(日本からは鑑賞しづらい番組のレビューをネタバレありで書いていますので、ご注意ください!メインチャレンジであるフロアショーはyoutubeで見られるので、感想の途中にリンクを貼っておきます)
今週のチャレンジは深海のクリーチャーを作れというテーマで、おそらくs1のセミファイナルであるep5の全員参加の海中撮影のエクスターミネーションチャレンジと、s4のep5"Ghostship Glamour"が元なのかな?私は海モチーフが大好きで、青い海白い砂浜、人魚とかオーロラカラーとかパールとか生牡蠣とか考えるとうっとりしてしまうのですが(最後のは食欲では?)そういうトロピカ〜ル恋して〜る的な明るいポップな雰囲気ではなく、真っ黒で不気味な海の底を表現しろというテーマのフロアショーでした。ドラギュラという番組でプリプリなマーメイドが来るわけがなかった。で、でもプリプリのs4のセイントとダリが来てくれたから…!(先日s4で一緒に戦ってた仲間、アストラッド・ココ・ホソの3人とも残ってるのもまた凄いことじゃない?軽いリユニオンじゃん!)
まずは先週処刑が実行されず、二人とも残っていることを知らないブドワールの皆さんが、どっちが残ったかな〜、イヴァかな〜ホソは残念だけど…みたいな話をしている中、イヴァが明るく戻ってきて「残れて嬉しいけど…ホソが落ちていくところを見ているのは最悪だったよ…」みたいな茶番をかましてるのが面白かったです。何が良かったかって、イヴァが話してる中ココさんが何かを察して入口の方を何度もチラチラ確認するところと、その後ホソさんがニコニコ入ってくるのを見て「知ってた〜!!!絶対そうだと思った〜!」って叫ぶところ。そんなにイヴァが大根役者だったとも思えないので、ココさんの鋭さ、最高だなと思いました。
しかし今回のフライトフィートが今までで一番恐ろしかったです。狭い排水溝内を這いずって進んでいくうちに入った側の口が閉められて、鍵の解除番号を時間内に入力して開けないと水がその空間に満たされるというもので、ココみたいに溺れた経験があった人とか、泳げない人なんていたらガチで恐ろしいだろうなぁと思いました…おそらく鍵はダミーで、時間になると自動的に水の中に沈んだり浮いたりするギミックなのでは?と思うのですが、サイレンで追い詰められて焦る感じとか、実際に水がどんどん入ってくる怖さとか、溺れるかもしれない恐ろしさとか、とにかくハラハラしながら見てました。なんだろう、軍隊とかの訓練で使うような機材なのかしら?
先週イヴァが残りたい気持ちを表現する時に「自分は撮影スタッフとも上手くやってるし!」と叫んだのが、演技チャレンジの時若干揉めたらしい自分への揶揄だったんじゃないか、と気に障ったアストラッドと少し話し合いがあったり、準備中に誰がファイナルまで残ると思う?みたいな話の時にイヴァが突然カットインしてきたのが自分が名前上がってないから不機嫌で当たってるように感じられたというメリッサと少し軋轢があったり…やっぱりコンペティションとして隔離されている場ではファイナルに近づくたびに皆の精神状態もやられていくな、ちょっと疑心暗鬼になったりイライラしやすくなってるな、なんて前半時点で感じていたのですが、まさか最後にそれが大爆発するなんて…そのことは後で書くとして、まずは全員のフロアショーの感想から。
ホソさん…韓国では食用にされるというヌタウナギをモチーフにしたモンスター(生で食べるとコリコリとした歯ごたえが特徴で、食感は魚っぽくなくタコやイカ、ホルモンに近く、旨味が強く、塩味も強いため醤油をつけなくても十分、とのこと。そう聞くとホソさんが美味しそうに見え…てはこない)粘液もばっちりでいい感じのヌタヌタぶりだったと思うのですが、ジャッジたちに全然ヌタウナギが伝わっていなくて響いていないようでした。そ、そんなぁと思いつつ私もあんまりヌタウナギィ!と分かってあげられなかったので申し訳ない。確かに足の部分は二本足にせずにウナギ的な感じで一本にまとめてヌタヌタしていた方が伝わったのかもしれないなぁと思いました。後こういう感じの出土品あるよね、埴輪みたいな…
アストラッド…タ、タコプリじゃん!!!(最近ちびちび見ているマスクドシンガー2に出てくるコンテスタント)タコの足の手の込んだ感じと、ヒラヒラレースでエレガントな服装、そして吐き出される墨、と分かりやすくて良かったです。ちょっと色合いがビビッドだったので、火が通って食べられる状態かもなぁと思いましたが、やはり食欲はそそられませんでした。タコは吸盤が均等に並んでるのがメスで、たまに大きい吸盤が混ざってるのがオスなので、この子はメス…なのか…?えっ?本当に?
ココ…最初えっ、誰?って感じで分からなかった!ここまで毎週のように何度もココの爆乳は最高やな!って話をして来ていたので、ここでマスキュリンなアプローチが来るとは思っていなかったので、とてもびっくりしました。確かに肩と腰のひれ以外は海的なアプローチが今ひとつ足りなかったような気がしたので、Boulet Brothersのいう通りトライデントや網の一つでも持っていただけで変わったと思いますが、それでも今までと違った表現をここで出して、ドラァグの幅の広さをアピールすることができたのは、ボトムになったとはいえ、今後の評価につながるすごく大きな意義のあることだったと思います。
ヴィクトリア…さすがヴィクトリアという感じの特殊メイク!ブドワールで製作中にすでに付け歯の精巧さにうきうきしてました。ひれの軸の部分に使っているのがハリネズミの抜けた針ということで、自然な素材を使ってくるところも痺れました。ぶよっっとした質感のボディスーツやヘッドピースにエアブラシを使って丁寧に着色しているのもよかったです。でもジャッジのいう通りヴィクトリア本人が完全に隠れてしまうような感じだったので、もう少し本人の個性が伝わってくるような感じだったらさらによかったな、と思いました。
メリッサ…一人だけ明るめのトーンで目を引きました。透けるヒレが効果的で、オーロラカラーの鱗模様のようなガウンもエレガントで、でも顔は大きな牙の突き出た深海生物の顔で…という美しいドレスと恐ろしい顔というミスマッチさが恐怖感を産んで良かったです。ちょっと深海にしては綺麗すぎかな、もう少し「汚し感」が欲しかったかな(特に明るい光の下だとドレスの素材が平面的に見えてもったいなかった)と思いつつも、s4のこのテーマの時は割とグラマー路線で取り組んでる人が多かった中、今回はメリッサだけだったと思うので、そこは評価して欲しかった。今シーズンのメリッサは積極的に特殊メイクに取り組んでいて、自分のシーズンからの成長を見せようとしていたことが一番賞賛したいところなのですが、同時に一番不幸だったのが特殊メイクの達人である、天才ヴィクトリアが同じシーズンに参加していることだな、と思います。今回二人が同じように下顎から突き出た牙が印象的な特殊メイクだったので、どうしても横一列に並ぶと比べて平面的だと感じてしまい、本当に勿体無いと思ってしまいました。
イヴァ…いや〜良かった。最初、貝?イソギンチャク?みたいなの中から手だけニョキっと出て、手招きして誘うような動きから、パカっと開いて人型のモンスターが出てくるという、素晴らしいプレゼンテーションでした。海の生き物ってああやって他の生き物を騙して捕食するよね、というのが伝わってきて良かった。顔のエラも素晴らしいし、ちょっとアースラを思わせるルックも素晴らしいし、開いた後のドレスも素敵だった…今回文句なしのウィナーだったと思います。
ボトムになったメリッサとココ、どちらかとは最期のお別れになるのだからゆっくりお話ししておいで…とコルドロンに戻されてからがビッグドラマでした。
昨日の時点でもう辞めるかどうかの瀬戸側にいた、みんなの裏表がある態度にもう我慢できない、自分は偽りなく素のままの自分でずっと接しているのに、他の皆はどうやってみられるかどうかとか、自分のイメージを気にしすぎていて、裏他の人に言っていることと本人を前にして言っていることが違いすぎる、そんな騙すようなことをしてくる奴らは誰も信じられない、もうここにいたくない…と。(個人的には日本人的感覚かもしれませんが本音と建前はどうしてもあるし、周りの人に話してることと本人に伝えることの間に乖離はそりゃあ出るだろう、だって余計な軋轢を生みたくないじゃん、と思うのですが)
この終盤での疲れとストレスとらメリッサがここに来る直前にパートナーの方と酷い別れ方をしたことや、一番腹を割って話しができそうなケンドラが初期に離脱してることなど、自分の胸の内を出す機会がなく溜まってしまったガスが一気に放出されるかのような感じに見えました。
自分はもう降りた、ココを残してあげて、と宣言したのちも、Show must go onの精神で処刑シーンの撮影は行われたわけですが、隣に立ってくれる相手が、残っている中では一番仲が良く、全体的に中立的というか傍観的立場にいるココさんだったのがせめてもの救いだったと思います。でもここまで姐さん的な立場でムードメーカーとして引っ張ってきてくれたメリッサがこういう勝負を投げるのに近い形で去っていくのは本当に切ない…同時に、みんな裏表があって全部フェイクだ、もう会いたくない!と部屋を去られてしまった以上、他の人たちが何を言っても無駄だと感じて追いかけることすらできないのも理解できるのでした…本当に後味の悪い、スッキリしない回だった…遺影の表情もどこか切なげに見えました。