あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

Drag Race España Season2 episode11 "Take Me to Heaven"感想

今シーズンも楽しかった!エスパーニャは製作側のクイーンたちへの愛を感じることができるせいか、大団円という印象が本当に強いです。今更だしいつも通りですがネタバレがありますのでお気をつけて下さい、今回は最初にウィナーを書きます。そして今回、ウィナーが過去にブラックフェイスを行ったということでネット上で多少話題になっていますのでそのことについての私の考えを最後にまとめさせてください。(私割と坊主と袈裟は切り離して考える人間なので、あっけらかんとウィナーを褒めるのでそこでモヤモヤしたらすみません…もうその人のこと無理になっちゃう人もいるよね、それも理解できる、自分の正義を一番大切にしてください)

 

 

 

 

 

 

 

I'm watching Take Me to Heaven on WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/dresp-211

 

 

 

 

 

 


というわけでシャローンおめでとう!!!文句なしの優勝だと思います。序盤から安定した成績で、ほぼ毎チャレンジでトップ以上の成績になり、3回のウィナーになった回以外でもかなりそれに近い位置につけているという、本当に堅実なレースの進め方でした。何か苦手分野でしくじったりしない限りこの人を崩すのは難しいぞ、と思っていましたが、一度も崩れることなく、ずっと先頭を走る姿、とても格好良かったです。それでも本人は元々の能力にあぐらをかいたり、経験値が他の人より高いことに甘えず、他の人といっしょに無我夢中に汗をかいて走っているのが分かるのが素敵でした。全力を出す、努力もする、知恵も絞る…でも常に優雅で、余裕があるように構えていて、それでいて謙虚で、洗練されていて、番組に出演したベテランクイーンにはこうあって欲しい!というお手本のような勝ち方だったと思います。


他の3人ももちろん素敵だった。ファイナリストが決まって、この人は絶対ファイナルリップシンクをシャローンと争うことになるな、と思っていたヴェネディタ、私はマスキュリニティとフェミニニティの狭間で遊ぶというドラァグスタイルが大好きで、ディタ・フォン・ティースの官能性と男性性の象徴としてのお髭のコンビネーションが本当に魅力的で!ずっとそのスタイルを貫き通してくれたこと、ジャッジ側も一度たりともスタイルを変えたら?とか髭が邪魔!みたいなことを言わないでいてくれたことに感謝しています(これが当然のことであって欲しいのだけど、他のシーズンで髭を剃るように誘導されたクイーンがいて私はとても悲しかったので…)

エストレジャは本当にセミファイナルで落とされず残ってくれて良かった、このシーズンにおけるハッピーの権化だと思っているので、いるだけでリップシンクもなんだか雰囲気が明るくなりますよね(そんな彼女がボール回で見せた渾身のリップシンクも最高だったのですが…!)本当コンフェッションから何から何までいい雰囲気を作ってくれたと思います。

マリナについては私は悔しい、あそこまで残したなら最後まで戦わせてあげて欲しかった…!せっかくのリビールを残していたのに、それを披露することなく下がってしまうのは本当に残念でした。ファイナルチャレンジのパフォーマンスも決して悪くなかったと思うのですが、全体評価で少し及ばなかったのでしょうか…個人的には今回のダンスパフォーマンス、ソロがある部分は収録でカメラが寄って映していることが多く、全体はユニゾンが多かったので、もっとマリナのダンススキルを活かせるようなパートがあったら違っていたのかな?なんて思ってしまいます…でも本当に頑張ったよ、格好良かったよ。


ファイナルチャレンジ、まずはオフドラァグで歌い出して、曲の途中でドラァグアップして、さらに帰ってしまったコンテスタントたちも戻ってきて…と盛りだくさんで凄かったです。さすが私たちが見たいものが分かっているエスパーニャ…今回の曲はジャッジのシュプレムの新曲ということで、フランチャイズはできるだけその現地の色を出して欲しいので、シュプりんが歌うスペイン語の曲だというのは最高だったのですが、s1でカルメンが「ルポールの曲?知らん。変な歌詞」ってディスったせいで御大の曲が使えなくなったとかじゃないですよね…?

みんなそれぞれ良かったんですけど、シャローンがオフドラァグでは他の人と同じいわゆる男声音域で歌ってるんですが、ドラァグしたあとは1オクターブ上げて歌っているのに痺れました。さすが。

いやでもやっぱり一番嬉しかったのが全員でパフォーマンスできたことですよ。ファイナリストだけでなくて全員で作ったシーズンだもんね。振り付け練習に入ってきたサマンサとエストレジャが目が合うや否や「おデブ〜!」「おハゲ〜!」と呼び合いながら抱き合っていたのが微笑ましいを超えて笑ってしまいました。完成品を見ている際、えっ何?と思ったらセスラスで、えっ誰?と思ったらオニキスだったので、やっぱりこういうところでもフックを効かせてくるこの二人は強いなぁと思いました。

っていうかまず冒頭の演出が最高すぎて泣いた。去年戴冠したルックのカルメンが来て冠を置いていくところから始まるなんて、粋すぎるじゃないか〜!最高!!


ファイナルランウェイも当たり前のように全員で歩けて嬉しい〜!初回サシェイで残念だったマリサは振り向いた時に最高のwowがある衣装で、最後にきっちり爪痕を残していくのが格好いいと思いました。アリエルはアリエルで、人形モチーフ大好きな私はそれだけで大歓喜なんですけど、昨シーズンのキラークイーンのファイナル衣装がウルスラだったので、こんなところでファミリー感出してくるなんて!ってちょっと涙出た。サマンサはゴージャスに決めてきたね〜って思ったら脱いでレオタードになったので、いつものやつ!!!って嬉しくなっちゃいました。ホタはアイコニックないつものアイメイクではなく、最後の最後に新しい表現をやってくれて、格好良かったです。オニキスは本当いつもいい、でも私このルックが今までで一番好き!ティファニーブルーにゴールドの組み合わせと、無機的な髪の毛と肌の白の色合いが美しすぎる。ディアマンテはTwitterでウィッグ制作の大変さを語っていたけど素敵だった、こういうモード感のあるスタイリングとてもよく似合いますね。セスラスは信仰心をドラァグに昇華したようなルックで、そういえばep2のタレントショーの時に聖母マリアとキリストに扮するパフォーマンスをしたことでヘイトを受けた話をしていたことを思い出して、セスラスの表現したい本質的なことを最後に持ってきたんだなぁと思いました。ジュリジはいつもの気品溢れるお姫様スタイルからリビールしてセクシーにアピールするの、このシーズンずっと楽しませてもらったジュリジのドラァグの最上級版という感じで素晴らしかったです…まとめると、みんな、本当にいい。


そして忘れちゃいけないジャッジの皆様、本当このシーズンも素晴らしいジャッジングをありがとうございました。シュプレムの暖かい包容力があるからこそ良い雰囲気が作られていると思うし、毎回難しい決断をする厳格さがあるからこそ、辛いエリミでも毎回受け入れられたのだと思います。アナが下ネタで無邪気にあっけらかんと笑ってくれることに私は毎回救われていたし、50代になったときにこんな素敵な女性になっていたいな!と思えるようなファッションロールモデルでいてくれて本当に嬉しい。ロスハビスは私にとってはエスパーニャシリーズの平和の象徴なのだけど、今シーズンはルージカルで素晴らしい手腕を振るってくれたのが嬉しかったし、毎回スタイリングが素晴らしかった〜!ハビエル・カルボはセクシーさが限界突破してるし、ハビエル・アンブロッシは知性と遊び心が伝わってくるルックで、本当二人とも最高に自分に似合ったオシャレさで眼福でした。本当、ずっとずっとこのメンバーでジャッジングしてほしい…えっ、もちろんs3もやるよね?s2ツアーが発表されたからその最中に告知解禁するでしょ??お願いしますよ!!!

s2お疲れ様でした!!!

 

 

 

 

 

 

さて、シャローンが過去にモノマネ番組か何かでドナ・サマーズを歌うために出演した際にブラックフェイスを行っていたことでネットで一部で紛糾しています。その事について考えていることを残しておきますが、あくまで「私の」「現時点での」考えなので、その旨ご承知おきください。自分の考えが全方位に向けて正しいとは思っていないですが、今の自分の気持ちの落とし所としてはこんな感じかなぁと。

まず、ブラックフェイス…意図的に自分の肌よりも暗い色を使ってメイクをすることは、過去の黒人に対する加害の歴史を鑑みて、それが悪意をもってなされるなら当然ですが、そうでなくて、リスペクトを持ってやっていたとしても避けるべき事だと考えています。これは大前提。でも、この件についてはアメリカと他の国とは温度差があるだろうことも多少加味しないといけないんじゃないかなぁ、と。日本も古くはシャネルズやラッツ&スターとか、ちょっと前だと矢島美容室とか、ゴリゴリに無自覚的に同様のことをやっていた時代があって、でも制作側も視聴者側も活動当時、まったく問題だと思ってなかったと思うんですよね(じゃなかったらあんなに売り出さないし、あんなに売れない)私もはっきりとブラックフェイス問題について学んだのはドラァグレースを見始めたこの数年ですし、日本でもまだまだ知らない人が沢山いると思います。そして、スペインで番組の企画でドナ・サマーをやることになった際、じゃあ肌の色を黒くしようって言い出したのがシャローン本人なのか、はたまた番組制作側なのかは分からないけれど、それがOKされて放送されたということは、番組製作側は放送しても問題ないと考えていたということなのだろうと思うので、スペインもそのくらいの感覚なのかもしれないな〜と思っています。


ただドラァグレースはアメリカで始まった番組なのもあり、アメリカを始め世界中で見る人がいる番組なので、その感覚はアップデートされるべきだと思っていて。スペインでは問題とされない表現だからいい、ではなくて、国際的に試聴される番組なのだから、基準も合わせるべきだと思うし、ある表現を差別的だと思う人がいるのであれば、やっぱりそこは変えていかないといけないと思う。特に王座についたシャローンには今後、そういう差別的だと見做される振る舞いはしないことが当然求められるし、今回の件がある以上より厳しく見られると思うし、それは仕方ない(できれば何か声明を出してくれたらありがたいなぁとは思うけど、まあそれは彼女の判断だ)そして差別のない世界を実現するためにはやっぱりメディアの力が強いと思うので、今後のドラァグレースエスパーニャはそこに力を入れて欲しいなぁ。こういうことが差別にあたるし、差別はよくないってことを番組内で打ち出して欲しいし、もっと黒人クイーンに門戸を広げて欲しいし、もっと安心して政治的な表現ができるようになるといいなぁと思ってます。


この世に差別はある、ないなんてとても言えない。でもそれを改善してアップデートしていくことはできる。完全に無くすまでにはとてもとても時間がかかるだろうけど、一つ一つ潰していかなきゃ進まなくて、人はそのために学ぶんだし、その学びのための番組であって欲しいなぁ、と思うのでした。番組を見て、はー綺麗だった!楽しかった!で終わらせても別にいいんだけど、やっぱり番組から受け取った良い気持ちを、世界が良くなる方向に使いたいよね、と思うので、私も日々学びアップデートせねばと思っています。ひとまずおわり。