あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul's Drag Race Down Under Season 1 episode 8"Down Under Grand Finale"感想

*このブログは多大にネタバレを含んでいます。ネタバレしたくない方はここで引き返すか、以下WOW Presents Plusのリンクから本編を見てから読んでください*

 

 

 

 

 

 

I'm watching Down Under Grand Finale on WOW Presents Plus http://www.wowpresentsplus.com/videos/rdrdu-grand-finale

 

 

 

 

 

 

 

いやぁ…駆け足の一ヶ月半でしたね。直前のs13が史上最高に長いシーズンだったこともあり、そしてダウンアンダーは1本が50分ちょっととコンパクトだったこともあり(トップボトムだけ残されてセーフ組が帰らされてたep4までは何となくあったuntuckedが、全員残されて講評されるようになったep5以降はほぼなかったですし)いろいろあったこともあり、怒涛のように過ぎ去ったシーズン…という印象です。

なんだかここのところ他のシーズンではフィナーレ回でエリミクイーンたちが戻ってきて一緒にファイナルランウェイを飾る、みたいな演出が多かった気がしますが、今回はなかったのでそれが一番寂しかったです。コロナのせいで隔離とか難しかったのかな、それとも予算の問題かな…


ファイナルチャレンジは定番の、ルーの曲に合わせてそれぞれオリジナルの歌詞を書いてパフォーマンスをするというもの。ダンスが不得手と語っていたカレンさんも含めて、全体的にまとまっていていいパフォーマンスだったのではないでしょうか。キタさんの歌から入って、アートさんの力強いラップが続き、カレンもラップというかspoken wordsで繋いでのスカーレットのラップ、という流れがバリエーションに飛んでいて聞いていて楽しかったです。衣装もみんな可愛かった!

ファイナルランウェイもベストドラァグがテーマということで、もりもりエレガントドレスで魅せたアートさん(アートさんの衣装を見ると毎回「財力!」と思ってしまってすみません…で、でもガラクタ衣装制作チャレンジすらなんか高級感あったのだ…)、自分の「経理のカレン」というキャラクターを貫き通したカレンさん、最後の最後にどでかいギミックを持ってきたマイエンジェル・キタさん(同じダウンアンダー出身クイーンのs6コートニーの衣装を思い出しませんでした?)、洗練されたシルエットの美しいドレスのスカーレットと、それぞれの個性が出た衣装で眼福でした。


今回、ステージに向けた練習の前にいつものルーとミシェルとの会談が挟まれたわけですが、なんだかいつも以上に内面を、過去のトラウマをさらけ出せ、という感じの意図が見えましたね…ルーの大好きなvurnelabiltyが見たい、ということなんだと思うのですが、個人的にはそういうのはシーズン中にそれぞれを見ていく中で自然に漏れだしたり、本人の意思で語られるべきものだと思っているので、最終回でいきなり心の一番大事な部分に抉り込んでくるのはちょっと性急だと思うし、ファイナル直前にわざわざトラウマの扉を叩きに行かなくてもよいのでは…と思いました。勿論本人達にとってそれがよいきっかけになって、新しいいい一歩が踏み出せるのならばそれで良いんですが…


最後の最後の質問、「小さい時の自分に語りかけるならばなんて言う?」という質問や「どうしてあなたがNext drag superstarにふさわしいと思う?」という質問も、それぞれ心に響くものがありました。


ファイナルリップシンク、私この一人ずつやって、分割カメラで見る〜っていう形式大好きなんですよね!!アイドルのコンサートっぽい!普段のリップシンクもこれでやってほしい〜!みんなさすがエンターテイナーなので全員素敵でしたが、ここでごっついアダルトなネタをぶっこんでくるキタさんに大爆笑でした。んもう〜ダウンアンダーってそういうことなの!?

そんなキタさんが映えあるダウンアンダーの初代Next Drag Superstarに輝いたので、ダウンアンダーって本当にそういうことなのかもしれません。いやーよかったよかった。キタさん、すごくハッピーでみんなを元気づけるドラァグペルソナの下に繊細なハートがあって、今回ルーとの面談で話していたご家族、とくにお父様との関係の話もそうですが、胃切除手術を受けた話だったりとか、同胞であるアニータさんやエレクトラが去っていく時の辛そうな顔で盛大な拍手をするところとか、すごく人間味が伝わってきて好きでした。エンターテイナーとして活躍してくれるのも間違いないと思いますし、親しみやすいクイーンなので、すごく人に寄り添い、人に愛されるウィナーになるんじゃないかなと思います。本当におめでとう!!

 

世界平和が訪れた!!!!

 

いやー先週から本当どうなるの?シーズンを丸く収めるためにはこれしか選択肢なくない??みたいな感じで見てましたが(念のためですが、色々な諸々がなくても自分はteam Kitaだったと思います)よかったよかった。とはいえ、ファイナルパフォーマンスもファイナルランウェイもみんなよかったと思うんですよ。本当普通にイーブンに見て、えっみんないい、みんな応援したい、こんなにみんな良くて誰が勝つの?って思いたい…って歯痒い気持ちでした…ウィナーにならなかった3人もそれぞれ今回手に入れたものは大きいと思うので、これからのキャリアに役立てて欲しいと思います。

スカーレットは、番組で謝罪する機会を貰えたことをチャンスだと受け止めて、今後の活動は反省しているのを見せる場だと思って続けてくれればなぁと。それこそ一生続く長い旅になると思いますが、番組で素晴らしいパフォーマーであることも見せられているので、大変なことはあるだろうけど、真摯な心で対応して欲しいなぁと思います。カレンさんについても同じような気持ちです(カレンさんについてはもう少し問題が複雑で難しいなぁと思っていて…長くなるので末尾に書きますね)アートさんはカムバックの時に理由が説明されなくてすっきりしなかった!ということだけが懸念点だったのですが、本人がルーとの面談で、あそこで一度帰されて、戻ってきた時に考えすぎない方がいいんだなって分かったって憑き物が落ちた的なことを語っていたので、それだけで持ち帰るものとしては十分だったのかなと。以前からのファンの人も多いと思いますし、この番組を通して成長するところ、柔らかく人を受け入れることを学ぼうとするところを見せることができたのは、本人的にもファン的にも財産になったのではと思います。

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はー終わった終わった、正直ダウンアンダーは毎回のように制作側への文句ばかり書いていたので、読む側も疲れたのではないでしょうか、すみません。基本は楽しい!とか好き!とかを書いて、それを伝播させるようなブログであったらいいなという方針なので、本編を見る前にいろんな人のTwitterやブログを読んで、うーんダウンアンダーはいいかな…ってなった、みたいな話も見かけたりしたので(私のブログが寄与してると思うのは自意識過剰かもしれませんが)人の視聴意欲を削いでしまっていたらどうしよう!と後半ビクビクしてましたが、でも未聴の方もお時間と元気があったらぜひ見てください、ダウンアンダー。リップシンクが毎回熱い、ココちゃんにはディスコの神が憑いている、懐から出てくるマイク、ランウェイは回を重ねるごとに良くなっていく、缶も口に入るし拳も口に入る!などなど見所もたくさんありますから!


ところでダウンアンダーが無事終わったと思いきや、23日からAS6のスタートですね。もう週2本更新が当たり前になっただけでなく、シーズンとシーズンの間がさらに短くなって、白目を剥く日々です…どこかで手を抜かないとと思いながら年明けからずっと1〜2本文章と絵を上げてますが、もしかしたらAS6から少しだけ火を弱火にするかもしれないし、相変わらずたーのしー!って強火のままかもしれません。いやでも「荒れないオールスターズはない」という格言が生まれたからな…またキャンキャン烈火の如く怒っていたらすみません!

 

 

 

〜カレンの話〜

楽しい話ではないですし、私も立場を決めかねていることなので、正直人と議論できるほど考えを熟せていないのですが、今の気持ちとして残す方が誠実なのかなぁと思い、書いておきます。


番組中でブラックフェイスでパフォーマンスを行なっていたことが明かされたスカーレットに対し、カレンの場合は、ゴリウォーグという黒人を模した人形を2歳のときからコレクションしていたことと、ゴリウォーグの絵をタトゥーで入れていたことが発覚して、差別主義なのではないか?と出演前から話題になっていました。現在は人形は埋め立て地に処分して、タトゥーは消したとのことで、謝罪をインスタグラムで行っています。

難しいなぁと思うのが、一つ目が、番組でそのことは明るみに出ていないということ。二つ目が、ドラァグのパフォーマンスの舞台でなく、プライベートでの話ということ。スカーレットの件がまな板の上に上がった時に、カレンはしれっとした顔で聞いてるけどあなただってそんな他人事で聞いてられる立場じゃないでしょ、と思ったのですけど、パフォーマーとして自分で演目として選んで人前で披露しているわけでない、プライベートのこと(かつ、反省と謝罪をしていて今は物理的に存在しないもの)で糾弾するのはどうなのかな、とも同時に思ったわけです。まあパフォーマンスをするのはパフォーマーであるからプライベートなことも考慮から外すことはできないんですが…少なくとも番組のジャッジとしては番組中に明らかになるものだけでなされるのがフェアだと思っているので…(番組だけ見ている人はこのシーズンをどう受け止めていたのか、興味のあるところではあります)

そして、なによりも、あるものが差別的かそうじゃないかって、時代やコミュニティによって感度が違ったりするじゃないですか。例えば、私が小さい時「ちびくろサンボ」と言う本が、どこの図書館にも児童館にも幼稚園にも当たり前のようにありました。でも、私が小中学生のころだと思うんですけど、「サンボというタイトルだったり、内容に、黒人差別的な表現がある」ということで自主回収対象になって、読み聞かせで聞いたことがある私たち世代とは違い、今私の子どもの世代では触れることがほぼない本になっています。現代の世で、その本は差別的な表現があるから良くないね、ってなることは頷けるのですが、例えば私の小さい時の本棚がそのまま保たれていて、ずっとその本が家の蔵書に眠っていて、時を経て今日その本が数十年ぶりに取り出された時に、それを所持しているから差別的だ!って糾弾されることがあれば、それは少し違うかなって思うんですね。カレンがどのような環境で育って、いつから、どのようなバックグラウンドで人形を集めていて、どのタイミングでタトゥーを入れて、どの段階で両方気付いて辞めたかとか、こちらには分からないので、この例え話ともズレると思いますし(最近突っ込まれるので私もしかしたろ例え話が下手なのかなって気付き始めました…)なんとも判断しかねるのですが…むずかしい…

結論としては、どんな人でも過ちは多かれ少なかれ犯すし、それを反省して二度としないと決めて正しい道を選んで生きていくことが望ましいと言う、それだけのことなんですけど。カレンもスカーレットと同様に、誠実に向き合った上で、活躍して欲しいなぁと思います。

 

さらにさらに余談ですが。

カレンの持っていた、またタトゥーで彫った人形「ゴリウォーグ」、クラシックピアノ畑の人であれば最初にこの単語を聞いて出てくるのはドビュッシーの楽曲、子供の領分第6曲「ゴリウォーグのケークウォーク」なのではないかと思います。この曲も、今も日本では全く意識する事なく普通に親しまれていると思いますが、ニューヨークのある音楽学校では演奏禁止になったり、別の演奏会では「ケークウォーク」とタイトルの一部のみ書かれたりしたりしているそうです。ドビュッシーが作曲した当初はおそらく差別を全く意識する事なく「そのとき親しまれていた文化の名称」と判断してタイトルをつけたのではと思っていますが、これも時代の変化によって変わっていくことの一つだなぁ…と思っています。曲そのものを禁止するのでなく、問題があると考えられるタイトルのみの変更などで対応されないかなぁと個人的には願うばかりですが…(アガサクリスティの「そして誰もいなくなった」のように…)

Drag Race España Season 1 episode 3 "Mocatriz"感想

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朝起きてから夜寝るまでほぼ携帯を握ってツイッターを見ている依存症気味の私ですが、月曜の朝に限っては「エスパーニャの更新を見るまでは…!」と唇を噛んで耐えております。別にネタバレ絶対嫌だ!ってほどではないんですけれど、でもやっぱり新鮮に見られる喜びっていうのは存在するわけで。先週に不穏な予告を見てビクビクしながら本編を見始めて、途中ではすっかり忘れて楽しく見て、最後10分くらいで絶句してしまいました。結構ショッキングだったんですけど、それでもやっぱり「エスパーニャ、楽しい…」って結論に至るので、本当に素晴らしいシーズンだなぁ…と思います。


今回、サッカーのユニフォームを使ってクイックドラァグするミニチャレンジを挟みつつ(結構なメンバーがサッカー!?無理!!ってなっていたのが可愛くて仕方なかったです。あとミニチャレンジなのにカジュアルにミシンがけしてるカルメンさんの完璧主義っぷりに笑っちゃった)本チャレンジはアクティングチャレンジ!それぞれ老女、グラマー、オゲレツ(Nastyってどう表現すればいいんだろう!?お下品?キテレツ?衣装から想像した感じだと、ちょっと前のアングラ?サブカル?って感じで扱われてた感じのジャンルかな?)、アバズレ(Hookerという単語も毎回翻訳に困ります…売春婦、は好きじゃないんだけど、でも娼婦?んー?ビッチは日本と日本外だとニュアンス違うし…みたいな)の4チームに分かれて、雑誌の表紙撮影と、小芝居をやるというもの。途中でランニングマシンみたいなの走らされてましたが、出来上がりの映像では全然使われてなくてあれはなんだったんだ???ってなりました。

チーム分けはミニチャレンジ勝者のキラークイーンさんが散々悩んだ上で自分の老女チームにはジョークへの返しが早いとアランチャを選択。グラマーチームはカルメンとドヴィマ、オゲレツチームはプピとウガセオ、アバズレチームはインティとサヒタリアと、割と意地悪せず本人たちが演じやすそうなキャラクターに割り当ててるのかな?という印象でした。


演技中の様子を見ていると、ちょっと苦戦しているかな?と思った人も何人かいたのですが、最終的にまとまった状態で見たら全部面白かったですね!編集に番組側の良心を感じました。でもこんなに出演者同士がキスを、ベロベロと濃厚なキスをしているのを初めて見た。スペインはパンデミックに巻き込まれなかったのだろうか(多分収録前に隔離とかしていると思いますが)

老女チームはキラーさんの面白さが光ってた!割とワークルームとかでは主張しない方だったので、こんなに弾けてくれるのを予想していなかったので本当におかしかったです。死ぬ前にお手手を胸の前で合わせるところで私も笑い死ぬかと思った。グラマーチームは割とそつなくこなしてたかなと。ハビエルは同じぬいぐるみを別の女にプレゼントするな!オゲレツチームは二人ともオーバーリアクションが最高におかしく、アバズレチームはサヒタリアちゃんが大活躍。コメディもいけるの意外でしたが面白かったです。インティも頑張ってましたね…!私は男の人とまず電話で甘い声で話してて、お母さんの電話に切り替えた時に地声になってるのがとってもリアルで好きでした。

サヒタリアが勝ちましたが、これはルックとの合わせ技かなと。アクティングだけだったらプピさんに軍配があがるのではと思いました。


ランウェイは自分のルーツを表現しろ!というもの。UKだとご当地紹介ルックというのがシーズン序盤の定番ランウェイテーマなのですが、その人のルーツを深く知れて大好きなテーマです。今回特に「ご当地」という指定じゃなかったので、ノンバイナリーフラッグの色のイエロー・ホワイト・パープル・ブラックを使って自身のジェンダーアイデンティティを表現したウガセオさんなど、面白いアプローチだなぁと思いました。ウガセオさんはいつも変化球投げながらいいコースに入れるのですごいなぁ…。

他に好きだったのはクレマカタラーナを表現したサヒタリアちゃん(固いプリン党なので硬いカタラーナは大好きで知っていたのですが、クリームブリュレっぽいやつもあるのですね!むしろこっちが主流?現地も固いプリン党とプリンは飲み物党が争っていたりするのかしら…?)、鴨がネギ背負ってきたならぬチーズが生ハム背負ってきたアランチャ、盛りすぎだと言われてたけどもっと衣装やメイクのバリエーションが褒められてほしいキラークイーンさん、そしてボリビアのお祭りの華やかな美しさを表現したインティでした。


そう、インティ、めちゃめちゃ良かったと思うんですよ…!自分の文化の外にあるものを評価することの難しさを改めて感じました。私はあの白いドレスとブーツで充分だったと思うし、むしろあれ以上だったらトゥーマッチだったのではと思います。もし仮に私がジャッジだったならポンチョの背中側のデザインが華やかで素敵だからもっとそれをアピールできるプレゼンテーションをしたらどうかな?って提案をするかな、と思いました。またスペインとボリビアの関係が、植民地支配した側とされた側だからね、ちょっと入植側のジャッジがアンデス文化のお祭りに基づくルックについて批評するのは、だいぶデリケートな案件なのではと思います。前回もカナリー島特有のドラァグスタイルを通したいヴォルカノさんに「プラットフォームを脱いでヒールでパフォーマンスするところを見たい」と批評してボトムにしていたりしていたこともあって、エスパーニャは違う文化に対しての理解と尊重という観点においてはもしかしたら少し課題があるのかもしれないな、と思っています。とはいえ、批評自体は否定ではなくとても建設的な意見ばかりですし、ジェンダーアイデンティティの観点やアート的な多様性に対しての理解が高いのでジャッジに対しての信頼度は高いのですが…

(余談ですが、文化の盗用については自分の関心度が高いのですが知識が足りず、もしよい参考文献あればぜひ教えてほしいです…他の国の文化を剽窃することだけでなく、他の国の文化を自分の国の基準で評価することの是否についての論文とか読みたいです…)


先週も自分のジェンダーアイデンティティと課題との間での葛藤があり、そして今週もジャッジングの中で自分自身で消化できない部分があり…年若いクイーンでもあり、インティが心折れてしまっても、それは仕方なかったのかなぁと思います。もう一つ、今回のジャッジングでちょっと気になったのが、一通り批評が終わった後に4人残して、明らかにtop2と bottom2だとわかるような形でもう一批評あったのが、ボトム側の人にはちょっとキツかったかなぁと思います。もし最初の批評が終わってそのまま全員下がらせていたらもう少し違ったかなぁ、せめて6人残して、誰がリップシンク組かがもう少しブラックボックスの中に残されていたらなぁ…と思ったりしました。それでも結末は変わらなかったのかもしれませんが…

今年はもうすでに一回、別シーズンで、リップシンク放棄してレース離脱、という展開があったのですが、その時はステージに上がるまでは何事もなくポーカーフェイスで過ごしていたし、本人も「そういうことをした人が今までいなかったからアイコニックかなと思った」とのちに語れるくらい、諦観の中に余裕があったと思うんです。でも今回は、インティの心を守るために必要だったことで、例えば今回折れた心でリップシンクの場に無理して立って、勝ったとしても、きっとレースを続けられる気力も残ってなかったのではと思って。なので、もう、尊重して受け入れるしかないことだったのかなぁと感じました。番組側が無理にやらせようとせず、インティの選択を尊重したことに私は感謝しています。スプリームさんがインティと話して去っていくときの表情、色々な感情が混じっていたと思うのですが、私は座長としての責任感、Show must go onの精神を全うしようとする決意を強く感じました…(あくまで想像ですが)これも本当に尊いことだなぁと思います。


残り10分くらいのところでこんな辛い展開どうするの!?と思いきや、もう一人のリップシンク候補のドヴィマが私一人のショーが見たいの?お望みならやりますよ!って重責を引き受けてくれて(ドヴィマ、本当カルメンが言う通り「ヴィランぶってるけど本当はそんなに悪い子じゃないでしょ〜?」って感じですよね…本人の打ち出してるキャラ的なこともあり色々あるんでしょうけど、すっきり好きになりたいのにな〜!という歯痒い気持ちで見ています)最終的には他のメンバーも加わってジャッジも総立ちのハッピーなステージになったのが、ありがたいなぁと思いました。それ以上に、本編最後にインティのコンフェッションを挟んだり、レース離脱したクイーンが語るTras la carreraのコーナーにちゃんと参加してくれたり(普段余裕がなくて見ないで終わることがほとんどなのですが、今回は即見に行きました)あの瞬間に無理になって離脱してしまったけど、トータルとしてドラァグレースの経験がもう関わりたくないくらい嫌な思い出にはなってないのかな?って思えたことが何よりの救いでした。本当、レースのフォーマットに合わなかったとしても、素晴らしいドラァグであることは誰にも否定できないことなので、これからも自分のやりやすい形でキャリアを重ねていってほしいなぁと思います…

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次回リーディングチャレンジからのスナッチゲーム!両方ど定番で楽しみ!…という気持ちよりも正直、次回でもう折り返し地点に来てしまうということに衝撃を受けています。えっもう半分?早くない?もうずっと見てたいんだけど…私たちの心の癒しエスパーニャ…この後AS6という間違いなく感情を揺さぶられるシーズン(「荒れないASはない」という名言が最近生まれました)が来るからせめてそれが終わるまではずっとそばにいてエスパーニャちゃん…!!(無理です)

 

 

 

 

 

 

RuPaul's Drag Race Down Under Season 1 episode 7"Talent Show Extravaganza"感想

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ぼんやりしてます。


お互い人間だし、育ってきた環境も違うし、夏はダメだしセロリは好きだったりするし、ジャッジと気が合わない展開のこともあるのは当たり前だし、そもそも専制君主の「ルポールの」ドラァグレースなので仕方ないんですけど、ちょっとぼんやりしちゃいますね〜…いつもはファイナル直前!って、最後に落ちるのは誰?誰が残るの?チーム誰にしよう?え〜みんな好きだけど誰選ぼう?みたいなワクワク感のある感じなのにこのウキウキしない感じは正直初めてでございます。


今回、タレントショーで。それぞれやったこととジャッジの批評をざっくり書きますが、

カレン:セクシーな衣装で登場してバルーンアート(成果物:プードル一匹)…もっと見たいと思ったのにそれだけ?ってところで終わっちゃった!でもセクシーなあなたが見られて良かった。カレンが月曜出社したら社内騒然とするね。

アート:でっかい一口でタルトが食べられるよ!山盛りケーキも一個なら食べられるよ!自分の拳も口に入っちゃうよ!…わけわかんなかったけど面白かった、髪型と衣装が最高にゴージャス

キタ:マジックショーで衣装チェンジ4回…最初の一個めが来るまでが長すぎた、衣装がペナペナでいけてない(そもそもルーはマジックがお好みでない)

スカーレット:ポールダンス…すごい技術。ギリギリの衣装でタマが出ないのもすごい技術。

エレクトラ:コンテンポラリーダンス…ダンスはいいけどそれってドラァグ?コンテンポラリーだから靴履かないのは許せるけど、ウィッグと衣装のダサさは許せない


…思うんだけど、タレントショーじゃん。タレントで勝負するべきじゃん。なんで衣装の良し悪しが評価基準のメインになってるの???


スカーレットが勝つのは理解できるんですよ、確かに凄かった(私スカーレットのことはずっと半目で見続けてるんですけど、何度か書いているように坊主憎くても袈裟までは憎まない、坊主本人のパーソナリティと坊主のパフォーマンスと袈裟とは分けてこのブログは書くようにしているのでご容赦ください)ポールダンスやってる人今までいないでしょ?ってのはAS5のシェイ様を見ろよ!!!って思いましたけど。あの仮設のポール毎回ぐらぐらして見てて怖いからどうにかならないかなとかも思いましたけど。

でもボトム2の二人本当におかしくない??キタさん、最初の一着目まではたしかに長かったかもしれないけど、カレンのプードル錬成時間よりは短いし、そのあとはテンポよく変わっていってワクワクしたじゃん。エレクトラも、衣装酷評されてたけど素晴らしいダンスパフォーマンスで、衣装はいいけどひっぱってひっぱって(食べ物を粗末に扱って!)最後のオチが拳が口に入るってやつよりスキルを使ってるじゃん。あんまり人を上げるために人を下げたくないけどさ、番組の評価基準である「カリスマ、ユニークネス、ナーヴ、タレント」を無視して、衣装の良し悪しで判断するの、それじゃルポールの金持ってて衣装いっぱい持ってる人勝ちレースじゃん〜!!!

そもそも、タレントショーってそれぞれがそれぞれの得意技や持ち味があって、それを評価するなんてこと自体がおこがましさがあるんだけど…だって「あなたの特技って拳が口に入ること!?近藤勇かよ!」とは言えないじゃん。みんなちがってみんないいよ…でもやっぱりちゃんと頑張ってパフォーマンスした人が「カリスマ、ユニークネス、ナーヴ、タレント」以外のところでボトムにされるのは納得できないよ…


なので、どうせニュージーランドクイーン同士でリップシンクさせたかったんでしょ、けっ、みたいにやさぐれた気持ちで見てしまいました。最初エレクトラがステージ出口の方にスタスタ向かってくので、このままリップシンク放棄で帰っちゃうの!?とかヒヤッとしましたが(別シーズンのトラウマ)やり切ってくれてよかったです。ジャッジの目がキタに向いてる!とかガヤが入るのとか、実際カメラワークもキタさんばっかり映してるのとか、いややわ〜と思いながら(私はプラットフォームブーツで派手に動けないキタさんばっかり映るのでハラハラしてましたが…)最後抱き合うところでまんまと泣きそうになってしまったり…

エレクトラは他のクイーンたちからエントランスの時点から少し下に見られていたり、初回エピソードでリップシンク組になっていたり、今回も帰るべきなのは誰?って質問で集中砲火を浴びたりしていたけど、このシーズンで誰が一番伸びた?って言われたら間違いなくエレクトラだし、下に見られ続けたままで帰ることになったのが悲しいなぁと思います。特技のダンス、前のガールグループチャレンジの時は和を乱して一人目立ちすぎって酷評されてたので、今回は褒めて褒めて褒めちぎってもらって欲しかったんだけどなぁ。最後のランウェイも、このシーズンの衣装で間違いなくベストを見せてくれたので、それももっと評価されて欲しかったです。(ちなみに今回、キタさんとアートも今シーズンベストでは?と思えるレベルの高いランウェイだったと思います)

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いや〜来週ファイナルなんですけど…もう世界平和の道がキタさん優勝一択しかないと思ってるんですけど、でもルーはニュージーランドのクイーンじゃなくてオーストラリアのクイーンを勝たせたがってるような気がするんですよね…

でも、番組内でブラックフェイスを告白したスカーレットを勝たせるのは世論的なことを考えるとリスクが高いと思うし、カレンさんも番組内では言われてないけど同じようなものだと思うし、アートは不可解な復活をしたもののここまで一勝もしてないから勝たせると納得されないと思うし(でもクイーンとしての格はね、優勝に値するくらいあると思うんですよやっぱり…復活のプロセスを丁寧にやってくれてさえすればよかったのに…)やっぱりどう考えてもキタさんしかなくない…?キタさん勝って?世界を平和にしよう??

 

Drag Race España Season 1 episode 2 "Divas"感想

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今週はガールズグループチャレンジ!

最初、チーム分けを決めるためのミニチャレンジの時にダウンアンダーに引き続き水着一枚のピットクルーたちがぞろぞろ入ってきたので、また際どい企画なのか…?って身構えてしまったのですが、今回は水着の中から布を出すだけだったのでそこまで拒否反応は出ませんでした(本人の意思無関係に脱がそうとする、というのが私の何かに触れるのかな…?ラウンドガールはOKだけど、野球拳は嫌、みたいな…)サヒタリアちゃんがお土産もらった〜って自分のイニシャルSの布をちゃっかりゲットしているの可愛かったです。

ミニチャレンジウィナーになったプピさんがリーダーで、インティ、アランチャ、ドヴィマ、ヴォルカノのチーム、そして先週のマキシチャレンジウィナーであるウガセオとカルメン、サヒタリア、キラークイーンのチーム…最後まで残ってしまったヴォルカノさんをどうして選ばなかったの?って聞かれて「だって同じ画面に収まらないから…」「同じ…他のメンバーが目立たなくなっちゃうし…」って答えててなんかちょっと微笑ましかったです。この後、ヴォルカノさんがチームを選ぶために喋ってドヴィマさんが「おどろき!ヴォルカノが喋った!」ってなってたのおかしかった。ヴォルカノさん、ドラァグでは一番派手で目立つのにオフドラァグのときは奥ゆかしいの、好きです。ちょっとはにかんだ笑顔が可愛い。


ウガセオさんが「歌…無理…」モードになっていたり、プピさんがキラークイーンさんのことを「向こうのチームにはキラークイーンいるから負けないよーだって音痴だもんー」って言っていたりしたのでどうなることやら?と思っていたのですが、全体的にパフォーマンス、可愛かった。歌もダンスも秀でて上手い人がいなかったかなとは思うんですが、みんな一所懸命で初々しさがたまらなかったです。ジャッジもスキルどうこうでなく、個性をちゃんと出せたかとか、エナジーが出てたかとかそういう基準だったので安心して見られました。

よかったのがキラークイーンさん、リズムがバッチリで、他の人が割とチルな感じの落ち着いた表現をしている中で熱く盛り上げていたので、個人的にはかなり高評価でした。ラップやSpoken wordみたいな形に近づけちゃえば音程も関係ないしね。プピさんはプピさんでスプリームさんのディレクションに従って、オーバーセクシーにやり切ってて最高でした。でもやっぱり何よりも、ど頭の「ア〜…ランチャ〜…カスティ〜リャラ〜マンチャ〜!」が最高すぎました。可愛い。インパクトでかい。美味しい。自分の名前だけで4小節。逆に「私の名前、覚えて、覚えて〜!!」って歌ってるのに名乗らないヴォルカノさん、なんなのかな?天然?好きです。最高。


ランウェイテーマはスペインで有名なトランスジェンダー女性のLa Veneno(ポイズンガール)ことCristina Ortiz Rodriguezさんをトリビュートするというもの。2016年に亡くなられたそうですが、去年からその生涯をドラマ化したものの監督をメインジャッジのハビエルさんとハビエルさんがやっているとのことでした。ここでランウェイテーマにトランスジェンダーアイコンの方を持ってくるあたりでもう一味違うぜ、ドラァグレースエスパーニャ!クリスティーナさんは元々タレントになる前はセックスワーカーだったそうなんですけど、みんな露出度が高いにせよ、品のあるルックが多くてリスペクトを感じてとても良かったです。セックスポジティブな人を表現する時にちょっと過剰にアバズレーションすぎること、たまにあると思うんですけど、そういうのはあまり感じなくてホッとしました。

圧倒的だったと思ったのはカルメンさん!リビールするぞ、っていうマントで出てくるとお手並み拝見させてもらいましょうか…とちょっと斜に構えて見てしまう私ですが、これぞドラァグ!という衣装で素晴らしかったです。そもそもクリスティーナさんの映像を見てみたのですが、元のお顔が大分似てるのですよね…

もう1人トップだったプピさん、出てきた時とチラリした時にドラが鳴るし、明らかに豹柄なのにハビエルさんがタイガークイーン!っていうから笑っちゃった。プピさん、ジャッジが喋ってる時も一個一個細かく反応して、それがまた全部面白いからいっぱい拾われるし、スクリーンタイムいっぱいだなーって思います。切れないの分かる。

今回はTOPで選ばれたのは二人でしたが、もう一人選ぶなら私だったら先述したパフォーマンスが良かったキラークイーンさんか、サヒタリアちゃんだなぁと思います。キラークイーンさんはルックの引き出しが多い!毎回イメージが変わるので見ていて楽しいです。サヒタリアちゃんは今回のランウェイルック、歴代ランウェイの中でも露出度上位なのでは…パフォーマンスに華があって、これがスタークォリティか!って思いました。

テーマと合っているかは微妙…みたいにも言われてましたが、クリスティーナさんは自分にとってのスーパーヒロインだからそれを表現したというウガセオさんのランウェイも本当に素晴らしかったですね。皆さまマジンガーZがスペインで80年代大人気で、驚異の最大視聴率80%をマークしたことがあるってご存知ですか?

今回はゲストの方がクリスティーナさんのお友達だったこともあって、ランウェイの配点比重がメインチャレンジよりも高かった気がします。この比重が違ってたらボトム2と3が入れ替わっていた気がするな…


ボトムはインティ、アランチャ、ヴォルカノさんの三人。インティはつけ胸をつけたのがトリガーになってしまったようで、自分の性別違和のことを思って泣いてしまって…見てて切なくなりましたが、さっと寄り添いにいくアランチャ、そして戻ってきた時に拍手で迎えて、温かい言葉をかける皆を見て、なんて幸せなワークルームなんだ…とこっちまで泣きそうになってしまいました。本当インティの言う通り、トランスジェンダーを定義するものはホルモン治療やお医者さんからの証明書なんかじゃない、そんなの必要ない。というメッセージ、私の心の教室の壁にデカデカと貼ろうと思います。アランチャも本編中では語っていなかったけれどインスタでこのランウェイ課題は自分としても葛藤のある課題だったと書いていて、だからこそインティのところにすぐ駆けつけたんだろうなぁ。

ヴォルカノさんは…ジャッジの言ってることも分かるんだけど、でもカナリア諸島ドラァグスタイルはああ言う感じで、シグネチャースタイルを曲げたくないっていうヴォルカノさんの気持ちも本当によく分かって。できればなんですけど、1回目はちがう事をやってみたら?っていう提案に留めて、その次の時に変えてなかったら注意する…くらいの感じでやって欲しいんですけど、でも全8エピソードのスピード感だとそれも難しいんですよね…変えて!って言われて自分のスタイルを曲げて変えたのに評判よくなくて帰る、みたいなケースも辛いし、今回みたいに直す間も無く帰るケースも辛いし、とにかく歯痒さが残ります。

ヴォルカノさん、オフドラァグの優しい穏やかな笑顔と、ドラァグのときのツヨツヨで自信に溢れた表情のギャップが魅力的で、もっと見たいと思っていたので悔しいなぁ。今回のパフォーマンス中、終始ニコォ!っとしてて可愛かったし、ランウェイも決して悪くなかったのに、難しいなぁと思います。

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次回、なんかミニチャレンジでわちゃわちゃサッカーしてて可愛い!(体を張る系大好きです)アクティング楽しみ!とか思ってたらなんか不穏な予告でしたね…え、誰かリタイアしちゃったりするの…?やだやだ…ただでさえ普通にエリミがあるだけで胸が張り裂けそうなのに、悲しい展開にならなければいいなと祈るばかりです。

RuPaul's Drag Race Down Under Season 1 episode 6"Family Resemblance"感想

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今週はみんな大好きメイクオーバーチャレンジ!メイクオーバーされる側として迎えられたのがラグビー選手たち、ということで久々の一般人登場です。アメリカの初期シーズンの頃はこうやって一般人の人が参加することも少なくなかったけど、ドラァグに理解がないのでは?と思うような人だったりイヤイヤ参加している人もいたりしたので(番組の知名度も今ほどなかったでしょうしね)今回もちょっとヒヤッとしながら見ていたのですが…まったく心配無用でした。なんとキタさんが組んだ人とスカーレットが組んだ人はパートナーとのことで、自分のパートナーが大変身していくのを間近で見られるって楽しいだろうなってニコニコしちゃいました(カナダのメイクオーバーのときもパートナー同士で参加してる人がいましたよね、いいことだ)

UKs2は収録中にコロナ禍に入ったのでメイクオーバーなし、s13はコンテスタント同士でメイク…という感じでしたが、ダウンアンダーはコロナ対策がかなり成功している(と思われる)オーストラリアでの開催だったのでメイクオーバーチャレンジも従来とほぼ変わらない感じでできていて、すごいな、早く日本も追いつきたいな…なんてことも思ったりしました。そもそもこのシーズン見始めた時からあんまりコロナ!って感じがしなかったですよね…s13もUKs2もコロナスペシャル回までやるくらいだったのに…今年の冬撮ってたはずなのにすごいな…


ダウンアンダーは割と毎回、実力差が拮抗しているというか、派手にしくじる人がいない平均点の高い感じか、誰も突出しない抑えめな感じかの二択、という見方をしているのですが、今回は前者だったのではないでしょうか?思ってた以上にみんなメイクがうまくてびっくりしました。ランウェイがちょっと物足りないかな、なんて思うこともあったシーズンなのですが、いや技術あるわ。ランウェイのお題があってそれに合わせて何かするより、それぞれの個性で衣装を決めていい今回みたいな形式の方が、純粋にテクニックを楽しめるのかもしれません。


今回キタさんがウィンで嬉しい〜!!!一番手で出てきた時に、えっどっちがどっち??ってなっちゃうくらい瓜二つでびっくりしました。メイクオーバーの評価基準って①自分のメイク手法を相手に適用させられているか(基本技術の高さも含む)②自分と相手の個性がイーブンで出せているか(自分が相手より目立ちすぎてはダメだし、逆もダメ)③相手が普段やらないドラァグ的技術にチャレンジできているか(タッキングやコルセットやパディングなどのボディメイクや、ハイヒールで優雅に歩くことなど)あたりだと思うんですけど、三つともキタさんはバッチリでしたね。

他のみんなも良かったと思います。アートさんは若干相手より自分の方が目立ってしまっていたのが響いたかな、衣装はとにかくメイクは色違いとはいえfamily resemblanceあったと思うんですが。カレンさんもちょっと自分の個性出しすぎたかなとか思いつつ、同じように自分に寄せまくったキタさん大絶賛でカレンさんは減点なのの基準がちょっとふわっとしてるなと思ったり。メガネが重すぎたというのは同意だけど。でも経理のカレンと受付のデビーっていうネーミングは百点満点だと思います。エレクトラは最初相手をめっちゃ白塗りしててどうなるのこれ!?って不安だったんですけど、まさかの異色肌!この局面で今までジャッジに見せてこなかったこと出してくるの強すぎるし、二人の肌のトーンを合わせるのを戦略的に考えてたのかなって感心しました。ジャッジにはメイクのテクが…って言われてたけど私は良かったと思う。なんか今回エレクトラいつもよりオープンな感じで笑顔多めで、リラックスできてるのかなーって嬉しくなりました。最初の頃はちょっとみんなに舐められてたのを感じて気が張ってたのか神経質そうな印象を受けていたのですが最近そういう感じ減ってきましたよね…いいよいいよ…

マキシさんは衣装が体のライン出さない感じで、ちょっと楽してると見られちゃったのかなと思いつつ、パートナーのかたもマキシさんのオーラと同じふわっとしたイノセントさを感じる笑顔で、可愛かった〜!湯上がりの赤ちゃんほど可愛いものがこの世にありますか?(赤ちゃんではない)今回パートナーの方がお髭を剃らせてくれたんですけど「人によっては髭を剃るのは脚を切るのと同意くらいの大きいことだったりするから、無理しなくていいからね」って一晩結論を出すのを待ってあげるマキシさんマジ天使。

スカーレットは自分とパートナーの素材の違いに一番苦しんだのかな、と思いました。ルーやミシェルは砂時計的なラインが好みなので、スカーレット自身は普段からあんまりパディングしないタイプなのも分かっていたけど、上半身が鍛えられてて発達してるラガーマンにもそれを適用するのは厳しかったのかなあ…と。スカーレットは上唇のリップメイクが独特なんですけど、メイクオーバー相手の厚めの唇だとよりそれが分かって味わい深かったです。


ダウンアンダーは毎回リップシンクがいいですね〜!今回は飛び道具なしで、真っ向からポジティブなエナジーを出してくるマキシさんもよかったし、ダンサーとしてのスキルの高さを出してきたスカーレットも良かった。バーレスク的な要素を入れてきてるの、見応えあって良かったですね。衣装を雑に脱ぐことはよくあるけど演出的に脱ぐ過程を見せ場として作るのは強いなぁと思いました。

マキシさん…マキシさん…かわいいかわいいマキシさん…最年長なのに赤ちゃんで、いつもふんわりとした笑顔で癒しだったのでいなくなるの寂しいです…POCクイーンがいなくなってニュージーランドの女神がいなくなってノンバイナリーの子がいなくなってプラスサイズクイーンがいなくなって…なんだかなぁ…ダイヴァーシティ…ビューティ…イクォリティ…フリーダム…(突然DR Thailandのテーマ曲を歌い出す)

最後の鏡のところで語ってくれたメッセージがとても良かったですね。サイズも年齢も関係ない、やる気があって自分を信じることができればなんだってできる、って、本当に勇気が出る言葉です。マキシさんは私よりちょっと上くらいの世代なんですが、自分より年下のコンテスタントが大半の中、年上の人がこうやって言ってくれることがどれだけ私の人生の道標になってくれることか…!私もマキシさんみたいにいつもふんわりニコニコで、新たな挑戦をすることと色んな人に刺激をもらうことを楽しめる人になりたいなぁ、と思いました。


あっ今回ルーの衣装いつもとちょっと違う雰囲気で可愛くなかったですか?UGG意識なのかな…かわいい…

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ところでミニチャレンジの「股間に隠れたセクシーアニマルなーんだ?」セクシーハプニング的な?ラッキースケベ的な?コーナー、割と私見てて居たたまれなくて…嬉しい人もいるんでしょうし、コンテスタントたちもひとときのオアシス的に楽しんでる人もいるのかなぁと思うのですが、あんまり今の時代に即してないんじゃないかなぁと思います…コンテスタントも視聴者もゲイの人もヘテロセクシャルの人もそれ以外の人も含めて、人のプライベートゾーンを見ることを喜ぶ人だけではないし、人を脱がせることや、脱がせようとする人を見ることを、面白いエンターテイメントのような扱いにするのって下品さと悪趣味さのラインとしてちょっとそろそろ良くないんじゃないかなぁと思っています。54分というそんなに長くもない番組のうちのこのミニチャレンジの5分ちょっとがどれだけ長いと感じたことか…もちろん嬉しいいいぞもっとやれ、と思っている人もいると思いますが、ダウンアンダーは女体の軽視みたいなのもちょいちょい見られますし、not for meと見過ごすにはちょっとtoo muchになってきました…私割と下ネタ好きな方だしお尻を出した子一等賞だと思ってるし悪趣味だと人に言われてもおかしくないなぁと思ってるんで、自分にとって許せる下品さと許せない下品さの差ってなんなんだろう…って悶々と向き合いつつ夜が更けていきそうです。

Drag Race España Season 1 episode 1 "¡Bienvenidas a España!"感想

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始まりましたね、ドラァグレースエスパーニャ!!一週間に2本更新あると追いかけるのきついからダウンアンダーと被せるのやめてよ〜とか文句言いながらも、もちろんウッキウキで見ました。見ないという選択肢はない。しばらく月曜は在宅勤務を死守します(仕事もしてますよ!)

トレーラーの時点で独自の世界観があるというか、見せたいものが伝わってくるようなキラキラのプロモで、本編でもこういうのが見られるんだったら期待大!という感じで迎えたのですが、いやはや期待以上でした…たのしいね、たのしいね…スペイン語、ちょこちょこわかる単語があるので(単位を取れたとは言っていない) また面白いです。おめでとう、をFelicidadesと言うのですが、CondragulationsみたいにFelicidraguesって言ってましたね!ニヤリとしちゃった。


初回は毎回恒例、各クイーンをエントランス順に、全体の印象を書いていこうと思います。


アランチャ・カスティーリャ・ラ・マンチャ

かっわいい〜!!!スペインのハンナ・モンタナと自称する、バービー人形のようなキュートなクイーン。エントランス一番手は大抵、盛り上げ役を期待されたコンフェッションが面白くて明るいクイーンが担っていて、わりと終盤まで残ってくれることが多いので期待!パンツを履くか履かないかは問題ではないのだ。自分に似合う色、似合う形を知ってますね。パステルカラーのかわい子ちゃん、好きです。


サジタリア(発音的にはサヒタリアのほうが近いのですがこっちの方が伝わりそうなので)

まずサジタリアって名前なのに全然射手座じゃないのが最高だと思う。クールビューティーかな?と思いきや笑顔が可愛い!ファッションクイーンで人気が出そう、という前情報を見てきましたが、なるほど、という感じでした。メインチャレンジで選んでいたのがフラフープとビニールボールで、ここのところビニールボールはそのままグルーガンなどでくっつけてカラフルキッチュな感じに仕上げる人が多かったので、黒にペイントして少しだけ元の色が覗く感じにしているの、いいアイディア!と思いました。


ウガセオ・クルヒエンテ

はい好きー!!!みんな好きでしょ!!この間スペースでお話ししたのですが、割と今回のエスパーニャのクイーンたちは正統派というか、わりといわゆるフェミニン方向に振っているクイーンが多めだと思うのですが、例えるならスイーツバイキングに行ったときに、ショートケーキ、チーズケーキ、タルト、プリン、マカロンモンブラン…と甘いものが一堂に並んでいる中に、めっちゃ美味しそうなサンドイッチがあったら「あっしょっぱいものも食べたい!」って絶対手に取るじゃないですか。そういう感じです。こういうドラァグスタイルの人が一人いてくれるだけで全体が豊かになる。そして色彩感覚がとっても優れてますよね。好き!

メインチャレンジ、トータルパッケージとして、衣装だけでなく自分の表現として打ち出していたのが評価されて本当に良かったです。ウガセオのアウトプットのよさも勿論なんですけど、ルーだったり、今までの他のフランチャイズだと、こういうときどちらかというと女性的なほうに軍配が上がっていたので、ドラァグとは必ずしも異性装でなくてはいけないわけではない、フェミニンに装うこと以外にもドラァグの魅力はあるよ、っていうことが評価してもらえるシーズンなんだ!って、俄然ジャッジへの信頼感も上がりました。まとめると、ウィナーおめでとう期待してるよ!という感じです。


カルメン・ファララ

ところで私、シーズン始まる前にはあんまり推しを作らないようにしてるんです。最初にあんまり公言しちゃって後からもっと好きな人ができたら申し訳ないし、初回で帰っちゃったりしたら悲しいし…なのでいつも「気になる人」程度で留めてアクセルを踏まないようにしてからシーズンを見始めるのですが、この人に関してはダメでした。もろタイプで〜す!!!推しまーす!!!好きでーす!!!

UKs1でディヴィーナさんに参ってた時やオランダs1でママクイーンに参ってた時に一緒に参ってたお友達も好きだと言っていたので、似てるわけではないけどなにか惹きつける同じようなヴァイブがあるんだと思います。私の場合は太めの眉毛とおっきいお口ですかね…はぁかわいい。あんまり誰に似てるとかそういう話は好ましく思わない方もいらっしゃるかと思うんですが、オフドラァグ、キャメロンマイケルズさんみもあるんですけど、レイヴンみもちょっとありますよね…タンニング好きなところも同じ…(shade!)

ミニチャレンジのときに牛にドーン!って大きな音を立てて飛び乗ったのも可愛かったし、振り落とされないようなりふり構わず食らい付いていたのも可愛かった。メインチャレンジは意気揚々と最初によさそうな素材の箱をゲットしたと思ったら「あんまりイケてない…やばい無理…」ってテンション駄々下がりだったのでどうなることかと心配してましたが、素敵な3ピースが仕上がったではないですか!あら素敵、私着たいわそれ!!裏地までつける丁寧な仕上げに美意識を感じます。繰り返しますが私の推しになりました、よろしくお願いします。


プピ・ポイソン

ベテランクイーン、コメディ強そう!!コンフェッションとかことあるごとに反応が面白いので、長く残って欲しいなぁ。すでにクイーンたちの中では一目置かれてる存在みたいだし、講評の時の受け答えのうまさなどを見ても経験値が一段上な気がします。衣装は個人的にボトム3みんなどっこいどっこいかなと思ったんですが、パーソナリティが一番出てたのが良かったと思います。


キラークイーン

英字幕では拾われてなかったですが、Matadora reina…闘牛士の女王!って言ってましたね。昼のお仕事はお医者さんをしてるとのことで、才能の幅広さに感服です。ワークルームの誰かにジャパニーズロリータ!って言われてたけど、ちょっとアニメテイスト入ってて可愛い。ミニチャレンジで全然牛に乗れないのも可愛い。無言でカタカタミシンかけまくってるのも可愛い。出来上がった衣装がコテコテなのも可愛い。振れ幅大きそうで期待です。


ドヴィマ・ヌルミ

ちょっとツンツンした雰囲気のクイーン…サジタリアとはルームメイトだったことがあり、でも(男性を巡ってか?)喧嘩別れ状態になったよう。本人たちはまだ詳しく話したくないみたいなので、無理に話して揉め事を作るよりコンペティションに集中したいという判断なのであれば尊重されてほしいな…と祈るばかりです(アメリカだとこういうのすぐドラマにされるからさ!←Shade!)メインチャレンジのランウェイ、UKs1のゴッシィちゃんが初々しく歩いた時は「ズンズンランウェイ」と一部で異名がついてましたが、ドヴィマさんは「しずしずランウェイ」って感じでしたね…わりとランウェイが強そうかな?っていう印象を持っていたので、衣装のせいで動きにくそうなのがあるとしても意外でした。手がずっとピヨってなってるのかわいい。


インティ

ボリビア出身、マドリッド育ち、ベルギーから来た若き刺客!ドラァグレース初の2000年代生まれクイーン!!インティはケチュア語で太陽!インティライミは太陽の祭り!細かい小物などでも自分のルーツを表現しようとこだわりが見られるのがとても良いですね。メインチャレンジのときのヘッドピースからもそう感じました。すごく素直で人への好意を口にするのが上手なので、みんなから愛されそうだな〜と思います。


ドラァグ・ヴォルカノ

独特のドラァグスタイルで有名なカナリア諸島から来たクイーン。カナリア諸島は火山諸島なのですが、まさに火山!ボルケーノ!という感じの名が体を表しているインパクトの強さですね。入ってきた時サジタリアちゃんがちょっとびびって「ケツの穴キュッ」的なこと言ってて笑いました。ウニみたいなヘッドピース、好きです。身長は?って聞かれて「身長180cmにヘッドピースとヒールの高さ30cmを足して1メートル20cmだよ!」って間違えて1m低く言っちゃってる(し計算も間違ってる)のに気づいてないの可愛かった。ランウェイでも一人だけにょきっと大きくて愛おしいです。


ザ・マカレナ

かわいい〜!!!この子絶対日本のアニメ文化のこと好きでいてくれてるありがとう!とシーズン前から好感度が高く、オフドラァグもめちゃめちゃキュートで期待していたクイーンだったのでしたが、ま、まさかの初回サシェイ…悲しい…!

確かに衣装の裾の処理など荒いところもあったけれど、青とショッキングピンクの組み合わせだったり、ピンクの白鳥(?)が肩についてたり、私は結構好きだったんだけどな。リップシンクもウィッグが外れたのが減点になっちゃったのだと思うけど、私はマカレナちゃんのほうがエネルギーに満ちていて好きでした。もっと見たかったな〜喋りすぎとも言われてたけど、自分のパーソナルなことも明るく語る姿と、表情豊かなコンフェッションがとても良かったので残ると思っていたのだ…旦那がオフドラァグ見た瞬間ザキヤマか!?って言ったんですけど私的には表情の動きがタイランドs2のSrimlaちゃんみたいで可愛くて仕方なかったです。コンフェッションのたびに眉毛の濃さが違うのもまた好き。歌ってるの見たかったなー!

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そんな感じでざっくりした各クイーンへの感想でした。今回ジャッジからの批評が、できるだけいいことを言って、気になったところは成長できる部分として伝えていて、とってもポジティブでよかった〜!お友達のRTのお陰でジャッジの方へのインタビューの一部を読めたのですが、「ただでさえ傷つくことの多いコミュニティだから、批評したり厳しくしたりすることよりも、愛を持って、その人が成長して力を出し切ることができるように意見を伝えるようにした」という方針とのことで、本当に素晴らしい…また評価も複数ジャッジの投票制なのも、色々な意見が入っていいですよね。専制君主の独裁って感じがなくて…(Shade!)確かカナダもそうだった気がするのですが、あの時は毎回異なったゲストがまとめ役をして、レギュラージャッジが投票する、という感じだったので、また違う雰囲気になってるのかなと思います。

とにかく雰囲気がいい〜初回からジェンダーアイデンティティの話とかが全体でナチュラルに行われていたシーズンが他にあっただろうか?このまま正々堂々と、愛とクラフトマンシップスポーツマンシップにのっとって、みんなのいいところがたくさん見られる番組であることを期待しています。はー楽しい。月曜朝の楽しみができたので日曜は飲みすぎないように気をつけます。

 

今回かわいいかわいいしか書いてないな…

 

 

 

RuPaul's Drag Race Down Under Season 1 episode 5"Marketing Hats"感想

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今週はCMチャレンジ!!オーストラリアで有名な、ベジマイトという天然麦芽酵母と野菜エキスをイースト菌で発酵させた「オーストラリアの納豆」とも呼ばれる食べ物があるそうなんですけど、そんな感じの商品をCMにしろ!というやつでした。チョコレートペーストのような見た目だけど、どちらかというとお味噌に近い、しょっぱい味だそう。(ちなみにオーストラリアではヌテラというヘーゼルナッツ風味のチョコペーストも有名みたい)でもさぁ…どっちにしろさぁ…そりゃその商品でCM作れって言われたら、そりゃ下ネタ方面にみんな走るよね!?見ながら何回か「コロコロコミックかよ!」ってなりましたわ…ダウンアンダーのダウンってそういうことじゃないよね!?


今回、ミシェルと一緒にディレクションしてた方がどうやらコロコロ読者ではなかったようで、下ネタ系に対する配点が辛かったかな、と思います。この辺りは運もありますよね…

ウィナーになったエレクトラさんは、下ネタの部分とそうじゃないアホな部分とのバランスが良かったので(C・U・N…まで来てAが来たの笑っちゃいました)上手かったなぁと思います。ピットクルーに「しゃぶってる感じのショットを撮らせてもらっても大丈夫?」ってちゃんと同意取ってるところ、重要。100点です。あとキタさんも、画面はキタないんだけど、ジョン・ウォーターズピンクフラミンゴオマージュというあたり賢いし上手いな〜!と思いました。今回はニュージーランド勢がアニータさんの雪辱を果たしたかのように活躍してくれて嬉しかったです。うちの旦那は蝶モチーフが出てくるとすぐs10フィナーレの話に持っていくのやめてくれ。

でもやっぱり今回食品のCMなわけで、下ネタ一辺倒になることはやっぱりだいぶリスクが大きかったかな、だって食べたくならないし購買意欲がそそられないもんね…!なので直接的な感じだった人の評価が低くなるのは、まあ仕方ないかなと個人的に思います。でもランウェイテーマ、Finest Sheila in the bush(大自然の中の花子さん、みたいな感じ?)という漠然とした感じの中で、私は今回ボトムになったエトセトラちゃんが圧倒的に良かったと思うんだけどな、見た目的にもメッセージ的にも。ランウェイ加点でセーフで抜けるかな…と祈ってた中で、実際に抜けたのが同じお下品系CMランウェイ良クイーンのスカーレットだったので、あれ、って思いました。スカーレットとエトセトラならエトセトラのほうが良かったと思うんだけどな…プリシラ見てないからスカーレットの良さが分からなかったのかな…あとテーマに合ってるかは分からないけど、アートさんのちょいダサセーターめっちゃ好きでした。


リップシンクはもうね〜ズルい!!マイク出すのズルいよマキシさん!!!歌謡ショーすぎておかしい!ああやって熟年のポピュラー歌手感を出すことによって、表情にフォーカスするように仕向けて、あまり踊らなくても許される演出にするの、クレバーで面白かったです。ピカピカの笑顔が可愛いよ…!個人的にはエトセトラちゃんのリップシンクも大正解だったと思うし、動きにバリエーションがあった分エトセトラちゃんのほうが残るかなと思ったので、そもそもリップシンク組になっただけでもあれっ?という感じだったのに、エリミにもなってしまって、心から残念でした。先住民ルーツのクイーン、POCのクイーン、ニュージーランドの実力者、ノンバイナリーのクイーンと居なくなって、マイノリティ側から退場して多様性潰してく方向なの結構もやもやします…ルポールの(好みによる独裁的)ドラァグレースの雰囲気、ひしと感じる…

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ところで今回ワークルームとランウェイでスカーレットさんが過去にブラックフェイスでパフォーマンスしたことに対する謝罪をしてましたね。まだ、考えがまとまっていないのですが、番組としてこういう形で出すことは、いい面も悪い面もあると思うけどとにかく重要なターニングポイントになるのかな、と思いました。

私の意見としては、ブラックフェイスをはじめ、差別及び差別的な行為は許されないこと、だけど人は学ぶことができる生き物だから過去を反省して二度としないと表明することはとても大事なこと、その表明を持って許すか許さないかは個人個人が判断するところ…という感じなんです、基本的に。スカーレットが過去にブラックフェイスでパフォーマンスしてたことで放映前から炎上してたのは知っていたので、私としては「まずは番組として放送されたものを見て自分の感じたことを素直に書こう、番組の中で見たものだけで評価しよう」「でも番組が終わったあと、個人のパフォーマーとして応援していくことは別問題で、問題のある発言や行動があったり、思想的に相容れないクイーンのことは自分のお金と時間をかけてサポートすることはできないな」というスタンスで常にやっているので、今回のシーズンも「今回のチャレンジでのスカーレットはいいな」「今回はちょっとよくないな」という感想を毎回持ちつつ、心の中で「でも謝罪したとはいえ、過去の行動から手放しで応援することはできないかな…」というフィルターがかかってしまった状態というか、そういう感じで向き合っていました(これ、好きになる前にそういうことがあったのを知ったからこういうブレーキがかかったような見方になったわけで、好きになった後で過去のことを知った場合にはもっと違う感じになっていたと思います。だってそうでしょ、例えば今推してるクイーンに明日何かがあったとして、行動は擁護しないとしても、いきなり嫌いになれますか?)

番組内で謝罪があったからそのスタンスが変わるかと言われると、うーん、まだ分からないのですが…でも公式な記録として残るのってとってもデカいなと思うんですよね。今後こういうことをした人なんだって厳しい目で見られるわけじゃないですか、それでも大丈夫なように学びながら生きていくことが求められる側面と、でも公式に謝罪してるエビデンスが残ってるから、っていうこのまま活動していくエクスキューズができる側面もあって、何も語られないままいるよりはずっとずっといいのかな、チャンスをもらえてラッキーだったね、って思います。(もう一人、放送前に炎上した人がいますが、その人はどうなるんでしょうね…)あとから何も知らない状態でシーズンを見た人がこのクイーン大好き!!って夢中になって、後から調べてみたら問題のある行動があって大ショック、みたいなの辛いじゃないですか。それをシーズン内でちゃんと過去のことを知れるところから謝罪したところまで、一通り見られるようにしてくれるのはわりと親切設計なのかなと…。だってこのまま知ってる人が知ってる、知らない人は知らないみたいな状態で例えばファイナルまで残って、あまつさえも冠取ったりとかしたら、そっちのほうが嫌じゃないですか…?知ってた側だからそう思うのかな…

 

でもやっぱりさ、先に書いたけど、その表明をもってしても許せるか許せないかは人それぞれで、特に当事者の人たちは「これで禊完了!ok!」とすることはできないんじゃないかな、しなくていいんじゃないかな、と思います。


今回、POC当事者であるクイーンたちが帰った後でのこの展開なのが良くないですよね。白人たちしかいないワークルームで謝罪されてもどうなんだって感じだし、ジャッジのルーもスカーレット個人どうこうじゃなくて、シリーズ通してのキャンセルカルチャーへの対応としての試金石としてる感じがあるというか…ワークルームでそれは良くないよ!ってビシッと怒ったエレクトラちゃん(立派!最年少なのに、というか、最近の若い方たち本当しっかりしてますよね…大人がもっと学んでしっかりせんとあかん…)が帰されちゃうし…なんだかなぁ…


考えがまとまってない中で書き始めて、やっぱりまとまらないまま終わります。次回はメイクオーバーチャレンジ!しかも久しぶりに素人男性(この書き方良くないね)が来るぞ!!メイクオーバーの中でもかなり難易度高い部類だと思うので、どうなることやら…という感じです。あと3epだけど全然最終局面も読めないし、ある意味毎回びっくりすることばかりで、新鮮に見られるシーズンだなぁと思います。

 

追記

一晩寝て考えたけど、やっぱり元々POCクイーンの数が少なかった上に二人とも早期サシェイさせた中、白人クイーンが理由の説明なしにレースにカムバックできて、過去に差別行為を行った白人クイーンが謝罪してこれからもレース続行するチャンスをもらえる、っていう番組の構造がよくないなぁと思います。結局差別を顕在化させてないか、と。もちろん謝罪して前に進むことができるようにすることは大切なことだし尊重するけど、そうやって再起のチャンスを与えてもらえる白人クイーンがいる中で、番組に出演する機会すら与えてもらえないPOCクイーンがたくさんいるわけで…もしシーズン2があるのなら、もう少し多様性を尊重するようなキャスティングにして欲しいなあ、と思います。