あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

Drag Race Philippines Season1 episode4 "OPM Divas: The Rusical"感想

今週のフィリピンはルージカル!(フィリピンはさらっと書くとか言っておいて、また長いブログを書いています。察して…)

 

 

 

 

 

I'm watching OPM Divas: The Rusical on WOW Presents Plus http://www.wowpresentsplus.com/videos/drp-104

 

 

 

 

 

フィリピンの著名な女性芸能人をモノマネしながらの口パクミュージカルという、なんというかルージカルとスナッチゲームがいっぺんに来た、みたいな感じの趣向でした。今までも実在の有名人が出るルージカルはあったのですが(s11のトランプルージカルとか、オルスタ2の歴史上の女性ルージカルとか…あとs12のマドンナとかオランダのマキシマ王妃とかね)でも「その人のテイストを掴め」という感じに収まらず、ガチでものまね王座決定戦ばりに似てることをここまで要求されるのは初めてだったんじゃないかな…歌っていた曲はフィリピンの童謡ということで、田植えとか蟹は美味しいとかアヒルがくわっくわっとか非常にゆるい歌詞で和みました。ミニチャレンジの子ども姿ドラァグでのゴム段対決もそうでしたが、牧歌的な感じでドラァグに馴染みのないフィリピン現地の人にも親しみやすい回だったんじゃないかしら。海外陣からしても、元ネタは一つもわからないなりに、それぞれの表情の味わい深さとバラエティ感あるパフォーマンスが楽しかったです。


なのですが、振り付けの先生が怖い怖い。こんな怖い先生ドラァグレースの歴史上初めてだったのではないでしょうか。H&Mにキレるルポール御大より怖い(当社比)。自分の中に理想があってそれに合わせて欲しいと求めるタイプの人なのかな、と思ったのですが、普段ドラァグレースはどちらかというとその人の持ってるスキルを活かしてポテンシャルを伸ばす…みたいな感じでお尻を叩きつつも励ましてくれるので、今回は具体的な改善策の指示が少ないダメ出しばかりに見えて、とてもしんどかったです。怒られないように集中して頑張った…みたいに言ってたけど、本来ならば「先生に怒られないように」でなく「いいパフォーマンスができるように」「うまく表現できて勝てるように」というところをモチベーションにするべきで、そこがずれちゃうとしんどいんじゃないかな…と。テレビに映ってないところで頑張ったね、いい作品ができたね、って褒めてもらえてたらいいんですが…


ルージカル自体は皆頑張ってたと思うし、楽しい作品に仕上がったなぁと思うんですが、役柄が最初から指名制だったのもちょっとモヤモヤしました。プレシャスちゃんの勝利は嬉しいけど、普段からモノマネしてた人で、その人がゲストに来ててっていう状況だったらそりゃ上手くできるししくじりさえしなければ勝ち路線じゃん〜?みたいなお膳立てを感じてしまって、純粋に勝ちを無邪気に喜べなくてちょっと酸っぱい気持ちです。ミンティちゃんとか普段からローエナジーを指摘されてて、与えられた役柄も酔っ払って眠い感じで、それで「目覚めなさい!」的な事言われても困っちゃいますよね…。あとその人のモノマネをしたことあるかないか、その人をモノマネしようという観点で研究したことがあるかないかで役柄への理解度も違うだろうし、メイクがその人っぽくできるかどうかもやったことあるかないかで難易度が違うだろうし、ちょっと有利不利がはっきりしすぎじゃない?と感じました。衣装はどうだったんだろう、手持ちのものからそれっぽいものを選ばされたのか、はたまたある程度用意してあったんだか分からないけど、前者だったら合わせるの大変だったと思うし、後者だったなら「別の衣装を選べばよかったね」みたいなレディモルガナへの指摘もちょっと可哀想ですよね…あともう一つ、これからスナッチゲームも来るのであれば、用意していた役柄がもし今回のルージカルの登場人物だったら印象が薄れちゃうよな…みたいな懸念もあったりして…


なんかあきづきさん今週文句ばっかりですね、機嫌悪いですか?とか思われてる方いらっしゃるかと思いますが、そりゃ推しが帰ったんだもん不機嫌にもなろう!!


今週の一番のしんどみポイントがチューリングちゃんへのジャッジングですよ、もう、ビッグガールへの当たりが強すぎやしません…?細身のクイーンは別にパディングして砂時計ボディを作らないでも、素肌に水着+αの衣装を着て出てきても(46着持って来なければ)別に何も言われないんですよ。なんでビッグガールだけシルエットを作れ的なこと暗にでも言われなきゃいけないんだろう…?

プロポーショナイジング自体は素晴らしいし、美しいと思いますよ。でもそれって強制されないといけないことかしら…?私もこの衣装だともっとくびれを作った方がバランスいいかも、的なことをブログで書いたりはするけれど、でも本人の信念を曲げさせてまで強いる事ではないと思うんですよ。チューリングちゃんみたいに素のままの体で美しいということを伝えたい、ボディポジティビティを表現したいって言っているクイーンに対して、それじゃダメって言うのって、ビアードクイーンが男性性と女性性の境目で遊びたいっていう意志で髭を生やしてるのに無理やり剃らせるのと同じ事じゃない…?

ジグリーが、ビッグガールはルックの観点では三倍も四倍も頑張らなきゃいけないのは私が一番知ってる、だからあえて言ってる、みたいなこと言ってるけど、本当にそうなのかしら。例えばダンスが苦手なクイーンがみんなに追いつくために倍頑張らないといけない、それは分かる。お裁縫苦手なクイーンがデザインチャレンジで他の人よりも倍努力しないといけない、それも分かる。でも、ビッグガールでいることって、そういう「劣る」とか「足りない」とか、そういうのじゃないじゃないですか。フィットする服を見つけるのが大変とか、特注するのも大変とか、そういう困難さはあるだろうけど…素敵な服を着こなして歩いてるのに認めてもらえなくて(今回の衣装、素敵だったと思うんだけどな〜…スリムなクイーンがパディングなしでするっと着てたら絶対お咎めなしだったんじゃないかと思う…)しかも、レベル上げなきゃ!とか、結婚式のときのおかんみたいとか、ウィッグが…とか言うけど具体的な改善方法のアドバイスみたいなのが全然なくて、見ていて歯痒かったです。


リップシンクも素敵だったんだけどな…!レディモルガナさんも2回もウィッグリビールしたり、紙吹雪撒いたりと、準備万端で残るためになんでもやるという熱意は良かったし、ハンカチで真珠を磨いたところは面白すぎて笑ってしまったし、勝利に値すると思うのだけど(そして個人的に、レディモルガナさんは絶対にスナッチゲームまでは残ってほしい)そしてチューリングちゃんが「ベストケースは二人とも残る事」って語った瞬間に、自分が勝つ事じゃなくて二人とも残ることを望んでしまうのは闘志がぶれそうだから不安に思っていたんだけど…でもギミックに頼らず自分の力だけで輝くことを表現したリップシンク、とても力強くて素敵でした。途中で衣装を脱いで、ウィッグも外して、素の自分になってパフォーマンスをしてくれたのが、ランウェイで批判されたことの最大の反証になって、そのままでも美しいと伝えられたのではないでしょうか…


はぁ…ep2のリップシンクとep3のガールグループパフォーマンスですっかりファンになっていたので、とても寂しいです。力強い腕の動きとか、体幹の動きのキレの良さとかも素晴らしいんですけど、すごくコネクト力の強いパフォーマーだと思うんですよね。たまにカメラ越しにバチッと合うんですけど、目が合ってない瞬間でも自分以外の誰かと目が合っているんじゃないかって思わせるような、レスポンス力の強さが本当に魅力でした。「今日は日が悪かった、それは私たちのドラァグが悪いってことじゃないんだよ」ってep2のuntuckedでジジと話していたのが素敵で、それをいつか脱落する日が来てしまったらブログに書こうって思っていたら、思いの外早くその日が来てしまった上に、まさかそれがそのまま最後のメッセージになるとは…本当にその通りで、素晴らしいクイーンだと思うので、これからは「今日はいい日」って思える日ばかりになりますように…と願うばかりです。

最後「あなたの一日が悪かったんじゃない、ただ〜?」「…あなたのドラァグが悪かっただけ〜…?」「逆に言っちゃった〜」ってなってるの、悲しくて辛いのにめっちゃ和んじゃった。本当強くてかっこいいクイーンで、滲み出る人間性から大好きになりました。はーさみしい。

 


次回、また踊るんかい!?と思ったらなんだかパジェント的な感じなんですかね?カナダs1のジンボさんがジェフリーのマイクをディープスロートしたり、ボンゴボンゴリア学園卒業生がコンガをワワワワワ…って叩くやつみたいな感じかしら…だとするとパーソナリティ勝負になると思うので、ここまであんまり活躍できてないクイーンが個性を出してくれるのを期待しています。