あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul’s Drag Race Season15 ep3 "All Queens Go to Heaven"感想

初回エピソードは本編1時間×2本にuntucked20分×2で、正直ボリューム多いな!と思わざるを得なかったのですが、今週はなんと驚きの圧縮度である40分番組(+untucked20分)に…!み、短すぎる…!

 

 

 


Estoy viendo All Queens Go to Heaven en WOW Presents Plus

http://www.wowpresentsplus.com/videos/rdr-1503

 

 

 

 


s9あたりまではそのくらいの長さで、実は個人的には集中力的にちょうどいいな〜なんて思ってたんですが、1時間番組にすっかり慣れて、かつコンテスタントも15人もいると、本当あっという間に終わってしまって全然印象に残らないクイーンもいて…さ、さみしい…!1時間ないと足りない身体に慣らされてしまった!!クッ…!

ミニチャレンジもセクハラっぽいやつ無理やりやらないでほしい〜とか、ジャッジたちだけの批評コーナーも勝手なこと言いやがって気が合わない〜とか、普段からぶーぶー言っていたりしたけど、両方まるまるカットだと物足りないことがよく分かりました。でも何よりもチャレンジに対する準備の過程の部分がだいぶカットされちゃってるのが残念だった!そういうところからコンテスタントそれぞれの個性が伝わってきて好きになるのに…それが一番寂しかったです。あとランウェイが爆速すぎ…!

(噂によるとMTVでこの番組の後にトドリックホール氏などシスゲイ男性のリアリティショー番組"The Real Friends of WeHo"が放送されるため、そっちに時間を割くために短くなったとかならなかったとか…?今までのフォーマットでうまく軌道に乗っていたと思っていたので急な時間短縮に戸惑いを隠せないです…)


さて今週のチャレンジはアクティングチャレンジ。ドラァグクイーンの天国があるとするならば?というお題が与えられ、あとは自分たちで自由に脚本を書いて演じなさいという結構ハードな丸投げ要求だった気がします。前回ウィナーになったアネトラさんが選んだチーム、前回リップシンクで残ったアメシストが選んだチーム、そして残った人たちによるチーム…と5人組チーム3つがそれぞれの解釈で取り組んでいましたが、全部アプローチが違っていて面白かったです。


一つ目、アネトラさんのチームは、女神サーシャ様が天国の紹介をするところから始まります。首をコキャ!っと横に倒すのが場面転換のトリガーになっていて、一同大笑い。その後も何度も繰り返される「コキャ!」に審査員大ウケでした("Look over there!"からの流れるような「コキャ!」には私も笑いました)審査員が天丼展開に弱いことをよく分かっていますね…

サリーナさんが死んでしまい「私の一生、ローカルクイーンで終わっちゃったの!?」と絶望する中、女神サーシャ様が、大丈夫、ここはドラァグクイーンの天国だから!と案内してくれる構成で、まずは優しいコンサルティングとメンタルケアが施されていることを説明されます。落ち込むマーシャにラックスが「大丈夫、あなた完璧よ、リンダ・エヴァンジェリスタみたいよ、私からするとメイクの濃さもバッチリよ…」と慰めてあげており、先週ジャッジにマーシャがメイクの薄さを指摘されていたのをこうやって自虐的な笑いに織り込んでくるあたり、賢いな〜と思いました。

その後ドラァグクイーンの基本の生業といえばパフォーマンス中にチップをもらうこと…なのですが、アネトラさんが「だがわたしはあえて、なんにもしないをするんだよ!」と仁王立ちし、それでも飛び交うチップのお捻りにサリーナさんが「何にもしないでもお金がもらえる…!?どういうこと!?」と驚き、次に連れてかれた整形外科ではプチ整形ケアもばっちりよ!とアピールされサリーナさんも「やりたいやりたい!」と大興奮、最終的にみんなで最高の死後の世界だ、やったー!って乾杯しながらドラァグクイーンの天国って、結局どこ…?ってなった際のオチがパーム・スプリングス(カリフォルニア州の砂漠リゾート)って感じで、まとまったよい構成になっていたと思います。ドラァグクイーンが骨を埋める場所扱い、パーム・スプリングス、トリクシー・マテルプロデュースのモーテルもあるよ!

このチームは見せ方が上手く、一人一人の個性もしっかり見せられていたので、3チームの中で圧倒的に良かったと思いました。


二つ目のアメシストちゃんチームはちょっと下ネタ多め…だったのですが、最近のルポール先生はえっちな下ネタよりもオナラなどコロコロコミック的な下ネタがお好みなようなので、全く刺さらなかった模様で…しかし最後に登場するドラァグクイーンに取っての神といえばこの人、のドリー・パートン様の登場には全員大ウケだったのでした。ドラァグレースでしか予習してないけど、そっくりでいいドリー・パートンっぷりだったよ…!(そして後から見返してみると、最初のモノクロパートのナレーションの声もドリー様ボイスでじわじわ来るのでした…)正直この組はドリー…じゃなかった、ルーシーさん以外は誰がボトムになってもおかしくなかったと思います。最後のドリーオチがうまくいったからなんとか収まったものの、それ以外は全員ギャグは滑ってるわ、オーラちゃんはなんかよく分からないけど踊ってるわで、なかなかヒヤヒヤしました。


最後のチームは残りものチーム、みたいに扱われつつも私は割とうまくまとめていたのでは?と思います。シュガーちゃんを死にたてのドラァグにわかミーハーオタクとして扱う事で、「ドラァグクイーンにとっての天国」ではなく「天国で接待するドラァグクイーンたち」みたいな感じにしていて、面白い解釈だったなぁと。一部マナー悪いファンの人はクイーンからするとこういうふうに見えているのかなぁなんてゾクゾクもしましたが…「きゃールポールに出てる有名なクイーンよ!ミーグリして!」と言われて、マレーシアがシルキー、ミストレスがユリーカ、ジャックスがシャンジェラ、ロビンがジェイダのモノマネをさせられるところとか、自虐にもほどがあって、実際直接言われてたりするのかなぁ…なんて遠くを見つめてしまいました(もちろん本人に直接は言ってないけど、私も先週ブログでミストレスはユリーカに似てる的なこと書いてたのでちょっとヒュッとなりつつ…ごめんよ…)ところで、ジャックスはシャンジェラの真似をするなら「シャブラム!」じゃなくて「ハレルー!」の方が絶対良かったと思うし、なんなら最後の1人に持っていって"I don't have a sugar daddy. I've never had a sugar daddy. If I wanted a sugar daddy, yes, I could probably go out and get one because I am what? Sickening! You could never have a sugar daddy because you are not that kind of girl. Baby everything I've had, I've worked for and I have gotten myself. I built myself from the ground up. Oh, you BITCH!"って一息で言ってお酒をかけていたらボトムになるどころかトップ間違いなしだったと思います(私があのuntuckedが大好きなだけでは?)


トップは首コキャが最高だったサーシャ様と、ルーシー・ドリー・パートン様はまあ当然として、私はもう一人はラックスちゃんじゃなくて、各チームから1番良かった人を選べばいいんじゃないのという感じで、3つ目のチームをいつものBimboガールっぷりでうまく引っ張って引っ掻き回していたシュガーちゃんが良かったんじゃないかな、と思いました。頑張ってたし褒められて欲しかった!(私の中で若干、ルポール先生シュガーちゃんとスパイスちゃんとの区別がついていない説が…!)

ボトムはまぁ2つ目と3つ目のチームの残りの人、誰が呼ばれてもそんなには驚かなかったかなぁと思ったのですが、ジャックスちゃんについては本人曰くまとめ役として台本を書いたりと頑張った、と言っていたのに、チャレンジ中のルックがパディングしてないしウェストも締めてないしイケてない!みたいな言われ方だったので、ちょっとかわいそうだなぁと思いました。ええやん別に…前回トップに入っていた貯金もあったのでリップシンクまでにはならないと信じていましたが…

アメシストちゃんは前回から挽回して活躍できなかったのが痛かったのと(鼻のコントゥアの件は新たな呪いにならずに、今の呪いを解くきっかけになりますようにと思うばかりですが)ポピーちゃんは、チャレンジで印象に残らなかったのもそうなんですけど、エントランス、前回のランウェイ・今回のランウェイが腕を出すトップスにぽわっとしたミニスカートにパンプス、という感じで形が似てしまっていたのが勿体無かったのですよね…!

そもそも今回ランウェイはそれぞれ及第点以上だとは思いますし、文字通り光るものはたくさんありましたが、正直、Wow!ってなるようなアイコニックな感じのものが少なかったので課題設定自体ががイマイチなのだと思いますが…こういう定番とも言える素材での課題の時に面白いことやってくれる人がいると一気に加点になると思うので、勿体無いなぁと思いつつ、次回以降にまた期待です。(個人的にはマーシャちゃんのオズの魔法使いチックなルックと、シュガスパ双子ちゃんがuntuckedで2人並んで座った時のキュートさと、懐かしのアイボちゃんと、ポピーちゃんのラインストーンでキラキラにされたパンツ部分が最高でした)


リップシンクはルポールのアイドルであるダイアナ・ロスのAin’t no mountain high enough…いい曲ですよね、元ネタのマーヴィン・ゲイとタミー・テレルのバージョンも大好きだしこのディスコ感あるバージョンも大好き!ルポールのお気に入りのアーティストの時は、コメディルートに進まず、曲の歌詞表現に忠実にパフォーマンスするというのが基本定石だな、と改めて実感しました。でもあれがポピーちゃんワールドなんだなぁというのもよく分かった。ポピーちゃんは、エントランスの時に紹介されたtiktokからして毒っけがあることは予想できていたし、よく考えたらポピーってケシ科の総称で阿片の原料にもなる、そういう植物ですものね…本人、自称コメディクイーンとのことですが、可愛い顔してどぎついジョーク、そういうキャラなのだろうなぁ、と思い、自己ブランディングとしてしっかりと爪痕を残すリップシンクだったのだと思います。M字開脚となるとまだインリン・オブ・ジョイトイを思い出してしまう世代ですが、綺麗なM字だった。パンツもちゃんとキラキラにしといてよかったね、お見事です。

Untuckedではぶっちゃけ帰ることになったとしてもある意味満足してる、去年ドラァグを辞めようかと真剣に悩んで、あと一回だけ!と思って応募したドラァグレースだったから、帰る最初の一人目にはならないですんだらあとはもう充分、と、リアリストのように見えるポピーちゃんが語るのはなんとなく納得できるのでした。もちろん出るからには全身全霊で優勝を目指すべき、そう思えない時点で負けを認めたようなもの、みたいに熱く語るクイーンがいるのも分かるけれど、いざクイーンたちの中に入ってみて理解する自分の立ち位置や力量みたいなのもあるのだろうなぁと、生々しさを感じました。最後に皆に中指を突き立てつつ退場し、「さあ帰ってヒロポン作るビジネスを立ち上げなきゃ…あ、今のはカットしてw」とドギツイこと言って言い残して去って行くのも、またキャラクターだな、と。愛くるしい顔だち、アイドルのような立ち姿、そして毒を振り撒いて、嫌われることも厭わないその姿、なかなか癖のある面白いクイーンだったと思います。ジャッジング中の憮然とした顔が妙にツボでした。

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さて次回早速スナッチゲーム!?14人で?と思いつつ、Double helping的なことを言っていたので2チームに分けてやるのかな、と予想しています。来週も40分しかないのかな、と考えると爪痕を残せずに帰ってしまう人もいるのかもと思い、すでに胃が痛くなってまいりました。ちゃんとみんなにスクリーンタイムがありますように…!あとこれはメタ予想ですが、予告でこの人ヤバい!みたいな編集されている人は意外と残ったりするんで、「3回ストライクでアウトやろ!」って言われていたアメシストちゃんは意外としれっと残りそうな気がしています(先週の予告だと今週はサーシャ様が苦戦しそうな雰囲気だったけど結局はウィナーだったしね?)


今週の良心: untuckedに向かって皆が階段を降りていく中で手を差し出して支えてあげるマーシャちゃん…ええこや…