*このブログは多大にネタバレを含んでいます。ネタバレしたくない方はここで引き返すか、以下WOW Presents Plusのリンクから本編を見てから読んでください*
I'm watching Freaky Friday Queens on WOW Presents Plus http://www.wowpresentsplus.com/videos/rdr13-freaky-friday-queens
今回はメイクオーバーチャレンジ!!!皆さまお好きですよね?今までのシーズンであれば縁もゆかりもない他人を呼んだりとか、はたまた自分と血が繋がった家族を呼んだりとか、外部からゲストを呼んで、自分のドラァグファミリーのメンバーとしてドラァグアップしてランウェイを披露しなさい、というような形のチャレンジなのですが、このコロナ禍の中で先行して放送しているUKシーズン2ではこの定番チャレンジがなく、とてもしょんぼりしていたのです。人にメイクするとなるとソーシャルディスタンスも取れないし、そうなると検査や隔離期間が必要だし、たった1エピソードのためにそんな準備も予算もかけられないので仕方ないよな、アメリカ版もないんだろうな…と残念に思っていたら、コンテスタント同士をメイクオーバーする!という今までになかった捻った形での開催になって、意外な喜びでした。そしてこれがまた面白かったんだぁ〜最高!!
今まで正直、メイクオーバーチャレンジって、勝負を握るのがメイクの腕前なのかな、って思っている部分があったんです。人それぞれのシグネチャーメイクみたいなのがあって、どれだけそれを他人の顔に適用できるか、あとは用意していた衣装にゲストがフィットしたら超ラッキー、ランウェイをヒールで堂々と歩けたら充分!みたいな。でも今回は、メイクや衣装やウィッグだけでなく、その人なりのランウェイでの立ち振る舞い方、個性の振り撒き方で魅せること、そしてその人がドラァグに対してどんな思想を持っているかまで体現するという深いところまで求められていて、とっても面白かったです。みんなちがってみんないい、というのが番組のキモだと思って見ているのですが、今回はそのそれぞれの良さをコンテスタント同士相互で理解し合うこと、自分の持ち味を明確に伝えること、相手の持ち味を損なわず表現することチャレンジになっていて、改めて視聴者側も客観的にメイクオーバー元の人の魅力はどこにあるかを理解できたし、メイクオーバーされた人の意外な姿を見られて、本当に楽しかった〜。不思議な組み分け!と思っていたけど、スピリチュアルパワーなら仕方ない(Gomen Anmari Shinjitenai…)
本当にみんなよかったので順位づけなんてしないで!誰も帰らないで!と誰もが思っていたと思いますが、悲しいけどこれ勝負なのよね…
ウィナーになったのがシモーンとユーティカ組で、お互いのスタイルが真逆か?というくらい違っていたので普段とのギャップがとても大きかったところと、お互い「Black Exellenceを見せたい」「アートとして表現したい」というドラァグにおける思想が明確だったのが良かったのかなぁと思っています。シモーンが着てたユーティカの衣装、ユーティカの足が長すぎるので少し股の部分がフィットしてないような気がして若干気になりましたが、進撃の巨人的というか、牧神の午後というか、美しい異形の姿で良かったです。ユーティカのシモーン流メイクは若干いつもより目元の魅力が伝わらないかな、と思いつつ、いつものおどけたウォーキングとのギャップでとても良かった!(ユーティカが文化の盗用になってしまうのではと忌避していた気持ちはすごく尊重されるべきで、制作側は愛があれば大丈夫!って言えば終わりだと思わないで、ちゃんと言動に責任を持ってもらいたいなぁと思います)
私、シモーンがevony enchantress(黒檀の魔女)って自分のこと言うの大好きなんですけど、ユーティカにivory enchantress(象牙の魔女)!って言ってるの最高だったな〜。ユーティカは、念願の勝ち星を獲れたことも嬉しかっただろうと思いますが、前回までなんだかみんなとちゃんと混じり合えてない気がする、みたいに語っていた壁を越えてシモーンというパートナーと深く交流できたことも本当に良かったと思います。
肌の色と体型も全く違うのにしっかりお互いらしいところを見せられたキャンディとゴットミク組もよかった!ワークルームでゴットミクがキャンディ流振る舞いの練習してるとき、ちびっこギャング状態で(ごめん)可愛すぎて大丈夫なのかって心配だったのですが、本番はバッチリでしたね。キャンディは、施されていたゴットミクのシグネチャーメイクの白塗りが口元よりも上までで、本人がしているバージョンより地肌とのコントラストが伝わって美しいし、フルフェイスで白塗りするよりも顔の大きさの違いを強調しないし、上手だな!と思いました。あのシグネチャーメイクは元はフェミニンな顔を隠すためだった、みたいな話もグッときたな…ゴットミクの眉毛描いてる最中キャンディ筆舐めてたの気になったな…
そうなると、そつなくこなしはした、という感じのティナとロゼ組か(でもシーズン始めは仲悪いのかな?って感じだったところから、今回学び合って関係を深めてるの、最高ですよね)デナリとオリヴィア組のどちらか、という感じで。私もどちらを選ぶかと言われたら、ジャッジと同じくデナリとオリヴィア組をボトムに選ぶと思います。オリヴィアがね、ドラァグを始めて一年とかだから仕方ないんですけど、自分の売りを理解しきれてなかったのかなと思うんですよ。オリヴィアは、自分はパジェントで、ディーバで…っていうところが魅力だと思っていてそういうグレースフルな方向でデナリをプロデュースしたわけですが、untuckedでシモーンが言っていた通り、今までのエピソードを見てきて感じたオリヴィアの魅力って、もう少し太陽みたいな無邪気さな明るさとか、パカッとした笑顔にあると思うのですよね。ウィッグ選びの選択ミス以上にそこが大きく響いたかなと思います。ジャッジが指摘していたデナリが施したオリヴィアのメイクのブレンディングもなるほど少し気になった…(それ以上にオリヴィアはいつもウィッグの生え際が気になるのですが…)
いやでも今回untuckedきつかった〜!!!「誰が帰るべき?」っていういつものクソ質問があって、デナリに名前をあげられたことでキャンディが怒って(最近わたしこのキャンディのすぐ熱して、でもそのあとすぐにケロッとなるところ、結構好きです)それに対してデナリが淡々と気持ちを述べて謝罪したのですが、このシーズンで見てきた中でもっとも真摯で、もっとも深い悲しみをもった語りかけだったのではと感じました…。あの状況で誰かを言わないといけない、自分の名前もパートナーの名前も出したくない、その中で仕方なく出たキャンディの名前だけど、言いたくなかっただろうなって心から伝わってきました。あの語りかけを聞いてデナリの誠実さを感じない人がいるだろうか…?
そしてオリヴィア。前回もボトム3からセーフで残って喜びを隠せなかった人たちがいるくらいとても愛されていて、それでも二週連続でボトムになって、帰る可能性を意識せざるを得ない状態で、絞り出して残していく言葉も、胸が詰まりました。本当、このチャレンジ、さっきまで協力して頑張っていた2人がリップシンクしないといけないのエグすぎる…
リップシンク、2人とも良かったです。デナリは今までリップシンクだったときはずっと動きやすい衣装だったので毎回大技を見せてくれていましたが、今回はオリヴィアから借りているガウンだったから、乱暴に扱えなくて派手に動けないのかな、と思っていたのですが、あの衣装は裾の部分が外れてボディースーツになるものだったそうですね。派手に動きを見せるのは前にやった、今回はゴスペルの曲で、動きよりもエモーションを見せるべきと考えてあえてガウンの形のままでのパフォーマンスを選んだそうです。2人とも、残りたいという意思が強く伝わってくる、熱いリップシンクだったと思います。
デナリは、ep1でのいきなりのリップシンクからの負け宣告で、ほんの数分でサシェイと言われた瞬間のショックを受けて呆然としている姿がずっと忘れられないのですよね。"Feelin icy.. feelin spicy"って退場時のセリフ、考えてきてたのかな、でもなんて力のない声なんだろうって。今回はじわじわと終わりを噛み締めるような表情で、どれだけ残りたかっただろう、ってとても辛かったです。幸い、untuckedでパッキングする際にはなんだかやり切った感のある、後悔のなさそうなスッキリした顔をしていたので少しホッとしつつ、こっちは全然すっきりしてないよ、もっと見たかったよ!!という悔しい気持ちです。初回は勝利で始まったもののその次の回でのボトム2、その後はしばらくセーフが続いてどんどん表情が暗くなっていく時期を越えて、ルージカルとスナッチゲームでTOP3まで調子を上げてきて、いよいよそろそろ念願のウィンを…!と思っていたのに…!私を含め視聴者に愛されているだろうな、この番組で得たものは多いだろうな、ということは感じているのですが、番組中でもう少し報われて欲しかったなとも思います。はーもっと見たかった…
来週は商品をプロデュースしてCMを作成する系なのかな?いよいよ人数が減ってきて本当毎回のエリミですり減りますね…がんばりましょう…