配していたのだけど…いいリップシンクだった!ダンスが得意でなくても、体が柔らかくなくても、大技ができなくても、衣装替えやギミックなしでも魅了できる、すごくリップシンクの原点みたいな表現でアケリアのリップシンクにとても好感を持ったのでした。正直ね、ラジャはもっとできたと思う。今までのリップシンクに比べてだいぶ闘志が落ちているな、気持ちが折れてしまってきてるな、と思ってしまってちょっと辛かった。もしかして麻袋のズボンがかゆかゆで動けなかったのかもしれない。でも本当に最後までよく頑張ったよ…

しんどみのUntucked

まず喧嘩×2の話~。今回アケリアがボトム確信しててリップシンクの練習に行ってしまったのがだいぶ痛かった…多分アケリアがいたらドリームガールズとしてもう少し冷静に場をいなしてくれたはず…(と言いつつ、前回アリエルのウィッグのことでプラスティークを詰めたりとか、今回ラジャに「ビデオ見たけどプラスティークがルーに泣きつくような家族との不仲はないんじゃない?なんか話が違うんだけど」って耳打ちに行ったり、なかなか小姑感が出てきてるのだけど…)

まずそもそもとして、イーヴィも言い方とかタイミングとかよくないところある。それはこれまでのエピソードでラジャだったり、シルキーだったり、スカーレットだったりに反感を持たれていたから否定できないんだけど。イーヴィから、またはイーヴィへ、どちらの方向にしても、ドラァグへの批判じゃなくて個人への批判の方向に行くとどんどんしんどくなるなぁ…という感じ。でもまぁ、自分のドラァグに誇りをかけてこの場に来てるのだから、ドラァグを批判されたら自分を批判された気持ちになるよねぇ…でもイーヴィは、喧嘩の発端になってるのは間違いなくイーヴィなのに、行動言動に一貫性があるから、この人はこういう人だから仕方ないな、って納得させてしまうところがすごいなぁと思う。

シルキーは、そういう人なんだと分かってるんだけど、自分に自信があるのはいいんだけどそれを大きく言いすぎてるのがしんどくて。個人的に自分で自分を人気者って言っちゃう人がちょっと苦手で、例えばAS4のラトリースが自分で「私はミスコンジニアリティだから!みんなに愛されてるから!」って言ってるのも辛くて、そういうのは自分以外が言うからいいことなんだと思う日本人的感覚な私なのでした。
あと自分の好き嫌いで目が曇って客観視できなくなっててボトム2はイーヴィとニーナって言うのもびっくりした。 自分の感情と出来の良し悪しを切り離して判断できないと、自分への批評も客観的に受け取れなくて改善できないんじゃないかなぁ…

ヴァネッサはガチ切れでちょっと怖かった〜。もともとヴァネッサの言っていることはわりと聞き取りにくいんだけど、切れててまくし立ててるとなおさら分からなくて、ただひたすら怒りのエネルギーを浴びてる感じでしんどかった!!ブルックですらクッションで隠れてるし…(クッションの山から美しい脚がニョキッと出てるの、ちょっといいよね)

そして、プラスティークのビデオレターを受けてのラジャの話。ラジャの気持ちは分かる。今回ちょっとかなりプラスティークちゃんブースト回だったから、自分が崖っぷちでしんどい時にそれを受け容れられるかっていうとキツイよなぁと思う。なんであの子ばっかり?ってなる気持ち分かる。そもそものところ、アリエルvsシュガのリップシンクのタイミングでシュガにビデオレターが来てシュガが残れたときにも思ったけど、ビデオメッセージとかを貰える子と貰えない子との差、推されモーメントを作ってもらえる子とそうでない子の差ってどこなんだろうね…? なんかもう少し番組制作側でその辺うまく考慮できないのかしら、と思ったのでした。全員分とりあえずビデオレターは作っておいて(s7にはケネディの応援レターを同郷クイーンのアリッサが送る、なんてこともあったし、家族やパートナーの協力がなくてもなんとかなるでしょう)untuckedで毎回話し合って誰のを流すか決めるか、ダーツ投げるとか、ピンクのふわふわな箱でくじ引きするとか、どうにかならないかしら。

アケリアが引っかかってた「家族が理解してくれないってルーに泣きついてたのに、ビデオレターの彼氏の話だと家族も理解してる感じじゃない?」って話は、私はあー誤解してるな、プラスティークの言ってることは間違ってなさそうだし誤魔化そうととしてないな(ティミーは「力を出せれば家族も理解してくれるだろう」って未来形?期待形?で言っているので)って思うんだけど、誰かが怒ってても自己弁護や弁解に走ろうとせず、まず傷つけてたらゴメンねって謝ってしまうのはプラスティークの美徳だけど、それによって相手に説明して理解してもらうプロセスを抜いてしまうことがあるから、なかなか危ういなぁと思うのでした。この時も、アリエルのウィッグのときも、もう少し強い言葉で「誤解してるよ、実際はこうだよ」って相手を納得させられる体力があったらもう少し違ったのかなと思う。でもそれをできないのも分かるんだよね…

最年少のプラスティークがそうやって自分について上手に説明できないことで軋轢を生んでしまうこと、その次に若いイーヴィが自分の正直な気持ちをぶつけすぎて軋轢を生んでしまうこと、両極端だけど、二人とも若いな〜…と思うのでした。