あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

Drag Race Philippines Season1 episode10 "Grand Finale - Philippines Season 1"感想

ついにフィナーレ!ドラァグレースフィリピン!!!

セミファイナル回が1時間30分あったので、フィナーレは2時間とかあったらどうしよう、と思っていたのですが杞憂でした。55分間、でも決して短いと感じることもなく、盛りだくさんの濃密な最終回でした。

 

 

 

 

I'm watching Grand Finale - Philippines Season 1 on WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/drp-110

 

 

 

 

 


最初、ファイナリスト以外のクイーンも予告で出てきていたので、リユニオンも兼ねてこのシーズンを振り返りながらファイナリストを決めるのかな〜?なんて思っていたのですが、ファイナリストによる二つのランウェイと、リップシンクのトーナメントという優勝者を決めるためのガチな構成でびっくりしました。あとママパオのパフォーマンスと、ルポールのビデオレターの茶番ね(いらなくない?)

ファイナリスト以外のクイーンたちもママパオのパフォーマンスに合流した時のダンスと、ランウェイとファイナル決戦中に美しいドレスとを披露できていたので、それは良かったけれど、もっとそれぞれに話を聞く機会も欲しかったな…!untuckedが来たのでリユニオン的なものを期待していたのですが、残念ながら今までのuntuckedのハイライト集みたいな感じだったので、これだったら別に…となってしまったのでした。もうちょっとトップ4以外のクイーンから話を聞きたかったな〜!


ミスコンジニアリティはレディ・モルガナさんが受賞して嬉しい限りです。この方、妙なおかしみというか、親しみ深さというか、飲み屋さんで1人でまったり飲んでるときにカウンターの隣に座っててちょっと話したらすっかり意気投合してしまう謎のお客さん感があるというか、親近感の塊みたいな存在なので納得の受賞です。すごく盛大に戴冠してもらって、長いスピーチで感謝を述べて、感極まってるところを見て心が暖かくなりました。ダンスが上手いとか、ルックが強いとか、そういう分かりやすい魅力とは違うけれど、こういう味わい深いクイーンは絶対にシーズンにいて欲しいと思っていて、ミスコンジニアリティの受賞がその証明になるよなぁ、と思いました。


さてファイナリスト4人!最初のランウェイはキャンピィルックで、キャンプといえばテントやろ!というルックのプレシャスちゃん、春巻き盛り盛りのイヴァちゃん、袖の部分に髪の毛をあしらったシェールを讃えるような衣装のシルエット、缶蹴り(というよりは靴飛ばし?)のマリナちゃん、みんなキュートで新鮮で良かったです。各シーズン、キャンピィなファッションに対していつも評価が低くない?と憤っているので、ファイナルの場でこうやっていい表現を見せてもらえるの、とても嬉しかったです。

もう一つのフィリピン土着・エレガンザなんですけど、ep1のランウェイがテルノというフィリピンの民族衣装テーマだったじゃないですか、なんだかそれを思い出すなぁ…という感じでここまでの道のりを思って愛おしく思いました。プレシャスちゃんはその時も山岳民族ルーツをうまく組み込んでいたよなぁとか、イヴァちゃんはあの時はカラフルに決めてたけど今回はイノセントカラーで素敵だなぁとか、シルエットさんは黒も良かったけど白もまた似合うなぁとか、マリナちゃんは伝統的な素材を使いつつぎゅっと締め上げたウエストがドラァグ感あっていいなぁとか、それぞれの良さが出てましたね…見応えあったなぁ。


リップシンクバトルは第一回戦イヴァ対プレシャス。もうね、何よりもね、これについて語りたい。鳥。なんだったのあの鳥。2人とも(っていうかファイナリスト4人とも)リビールします下に何か隠してますみたいな衣装で出てきて、先にイヴァちゃんがバッとリビールして、プレシャスちゃんからは何が出てくるか…と思った途端のまさかの鳥。大笑いしたんですが、そこでがっちりハートをキャッチした上でパワフルなリップシンクを炸裂させてくれると、こちらはもう目が離せないですよね…イヴァさんも良かったのだけど、ステージを大きく使いつつ、そこステージが小さく見えるような力強いリップシンクでした。

イヴァさんが退場する前に一言求められて「この番組に関わった全員に感謝を述べたいけれど、何よりも、カメラには映らない裏方の人たちに最大の感謝を!」と語ったことに涙が出そうになりました。本当イヴァさんのそういう誠実で真摯なところ大好き。私たち視聴者の見えないところで、たくさんのスタッフさんが支えているんだろうなぁ、一人一人本当にお疲れ様という気持ちです。


第二戦はマリナちゃんとシルエットさんで、初回から因縁があることが分かっていたこの2人が最終回で直接対決するこの展開、熱い!と思いました。しかも曲がCall me motherなんて、ドラァグマザーとドーターの戦いにピッタリすぎるでしょ。このシーズンのダンシングクイーン・マリナちゃんのリップシンクはとにかく圧巻でしたが、シルエットさんの「マザーと呼びな!」っていう威厳ある笑顔も素晴らしかったです。2人が手を繋いでこっちに歩いてくるところ、本当シーズンフィナーレにふさわしい清々しさでした。

シルエットさんは本当にファイナリストに残ってくれて良かった、フィリピンのドラァグの歴史を愛し尊重しようという姿勢の人がここに立っているということは、今までの歴史と、これからの未来を繋いでいるかのようで、とても美しいことだと思いました。しんどい瞬間もあったと思いますが、最後に笑顔で感謝の気持ちを伝えられるような旅になって良かったよなぁ、と思います。


そしてママパオの衣装替えも挟みつつの最終リップシンク。これがもう本当に素晴らしかった!今回、他のフランチャイズではあまりなかったことなんですが、ステージで特効で風を吹かせていたようなんですけど、2人とも衣装を活かして美しくたなびかせながら優雅にリップシンクを始めて、そのあとは2人ともそれぞれ感情を体の動きに乗せて、力強くエモーショナルに訴えてきて…これは本当に勝負を決めるのが難しかっただろうなぁと思いました。私はトラックレコードを加味して若干マリナちゃん寄りかな、と思ったのですが…

(セミファイナルで脱落した2人がきっちりいいコメントを残してくれたので、マリナちゃんにももう少しスポットライトを当ててあげたかったな…このシーズンずっとずっと良かった割にバッジに結びつかなかったみたいなシーンが一番多かったんじゃないかと思うので、できれば戴冠という形で報われて欲しかったなという気持ちがあり、それが叶わなかった今何らかの形で番組側はマリナちゃんの頑張りに報いてあげて欲しいなぁと思います…) 

 

でもプレシャスちゃんも素晴らしかったのでそれに水を差すつもりはない!嬉しい!おめでとう!!感情が昂るとすぐ泣いちゃう、その時の下がった眉と笑顔が本当に可愛かったです。最初から最後までムードメーカーのような存在で、場を常に明るくしてくれて、チャレンジやランウェイでも自分のやりたいことを表現してくれて、表現できる喜びの感情がそのまま伝わってくるというコネクト力の高さと、常に何か一つ爪痕を残そうとするサービス精神の強さが随一だったと思います。こういうパフォーマンスが強くて、言語を超えてお客さんに伝える力を持っているクイーンが頂点に立つことは、確実に今後ドラァグレースの歴史がインターナショナルに広がっていく中でプラスに進むと思うし、早速1月にあるドラァグコンとかでも愛されるだろうだろうなぁと思うと嬉しくなりますね。アジアから誕生した新しい王者が世界レベルで活躍する機会がたくさんありますように!


っていうか最後にどうしてもこれだけはツッコミを入れたい。

セプター小ちゃくね????(それ最後に書くことか?)