あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul’s Drag Race Season11 episode4 “Trump: The Rusical”感想

前エピソードの6人リップシンクの衝撃冷めやらぬままバックステージに戻ってきた皆。涙の跡が見えるラジャ、泣き出すシュガ、目元をぬぐうイーヴィ(リップシンクしてないのに…!)と、視聴者も動揺した展開は当然のことながら彼女たちにとってもショックが大きかった模様…みんな泣かないで~…

ミニチャレンジ

今回はニュースキャスターのレイチェル・マドーに扮して、リハーサルなし一発生放送でニュース速報を読み上げるというチャレンジ。前振りとしてルーが「情報漏洩があったの、このスタジオから漏れたのよ」って言ったのにシルキーが「ソジュ?(の膿んでる嚢胞から?)」って聞いたの笑っちゃった。私はミニチャレンジはクィックドラァグで皆自分なりに急いで装って!って形で各自の個性が見えるのが好きなので、こういうみんなで同じ服を着る系は少し寂しい。皆それなりに奮闘してる中、全然単語が読めてないヴァネッサが本当に可愛かった。少し文字数が多くなると読めないの愛おしすぎた…!そつなくこなしたスカーレットが勝利。

メインチャレンジ

みんな大好きルージカル回!今回のテーマはなんと、ミュージカル「グリース」meets 現アメリカ大統領トランプというもの。主人公の可憐な少女なサンディ…ならぬシャンディが、ダニー…ならぬドニー=ドナルド・トランプとひと夏の恋をして、最後には女性の強さを自覚してトランプを袖にして女性たちで連帯してエンパワーするというストーリーラインで、シャンディ以外の登場人物は全員トランプに関連する実在の人物。「グリース」にもアメリカの政治について全く明るくないので間違っていたら恐縮ですが簡単に説明を…

主人公:シャンディ(=アリエル)。「グリース」のオマージュキャラ。

フォクシー・レディース=トランプしゅきしゅきチーム(仕事):①ケリーアンコンウェイ(=イーヴィ)大統領顧問。選挙戦の際にトランプを勝利に導いた人。②サラ・ハッカビー・サンダース(=ニーナ)政治補佐官で現在ホワイトハウスの報道官を務めている。③イヴァンカ・トランプ(=メルセデス)前妻イヴァナとトランプの娘で、大統領補佐官④オマロサ(=ラジャ)以前トランプがやっていたTVショーに出ていてヒールのような役回りだった。大統領になった後側近として勤めていたが首になる。

トランプしゅきしゅきチーム(配偶者)①イヴァナ・トランプ(=ブルック)1992年までトランプの妻だったが、浮気が原因で離婚。②メラニア・トランプ(=プラスティーク)トランプの現嫁でファーストレディ。

プランツスーツ・ネーション…反トランプチーム:①ヒラリー・クリントン(=シュガ)第42代大統領ビル・クリントンの妻で、2016年の大統領選でトランプに敗れる。②ロージィ・オドネル(=ヴァネッサ)コメディアン・司会者でトランプ批判を行っている。トランプも敵視していて仇敵と言われている。③ストーミー・ダニエルズ(=アケリア)ポルノ女優で、トランプと2006年ごろに関係を持っていたということを暴露した。

その他:①ベッツィ・デボス(=スカーレット)アメリカ合衆国教育長官にトランプに任命された人。②オプラ・ウィンフリー(=シルキー)名司会者で、前大統領オバマが当選した際の立役者。

そしてドナルド・トランプ本人はなんとs7で大活躍したジンジャー・ミンジ。最初分からなかったので字幕で出てきてびっくりしたけど、ずんぐりとした感じが本当にチャーミングだった!このトランプなら憎らしくないw

まずこんな政治的なテーマをモチーフにできるなんてすごいよね、というのが最初の感想。現政権に対して風刺的なアプローチでも許されるのがすごい!政治に関して口にすることすらなんとなく憚られる日本だったら考えられない。そして、こんなに女性の人が活躍してるなんてすごい!というのが2つ目の感想。仮に日本でやったらどうなるんだ…?って考えて登場人物考えてみたけど、安倍昭恵夫人、片山さつき氏、蓮舫氏…うーん田中眞紀子氏も引っ張り出しきて…となかなか女性で政治に関わるメンツが思い浮かばない。三原じゅん子氏に「顔はやばいよ、ボディやんな、ボディを」って言わせるくらいしかネタも思いつかないw

正直誰の役がどんな人か?みたいなのを分からないまま見ているので本質的に楽しめているのかは分からないけど、やっぱりルージカル回はいいなぁ!スカーレットの配役はばっちりだったし、特に目立ったしくじりもなく皆良いわぁ…と思いながら見ていました。スカーレットはルーに「踊れないけど、常にカクテルが片手にある役だから…」とか、ヤニスに「ダンスの経験はないけどダンサーとの経験なら何回か…」とか面白く返してるのも最高だったし、ダンスに対してみんなから「嵐の中のナナフシ」とか、「午前3時のラストオーダーでもう一杯頼もうとしているところ」とか、「駐車場で手足をバタバタさせる人形」とか、散々な言われようなのもおかしかった!スカーレットもそうだけど、アリエルとかアケリアとか、練習だと結構ヤバそうに見えたのに本番でちゃんと決めてくるから本当に偉いし、いっぱい練習したんだろうなぁって思うと胸がいっぱいになる。出番が長くなくてもきっちり抜かれるポイントで美味しく決めてくるブルックやイーヴィー、シルキーが高ポイントだったのはよく分かった。私はニーナやシュガも良かったと思ったなぁ!特にシュガは私でも分かるヒラリー役だったので、うんうん分かる分かる〜ってなって嬉しかった。

評価が低かった組は、メルセデスはまぁ仕方ないかなという感じだけど、でも表情が可愛かったのと一所懸命大きく踊ろうとしてたのが愛おしかった!ラジャは「オマロサはヒールキャラなんだから可愛いだけじゃだめ!」って酷評されてたけど、とってもとっても可愛くて何度も見返してしまった〜!三白眼で白目が多めの目にバサバサまつげで、むくれた表情が本当に可愛くて私は大好きだった!ヴァンジーは振り付けも格好良く決めていたのでなんで評価がよくないのか不思議だった。元ネタが分からないとこういうときに困るね…

でも総じてみんな頑張ってたし可愛かったし華やかで最高だった!ルージカルは元気でるなぁ。

ランウェイ

まずRPDRを見てきてる人なら皆思ったであろうことなんだけど、なんでこのオレンジがテーマのランウェイの前に帰っちゃったんだカハナー!!カハナのオレンジランウェイ見たかったな…(分からなかった人はカハナのドラァグマザーであるココ・モントリースが出てくるs5を見てね)

一番好きだったのがアケリア~!服じゃなくてウィッグでオレンジを取り入れてるのが他の人と違って良かったし、セクシーで自信に満ち溢れてて良かった!あとはシュガのトランプランウェイがこのトランプルージカルの回に来てくれた奇跡に感謝。ファッション的には評価が分かれないか冷や冷やしていたのだけど(s6のミルクの思い出…)ランウェイでの小ネタ満載でファニーで最高だった!Untuckedで賛否両論だったイーヴィーのランウェイは私はCampyで面白くて毒気があって好き。でも確かにスカートのペイントとか、つくりの大味さとかで引っかかる人がいるのはわからなくもない。個人的にはイーヴィーの衣装には舞台の大道具的、という印象を持っていて、近くで見ると少し大味で「ん?」って思ったりもするけど、遠目から見ると細かいところは気にならなくてむしろよい!みたいな感じだと感じている。あとはブルックがスマートな感じで格好良くて、それ以外は割と皆普通だったかなぁ。この頃からs11は皆ランウェイは及第点は取ってくるけど、わぁ!ってなるほど突き抜けてる人がいないなぁと思い始めていた…。あとついにヴァネッサが三連続赤の衣装を乗り越えてオレンジ着た!と思ったら「コルセットにパンツ、胸にグリッターは3回目ね」と指摘されてしまった…しかしこれはまだ彼女の水着伝説の幕開けに過ぎなかったのです…

あとは今回ゲストジャッジのジョエル・マクヘイルの過剰すぎるヤジに対してミシェルがイライラぷんぷんしているのが可愛くて仕方なかった。今回のお化粧とってもかわいいし、不機嫌な美人ってなんて愛おしいんだろう…!

リップシンク

課題の出来とランウェイの結果ラジャとメルセデスリップシンクに。曲はジェームズ・ブラウンのLiving in America。ファンク大好きなので嬉しい!ラジャはこういう黒〜い曲だと水を得た魚みたいでファンキー&ソウルフルでいいリップシンクだった〜。メルセデスはep2の時の無機質なEDMのほうが淡々とした熱さが伝わってきて良かったな〜でも可愛かったしよく頑張った。初回からあまり評価が良くなくて、ep2ではボトム2、ep3はチームでの総合力で救われたけどチームの中では少し弱かったので、そろそろ危ないかな…と思ってて、でも4つのエピソードで素晴らしい人間性と、異なる文化の中で奮闘する姿を見せてくれてとても大好きになったので、脱落は納得、でも寂しい〜でも立派に頑張ったよあなたの活躍は素晴らしかったよ!みたいな甘酸っぱい気持ちになったのでした。最初ep1で入ってきたときに威嚇のアララララ…!ってやつやったときはヴァネッサががたがたしてたし皆面食らってたけど、最後サシェイするときに全員が大歓声でそれを讃えていたのにグッと来た!!ムスリムとしてアメリカで暮らしていくのはこれからも困難があるのだろうと思うけど、この番組で彼女のことを大好きになった人たちが彼女の味方になってくれて、今まで以上に過ごしやすく楽しい人生になりますように。そして、彼女が幸せなことが、アメリカに住む多くのムスリムにとっての希望になりますように。世界中のヤギも一緒に幸せになりますように…Greatest Of All Time…

幕間の話

この回でイーヴィがエーラス・ダンロス症3型という病気を抱えていることが明らかに。コラーゲンを体内で生成できず、結合組織の不具合で柔軟な反面脱臼しやすい…という難病指定を受けている病気で、正直とてもショックだった…でも自分にはこういう症状があるからこれはできないけど、こうやってやれば大丈夫ってきちんと冷静に伝えられていてそれは良かったなぁと思った。言い訳が嫌いなイーヴィだから自分の病気も言い訳にしたくなくて、ちゃんと自分なりにできることを最大限やろうとしていて偉いなぁ…

ニーナの大学時代の話もショックだった。大学の時にすでにゲイであることをオープンにしている中、学生会に立候補したら、保守的な他大の反ゲイのグループから目をつけられて寮に押しかけられ脅迫状や留守番電話で殺人予告を受けて、二週間女子寮に身を隠させてもらった…というつらい過去のこと。なんで好きになる性が異性ではなく同性であるということそれだけでそんなひどい目にあわなきゃいけないんだろう…?ニーナはそのつらい経験から、もう誰にもそんな思いをさせたくない、って言って、かなり社会運動に力を入れていて、原動力となったきっかけは悲しいものだったけど、とても素晴らしい行動をしている。今その時ニーナのことをいじめ(なんて軽いものじゃないけど)てた人達はこんなに立派で素晴らしい人になったニーナのことを見てどう思うのかしら、その人はニーナほど立派な生き方ができているのかしら…?

ニーナの話きっかけで、前の週に宗教の話になったときに逃げたことを謝りに行ったメルセデスは立派だった。正直日本人の私からすると宗教はデリケートな話題で、触れたくない話はだれでもあるし、むしろ触れた人のほうが謝るべきで、メルセデスは逃げてごめんねって謝りに行く必要なんてないんだよ、って思うんだけど、でも彼女の勇気がムスリムへの理解につながるといいな。スカーレットが「落ち込ませちゃったね、そんな気分にさせてごめんね」って支えてくれて嬉しかったな。

あとシルキーが眉をシャーピーペンで書いていることもなかなかの衝撃だった。文房具かい!

Untuckedの話

シュガが自分から「このシーズンはルポールのベストフレンドレースみたいじゃない…?(平和だわ…)」って言ったのちょっと面白かった。それに対してアリエルが「あんた先週Untuckedにいなかったからね!(セーフ組のイーヴィとシルキーで揉めたから)」って返したのもおかしかった。「皆それぞれコンフェッションで言うだけ言ってすっきりして直接言わない人が多いんじゃない?」とアケリアが言って、ニーナが「でも言いたいことがあるなら直接言うべきだよね、イーヴィみたいに」といったのに対しスカーレットが「私は彼女のアプローチは気にいらない、自分と合わない意見の時に人の話を聞いてくれないし、今それを言う?みたいな時がある」って言ったのはep2でコンビで優勝して仲良さそうに見えてたから意外でびっくりした…でも気持ちわかるなぁ。弱っているとかそういうことを気にせず自分の感情をぶつけてくるから、その時参っている人はしんどいよね。そしてこのイーヴィのスタンスがまた嵐を生むことになるのでした…

シルキーがオプラ役が気に入らなくて朝からやる気がなかった時にヴァネッサが「それを見て貴方のおばあちゃんはなんて言うと思う?」って言ってくれたことのおかげで発奮出来たから感謝してる、ベストじゃなかったときにあなたが助けてくれたから、私もあなたがリップシンクを気にして落ち込んでる今私もあなたを励ますよ!って言ってたのよかったな。誰かの応援が誰かの力になって、それをまた返して…ってすごくいいよね…。

この回からブルックとヴァネッサのちゅっちゅが激しくなって、見ちゃったニーナがあらやだ!って顔になってるのもかわいかったし、アケリアさんが知ってるわよ、ちゅっちゅっちゅっちゅ~ってコンフェッションでからかってるのもかわいかった。顔を出しに来たゲストのティファニー・ポラードもその件興味津々だったようなのだけど、私はむしろブルックがちゅっちゅしに言っても「私やるべきことやるから…」ってイヤホンに集中しようとしてるヴァネッサの好感度が上がったな。恋愛じゃなくて王冠取りに来てるんだもんね。他の人にあなたは大丈夫だと思うよって言われても少しでもリップシンクの可能性があるなら準備する、っていうヴァネッサの姿勢は本当に格好いいと思う。

ところでおうちに帰るメルセデスがメイクもウィッグも付けたまま車に乗っていったけど、今までそんな人いたっけ…?皆オフして帰ってた気がするからびっくりしちゃった。かわいいからいいんだけど!