あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

Canada's Drag Race Season2 episode10"Queen of the North"感想〜

大好きなカナダs2が終わってしまった〜!本当、回を重ねるごとに愛が深まる最高のシーズンでした。それでも「もしかして最後にズコーってなったりするんじゃない?」って期待しすぎないようにちょっと警戒しながら見てしまう心配性の私ですが、本当に何の憂いもない素晴らしいフィナーレでした。泣いたし…

 

 

 

 

 

I'm watching Queen of the North on WOW Presents Plus http://www.wowpresentsplus.com/videos/cdr2-grand-finale

 

 

 

 

 

 


まずね、最初のエキストラチャレンジがご褒美感あって良かったです。昨シーズンのウィナーであるプリヤンカが来てくれての譲位フォトシュート、本当に王冠を手に入れるのは3人の中で一人だけだとは言え、3人ともが王冠をかぶって自分が勝つイメージを深められたのかな、と思います。最後のスピーチの時にお写真が出てくるんだけど、全員素敵な仕上がりだった〜!プリやん、出てくるだけで場がプリやん色になるので、本当に素晴らしい初代クイーンだったと思います。全員プリやんとの触れ合いで和んでるの可愛かった、親しみやすいクイーンって本当素敵。


そしてメインチャレンジ。いつもの「曲に合わせてのリップシンクパフォーマンスだよ、自分のパートでは作詞してね、ダンスは振り付けが大変だから頑張って!」パターンなのですが、今回ルポールの曲でなくてブルックリン先輩の曲だったのがとても良かったです。良かったところ一つ目、ブルックリン先輩の曲でブルックリン先輩がボーカル指導に入ってるから、それぞれの良さを楽曲に合わせて引き出す指示がとても的確だったところ。良かったところ二つ目、これ個人的にこのシーズン一番の泣きどころなのですが、曲の中のブルックリン先輩の歌パートで、シーズン2クイーン全員のことを歌っていたこと!何人かは名前が歌詞の中に織り込まれてるな?ってすぐ気づきましたが、それ以外のクイーンは…?って思い見返してみてハッとなりました。全部、各クイーンがサシェイするときにジャッジから投げかけられた言葉たちからの抜粋なんですよ!!サシェイ順に9人分全部!!なんか本当、パフォーマンスしてるのはTOP3だけかもしれないのだけど、全員がいたからこのシーズンなんだよ!って感じるような要素を入れてくれたことに本当に感謝です…

f:id:akzkiss:20211222002341j:image

そしてパフォーマンス自体も本当に良かった!!ep2のルージカルの時と同様、ハリウッドジェイド氏が振り付けに来てくれたのですが、その時はボトム2に入ってしまったアイシスも素晴らしいダンスを見せてくれて成長を強く感じました。アイシスアイシスのお膝も頑張った!アイスいっぱい食べてね!!ep2の時は歌は苦手で…と表現力でカバーしていたケンダルは迫力のラップが良かったです。あとケンダルのヒップドロップ、私だーいすき。ピスィアはとても安定感があって、小道具捌きも危なげなくて、魅せるのが上手いなぁと思いました。笑顔がね、コケティッシュでいいんですよね…


ファイナルランウェイもみんな良かった…一番手、アイシスがただ綺麗なドレスを綺麗に表現するのでなく、開口器を取り入れてきたところ、やられた!!って思いました。アイシスのインスタを遡って見ると結構ダークな印象のドラァグをたくさんやっていて、ドラァグレースではわりとテレビ的に分かりやすい表現で戦おうとしているのかな?と思っていたのですが、この最終ランウェイに来てただ美しいでは終わらない、フェティッシュで、少し奇妙で、でもただひたすら美しい、自分らしい表現を見せてくれたこと、本当に素晴らしいと思います。

ケンダルは自分のルーツを大切にして、自分の肌のトーン、美しいでしょ、ブレイズやバントゥノットはフォーマルな場には合わないとか言われるけどそんなことないでしょ、黒人女性の小さなウエストと豊かな腰の作り出す砂時計の形、綺麗でしょと、表現してくれたのが本当に素敵でした。そして、ギリシャといえばあの柱!!(イオニア式!)ってにっこりさせてくれたピスィアも本当に素敵でした。ここに来て異色肌、そして美しいだけでなくキャンピィで、ルーツの伝わってくるドレス、とてもチャーミングで良かったです。

そしてカナダは全クイーンをちゃんと呼んでくれるから本当に好き…!ベビーピンクのグラマラスなドレスが素敵なベス、頭の上に卵の殻を乗せてコミカルなオシアン、アジアの寺院の飾りのようなゴージャスな金の鳥の姿のステファニー、やはりアジアのルーツが伝わるサファイアブルーが美しいスキ、少しスモーキーな水色が肌に良く映えるイヴ、ミニマルでシュッとした形が美貌を引き立てるシンシア、アフリカンプリントmeetsステンドグラスのような荘厳な美しさのキモラ、ラテンのルーツを大事にしたフラメンコ調ルック(後日追記:この衣装、コロンビアの伝統的音楽&踊りのクンビアの衣装がルーツということです)が艶やかなアドリアナ、近寄り難い薔薇の花のようなジア (デザイナーさんはAS6のカイリーのファイナル衣装の方と同じ方かしら?)みんなみんな本当に最後にいいもの見せてくれてありがとう、という感じです。全員素敵だった〜!


「重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを探すことである」という言葉がありますが、このフィナーレで強く感じました。結構昨今のドラァグレース、感動路線に持っていこうとして、わざわざデリケートな質問をして弱い部分をほじくろうとしていることがあるな、とか、人のvurnelabiltyを食べて若返っているヴァンプがいるななんて思っているのですが、今回のように、ただシンプルに「この場に至るまでの貴方の旅路はどうだった?」と問いかけるだけで、それぞれの本質に迫るような、一番のスタート地点の絶望だったり、苦しみだったり、葛藤だったりを自ら語ってくれて、それがこちらの胸を打つのだなぁと思いました。暴力が身近にある家庭に育ち死ぬことも考えたアイシス、酒やドラッグに溺れた日々から脱出したケンダル、幼少期自分を否定され続けたピスィア、それぞれがドラァグに救われて、そして今この場に立っていることで今度は自分達と同じ境遇にいるかもしれない人をドラァグによって救おうとしている…こうしてクイーンたちの魂からの言葉をきちんと引き出すことができるから、自然に心が動かされるのだなぁ。ジャッジたちも自分の経験を語ったり、少なからずこちらも自分の経験と重ねたり、とにかく3人とも世界のどこかの誰かに必ず響く、素晴らしいスピーチだったと思います。


ファイナルリップシンクも3人ともよくて、これ本当ジャッジ難しいよね、大変だ!なんて思っていたのです…終わった後ピスィアがまず落涙して、そのあと3人集まって抱き合っているところで、全員後悔なくやりきって出し切ったのかな、なんて思いました。私は今回チームアイシスだったので、メインチャレンジのパフォーマンスも、ファイナルランウェイも、最後のリップシンクも、どれも少しずつアイシスが良かったように見えたな、いやでも私の欲目が入っているかもな、なんて思いながら名前が呼ばれるのを待っていたのですが…本当に本当に3人とも良くて、誰が選ばれても祝福できるなという気持ちにも嘘はないのですが、でもアイシスの名前が呼ばれて、心から良かったな〜〜〜と思いました。おめでとう、本当に「北の女王」にふさわしいと思うよ、だって北ってなんか寒いし、氷の女王にぴったりじゃん…?

f:id:akzkiss:20211227010739j:image


本当に楽しかったし、優勝者にも文句ない、でもクイーン全員良かったから何かが違ってたら他の人が優勝してたかもしれないなんて感じるシーズン、なんなら同じメンバーでもう一周しよ?とすら思ってしまうのですが…カナダはs1も良かったのですが、残念ながらその中で課題もたくさんあったと感じていたものが全て解決されて、本当に憂いなく見られる改善されたシーズンになっていたので、本当に製作陣には感謝しています。ドラァグレースの供給過多状態で正直玉石混交だななんて思うのですが、こういう心の宝物になるようなキラキラ輝く素晴らしいシーズンがあるからやめられない。何度も見返したくなるシーズンが増えたことがとても嬉しいです。

 

しばらく歌詞を見返して泣いちゃう日々が続きそうです。本当、このシーズンを彩ってくれた皆がずっと幸せにいられますように…!

https://genius.com/Brooke-lynn-hytes-queen-of-the-north-remix-lyrics