あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

Drag Race Holland Season2 episode8 フィナーレ回感想〜

ついにオランダs2もフィナーレですね。始まった時はウキウキしていましたがep4あたりから見ていて辛くなるような展開が続き、視聴を途中でギブアップするお友達も少なからずいるなか、それでも最後まで見届けなくては、という気持ちで完走しました。正直フィナーレ回単体としてはとても良かったと思います。今回だけを見ていたとしたら、いいシーズンだと思えたかも。終わりよければ全て良し、とまとめるつもりはないのですが、少なくとも終わりは良かったのでほっとしました。


まず、リユニオンを兼ねているかのような構成が良かったですよね。ファイナル回の度にブログで「そのシーズンを作り上げた全員でフィナーレを迎えて、ウィナーを全員で祝福できてよかったね」もしくは「〜したかったよね、何で呼ばなかったんや」ということを書いているのですが、今回のように先にTOP3以外のクイーンを入場させて、少し話を聞いてから、TOP3クイーンを迎える、という形は割と理想的だな、と思いました。


別撮りのMVはなんだか演出と曲調がちょっとミスマッチでは?と感じつつ、でもそれぞれに見せ場があって良かったですし、ファイナルランウェイももちろん3人ともとても良かったです。優勝者を書いてしまいますが、ヴァネッサ、今回本当に穴のない盤石さで、このエピソードだけ見たらもう迷いなくウィナーになるよな、という感じでした。フレッドたちとの面談でvurnelabiltyを見せたり、MVの歌詞にきっちり自分という人間を伝えるようなメッセージを入れたり、ファイナルルックも衣装として素晴らしいだけでなく髪の毛を剃ることで覚悟を見せるようなメッセージを付加したり、リップシンクで情感込めて曲を表現するだけでなくリビールや仕込みグリッターでwow要素を足したり…本当にファイナルにおいて圧倒的に強かったと思います。ヴァネッサはとてもパジェントクイーンらしい、すごく戦略的というか、計算高いというか、戦い方をよく知っていて、自分の強みを一番出すべき瞬間によく生かしているな、と感じました。


私はマイリトルプニーさんを応援していたんですけど、オランダのジャッジングにちょっと権威主義感があるなぁと思っていて、プニーさんのドラァグ歴の短さは「ドラァグ歴短いのにすごい才能と成長!」と取られるよりは「まだ熟しきっていないね」と取られてしまうかなぁとうすうす思っていて…私自身は歴の短さを感じさせないパフォーマンス力の高さ(ドラァグクイーンとして仕事をしてる歴が短くてもダンサーとしての活動が長いので当然かもしれませんが)をもっともっと評価してほしかった。ファイナルリップシンクまで本当に立派に戦ったと思います。


ヴィヴァルディは、まあ携帯騒動があったので、流石に優勝まではないよね、と思っていたのですが…脱落したクイーンたちも、違反行為があったのにも関わらず(表向きは)戦いぶりを讃えていて、救われるよなぁと思いました。やっぱりラップも自分の名前アピールに終始しているというか、メッセージ性が他の二人より薄めだったので、その辺りも含めてこれから成長していくクイーンなのだろうと感じています。本当、ルックで見せるセンスの良さは随一なので、良いところはそのまま、たくさん学んで人間として深い魅力のあるクイーンになって欲しいなぁ…

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昨シーズンの優勝者、エンヴィがゲストジャッジで出てくれたのも嬉しかった!これ、初めての試みのような気がするのですが、考えてみたらとても理にかなってますよね。自分が誰だったら冠を譲れるかっていうジャッジをするために現クイーンが来て、王冠の譲渡を実際に行う、とても自然でよかったので、是非他の国でも取り入れて欲しいです。あとエンヴィのギャラクティックウォーリアープリンセスみたいなメタリックなヘッドピースを始めとする装飾、他の人にない感じで好きなのですよね…

そしてミスコンジニアリティの授与で私の昨シーズンの推し、ママクイーンが来てくれたのも嬉しかった!番組本編が完結した後で、非公式リユニオンという形で特番をやってくれた中で決まったのですよね、公式発表のなかったミスコンジニアリティをこうやって後に残る形で出してくれて嬉しいし、純粋にママクイーンが見られて嬉しい。好きだから。今シーズンはタビサにミスコンジニアリティが決まったようですが、それを祝福する他の人たちの表情を見て、ああ番組で映されていなかった部分で、たくさんコンテスタントたちにポジティブな影響を与えて、勇気づけてきたのだろうなぁと嬉しい気持ちになりました。アメリカ版のラトリースみたいな感じなのかな、懐深くみんなに母のように愛される人なのだろうなぁ。


終わりよければ全てよし!と言いたくはないよね、と最初に書いた通り、やっぱりep4〜7あたりは毎回しんどいことが続いて本当に視聴するのがきついシーズンでした。今年は他にも見てて辛いシーズンがありましたが、ジャッジング由来のキツさはこのシーズンが一番でした。次シーズン、あるのかなぁ…あるならもう少し、改善して欲しいです。例えコンペティション番組と銘打ちつつも実際はある程度決まった筋があったとしても、それを筋の通った矛盾のない物語として見せる努力をして欲しいなぁ。あとここは視聴者に見せちゃいけないな、という発言があったならそれは隠して欲しいなぁ。綺麗な夢なら信じるのになぁ、そんな気持ちです。あと今シーズン未だかつてないレベルでネタバレを事前に踏んでしまったので(エリミの順番とか優勝者とか…そのあたりを見てしまっていたので色々な心の準備ができて納得できない展開も受け入れられたと言う悲しい副次的要素はなくはなかったのですが…)その辺りの管理も本当にちゃんとして欲しい…!


他のシーズンと放映時期がかなり被ってしまっていたのもやはりクイーンたちの印象が薄くなってしまって良くなかったですよね。好きなクイーンたちはばっちりインスタなどでフォローしたので、これからも活躍を追っていきたいなぁと思います。視聴者側からしたら「このシーズンは良くなかったよね」なんて言って捨て置くのもとても簡単なことなんですけど、時間とお金とキャリアと人生を賭けて出場したコンテスタントはそうはいかない。なので、クイーンたちにとってポジティブに一歩進むための、何かのきっかけになっていてくれればいいなぁと願うばかりです。