あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul's Drag Race Down Under Season 1 episode 1 "G'day G'day G'day"感想

*このブログは多大にネタバレを含んでいます。ネタバレしたくない方はここで引き返すか、以下WOW Presents Plusのリンクから本編を見てから読んでください*

 

 

 

 

I'm watching G'day G'day G'day on WOW Presents Plus http://www.wowpresentsplus.com/videos/g-day-g-day-g-day

 

 

 

 

 

 

 

s13の余韻に浸る余裕もなく、始まりましたねダウンアンダー!(このオーストラリアとニュージーランドをまとめてダウンアンダーという呼び方、欧米が基準になっていてその位置より下…って感じの欧米至上主義の匂いがしてあんまり好きではないんですけど番組タイトルなのでこのまま使いますね…旦那には赤道以下ってだけじゃない?って言われたので気にしなくてもいいのかしら…?)プロモルックの時点から、ガウンのクイーンがいなくてなんだかカラフルで、今までのシーズンよりキャンピィな雰囲気マシマシだったので、今までと雰囲気の違うシーズンになるかなー?とワクワクしておりました。


まず初っ端からズッコケた話なんですけど、日本語字幕がついた!?って興奮して見に行ってみたらあからさまに自動翻訳の謎日本語!!2分くらい頑張って見たんですが、日本語字幕のおかしさに気を取られて集中できなくなっちゃったので英語字幕でいつも通り見ました、結局。でもナイストライ!!ありがとうございます!もう一歩よろしくお願いします!!


正直ミニチャレンジはあんまり中身があったとは思ってなくてタイカ・ワイティティ氏と各クイーンの表情を楽しむ程度でしたが、メインチャレンジの裸ランウェイとご当地ルックの2つのランウェイはとても良かったですね〜!裸ランウェイはs7でやっていたので懐かしいなぁ、という喜びもあり、ご当地ルックは個々人の個性だけでなく知らない場所の特色について学ぶこともできるので、課題に出るたびに楽しみにしています。初回なのでエントランス順に各クイーンの印象をまとめて書いていく感じでいこうと思います。


アート・シモーン

この人知ってる!!cameoでお顔見てたしこの間wowでシリーズやってた!!とプロモ時点で強敵枠に入れていた私です。エントランスからマキシチャレンジの2ルックまで、全部素晴らしかったですね。裸ランウェイの時点で強い!って圧倒されましたが(半々ルック、大好きです)ご当地ルックは普通に素晴らしいのにその中でさらにびっくりさせたい!っていう狙いがはっきり分かってとても良かったです。ご当地がどこか伝わりにくかったのかな、そこがもう一押しできてたら勝ててたと思います。経験と財力による余裕が感じられてよい、最後まで残って欲しいし、残るような気がする。


マキシ・シールド

プロモ時点での私のお気に入りさんです。円熟の魅力を持つ年長クイーンに弱いのと、豊満なボディメイクをするクイーンが大好きなんですよね…目元のメイクもとってもキュート。ランウェイ、裸ルックのエンジェリックさが最高でした。完全に裸にならなくても透け感のある衣装で裸は伝わるし、清楚な感じが素敵。あとエビ食べたい。


ジョジョ・ザホ

オーストラリア先住民のルーツを持つクイーン。エントランスでテカテカした感じをメイクで描いてるのも新鮮でとても良かったし、ランウェイは二つとも自分のルーツを打ち出してくるメッセージがとてもよかったので、あとは本当、ディテールが荒かったのが惜しかった…!もっと色々見たかったです。リップシンクも相手よりステージのいい位置でパフォーマンスするぞって闘志が見えてハラハラしつつも「アメリカ版も初期シーズンはこんな感じだったなぁ、それだけ残りたいんだなぁ」って気概を感じました。


エレクトラ・ショック

ウィッグがちょっとパサっとしてるとか、乳首位置高くない?とかこそこそ言われてるのを感じ取ったのか、ボス二人が来たからなのか、ワークルームでは気を張って緊張した表情でしたが、ミニチャレンジでは表情豊かなところを見せてちょっと皆に見くびられてる中で勝ったの気持ちよかったです。ご当地ランウェイ、あれはルーとミシェルが現地の知識がないから伝わらないだけで、それをボトムの理由にしちゃあかんやろ〜!ってちょっとぷんぷんしてしまいました。(UKs2でも怒ってた)いろいろ盛り盛りすぎるっていうツッコミは分からなくないのだけど。いやはやでもリップシンク、痺れましたね!!あんなバーン!って気持ちいいスプリットなど大技の連発、久しぶりに見た気がします。


スカーレット・アダムス

シュッとしとる!!!バーレスク・クイーンということで早く踊ってるところ見たい!とワクワクしてます。裸ルック用のボディスーツが破れてしまうというアクシデントもありましたが、でもリカバーして舞台でのプレゼンテーションはとても良かったのでホッとしました。(でも黒い糸じゃない糸で縫ったほうがもう少し目立たなかったのでは…?)ご当地ルックはレッドスネークカモーン!ブラックスワンカモーン!って叫びました。すき。


ココ・ジャンボ

キレのいいタングポップ!こういう笑顔がパカっとしてオープンそうで、実はちょっとシェイディなクイーン、大好きです。メイクもゴージャスでかわいい〜!裸ルックは手縫い感満載で微笑んでしまいましたが、でもああやって顔のパーツで表現する着想の良さ、もっと褒められてもよいと思います。ミシェルがカラマリかと思った、って言った部分、ぜひちゃんとした日本語訳がつくような日が来るのであれば「イヤリングじゃなくてイカリングかと思った」ってして欲しい。ご当地ルックのバナナを食べるキングコングルック、ゴリラって聡明で強くてかっこいいのでゴリラを採用した時点で満点だと思います。


キタ・ミーン

好き〜!!エントランス衣装、キャンピィ盛り盛りなのにまとまって見えるのは上級者の証、と思いました。ずっと太っていることがコンプレックスでお金を貯めてスリーブ胃切除手術を受けたということですが、過去の写真も素敵だった…コンプレックスとの向き合い方も、その乗り越え方も人それぞれですが、番組で経験をシェアしてくれるの尊いことだなぁと思います。ランウェイは二つとも綺麗に纏めたな、という印象ですが、最後振り返って背番号が69なの笑いました。


エトセトラ・エトセトラ

エントランスの触覚がしょんぼりしちゃって何回も直してるの可愛かった!なんか虫っぽいとは思ってたけどまさかゴキブリとは。最年少ということで少し見くびられてるかな?とも思いますが、自分のジェンダーの葛藤を表現してくれた裸ランウェイ、美しくて最高でした。ご当地ルックは私の知識が乏しいせいでご当地感は分からなかったのだけど、これもまた美しかった〜!コンフェッションなど私服を含めてセンスの良さが見えるのでもっともっと見たいです。


アニータ・ウィグリット

お姉様!!!エネルギー全開で元気が出ます。ミニチャレンジで怒ってるのと喜んでるのの差がなくて最高にかわいかった。イブとヘビとリンゴの裸ランウェイもわかりやすくてよかったし(ここでもレッドスネークカモーンと叫びました)羊も非常にわかりやすくて良かった。セクシーシープ!!!キタさんとのドラマを番組的に作りたいのかなぁなんて邪推してますがどうでしょう。


カレン・フロム・ファイナンス

まず経理部のカレンっていうドラァグネームが最高。こういう、ジャカルタの虎とか、ビー玉のお京とか、垂乳根の母とか、そういう異名私も欲しい。止まるポジション分からなくてスタスタ前に出ちゃうのも可愛かったです。経理部ということでやりくり上手なのか、衣装やウィッグもお金と手間がかかってますよね。その上でランウェイでの表現力が高いので、そりゃあ評価されるよなぁ〜と思います。プレゼンテーション力が高い、クレバーなクイーンだと思ってます。強敵感ある!

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untuckedが本編に組み込まれてトータル50分ちょっとの番組なので、わりと気楽に見られて良いですね!最初展開が結構サクサク進むのでせわしないな、とも思ったのですが、ランウェイやリップシンクという見せ所の時間はきっちり取っていたので、見ていて気持ちよかったです。

来週はいきなりスナッチゲームということで、まだ各クイーンの性格や得意分野など全然見えてきてない中での乗るか反るかがでかい課題なのでどういう展開になるかまったく読めない!しかもアメリカ版以上にとりあげられるセレブが分からないこと間違い無いので、見ててハテナマークだらけになっちゃうかもしれない…でも楽しみに見ようと思います。また来週もルー(ドラァグ)とルー(オフドラァグ)の邂逅みたいな茶番あるのかな…

 

(追記)

一晩経って冷静になったところで、お友達が「白人であるエレクトラオークランドの表現として先住民マオリ族の衣装を模したものを来て出たのは文化盗用の観点からよくない」と言ってるのを見てハッとしました。たしかに最初ランウェイで見た時に「おや、先住民族の文化の衣装だね〜」って思ったのだけど、ジャッジもその観点では何も言わず、コンテスタント間も触れてなかったのでスルーしてしまっていた…でも確かにそうだ。いつもこういう案件は誰かが言及してるのを見てやっと気づく私です…そして実際に先住民のルーツを持つジョジョとのリップシンクになって、ジョジョが帰ることになったのは(リップシンクのパフォーマンス的には納得できる結果なのですが)なかなか波紋を呼ぶような展開だったのだな…と改めて。

あともう一点気になったのは、最初のミニチャレンジが「台本がオーストラリアの濃いめのアクセントで書いてあるから、濃い〜く演技してね!」って感じだったのだけど、現地からするとそのアクセントが自然なわけだし、外から来たアメリカ人のジャッジのルーがもっと訛りなさい!って強制していじるのってあんまりよろしくないのでは…と思いました。UKの時もスコットランド訛りになみなみならぬ愛着を示していたルーでしたが、訛りが愛おしいって愛でることと、それでいじってからかうことの境目ってとても薄いと思うし、本人がいじられて美味しい!って思うのか、あんまり言わないで欲しいなぁって思うのかも人それぞれだと思うし、そもそもアメリカ人からみたら訛ってると感じるかもしれないけど、コンテスタントたちから見たら「ルーこそアメリカ訛りね!」って感じているのではないかと…あんまり訛りありきの企画を出されると、それってマイクロアグレッションでは…?と思うのです。

アメリカから来たジャッジが、アメリカとは別の文化を持つ国で、その文化の知識が薄い状態でアメリカを基準にしてジャッジングするって、なかなか難しいのだなぁと(UKのときもうっすら思っていたのだけど)改めて思いました。「ドラァグレース」というフォーマットに乗せる以上良し悪しもあるけれど、カナダやオランダやタイランドみたいに現地の文化や現地のドラァグシーンを知ってる人がジャッジをすることって理にかなった部分があるな、と。UKはアランやグラハムがうまく現地文化の文脈の説明を挟んでくれたりもしていたので、ダウンアンダーもリース・ニコルソンがうまくそのあたり転がしてくれたらいいなぁ、と思ってます。