あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul's Drag Race: All Stars7 episode11 "Drag Race Gives Back Variety Extravaganza" 感想

ニバイニバーイ(高見山)じゃなくてサンバイサンバーイだったとは…!!!

 

 

 

 

 

I'm watching Drag Race Gives Back Variety Extravaganza on WOW Presents Plus

http://www.wowpresentsplus.com/videos/ras-711

 

 

 

 

 

 


このスターシステムが発表されてから、絶対倍チャンスだドン!みたいな感じの回が来るだろうなぁとは思っていたのだけど、まさかの星3つ贈呈だとは。完全にスーパーひとしくんじゃないですか!ふしぎ発見

いや、最終チャレンジを最下位の人が頑張っても絶対にファイナリストまで届かない、ってなってしまうとモチベーションに関わると思うので、星を増やすの自体は大賛成なんです。でも、想定してたのは最終チャレンジだけ星2つ配布、その中で星1つの人が勝ち星3つになって多数と並んで、その中から決戦(リップシンクか投票か何か)で決める、みたいな展開だったのです…ちょっと星3つだと大盤振る舞いすぎじゃないですか…?それまでの活躍は関係なく、ファイナルチャレンジに勝つことがファイナリスト確定の条件になる、みたいな感じだと、今まで着実に一回一回のチャレンジで頑張って堅実に星を貯めてきた人の努力ってなんだったの…?みたいになっちゃいますよね…?

そして、最終チャレンジだけで挽回可能!大逆転タイム!みたいな展開になった途端に、今まで惜しくも星を逃して一人だけ最下位に甘んじる…みたいな展開にされてきていたシェイを華々しく勝たせるためにこの展開だったのかな〜みたいな邪推もしてしまって。流石にこのスーパーひとしくんシステムが発動されてなお、最終的に星一つで終わったりしないでしょ〜、ここで持ち上げるからこそ今まで泥水を啜ってもらう展開にしていたのかな〜みたいに思ってしまうと、なんか、もうちょっと脚本しっかりしてよ!って思ってしまいますね…ある程度筋書きはあるんだろうなぁ、みたいなことを理解しながらもドラァグレースを楽しんでいますが、やっぱりそこがあからさまに見えてしまうと、もうちょっと上手く隠して転がしてよ…と感じてしまったりしました。


まぁそれはさておきタレントショーは楽しかったのだけど!さすが神々の遊びシーズン、皆それぞれがこれぞ自分を表現するもの、というものを引っ提げた、まさにショーケースという感じの演目たちでした。いや〜皆が最高で、そもそもがこれに順位をつけろということ自体が無理難題なんだよ…実際ジャッジも大変だと思う、お疲れ様でした…


トリニティは南部出身というルーツを賛美するかのような、デニムスタイルで軽やかな「南部のおもてなし」リップシンク。最後、バックダンサーの方々からアメリカ南部式アイスティーをぶっかけられるパフォーマンスがあったのですが、わざわざ藁の米俵(藁の米俵とは?)の方まで移動していたので、あ〜その後にきっとビニールプールか尿漏れ対応のペットシートみたいなものがあってスタジオの水濡れ被害を最小限にしてるのね、とニヤニヤしてしまいました。

イヴィのパフォーマンスも良かった…!最初箱を持って出てきた人がイヴィ?と思ったら箱の中から出てきたのでびっくりしちゃった。よく収まったね…稀代の脱獄王カナ…?イヴィの身体能力を活かしたアクロバティックなパフォーマンスがとても良かったし、本人も語っていたけれど病気のためいつまでこういう派手なパフォーマンスができるか分からないじゃないですか、今こうやって素晴らしい輝きをこの番組で映像に残してくれて、これからもずっと見続けられるって、なんてありがたい機会をもらえたんだ…ってちょっと泣きそうになりました。

ジェイダも可愛かった…シェイがアーティスト感のあるパフォーマンスとすると、ジェイダはもう少しアイドル感があるというか、ポップで分かりやすくて可愛いんですよね…もうすっかり持ちネタになった"Look over there!"を盛り込んだ曲で、オチにそのチャレンジの時のゲストのジェフ・ゴールドブラムのお顔を持ってくるあたり、s12でジェイダの事を好きになった皆ニヤリとしたのではないでしょうか。

ジンクスのお歌、良かった〜。ジンクスの大きな魅力のうちの一つが包容力のある暖かい声だと思っているのですが、その柔らかい響きが味わえるのびやかな歌唱にプラスして、マイクを持ち替えたり口の中に入れたりの珍芸も交えて、技術力とコメディを兼ね備えた飽きさせないパフォーマンスだったと思います。

シェイは私の求めていたことをやってくれた。こういうど正統派パフォーマンスでど真ん中ストライクの大正解を出すって簡単なことじゃないと思うんだけど、シェイは期待した通り、いや期待以上にやってくれるんですよね…なんだろう、ドラァグレース出身の…みたいな枕詞がなくても、アーティストとして高く評価されそうなレベルの高さがあると思います。曲がいいんだ〜!そしてダンスにメリハリがあって、これがキレなのか…!ってのがよく分かるクリーンなリズムのハマり方に唸ってしまいました。

ラジャ様のバリ舞踊には感謝しかない。私も、おそらくジャッジも、パリ舞踊を見たことなくて、何が正しいかの基準がわからないから踊りのうまさだったりは判断することができないのだけど、とにかくすごく神聖なものを今見ているのではないか、と感じさせられる荘厳なステージでした。アメリカ版では自分以外にアジアのルーツを持つクイーンが優勝していなくて、こういう機会にアジアの文化を見せるのが使命のようなもの、と語ってくれて、本当同じアジア(くくりが大きい)の人間としてすごく意味のあるパフォーマンスだったと思います。お父様もお母様も誇らしく思っているだろうな…

ヴィヴィアンは、あれ、生歌だったのかな??生歌の時は右上に「生歌です!」って書いておいて欲しい(エスパーニャs2で導入された画期的なシステム)リップシンクやってる人たちと同じようなアプローチでも、生歌でやってるならそりゃ難易度が違って高得点やないかい〜!すごくサラッと難しいことをなんでもないことかのようにやってくる感じがこのシーズンのヴィヴィアンの凄さでしたが、それを最後まで貫き通したなぁと思います。あとメイクがめちゃいい、アイメイク真似したい。

そしてモネ…!モネ、あなたこんなすごい隠し玉持ってたの!?ドラァグレースではオペラは評価されないと思っていた、と言っていたけど(確かに御大がバレエは退屈って言ったりとか、コンテンポラリーダンスを低評価したりとか、そう思っちゃうような土壌は多々あるのだけど…)この頂上決戦の最高の場で、最高の技術を披露してくれたらそりゃみんな評価するでしょ…!ほとんどの人が自分が王者になった所以である魅力を出して勝負に来てる中で、こんなこともできる、という新しいものを見せてくれるなんて、本当にすごいことだなぁと思います。


重ね重ね、誰も一瞬もしくじらない最高のタレントショーを見せられて順位をつけろっていうこと自体が難しいと思うし、好みで決めるしかないんじゃないかなぁと思う、毎週言ってたけど。私がトップを選ぶなら…リップシンク部門からシェイかイヴィ、リップシンク以外部門からラジャ様かモネかなぁ…という感じなので今回のトップ自体には納得しています。トップにも納得してるし、二人のリップシンクは最高に良かったし、二人がファイナリストになることにも納得してるの、だけど…!

モネが星5つで単独首位に躍り出て、星4つになったシェイとジンクスがファイナル進出を決めて、あと一人…というところで、星3つのジェイダとトリニティのどちらかを、トップのモネが決めてっていうのがもう残酷すぎて!告げられた瞬間にジェイダが結果が分かってしまっている顔をしてるのが切なくて…だって謎の同盟もあるしさ、AS4ダブルウィナーの絆もあるしさ、そりゃモネはトリニティ選ぶよね、っていうのが明らかでしんどかったです。なんかそれこそ、ジェイダの持ってる星のうちの一つは貰った星だから割引換算するよって冷静に計算されたりとか、はたまたリップシンクかどっちのお尻がかわいいか対決でガチンコ勝負して決める方がすっきりするんじゃないかなぁと…

なんだかこの回の冒頭で、星1つだからもう無理かな〜って言ってるシェイのことを「まだ何があるか分からないじゃん、だってドラァグレースだもん」ってジェイダがめちゃめちゃ励ましてたんですね、そういうのもこの展開の伏線だったのかなぁなんて思うと本当に切ない!このAS7、みんなに活躍してもらいたいと思ってるけど、パンデミック下のs12でひたすら頑張ったジェイダが報われる事が私の中でプライオリティ高かったので、そんなジェイダがなんとも言えない表情でいるのを見たくなかったなぁ〜…もっと大事に扱っておくれ…!


そして最後の一捻りの発表…!ファイナリスト4人に選ばれなかった4人についても別立てのリップシンクトーナメントをやるよ!ということで…あらーそうなの…そうなの…いいんだけど…

なんか、ファイナリストになれなかった4人が次回観客として蚊帳の外で過ごす、というのがとても勿体無いというのはよく分かるし、その4人のもう一活躍を見られるのが嬉しいという気持ちもあるのだけど…シンプルに、順位付けすると1〜4位のトーナメントと5〜8位のトーナメントがあるって事でしょ?それで1位と5位に賞金が出るって事でしょ?それって…2位から4位の人が一番報われなくない…?そんなことない?お金にこだわりすぎ?えっ私の年収低すぎ?


…でもオルスタって、オリジナルシーズンみたいに番組を見続けることによって魅力がどんどん明らかになってきてこの人が好き!って気持ちが育っていく感じより(もちろん新たな魅力を感じて好きが深まったり増えたりする事はあると思うけど)もともと好きで応援してるクイーンが出て、その勝利を望んで見続けるみたいな性質の方が大きいと思うので、最後の最後まで自分が一番好きなクイーンのチームで居続けられる構造なのはすごくいいと思うんですよね。例えば応援してたクイーンがファイナリストになれなかったからって、無理にファイナリストクイーンの中からチームを決めなくても、そのまま応援してたクイーンを推し続ければ良いというのはとても平和だし、なんなら2トーナメント分推しクイーンを決められるので、楽しいのかもしれない…?そう考えるとちょっとポジティブになってきました。

ファイナリスト4人は、やっぱりこのシーズン通して良かった人がこのシーズンのウィナーとして讃えられるのが一番しっくりくると思うので、ジンクスが勝つのが一番平和だと思ってるんですが、むしろファイナリスト「じゃないほう」クイーンの誰が勝つかを考えるのがウキウキするかもしれません。今回切ない顔をしてたジェイダには絶対ニコニコハッピーで帰って欲しいし、隔離された長期間の撮影で体が本調子でない日もあっただろうにずっと高い水準のパフォーマンスを見せてくれたイヴィも報われて欲しいし、BBC制作で賞金の出ないシーズンを制したヴィヴィアンにはアメリカンマネーを少しでも多く持ち帰って欲しいし、ラジャ様の頭にはできるだけゴージャスな王冠を被らせてカッカラカッカッカーウさせてあげたいし…なんだか楽しくなってきたぞ。

なんだかんだで最高のクイーンが揃ったこのオールウィナーズシーズン、最後のリップシンクバトルも絶対ハイレベルなものを見せてもらえるのは間違いないので、見応えのあるフィナーレを期待しています。制作に作意を感じたり多少不信感があっても、結局のところクイーンたちの魅力がきっとカバーできるんだろうなぁと信じて、来週のフィナーレに臨みたいと思います!