あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

イベント感想: OPULENCEに行って来たよ

s15の放映も始まりましたが、そちらの感想ブログは少々お待ちください。というのは、放送開始と同じ日に日本は東京にてOPULENCEというドラァグイベントが開催され、そちらに参加してとても素晴らしかったのでまずはその感想を文章に残しておきたいなと思いまして。(2020年のwtwの際に言語化して残しておかなかったことを後悔しているので…!)記憶違いのところとか色々あったらすみません…!そしてできるだけ写真も載せたかったのですが動画で残しているものの方が圧倒的に多くここに上げられない…!私のバカ…!(でも素敵な写真撮っていらした方たくさんいらっしゃるので、ぜひインスタで探してみてください…!)


いやはや、やはり生で見るパフォーマンスは全然違いますね、本当に行って良かったです。花道が作られていたので、整理番号も神的にいいという訳でもなかったのですが、かなり至近距離で見ることができて本当に大迫力でした。


日本に来日してくれたのは、タイランドシーズンs2を素晴らしい成績で制した覇者であり、フランチャイズ初のトランスジェンダーウィナーことアンジェリー・アナン、USのs3でBAM!と人々の心を打ち抜きファイナリストまで進み、AS5でも円熟してなおチャーミングなパフォーマンスで魅了してくれたアレクシス・マテオ、そしてそのドラァグドーターである「ミス・ヴァンジー…」と呟きつつ後退りしながら去っていくサシェイ姿でs10最初の退場になりながらもセンセーションを起こしまくり、s11ではTOP5まで残る(ほのかなラブもあり)活躍を見せてくれた火の玉クイーンことヴァネッサ・ヴァンジー・マテオの3人のクイーンたち!

本当はs8とAS4で人気を博したナオミ・スモールズも長ーーーーい脚を伸ばして来てくれる予定だったのですが、残念ながらビザの取得の関係で来日叶わず、そこは仕方ないながらも残念でした(ナオミが来られなくなったのを知るタイミングがSNSをまめにチェックしていた人と、チケットサイト経由からのメールで前々日に知った人との間で一週間くらい差があったので、その辺の連絡は統一して欲しかったなぁと思ったのでした…うろ覚えだけど2020年のwtwの時も当初発表メンバーにはナオミやイヴィも入ってたんだけど、ラスベガスショーの開催が決まってメンバーから外れたみたいなことがあったような気がして、ナオミファンは本当ずっと待っているよ、次こそは来てね!という気持ちです)


一番手で出て来てくれたのがマテオママ。真っ赤なケープで出て来て、サラッと脱いでフリンジの衣装で踊ってくれて、もうその時点で陽のエネルギーの塊みたいなものがビシビシ伝わってくるのですよね。一番外せないオープニングナンバーに相応しい、明るく、華やかで、力強いスタートを決めることができたので、さすがの熟練者の貫禄だなぁと思いました。

二つ目のパフォーマンスの時の緑の羽の衣装は皆「景気がいい!」という感想で、正月の縁起物扱いでしたがとにかく最高でした。パチンコ屋の新装開店を連想してごめんよ…南国の鳥なんだよね、ばっちり魅了されましたとも。

ライトパープルの最後のソロパフォーマンスはちょっと位置的に遠目から見つめるばかりだったのですが(膀胱の都合で幕間に抜けざるを得なかった…)全体的に持ち味の明るくパワフルなエネルギーに溢れた華やかなステージでとても楽しめました。マテオママ、私よりも少しだけ年上なのだけど、こんなに踊れるの?回れるの?私だったら尿漏れしちゃうよ!?と驚きしきりでした…立ってステージ見てるだけでヘトヘトになってるの、恥ずかしいわ…

f:id:akzkiss:20230109224915j:image
f:id:akzkiss:20230109224918j:image
アンジェリーは「タイのビヨンセ」と呼ばれているくらいなので、ビヨンセ様未履修な自分をめちゃめちゃ恥じました。ちゃんと聞いてくればもっと楽しめたのに〜!

アンジェリーは4回もパフォーマンスしてくれたのかな?ディーバ感溢れるゴールドの衣装、オーロラ色スパンコールの輝きが美しい衣装、肌色面積の方が多いんじゃないかと思う銀色の戦士のような衣装、全部髪の毛をなびかせて力強く踊る様が本当に格好良かった!どんな瞬間でも360度から美しいってすごい、そして指先まで表現が繊細で見惚れてしまいました。私は休憩明けのリトルマーメイドのパフォーマンスが一番好きだったなぁ…本当に人魚姫のような、陸に憧れるプリンセスのような、情感あふれた表情と動きが素晴らしかったです。アンジェリーと言えばタイランドのファイナルでの伝説のパフォーマンス…本当に訴えかけてくるかのような強い表現でつい涙してしまったので、その表現力を存分に味わうことのできるナンバーでした。

f:id:akzkiss:20230109225520j:image
f:id:akzkiss:20230109225523j:image
f:id:akzkiss:20230109225526j:image
そしてミス・バンジー!(個人的にバンちゃんと呼んでいるのでその呼び方でお許しください)前日夜に日本に到着したばかりだったので疲れてないのかな?とか心配したりしたんですけど、まったくの杞憂だと思わせるホットなステージでした。黒のビキニトップに赤のチェックのスカートは少しスクールガール風で、日本人好みを分かってるなぁとニヤリとしてしまいました。ソロパフォーマンス自体は2曲かな?でもどちらも激しく、何よりも楽しそうに踊りまくってくれて、とても痛快でした。他の2人より曲数が少ない分、代わりにショータイムの合間の観客によるリップシンク対決タイムで司会を務め、ホットな志願者4人をステージに上げ踊らせ盛り上げるという大役を務めてくれました。いやーうさちゃんフードがギャルすぎて本当可愛かった…

f:id:akzkiss:20230109225536j:image
来日してくれた3人だけでなく日本のクイーンの方々のパフォーマンスも本当に素晴らしくて!実は私日本のクイーンの方の本格的なステージパフォーマンスをちゃんと見たことがなくて、こんなにドラァグレースにキャーキャー言っているのに地元ドラァグである日本のドラァグをきちんと応援できていないという罪悪感がずっとずっとあって。(言い訳ですが子供が小さいとなかなか夜の1人での外出って出来ないんですよ本当…!特にうちは旦那氏がまったくお酒も飲まず、遊びに出歩くタイプでないので、交換条件で出かけさせてもらうみたいなのができなくて頼みづらいのですよね…)やっとこうやってパフォーマンスを見る機会ができて本当に嬉しかったです。

Victoria Strondhさんは花魁姿での登場でまさに日本らしさをアピールしてくれたと思ったらゴールドの衣装へのリヴィールも決まってとても格好良かったです(せっかくだから花道を花魁道中して欲しかったなぁ〜!近くで見たかった!)

f:id:akzkiss:20230109225550j:image

ホストMCも務めたセラトニンさんはカリスマ性とセクシーさがすごかった…一部お写真をここに上げるには憚られるかなというアダルトなパフォーマンスがあって、痺れましたねマンイーター…すごく知性的で、でも激情のようなものが中に満ちているのが伝わってくる感じで素敵でした。

f:id:akzkiss:20230109225606j:image

アンジェリーがタイのビヨンセなら日本のビヨンセと言えばSasha B. Savannah様。実は私Twitterの繋がりのお友達の方のパーティで一度お会いしてリップシンクしているところを見たことがあって。ステージでスポットライトと風を浴びて髪をビュンビュンなびかせて踊っているのを見るのはまた格別だなぁと、なんだか胸が熱くなりました。

コスミック・サンズさんのポップなステージはとにかく可愛かった〜!ここまでずっと英語リップシンクだったので、フランス語が新鮮でした。あと衣装や踊りももちろんキュートだったんですけど、スクリーンに映る映像のドット絵感も可愛くてニヤニヤしちゃいました。

f:id:akzkiss:20230109225624j:image

ラビアナ・ジョローさんは、あまり日本のクイーンに詳しくない私でもTwitterの仲間たちがラビアナさんは本当に信頼できるクイーンだと口々につぶやいていたクイーンだったので、本当にパフォーマンスを見るのを楽しみにしていました。女性器をモチーフにしたインパクトのある衣装と迫力のパフォーマンス、期待以上だった!

日本のクイーンの最後にケリンチョで颯爽と現れて、アイアイヤー♪と2000年あたりダンスダンスレボリューションで流行っていた曲を着信音にしたパカパカ携帯を開くという、超Y2KJKリアルネスで私の心を鷲掴みにしたVera Strondhちゃん…!ビジュアルだけでもKawaiiのにバッキバキのダンスに痺れました。好き!!!

もちろんクイーンの方々だけでなく、パフォーマンスを支えるダンサーの方々もたくさんいて、絶え間ない努力と多大なる準備を重ねてこの日を迎えたんだなぁということが伝わって来て、本当に素晴らしかったです。機会を作ってもっと日本のドラァグシーンも追いかけに行きたい…!


そして、イベントの最後を飾るナンバーになったのがママ・アレクシスとドーターのバンちゃんの親子パフォーマンスだと分かった瞬間の心のときめきぶりといったらなかったです。2人ともデザイン違いの同色の衣装が本当に格好良くて、紺色のベースの上に舞う蛍光色の色とりどりのフリンジが美しかった。大きく力強く踊るアレクシスに、キレの良い小気味良い動きのバンちゃん、それだけで感動しっぱなしなのに、最後に同色のフーディを羽織ったアンジェリーが蛍光色のフリンジをなびかせながら歩いて来て、三人で最後パフォーマンスしてくれたところは、本当にこの夜のハイライトだったと思います。そして最後の3人でのハグ…!本当に美しいものを見たなぁ、たくさん力をもらったなぁと思いました。


質問コーナーの中でアレクシスが「まさか日本に来られる日が来るなんて思っていなかった…」なんて言ってくれたり、アンジェリーも初めての来日、ということで心からこの機会に感謝していると語ってくれていたり(終わった直後にアフターパーティでまた踊るタフネスもすごい!)バンちゃんまで涙ぐんでいたりと、本当に3人ともこの公演を大切に思ってくれていたんだなということが伝わって来て、本当にありがたかったです。呼んでくれてありがとうなんていうけどさ、本当こっちのセリフだよ!こんな小さな島国に来てくれて、素晴らしいパフォーマンスをしてくれて、ひたすら感謝しかないです。


私自身がパッと海外に行けるような身軽さを持ち合わせていないので(1時間で行ける東京でさえ滅多に出ないのに!)クイーンが日本に来てくれたらいいのに、っていつも願っているのに、同時にこの国はまだまだクィアに対しての理解も薄く、外国人への排他的な部分もたくさんあるし、来て嫌な思いをさせないかな、ちゃんと楽しんで帰ってもらえるかな、なんて心配になったりもしていて。でも今回みたいにクイーンたちが喜んで、日本を楽しんでくれているところが見られるのが本当に嬉しい。2020年のwtwの時に感じた気持ちと同じ感情をまた感じました。本当に日本に来てくれてありがとう…幸せな思い出だけ持って、無事に楽しみ切って帰ってくれますように!


なんと5月31日水曜日に次回の開催も決まっていて!こんな感じでコロナ禍の前みたいに、クイーンたちが来てくれる機会が定期的にあるぞ、というような兆しがあることが嬉しいです。誰が来るのかな、楽しみだな、推しに来て欲しいな(邪念)はやくシルエットクイズしたいな(さらに邪念)、なんて考えながらゲストの発表を楽しみに待っています。へ、平日夜なんで結構参加へのハードルが高いんですけど…自分の予定の調整以上に子どもをケアする旦那氏に休みをとってもらうところの折衝がなかなか難しいのですが…が、がんばります…


今回、地方から頑張って宿泊や移動手段も手配して来た人たちもたくさん知っているし、家族内で色々調整している人もたくさん知っているし、そうやって色々な背景を抱えて頑張って辿り着いた人たちがいるのと同時に、直前になって体調を崩されて泣く泣くチケットを諦めた方や、その前からご家庭の事情やお身体の事情やお仕事の事情などで申し込みすら諦められていた方も知っていたりして…今回来られなかった人がまた次回以降、素晴らしいパフォーマンスを見る機会に恵まれますようにと願うばかりです。私自身は今年の始まりをとても幸先の良い、素敵なショーで彩ることができましたが、そのチャンスが多くの人にもやってきますように、2023年という一年が全ての人にいい方向に進みますように!


今年のブログ初めの記事となりましたが、あの会場にいらっしゃった方も、いらっしゃらなかった方も、どうぞ本年もよろしくお願いいたします。ちょっと今までよりペースを落とさないといけない予感しかないのですが、マイペースでも確実に続けていきますので、変わらずちょこちょこ読みに来てくださると幸いです!

 

 

追伸・イベント前に集まってくれて一緒に気分を盛り上げてくれたお友達の皆様、本当にありがとうございました!本当みんないい人すぎてびっくりする。人に恵まれた人生だなぁと常々噛み締めて生きております。今年はたくさんの人と出会える一年になりますように、良いご縁を繋ぐことができる一年になりますように、と思っています。