いやーついにReunitedです。この回の収録はグランドフィナーレを収録した翌日とのことなので、TOP4のクイーンたちはすでにリップシンク・スマックダウンを争い、誰に優勝の可能性があるか、誰はもう可能性がないかまでは分かっている状態(RPDRはフィナーレを何パターンか収録しておき、放送される瞬間まで本人たちもどのパターンが採用されるのか分からないという形式をとっているので)なので、何となくクイーンたちの表情や態度がポジティブそうなのかネガティブそうなのか読みとろうとしてしまいますね…ともあれ色々話題があがっていたので、各クイーンへの感想を交えつつ、時系列順に追っていこうと思います。
TOP4には残れなかったけど頑張ったヴァネッサ・ヴァンジー・マテオ
いやー皆が好きになっちゃうよね!なんで彼女が話し出すとこんなに楽しい気持ちになるんだろう! 今回の衣装はラフでギャルっぽくて、でも彼女らしくて、「水着ばかり!」と酷評された衣装よりもよっぽど似合っててステキだった。カジュアルな形だからランウェイ向きではないのかもしれないけど、こういうスタイルをもっと本編で見せてくれても良かったのになぁと思った。
ランウェイが水着ばかりだった件の釈明は、S10終わった後の時点ですでに人気が出てしまっていてツアーで全国を回ったりしていたので、複数のデザイナーにランウェイの衣装を依頼したところ、皆同じような衣装をイメージしていたので水着ばかりになってしまったとのことで、なるほど理解できた。一回一回の衣装を素晴らしくするだけでなく、戦略的に全体の流れも加味してデザインの形を変えることができていたならもう少し違ったのだろうなぁ。ところで本編中以前「なにかシーズン中変えられることがあったなら?」って聞かれた時「46着も水着持ってきてなかった!」って言ってたのが今日の回答では45着に減っててすごく笑ったw
ブルックとのラブ話は、正直私はそんなに番組にラブ要素は求めてなかったし、それぞれ個性が強いクィーン同士で恋愛をするのって色々難しいだろうからなかなか大変だろうな…って思ってたから、二人がもう付き合っていないみたいな話を聞いたとき全く驚かなかったのだけど、関係を戻したいかって聞かれた時のヴァネッサの表情が切なすぎた〜!私も割と自由を愛するタイプなので、縛られたくないというブルックの気持ちは分からないでもないのだけど、でもちょっと「君に読む物語(映画Notebook)」を望んでたのにPost-itという一瞬の恋で終わってしまったというのはなんとも切なかった。もう少し活動拠点が近かったら違ったのかもしれないけど、やっぱりハードに働く人間同士の遠距離恋愛は難しいだろうなということは想像に難くない。でも二人とも憎みあって別れたわけではないから、それが恋愛なのかそうでないのかは分からないけど、ずっと好意を持ち続けて、いい関係で居続けてくれたらいいなぁと思うのでした。
鉄火のラジャさんと、切り込むプラスティークと、たじたじアケリア
二つ目のトピックがラジャだったのは結構意外だった。もちろん色々ドラマを作り出してきた人物だとは思うのだけど、順位だったり本編中のチャレンジやランウェイにおける活躍度だったりを考えると、あれここでラジャ!?という感じがあって、やっぱりこのシーズンは制作側は「ドラマを作り出す人」というのを重んじていたのだろうなぁと改めて感じたのでした。
私はラジャのことは嫌いになれなくて、カッとなりやすいところがあったり口が悪かったりするのもとても人間臭いというか、彼女にとって、ストレスを感じた時に一番最初に出る防御反応が攻撃に転じることで、自分を守るためにとげを出してる感じなんだろうなぁというのがすごく伝わってきて、愛おしくて仕方なかった。「自分では自分のこと意地悪な人間だと思っていなかったけど、家で見直してみてびっくりした、極限状態で精神的に追い詰められていた」とか、「振り返ってみると、もしやりなおせるならば、もっと人のことを気にせず、自分自身に集中すればよかった」って言っていて、放送を見てやっと客観視できて出てきたその言葉こそがきっと心からの本心で、ラジャの本質なんだろうなぁと思う。
プラスティークとぶつかった件も、その時期が一番辛い2週間で、自分も愛する人からの言葉を必要としているときだったから、荒れててぶつかってしまってごめん、と素直に謝れて良かった。自分の弱みを見せたくない、と言いつつ、ちゃんと向きあったのは立派だと思う。この時のプラスティークがとてもよくて、「なんで言い返さなかったの?って人に言われたけど、ラジャの目を見たら、私に対する問題ではないことが分かっていたから」って答えたの本当にしびれた!!!このシーズン最年少ですよこの方。女神ですか?そしてその後アケリアにびしっと「あなたが全部扇動してた」っていうのもよく言った!って感じだった。プラスティークは本編中は優しくてちょっと引っ込んでる感じだった中、ちゃんと自己主張できる、芯の強いクイーンだってことが伝わる場面があってよかった。
個人的にはアケリアが色々つじつまが合わなかったていうのも理解ができて、というのは私たち視聴者はいろいろな人の話や視点をつなぎ合わせて個々のクイーンよりも状況の全容が見えているけど、クイーン個人はそうではないだろうことが分かるから、仕方ない部分もあるんじゃないのと思うのだけど。でも当時きちんと本人に話を聞かないで陰で話していたことは間違いなく良くなかったし、その結果扇動とみられても仕方ないし、それに対してこの場で言い訳ばかりになってしまっていたのも見てて辛かった。そして何より、二人がTwitterで「このあとちゃんと仲直りしているのに放送ではカットされた!」とつぶやいていたので、それはとても残念だった!番組制作側は個々のクイーンのイメージのことを考えてちゃんと解決してから次の話題に移ってほしい、とアケリア推しの私は思うのでした。
プラスティークの話に戻るけど、今回の衣装が本当に素敵だった…ひらひらフリフリじゃないけどフェミニンで、上品で、彼女のルーツが伝わってきて。本編ではランウェイでレオタードばっかりって言われてたし、美しいボディだから体のラインや肌を出してくれるのはとてもありがたいことなのだけど、品のいいデザインが本当に似合っていて素敵だった!
シルキーとイーヴィの話
この話は本編中に散々やったのでもう結構おなか一杯だったのだけど…w 思えば波がありつつもep3くらいからep12の頭までずーっと揉めていたのか…長かったな…
シルキーもラジャと同様、自分を守るためにとった防衛行動が、人を攻撃する形で外に出てしまったのだろうなぁと思う。私がシルキーのことやだなぁと思う時って、本編中やuntucked以上に、コンフェッションでの相手を見下したような態度だったんだけど、受けようとして大げさにやってたところだったり、自分を鼓舞するために言っていた部分もあったのかなぁ。初回からゲスト背負い始めた時点で苦手意識がついてしまって、途中のエピソードで無理だ〜ってなったりもして、なかなかそのバイアスを抜くことが難しいのだけど、TOP4のいいところを述べよ〜って募ったときにシルキーのところでたくさんの人が手を上げてたから、番組でクローズアップされてたマイナスの部分だけでなく、仲間たちに伝わるプラスの部分もたくさんあったんだろうと思う。イーヴィも余計なことを言っている部分が多々あったと思っていて、でもその率直さを愛せるだけの他の材料ももらえて、私も受け取れていて、でもシルキーに対してはそれができなかったのが、ちょっと苦しかったなぁ。
Season11のプライド、ニーナ
これすごくいいキャッチフレーズ!!大好き!9年間ずっと諦めずに応募し続けてくれて感謝しかない。ドラァグレースに出てなくても、すでに実力も名声もある中、出ることにこだわり続けてやっと出演が実現して、この遠い日本でニーナという素晴らしい存在を知れて本当に幸せだった。勿論他のクィーンに対しても同様に思ってるけど、老若男女国籍や、趣味嗜好を越えて尊敬されような存在なのは彼女だと思う。彼女にとってのドラァグは自己表現と同等、もしくはそれ以上に社会貢献であって、彼女の表現によって勇気づけられる人が百万といる。これからずっとアメリカに留まらず世界中に彼女の才能が伝わっていって、多くの人々に勇気を与えますように。
スカーレット・フィーバー
なんか脱落で世界が悲しんだ、みたいな導入だったかと思いきや、彼女が自分の世界に入っちゃうDelusionalなところばかりクローズアップされてちょっと制作側の悪意に失望した!彼女のドラァグの素晴らしさがあるからこそ皆脱落を悲しんだのに、キャッチーなキャラクターだからってそこを茶化すことに時間を取るのって優しくない。別にちょっとうぬぼれたっていいじゃない?ナルシストだっていいじゃない?だって素晴らしいんだもん!そしてブルックが「貴方のこと好きじゃなかった」って直接言うのも嫌だった~!スカーレットは上手に流したと思うけど、そういうマイナスのことじゃなくてプラスのことを伝えるのに時間を使ってほしかったし、マイナスなこと言うなら解決するところまでやってくれないと(プラスティークとアケリアの件と同様)こっちとしてはすっきりしない。スカーレットにとっても、マイナスなことをいうブルックにとっても、いいことなかったと思う。スカーレットのこと自分本位だっていうようなこと言われてたけど、個人主義なだけで私は彼女はとても優しい人だと思うんだけどな…
SNS派とショー派と、カツラの行方
みんな違ってみんないい、それでいいじゃないか。
別にSNSで人気があるからってそれだけじゃないし、ショーメインでやっていてSNSはあんまりだとしてもそれだけじゃないし、皆片方を舐めてかからず、尊重しあえばそれでいいじゃないか…
あとカツラの件は本編中からだいぶうんざりしてたのだけど、ラジャが素直に「持って帰った」って言わないで「スーツケースに入ってたけど?」ってシレっと言ってるのおかしかった。その後に投げたカツラは本物だったらちょっとひどすぎるので、打ち合わせ済みのフェイクのやつだって信じてる!
この時アリエルが「本当はただ忘れていっただけなのだけど、放送を見てプラスティークがこれ以上貶められることが嫌だったから、彼女のために残したってつぶやいた」って言ってて、友情に篤いギャルは最高だな…と思ったのでした。
メルセデスの話
クイーン皆でなんとなくほっこりしてしまうスイートなメルセデスの話。ムスリムのクイーンとして出場することは本当に勇気のある決断だったと思う。それまでクイーンとして活動してくるなかで不当に扱われたこともあっただろうし、これからも困難がたくさんあるのかもしれないけど、番組に出たことで世界中に味方ができて良かったなぁと思う。あまり口が立つタイプではない彼女が頑張って言葉を紡いでいる中、横でバンジーが肩を支えたり、プラスティークとアリエルが手を取っているのがとても暖かくてよかったなぁ。
カハナはショーの直前にリップシンクの動画をアップされたのが、メルセデスが勝つことをほのめかしてるようで嫌だった、って言っていて、カハナの気持ちも分かるんだけど、メルセデスは彼女を傷つける意図はなかったから、ルーの言う通り、「他人の思惑なんて自分には関係ない」という感じで、人の行動に自分から悪意を拾いに行こうとする必要はないよなぁと思った。ところで今日のカハナめちゃめちゃかわいいからスクリーンタイムが少ないのがとても残念だった!!
衣装のToot or Boot合戦
スカーレットの「大アマゾンの半魚人」ルック、プラスティークの農園ルック、ニーナのポルカドッツ・フェイスキニ、シュガのトロール、アケリアのカフタン、ソジュの韓服を取り上げてToot or Boot…正直わりと微妙なルックを拾ってくるなぁという印象だけど(それが意図と言われればそうなのかもしれない)アケリアがBootを蹴り飛ばしてるのが可愛かったw
リーディング再び
カハナがプラスティークをReadingしてるのが、本編中実現しなかった念願のハウスオブエドワーズvsハウスオブモントリースで地味に嬉しかった。あとはとにかくReadingの時に紙を取り出すメルセデスの可愛いこと!さらにカンニングペーパーに頼っているのにバンジーにもっとうまく言い返されてておかしかった。そういう意地悪じゃないところが愛おしくてしょうがないんだけど!個人的にはソジュがアケリアをリーディングしようとして怖すぎて無理!ってなっているのと、ハニーがアケリアのお尻をいじったのと、ニーナがソジュの嚢胞にK-popしたの?って聞くネタが面白かった!なんだかもやもやして楽しめなかった本編中のリーディングよりもずっと面白かった気がするぞ…
そしてファイナルへ
まず書いておきたいのが、スクリーンタイムのあるクイーンとないクイーンの差が大きすぎるのが超不満!番組側としてはドラマを作り出すクイーンのほうが取り上げやすいというのは分かるのだけど、それぞれのクイーンがそれぞれの色で個性あふれるドラァグを見せてくれてるのだから、それをそのまま見せてくれればそれでいいのに、ってとても不満だった。シュガ、ハニー、カハナ、ソジュあたりは本当に全然しゃべらせてもらえなくて、もっと話聞きたかったし、皆素敵な衣装着てたから全体像が見たかった!!以前のシーズンだと一人一人ランウェイを歩いて入場する時間とか、簡単なインタビューとかがあってすごくよかったので、戻してほしいなぁ。
そして、TOP4への印象操作が多々あって、Finalを迎える直前なのに悪印象を付けられてしまうクイーンと、そうでないクイーンの差が露骨だったと思う。アケリアもブルックも、マイナスな感じのことを言ったり言われた後で投げっぱなしにするのでなく、ちゃんと仲直りだったりフォローするような場面だったりを入れて欲しかった。TOP4全員素晴らしいクイーンで、だれが勝つにしろ、
全員が力を出し切れるように、全員を応援したくなるような作りにしてくれればもう少しすっきりできたのになぁ!
さて泣いても笑ってもあと一回、ファイナルを残すだけになりました。もちろん結果は知っている状態でこれを書いているのですが、王冠を取るのは誰か?ミス・コンジニアリティは誰か?できるだけ新鮮な気持ちでファイナルを見たいと思います。毎週このレビューを読んでくださっている方、ありがとうございます、あと一週間のお付き合いです!