あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul's Drag Race: All Stars7 episode12 "Lip Sync LaLaPaRuza Smackdown" 感想(後編)

夏休みの宿題ということで、オルスタフィナーレの感想を前編後編に分けたのですが、大正解だった…この後半分、みんなの良かったところ好きだったところを書いていったらすごくモリモリの分量になってしまいました。原稿用紙換算で約20枚。なんだよ小学校20年生かよ。まあ仕方ないよね、だって8人とも皆本当に良かったんだもん。本当に最高のクイーンが集まった最高のシーズンでした。

 

 

 

 

I'm watching Lip Sync LaLaPaRuza Smackdown on WOW Presents Plus http://www.wowpresentsplus.com/videos/ras-712

 

 

 

 

それぞれへのラブレターのようなものです。

 

ジェイダ

the Essence of Everythingという二つ名を貰いました。自らキャッチフレーズにしていたエッセンス・オブ・ビューティでは足りないよ、それどころじゃなくて全てだよ、ということですが、その通りジェイダこそ全て、ジェイダは世界…コロナ禍の中の戴冠でそれまでの王者のようにツアーなどができず、本当に自分がこの座にふさわしいか不安だった…と本音を吐露していましたが、s12からあまり間が空いていないにも関わらずさらなる大成長を見せてくれて素晴らしかったです。

チャレンジはどれも良かったですが、やはりデザインチャレンジを2本とも勝利したのが印象的でした。特にep3の黒いドレス、ジェイダの美しい骨格を生かすシャープな形に、黒一色で単調にならないように異素材をパッチワークさせて使っているのが美しかったです。ランウェイはep2の合皮のマトリックス風つよつよルックのトータルコーディネートの素晴らしさと、ep8のリラックスした紫のニットウェアが特に好きでした。ep9のランウェイでは四季を表すため3回もリビールしたのですが、全てのドレスがちゃんと繋がっていて、脱いだ衣装をステージ上に残していかなかったのも美意識を感じで痺れたなぁ。

でもチャレンジやランウェイ以上に、合間合間に見せるリラックスした姿に本当に癒されていました。s12の時はどちらかというとしっかりもののお姉さんという感じで、たまに見せるお茶目なところが可愛いなぁと思っていたのですが、オルスタ7では終始楽しそうに他のメンバーとわちゃわちゃやかましく過ごしていてとても愛おしかったです。ワークルームでシェイが集中して考えたいのにジェイダが鉄琴をかき鳴らしまくって歌い(ジンクスはウクレレを弾き、イヴィは踊り)邪魔しまくってたのは今シーズン屈指の名シーンだと思います。本当かわいい、オルスタ幼稚園。本当に素のジェイダの可愛さがたくさん見られて嬉しいシーズンでした。

 

ラジャ

the Shaman of Chic…洗練の巫師と呼ばれ、そう、シャーマン!ラジャ様はそういう、カミサマに近いところにいるのよ、よくお分かりで!という気持ちになりました。ラジャ様を応援していると、推すことと信仰ってどこか近いところがあるよなぁ、ということを再認識します。ちょっと仙人のような達観した雰囲気が魅力ですが、今シーズン序盤は一番この場所に帰ってきたことを楽しんでいるようで、無邪気に喜んでいる姿が印象的でした。後半になると帰って白ワイン飲みたい…ってぶーたれてるのがまた可愛かった。

ファッションセンスの高さで圧倒して勝利したs3からもう10年以上経っているのに、決して錆びることなく、さらにアップデートさせたスタイルを見せてくれたのが本当に素晴らしかった。私はep5のヴェールルックの雑誌の表紙を表現してるルックが大好きでした、あとep12の最終ランウェイも良かった…宇宙から来た異星人のような、はたまた地球に昔からいる昆虫が進化したような、未来と古代が合わさった新しい異形のルックを見せてくれて格好良かったです。今シーズンラジャ様は結構聖闘士星矢感あると言うか、コズミックウォリアーというようなルックが多くて、強そうで最高でした。本当ずっと美貌とスタイルを維持されていてすごい…ワークルームのルックもずっとおしゃれで、グレイヘアに移行をすることを考えてる自分としては最高の指針を見せてくれて感謝でいっぱいです。本当かっこいい。リップシンク衣装はギャルショップのエリアマネージャーのようでこれまた素敵でした。

前半思うように勝てず星をゲットするまでに少し時間がかかりましたが、私はep2のスナッチゲームとかep3のデザインチャレンジのゴールドの衣装とか、トップでも良くないかと思っていたので、後少しのところで届かない歯痒さどうにかしたい!と思いながら見ていました。あとep11のタレントショー、アジア系が少し軽視されがちなドラァグレースの中で、アメリカ版でアジア系ウィナーは自分だけだから、とバリ舞踊を選んでくれたの、本当に素晴らしかったし、アジア文化を紹介する機会に使ってくれたのが嬉しかったなぁ。

もらった賞金で白ワインでも飲んでのんびりしていてくれればいいなぁと思います。本当、出てくれてありがとう。


ヴィヴィアン

Our Powerhouse Scout…なんて訳すればいいの?つよつよ斥侯とかでいい?

単身イギリスから上陸して、開始時点では一緒にツアーを回ったトリニティ以外とはほぼ交流のなかった状態だったそうですが、後半はすっかりリラックスして自己主張したり毒舌を吐いたりとヴィヴィアンらしい姿が見えるようになったと思います。UK版を見たことなかった人にも何でもできるオールラウンダーっぷりが伝わったと思うし、UK版を見ていた人にもより人間味が伝わるようなこのオルスタだったので、ファンを増やしたのではないかなぁと思います。

チャレンジの中ではとにかくアクティング系の強さが印象的でした。ep4の昔話法廷チャレンジでゴルディロックスから赤ずきんちゃんになりグレーテルになる嘘つき少女、訛りの切り替えに痺れました。ep8のクリスマス劇も安定の上手さだったし、そういえばep2のスナッチゲームもいぶし銀のよい演技をしていました。誇張表現されてるけどわざとらし過ぎない、分かりやすいけど鼻につかない演技力で、匠の技だなぁと思います。

ランウェイの中ではep4のスパイクランウェイのトゲトゲレオタード、ep5のシースルーのベールの下にボールギャグをつけたルックなど、フェティッシュなものにグッと来てしまいました。なんか私の思うセクシーのツボに入るんですよね…ep8でリップシンクした時にお水をかぶったのとか、もう本当たまらん、なんだろう肉感的なボディとツンとした表情がハマるのかしら…あと私はヴィヴィアンのメイクが大好きで、毎回アイメイクのブレンドの素晴らしさと、ハイライトのツヤツヤさに見惚れていました。しかしヴィヴィアン、これだけ芸達者で安定感あるのにイヴィに続いて二番目に若いんですよ!?信じられます?何なのあの貫禄…


イヴィ

the Queen of the Queerdos…変わり者クィアの女王という異名をもらいました。もーーー本当人間として普通に生きていても体調には当たり前に波があるじゃないですか、病気を抱えている人にとってのその波が大しけの海のような大嵐であろうことも想像に難くないわけで、そんな中長丁場の収録に参加することを決断してくれただけで感謝しきりです…オリジナルのシーズンの時点で、病気でパフォーマンスできる期間にもタイムリミットがあることを知っていると語っていたので、心身をピークに持ってこられる時に間に合って良かったと思っていたのだけど、さらにもう一度チャレンジしてくれて、たくさんの美しい瞬間を映像に残してくれて本当にありがたい。

チャレンジ、色々いいところあったのだけど、私はスナッチゲームのブギーマンや昔話法廷の狼のセクシーさがとっても印象に残っています。でもそれ以上に、デザインチャレンジで課題を決める時のルーレットで賞金を当てたのに一瞬で没収されて崩れ落ちるところとか(ちなみにこのシーズン、賞金をまったく持ち帰ることのできなかった唯一のクイーンがイヴィです…可哀想に…)プランジャーを渡されてやっぱり崩れ落ちるところとか、そういうチャレンジ外のコミカルでかわいいモーメントが印象的だったりして。ランウェイは私は暗闇で光るエリンギの女王様が一番好きでした!オリジナルシーズンで執拗にルポールにグラマーなあなたが見たいって言われ続けてたけど、これこそ美しく威厳に満ちた真骨頂グラマーなのでは?そしてオリジナルシーズンから一番メイクの腕が進化したのがイヴィだったのではないかと思います。ep5の卒業スピーチ回、残念ながらトップにはなれなかったんですけど、リップシンクに備えてカラフルな三つ編みのウィッグかぶってアイメイクもその色味に合わせてて、本当に可愛かった!あとep7のルポールの衣装再構築デザインチャレンジのときの上唇がモーヴで下唇がコーラルオレンジのバイカラーになってるリップメイクも最高だった。病気のせいで今まで出来たことが出来なくなって歯痒い、みたいな部分もあると思いますが、新たに手に入れてきたものもたくさんあって、その分支えになるものも増えてると信じています。


ジンクス

the Show Queen Supreme、至高のショークイーン。分からなくもないけど、どうせなら魔女っぽい二つ名が欲しかったな…(後日訂正: 「アメリカンホラーストーリー:魔女団というドラマで魔女団をまとめる最高地位の魔女がスプリームと呼ばれてるので、おそらくそこにかかってるんだと思います!」とのこと、Twitterで教えていただきました、ありがとうございます!ばっちり魔女だったんですね!)

何度も書いていますが今シーズンのジンクスは本当にすごかった、モンスーンシーズンの再来というような感じの強さだったと思います。s5の時は良い成績だし勝って欲しいけどファイナリスト全員素晴らしいのでどう転ぶか分からないよな、と勝ちを確信するまでは至ってなかったと思うのですが(そうやってワクワクさせることがオリジナルシーズンの醍醐味だしね)今シーズンはさらなる猛者たちに囲まれているのにも関わらず、このシーズンジンクスが勝つでしょ、それが一番自然でしょ、と思わせるような強さがあった。複数回ブロックを受けているのにも関わらず星をもぎ取っていき余裕のファイナル進出、本当にオールラウンドに活躍してくれました。

どれも良かったけどやっぱり圧巻だったのはスナッチゲームでしょうか、ナターシャ・リオンも素敵でしたが、ジュディー・ガーランドはスナッチゲームの殿堂に残る歴代屈指の素晴らしさだったと思います。オリジナルシーズンのリトル・イーディも素晴らしかったけど、それをさらに上書きしてくるなんて!過去のメイクオーバー回の会話を伏線として回収したのも痺れました。あとTikTokダンスを作るチャレンジでピーナツバター塗りたくるやつも変化球アプローチが決まって好きだったなぁ。

衣装はフルレングスのガウンが前半続いたので、もう少し形にバリエーション欲しいかな?と思った瞬間もあったのですが、ep5の蝶が顔のヴェールを運んでくる紫のドレスの素晴らしさを見たら、似合う形を知っていてええやんか、素晴らしい着想を似合う形のドレスで表現できてええやんか、という気持ちになりました。あとep9の名画4連リヴィールと、ep10のエレクトリカル魔女裁判も素晴らしかったな〜。今シーズンはチャレンジ内での魔女ブランディングがとても成功していたと思うので、ランウェイもファンタジー感があるものが好きでした。

リップシンクはep9のSpoken wordsのやつと、セミファイナル戦のシェイとのJUDASが好きでした。今シーズン一番リップシンクしてるのですが、よくぞこれだけ引き出しがあったもんだと思います。オリジナルシーズンでは一回しかリップシンクしてないもんねぇ、そう考えると超贅沢なシーズンだったな…本当に、強さを改めて知らしめたシーズンでした。ウィナーおめでとう!

 

モネ

the Diva of Heart and Soul、心と魂のディーヴァと評されました。なんか分かる、モネは心と魂に響く…

wtw東京を見に行った人はみんな心の大事なところにモネだけのスペースがあるのではないかと思っています。一番のお目当てクイーンがモネ以外だったって人もたくさんいたと思うのですが(チャチキ様とかアクエリアちゃんとかそのほかにもたくさん人気クイーンがいたので)あの日、一番ファンを増やして、総合好感度をアップさせたのがモネだったんじゃないかと思う。インスタとかの写真で見るのでなく、動いている、喋っている時に出てくるチャームがモネは随一で、パフォーマンスをしているイキイキとしたフレッシュさを見ると夢中になってしまう、そういうクイーンだと思うので、このオルスタでめいいっぱい動いているのを見られて嬉しかったな。最後の最後に大量得点ゲットしてファイナリストの一人を決めなきゃいけなかったり、優勝者を決める最後のリップシンクの場に立ったり、番組の大事な肝の部分にモネがいてくれたからこそ、明るく朗らかなシーズンになったのだと思います。最終エピソードでみんなを代表して言うけど…とルポールへの感謝の言葉を涙交じりに贈っていたのも、人の心の柔らかいところに届けられるモネが伝えてくれて良かった。番組の始まりのep1のパフォーマンスチャレンジで勝ち、ファイナル直前にはオペラという隠し玉を披露して、最後の最後のファイナルリップシンクまでモネのパフォーマンスの持つ陽のパワーで引っ張ってくれました。ep1の「いちろーさんのまきばーで、イーアイイーアイオー」リップシンクとか、ep9のSpoken wordsとか、モネがやってくれて良かった!と思うような歴史に残るリップシンクも印象的でした。

ルックもめちゃくちゃ良かったんですよね…!トータルで見ると、もしかしたら私、モネのルックがこのシーズンで一番かもしれません。ep2の合皮ランウェイでの美しい筋肉コルセット、ep5のベールランウェイでの鳥籠に入った青い鳥ルック、ep6のドリー・パートンランウェイでのパッチワークの華やかなコート、ep8のニットランウェイでの健康的なホットパンツ、ep9のリヴィールランウェイでの黒人文化を称賛するメッセージ性の高いルックたち…バリエーション豊富なスタイルを全て着こなしているのが素晴らしかったし、ランウェイという観点では過去シーズンからの成長も一番だったのではないでしょうか。今まで見てきたモネの最高を、また更新してくれたシーズンになりました。


シェイ

the Empress of Exellence…卓越の女帝…このあたりまで来るとあんまりその人のこと考えてつけた異名じゃなくない?とか思いつつ、でもまあエクセレンスだよなぁと思うシェイなのでした。ep1で勝利したものの、その後はなかなか思うように星を重ねられませんでしたが、決して腐らず、でも諦めず、淡々と毎回全力を出すのみ、と自分の仕事に取り組み続ける姿が本当に格好良かったです。どこまで制作側の作意が入っていたかは分かりませんが、常に冷静で、でも炎を静かに燃やし続けることができるシェイだからこの逆転劇が成り立ったよなぁと思います。

勝利したep1、ep11のキレの良いダンスが素晴らしいパフォーマンス系課題が強かったのは言うまでもありませんが、他にもep5の卒業スピーチ課題、ep6のガールグループチャレンジ、ep7のルポール衣装リメイクなど、中盤もあとたった一歩だけトップに届かない!と感じるような良いチャレンジがたくさんありました。どんな課題でも安定して、シェイの知性や思慮深さ、品の良さが伝わってくるのが素晴らしかったです。

ランウェイは今回一番ハイファッション路線だったのではないでしょうか、ep1のクラウニングルック、ep5のベールルック、ep8のニットルック、ep12のファイナルランウェイなど、たくさんの色を使って鮮やかで、でもまとまっていて、どこか黒人文化を感じさせて…という感じのルックが本当に好きでした。ep7のセルフペイントで豹柄を描いたルポール衣装リメイクのも好きだったなぁ、完璧主義が伝わってくるような細部までこだわったランウェイ、毎回素敵でした。

私はシェイのキレのいいリップシンクが大好きなので、ep1の笑顔溢れるユーモラスな「イーアイイーアイオー」もシーズン幕開けにふさわしかったし、最後のジンクスとの対決のJUDASは今シーズン一番熱い戦いだったと思いました。やっぱりパフォーマンスしてる時のシェイが一番格好いいなぁ…!


トリニティ

もはやうまく訳することができない、the CEO of the Sass, Brass, and Whole Lotta Ass…まとめるとお尻を出した子一等賞ということで宜しいか?(違う)

つくづくトリニティはオルスタ向きだよなぁ、と思います。割とオールマイティに何でもこなせて、負けず嫌いで常にトップに立とうと努力を惜しまなくて、でも情にあつく義理堅くて手助けも厭わなくて、憎まれ口も叩くけれど励ましで背中を押してくれて…初回でブロックされてプリプリ怒るもすぐに連続勝利して星を奪取したり、モネとの謎の同盟を組んだり、最後の最後でファイナリストの座を掴んだり、テレビ的にもトリニティのおかげで得られた美味しい場面がたくさんあったと思います。

ep2で爆誕した「ルーシィって呼んでね!」aka Shedevilbynight…じゃなかった、ルシファーは本当にズルかった。レスリージョーダンも可愛かったし、大成功のスナッチゲームだったと思います。あとは2つとも勝利をもぎ取ったデザインチャレンジ…似たようなシルエットが多い!トリニティ・ザ・トレーンに改名せな!とつっこまれつつも、単体での完成度の高さで勝ってしまうあたり、本物だなぁと思います。しかも2回目の時はあのしっかりもののシェイを含めて色んな人を手助けしながらのドレス制作だったので、大したものですね。あとはこのオルスタで「I live!」というキャッチフレーズが生まれたのも最高に好きでした。私も生きる。

ランウェイは、テーマに対してちょっとリヴィールのwow度が足りないんじゃない〜?と突っ込んだものの、リヴィールランウェイのドレスがとても見事で忘れられません。お花モチーフのルック大好きなんですよね…自らが咲き誇っているかのような見事なガウンから、お花を取り去っていきどんどんセクシーになっていくという素晴らしいストリップティーズでした。あとやっぱりトリタク先輩はタックが真骨頂みたいなところあるので、すんげぇ〜小さい面積のパンツを履いてくれるとつい両手を合わせて拝んでしまいます。トレーンのトリニティに改名したとしても、必ず着脱可能にしてタックのことも忘れないでいて欲しいです。

 


わー長くなった!でも本当、まるっと12エピソードをuntucked付きで、素晴らしい8人のクイーンの活躍を誰も欠けることなく見ることができた、贅沢なシーズンでした。最近ではもはや切れ目なく提供されるフランチャイズを含めたドラァグレースですが、こうやって最高のクイーンたちで最高のシーズンを作ってくれたのが嬉しいです。今後も何度も繰り返し見るんだろうな〜。皆様の好きだったチャレンジやランウェイ、シーンなどもシェアしていただけると嬉しいです、一緒に何度も楽しみましょうね!