あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul's Drag Race Down Under Season 1 episode 5"Marketing Hats"感想

*このブログは多大にネタバレを含んでいます。ネタバレしたくない方はここで引き返すか、以下WOW Presents Plusのリンクから本編を見てから読んでください*

 

 

 

 

 

 

 

I'm watching Marketing Hats on WOW Presents Plus http://www.wowpresentsplus.com/videos/rdrdu-marketing-hats

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今週はCMチャレンジ!!オーストラリアで有名な、ベジマイトという天然麦芽酵母と野菜エキスをイースト菌で発酵させた「オーストラリアの納豆」とも呼ばれる食べ物があるそうなんですけど、そんな感じの商品をCMにしろ!というやつでした。チョコレートペーストのような見た目だけど、どちらかというとお味噌に近い、しょっぱい味だそう。(ちなみにオーストラリアではヌテラというヘーゼルナッツ風味のチョコペーストも有名みたい)でもさぁ…どっちにしろさぁ…そりゃその商品でCM作れって言われたら、そりゃ下ネタ方面にみんな走るよね!?見ながら何回か「コロコロコミックかよ!」ってなりましたわ…ダウンアンダーのダウンってそういうことじゃないよね!?


今回、ミシェルと一緒にディレクションしてた方がどうやらコロコロ読者ではなかったようで、下ネタ系に対する配点が辛かったかな、と思います。この辺りは運もありますよね…

ウィナーになったエレクトラさんは、下ネタの部分とそうじゃないアホな部分とのバランスが良かったので(C・U・N…まで来てAが来たの笑っちゃいました)上手かったなぁと思います。ピットクルーに「しゃぶってる感じのショットを撮らせてもらっても大丈夫?」ってちゃんと同意取ってるところ、重要。100点です。あとキタさんも、画面はキタないんだけど、ジョン・ウォーターズピンクフラミンゴオマージュというあたり賢いし上手いな〜!と思いました。今回はニュージーランド勢がアニータさんの雪辱を果たしたかのように活躍してくれて嬉しかったです。うちの旦那は蝶モチーフが出てくるとすぐs10フィナーレの話に持っていくのやめてくれ。

でもやっぱり今回食品のCMなわけで、下ネタ一辺倒になることはやっぱりだいぶリスクが大きかったかな、だって食べたくならないし購買意欲がそそられないもんね…!なので直接的な感じだった人の評価が低くなるのは、まあ仕方ないかなと個人的に思います。でもランウェイテーマ、Finest Sheila in the bush(大自然の中の花子さん、みたいな感じ?)という漠然とした感じの中で、私は今回ボトムになったエトセトラちゃんが圧倒的に良かったと思うんだけどな、見た目的にもメッセージ的にも。ランウェイ加点でセーフで抜けるかな…と祈ってた中で、実際に抜けたのが同じお下品系CMランウェイ良クイーンのスカーレットだったので、あれ、って思いました。スカーレットとエトセトラならエトセトラのほうが良かったと思うんだけどな…プリシラ見てないからスカーレットの良さが分からなかったのかな…あとテーマに合ってるかは分からないけど、アートさんのちょいダサセーターめっちゃ好きでした。


リップシンクはもうね〜ズルい!!マイク出すのズルいよマキシさん!!!歌謡ショーすぎておかしい!ああやって熟年のポピュラー歌手感を出すことによって、表情にフォーカスするように仕向けて、あまり踊らなくても許される演出にするの、クレバーで面白かったです。ピカピカの笑顔が可愛いよ…!個人的にはエトセトラちゃんのリップシンクも大正解だったと思うし、動きにバリエーションがあった分エトセトラちゃんのほうが残るかなと思ったので、そもそもリップシンク組になっただけでもあれっ?という感じだったのに、エリミにもなってしまって、心から残念でした。先住民ルーツのクイーン、POCのクイーン、ニュージーランドの実力者、ノンバイナリーのクイーンと居なくなって、マイノリティ側から退場して多様性潰してく方向なの結構もやもやします…ルポールの(好みによる独裁的)ドラァグレースの雰囲気、ひしと感じる…

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ところで今回ワークルームとランウェイでスカーレットさんが過去にブラックフェイスでパフォーマンスしたことに対する謝罪をしてましたね。まだ、考えがまとまっていないのですが、番組としてこういう形で出すことは、いい面も悪い面もあると思うけどとにかく重要なターニングポイントになるのかな、と思いました。

私の意見としては、ブラックフェイスをはじめ、差別及び差別的な行為は許されないこと、だけど人は学ぶことができる生き物だから過去を反省して二度としないと表明することはとても大事なこと、その表明を持って許すか許さないかは個人個人が判断するところ…という感じなんです、基本的に。スカーレットが過去にブラックフェイスでパフォーマンスしてたことで放映前から炎上してたのは知っていたので、私としては「まずは番組として放送されたものを見て自分の感じたことを素直に書こう、番組の中で見たものだけで評価しよう」「でも番組が終わったあと、個人のパフォーマーとして応援していくことは別問題で、問題のある発言や行動があったり、思想的に相容れないクイーンのことは自分のお金と時間をかけてサポートすることはできないな」というスタンスで常にやっているので、今回のシーズンも「今回のチャレンジでのスカーレットはいいな」「今回はちょっとよくないな」という感想を毎回持ちつつ、心の中で「でも謝罪したとはいえ、過去の行動から手放しで応援することはできないかな…」というフィルターがかかってしまった状態というか、そういう感じで向き合っていました(これ、好きになる前にそういうことがあったのを知ったからこういうブレーキがかかったような見方になったわけで、好きになった後で過去のことを知った場合にはもっと違う感じになっていたと思います。だってそうでしょ、例えば今推してるクイーンに明日何かがあったとして、行動は擁護しないとしても、いきなり嫌いになれますか?)

番組内で謝罪があったからそのスタンスが変わるかと言われると、うーん、まだ分からないのですが…でも公式な記録として残るのってとってもデカいなと思うんですよね。今後こういうことをした人なんだって厳しい目で見られるわけじゃないですか、それでも大丈夫なように学びながら生きていくことが求められる側面と、でも公式に謝罪してるエビデンスが残ってるから、っていうこのまま活動していくエクスキューズができる側面もあって、何も語られないままいるよりはずっとずっといいのかな、チャンスをもらえてラッキーだったね、って思います。(もう一人、放送前に炎上した人がいますが、その人はどうなるんでしょうね…)あとから何も知らない状態でシーズンを見た人がこのクイーン大好き!!って夢中になって、後から調べてみたら問題のある行動があって大ショック、みたいなの辛いじゃないですか。それをシーズン内でちゃんと過去のことを知れるところから謝罪したところまで、一通り見られるようにしてくれるのはわりと親切設計なのかなと…。だってこのまま知ってる人が知ってる、知らない人は知らないみたいな状態で例えばファイナルまで残って、あまつさえも冠取ったりとかしたら、そっちのほうが嫌じゃないですか…?知ってた側だからそう思うのかな…

 

でもやっぱりさ、先に書いたけど、その表明をもってしても許せるか許せないかは人それぞれで、特に当事者の人たちは「これで禊完了!ok!」とすることはできないんじゃないかな、しなくていいんじゃないかな、と思います。


今回、POC当事者であるクイーンたちが帰った後でのこの展開なのが良くないですよね。白人たちしかいないワークルームで謝罪されてもどうなんだって感じだし、ジャッジのルーもスカーレット個人どうこうじゃなくて、シリーズ通してのキャンセルカルチャーへの対応としての試金石としてる感じがあるというか…ワークルームでそれは良くないよ!ってビシッと怒ったエレクトラちゃん(立派!最年少なのに、というか、最近の若い方たち本当しっかりしてますよね…大人がもっと学んでしっかりせんとあかん…)が帰されちゃうし…なんだかなぁ…


考えがまとまってない中で書き始めて、やっぱりまとまらないまま終わります。次回はメイクオーバーチャレンジ!しかも久しぶりに素人男性(この書き方良くないね)が来るぞ!!メイクオーバーの中でもかなり難易度高い部類だと思うので、どうなることやら…という感じです。あと3epだけど全然最終局面も読めないし、ある意味毎回びっくりすることばかりで、新鮮に見られるシーズンだなぁと思います。

 

追記

一晩寝て考えたけど、やっぱり元々POCクイーンの数が少なかった上に二人とも早期サシェイさせた中、白人クイーンが理由の説明なしにレースにカムバックできて、過去に差別行為を行った白人クイーンが謝罪してこれからもレース続行するチャンスをもらえる、っていう番組の構造がよくないなぁと思います。結局差別を顕在化させてないか、と。もちろん謝罪して前に進むことができるようにすることは大切なことだし尊重するけど、そうやって再起のチャンスを与えてもらえる白人クイーンがいる中で、番組に出演する機会すら与えてもらえないPOCクイーンがたくさんいるわけで…もしシーズン2があるのなら、もう少し多様性を尊重するようなキャスティングにして欲しいなあ、と思います。