あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul’s Drag Race Season11 episode14”Grand Finale”感想

さあいよいよフィナーレ。最初15人からスタートしたコンペティションも、3勝のブルック、2勝のアケリアとシルキー、1勝のイーヴィとTOP4まで絞られました。泣いても笑ってもこのグランドフィナーレのリップシンク対決でs11のNext drag superstarが決まります!

あ、めちゃめちゃ今更なんですけど、ネタバレがあるのでお気を付けください…優勝者を知りたくない方はぜひFinaleを見てから読んでくださいね。ネタバレが嫌い方はこのレビューをそもそも読んでいないと信じていますがw

脱落クイーンとルポールの登場

TOP4以外のクイーンが脱落順に登場。皆綺麗だった~!!!収録されてからファイナルまでの間にそれこそ半年以上一年未満の時間がたっていて、皆ずっとずっと洗練されたのがとても伝わってきた!特に鍛えられた体に映えるパッチワーク風の翼と衣装が魅力的なカハナ、白がとても上品でアジアの高貴なお姫様のようなプラスティーク、キリストモチーフでおごそかかつrevealが効果的だったシュガが私のお気に入り。でも皆それぞれ自分らしい衣装で本当に素敵だった!ルポールもネオンカラーを身に着けているのを見るたびに肌の色に映えて素敵だなぁと毎回思っていたので、ネオングリーンが似合っていてゴージャスで素敵だった!

TOP4+1の紹介VTRとルーとの対話

TOP4はそれぞれ、このシーズン中にゲストで出てくれた著名人とペアになってのアピールVTRを作ってもらっていて、これがなんとも茶番感がすごかったw そしてさらにTOP4に入っていないのにちゃっかりVTRを作ってもらったヴァネッサは本当に愛されているなぁと思ったのでした。

アケリア…VTRではビキニ+スケスケボディコンの衣装で彼女の売りであるヒップを前面に押し出していて、セクシーでかわいかった!会場での衣装はVTR冒頭でも着ていた黒の羽を使ったウィッグと翼とグリーンのガウンで、まったく甘さがない感じで、わたしヒールやりますから!って覚悟が見えて好きだった。わたしは彼女のプロ意識と頭の回転の速さとちょっと意地悪なところが大好き!アケリアはとにかくシーズン通してあんまり甘い感じを見せなくて、SEXY&SHADYを貫いてくれてかっこよかった。最初は彼女の胸の作り方がタイプってところから入ったからまさかお尻ばっかりフィーチャーされることになるとは意外だったけど…w 

ブルック …VTRも登場のドレスもさすがブルックという感じで、最初から最後まで一貫して美しかった!今シーズン全部のランウェイで求められてる水準以上を見せたのは彼女だけなんじゃないかなぁ。 でも美しいだけで勝つことはやっぱりとても難しいことで、ブルックは常にさらなるwowファクターを求められていて大変だっただろうなぁと思う。その一環としてこのシーズンの顔のようなポジションであるヴァンジーとのラブと直接対決があったような感じで、ちょっと制作側にはそれをうまく利用されてしまったように感じた。このVTRで見られたようなブルック本人のひょうひょうとした面白さをもっと番組側が活かせていたらよかったのになぁ。

シルキー …会場でも彼女に対してすごく逆風が吹いていたとのことで、彼女の登場時は緊張して張り詰めた雰囲気だったとの感想を見かけた。多分だけど、彼女関係のところの歓声や拍手はあとから編集で付け加えられてたんじゃないかなぁと思う。あまり笑顔がなくやっぱり表情が硬めだったので、はけるときにルーが手をつないてはけてくれて、ちょっとだけなんかほっとしたのでした。roachドレスは以前AS2の時にアラスカも同じモチーフを着ていたので二番煎じだと批判も受けていたけど(もともと舞台ヘアスプレーが元ネタだそうだけど)私はそれを脱いだ後の黒いビキニ+パンツの衣装がとても好きだった!シーズン中、彼女の態度や言動にいやだなーって思うことは少なからずあったのだけど、やっぱりパフォーマンスしてるところを見てると堂々としててかっこいいな!って思うから、これからもそうやってわたしの中のいやだなーと思った気持ちを何度でもぎゃふんと言わせてほしいなーと思う。(でも結局ep8の時のハヤクハヤクがアジア蔑視じゃないかって言われていた件、ずっと開き直って結局謝らなかったことは根に持っていて。フィナーレやリユニオンで話題に出たけど編集でカットされたのか、話題に出ていないのかも分からないけど、できることならちゃんとどこかで話題にあがって、ちゃんとネタにされたプラスティークやフォローしたソジュに謝罪があったのだといいなぁ、そう信じたいなぁ…)

ヴァネッサ…TOP4じゃないのにVTR作ってもらっちゃってまったく!と思いつつ、番組への貢献的にはこれぐらいしてもらっても全然惜しくないし、コミカルで最高だった。内容的には茶番だったんだけど、正直TOP4のVTRよりも彼女らしさが出てて面白かった! 彼女の一番の魅力はかわいい顔なのにだみ声でまくしたてる感じのギャップだと思っているから、シーズン中のランウェイでのラテン能面よりも、このVTRのようにコミカルでむちゃくちゃやってるヴァンジーが可愛くて好き!

イーヴィ …シーズン中コンフェッションでずっとまゆげがなかったから、このVTRで突然眉毛があってびっくりした!w私はないほうが好みだ〜!w
青いサボテンダーみたいな衣装で電話を食べてるのも壁に同化しようとしてるのも可愛いかったし(もし出会ったら是非Free Hugしたい所存)他のTOP3の誰も着ないようなCreepyなイーヴィにしか着られないような衣装をこういう最後のVTRで着てくるのが、自分を貫き続ける姿勢がよく見えてとても好感度高かった。そしてVTR終わった後に出てきたときの衣装!!進撃の巨人とか言われてたけど、グラマーだけどグロテスクで生々しくて、これもイーヴィじゃないと着られない衣装でとてもよかった!あと個人的にラブ・コニーがとても好きなので、VTRで胸毛とへそ毛を露出しつつ絡んでくれて嬉しかった!

その他のコーナー

いきなり不満から入って申し訳ないのだけど、でも今回のフィナーレはTOP4+ヴァネッサ以外の脱落クイーンに全然スポットが当たらなかったのが不満〜! リユニオンでも全然スクリーンタイムもらえなかった子もいて、きっとフィナーレで一人ずつ軽くお話聞いてくれるんじゃないかと信じて待ってたのに…! 過去シーズンはどちらかはちゃんと時間を割いて、シーズン中の話だったり、その後の活躍の話だったりをしてくれていたのに、今回はそれがなかったのでとてもがっかりでした。メルセデスとカハナにはちょっとだけOpulenceアピールタイムがあったみたいだけどそれも放送では一瞬だったし、なんだか寂しいなあ。フィナーレって優勝者を決めることがコンペティションとしては一番大事なのかもしれないけど、でもシーズンの締めくくりなのだから、ちゃんと参加したクイーン皆にスポットライトが当たるようにしてほしかった!必ず入ってくるクィアの歴史コーナーはとてもためになるから毎回楽しみにしているし、ミシェルの豊胸追悼コーナーである「安らかにムネれ」タイムもミシェルのおっぱい好きとしてはちょっとほっこりしちゃったけど、あの時間とか、TOP4の茶番VTRの時間をもう少し削って他のクイーンの話が聞きたかった!!

過去クイーンの登場も、以前のシーズンみたいな視聴者からの質問読み上げタイムとかにしてくれたほうがS11クイーンのことも知れるし過去クイーンも喋れるし良かったと思うんだけどな〜。とはいえいっぱいクイーンが見られて眼福であった。ちなみに紹介された過去クイーンは以下のような感じ。ユリーカ(s9と10)、メイヘム(s10)、モニーク(s10)、ブレア(s10)、ジェイムス(s9)、パンドラ(s2)、カーシャ(s7)、ニコール(s2)、ジャスミン(s7)、ユフア(s10)、ヴィーナス(s3)、ラジャ(s3)、ケネディ(s7)、オンジャイナ(s1)、キモラ(s9)、セレーナ(s5)、ソニーク(s2)、アレクシス(s3)、ココ(s5)。なぜか放映されていなかったけどs2のモーガンも会場にいたみたい。個人的にはラジャが出てきたときのオーラ(のようなもの)が半端なくてびっくりした!衣装がすごい華やかなガウンとかそういうわけでもなく、なんならサングラスで目元も隠れているのに、一人だけ出てきた瞬間から異次元の存在感ですごかった。シーズン中FPRで「s11まで来てるのにランウェイが退屈!」とお怒りだったので、ランウェイはこうやるんだっていうお手本を見せてくれたのかもなぁなんて感じるほどの迫力でした。しびれる~!

リップシンクスマックダウンセミファイナル〜

ルーレットを回して当たった一人が対戦相手を決めて、その組と、残った二人がそれぞれ戦って、勝ち残った二人で決勝戦を行うという形。たった一回回すためにルーレットを作るのはもったいないと思うのは私だけでしょうか…ルーレットが当たったのがシルキーで、笑顔なく長考の上選んだのがブルック。番組中因縁があって、直接対決して家に帰らせてやる!なんてやり取りをしていたイーヴィを指名するかと思っていたので少し意外だった。これ、他の人がもし当たってたら誰を選んでいたのか少し興味ある。あと曲を選ぶときの箱が「1」と「96」というAS4の時の小ネタを入れてきてて、盛り上げるのがうまいなぁと思った。

シルキーvsブルック…シルキーは最初からウィッグも大きくて、衣装もなんだか長袖で、この下に仕込んでます!っていう感じありありでちょっと笑っちゃった。s9から始まったリップシンク対決だけど、もはや「まぁ脱ぐんだろうな…」みたいな予想ができてしまって、もうちょっとまっさらな気持ちで見られるように自分をリセットしたい…。ブルックは衣装の布地が少なかったからそのまま勝負するのかな、と思っていたらまさかの靴のリビールでトゥーシューズになって予想してなかったからちょっと嬉しかった。この二人の勝負はとにかくシルキーが選んだ瞬間からまったく笑ってなくて、そりゃ緊張するよなぁ、会場の雰囲気的にも味方は少ないだろうし、と思っていたけど、でも今回はシルキーの持ち味である、大味だけど迫力のあるパフォーマンスができていて、少なくともニーナと対戦した時の「Meh…」という評価ではなかったと思う。美しいかどうかは別だけど、ごろごろしてるの赤ちゃんの寝返りみたいで面白みがあった。ブルックはいつもの飄々とした感じのままで決め技を淡々と決めていってあんまり汗かかずに終わる感じが余裕があって良かった!曲的にはあんまりトゥシューズという感じではなかったけど、柔軟性を活かせたセクシーなよいパフォーマンスだったので、納得のファイナル進出だったのでした。

イーヴィvsアケリア…イーヴィのKAWAII衣装かわいいよー!!HARJUKU感あってZipper世代にはたまらないですね。イーヴィの少しコミカルなチャーミングさがよく出てたいいリップシンクだった! パンツのFREE BRITNEYの文字がもっとちゃんと見えていたら…というところだけは不満でしたwアケリアは衣装もウィッグもあんまり色があってないように感じて、リビールも同色系で脱ぐだけでそんなに効果的ではなかったので、もっといいやつあったんじゃないの〜?と思ったんだけど、でも曲の雰囲気に合わせたリップシンクで、できること全部やろうとしてるし本当勝ちたいという気持ちが伝わってきた…ep7の時のリップシンクもそうなんだけど、アケリアのリップシンクは、身体能力が高いわけではないから派手な技はあんまりできないのだけど、ちゃんと歌ってる感があって私はとても好き 。個人的にはアケリア推しだったので彼女もファイナリストでもいいんじゃないの?とも思ったのだけど、推しのひいき目も多々あるのを自覚してるし、番組的にep8のイーヴィvsブルックの対決の再現をしたいんだろうなぁという流れをひしひしと感じるので仕方ない。でも振り向かずに去っていくところも彼女のプライドを感じられて、最後まで格好よかった!

ミス・コンジニアリティ

s10のミス・コンジニアリティであるモネ・エクスチェンジの衣装もウィッグもなんだかとっても親しみやすくて、モネらしいな~と思った!ジョークを飛ばしてくるところもチャーミングで本当モネらしくて、コンジニアリティ~!って思うんだよな。このシーズンはラブリー&スイートなメルセデス、いつも優しくて寛大なプラスティーク、心の機微を感じ取ってくれるスカーレット、皆のNanaであるシュガ、いつも笑わせてくれるヴァネッサなど個人的には候補者がたくさんいたのだけど、やっぱり予想通りというか当然というかニーナさんがミス・コンジニアリティを受賞したのにはまったく文句がなかったのでした!コメントは?って聞かれて即座に「MEH…」っていうのが出てくる機転がまた最高だった!

前シーズンクイーン登場と、ファイナルリップシンク

新クイーンの戴冠のために前シーズンWinnerのアクエリアが登場したの、不死鳥というか不死鳥というか迫力のある美しさで素敵だった!こういう時にドレスやガウンみたいな衣装を着てくるクイーンが多い中、ジェンダーレスな衣装を選んでくるのがアクエリアらしいと思ったし、s10のときのフレッシュさだけじゃなくて貫禄が出ててかっこよかった!!

さて最終決戦であるブルックvsイーヴィ。登場した時の衣装が二人で正反対でとても良かった。ブルックは 「脱ぎますよ〜」って書いてあるコートで、ぎりぎりまで最終兵器である衣装を皮肉なジョークで包み込んで隠す姿勢が彼女らしくて最高だった。脱いだ後もミニマルだけどゴージャスでよかった!んだけど、もう一声びっくりポイントが欲しかったかもしれない。そこが命運を分けたのかなぁと思う。イーヴィのドレスは 鏡を使って三つ顔があるように見せているのが、今までの禅テイストの衣装の文脈を組みつつも全部oddの流れを踏んでいて、本当にこのシーズンの最高峰という感じだった… それに加えて後ろ側にもう一つ顔がある仕掛けもあって、それが間奏で明らかになるのが本当に効果的で、そこが勝負を大きく分けたのだと思っている。金の素材でいっぱい目が書いてあるのも美しい中にちょっとグロさもあって素敵だった!私はちょっと尖端恐怖症入ってるのでパフォーマンス中に鏡に手が当たって切れたらどうしよう?とか、ブリッジとかした時に床にあたって割れて刺さったらどうしよう?ってハラハラしたけど…w 

リップシンク自体は二人ともスナッチゲームのときみたいになりふり構わず技を繰り出しあうという感じではなくて、できることを淡々とやってる感じだったんだけど、イーヴィはドレスだった分動きが制限されて厳しいかなと思いきや、今までのリップシンクとは違う表現でアピールできていたのも強かったと思う。

いやしかし平和な世界線でした…よかった…イーヴィ勝ってよかった…Winnerを告げられてすぐにおててがお口の中に入っちゃうのかわいいよ…正直最後の方の展開はかなりイーヴィに感情移入するように作られていたと思うから(そしてブルックはちょっと性格の悪さをReunionでクローズアップされていたとも思うので…)製作の思う壺にハマってる感じは多々あるんだけど、でもイーヴィが笑ってるとみんな嬉しいからよかったと思います!!持病があって時間が限られている中で最大限のことができるようにどんどんチャレンジしていく姿、皆とぶつかっても自分に正直にいることを選ぶまっすぐさ、応援せずにはいられなかった。おめでとうイーヴィ!!

個人的なシーズンの総括

…さてそんな感じでs11が終わりました。最初ep3くらいまでの、s8みたいに平和な感じのシーズンになるのかなとか思ってて、だからこそ6人リップシンクみたいなことやってなんとかドラマを作ろうとしてるんじゃ?とか思ってたころが懐かしいw 終わってみればところがどっこい、人間ドラマだらけのシーズンでありました。
私は自分の推しがあんまり不当なジャッジの中にいなかったから(甘く見られてた回が何回か…w)平和に見られたけど、自分の推しが納得の出来ないジャッジで落ちたら?とか、自分の推しが納得の出来ないジャッジで残ってたら?とかになってたらまた話は違ってたと思うし、とにかくドラマ重視ですっきりできないジャッジはやめてほしいなぁ…というのが一つ目のこのシーズンへの不満点。今回本当に途中からジャッジと気が合わなくて、Winnerも 脱落者もすっきりしない、という回が何回もあって、なかなか共感できなかった。
二つ目の不満は、あんまり特定のクイーンにヘイトが集まる形にしないでほしいなーということ。本当に好きでイベントに行くような人はパフォーマンスを見て「おっ、この人悪くないじゃん」とか見直したりする機会もあるかもしれないけど、大多数の視聴者はきっとドラァグレースを家で見ているだけで、一度悪い印象を持ったクイーンのことはずっとそのまま悪い感情を持ったなんじゃないかなぁと思って、それはとても悲しいことだと思う。 最終的にはだれがNext drag superstarになるかどうかが勝ちじゃなくて、この番組を通して好きになってもらって、その人のショーをどれだけ見たいと思ってもらえるか、どれだけそのあと応援してもらえるかのほうがずっと大事だと思っていて、それに影響するほどのバイアスを与えてしまうのはよくないよなぁと思う。もちろん編集するにせよ、言ったことしか映ってないのは事実だろうけど、あんまり炎上商法みたいな、だれかにヘイトを集めるような作りにはしてほしくないなぁ…と思うのでした。

そんな不満もありつつ、本シーズンをリアルタイム視聴するのは初めてで、とてもとても思い入れの深いシーズンになりました! 皆様こんなだらだらと長い感想を読んでくださってありがとうございました! 14週間絵も文章も更新しきることができて、ほっとしています。

s11に関わった全てのクイーン、そして彼女たちを一緒に応援できた皆様に最大限の愛を! お疲れ様でした!

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