あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul’s Drag Race Season15 ep8 "LipSync Lalaparuza Smackdown"感想

ララパルーザとはなんだったのか。(スペイン語で地響きって意味、人が興奮して地団駄や手拍子で盛り上がるような熱い試合のこと、はじめの一歩に出て来るらしい←去年のブログのおさらいです)いや、そうじゃなくて、なんだったんだろうこの回、とちょっとぼんやりしてしまう回でした。

 

 

 

Estoy viendo LipSync Lalaparuza Smackdown en WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/rdr-1508

 

 

 


いやー…去年は思い返すとなかなか面白い回だったんですが(最初ジャスミンに対戦相手に選ばれて喧嘩上等じゃんゴルァモードになってたダヤちゃんが曲選択権を得られると知ってほくそ笑むところとか、ウィロウちゃんの戦略的な動きが見事にハマるしたたかさとか、選ぶであろうと思われた曲を選ばない余裕のジョージャスちゃんとか、カムデン婦人とボスコ戦のカメラワークの面白さとか、アンジーと対戦することになって泣いたりしながら最後まで頑張ったジャスミンとか、ボスコちゃんの全て投げ打つかのような奮闘とか、一人でもアンタックドを盛り上げた観客のお手本のようなデジャさんとか、全員でパンチング・ザ・ゴーストで最後締めるところとか…s14好きすぎていつまでも語れますね困った)でも当時は当時でやっぱりスッキリしないところがあったよね、と思い出しました。

 

今回は「スナッチゲームでほぼ全員が滑ったことによる懲罰要素」という発生フラグなしに突然やることになったイベントだし、まあ去年でパターンは分かってしまっているし、かつ40分という時間の短さが災いして、誰が勝つの?どうなっちゃうの?みたいなワクワクドキドキの一番楽しい部分まで割愛されちゃったような感じで、なんとも情緒のない感じでした…いや、一戦一戦は楽しいの本当!名パフォーマンスなの!興奮したし、いいリップシンクばかりだったと思うんだけど…でも本当前回同様、後半に近づくにつれ「今残っている中の誰かが帰っちゃうんだ」ってことをまざまざと認識していく感じがキツかったし、今回はちょっと展開的にどうなのかな〜と腑に落ちない部分があり…それは最後に書くことにして、まずは一つずつ振り返っていきましょうか。


ラウンド1

第一戦 マレーシアvsマーシャ

この間喧嘩したミストレスと戦うのがみんなドラマ的には見たいだろうけど〜勝てそうな相手といえばスパイスだけど〜と延々と考えた結果、隣にいたマーシャを選ぶという不思議な対戦相手選択をしたマレーシア。考えてるときの困り顔かわいいな。曲選択権を得たマーシャは絶対しっとりしたセリーヌ・ディオンの曲みたいなのがマレーシアの得意分野だからそれは避けよう(自分の衣装が超ポップだから曲にそぐわないし)とAnittaのBoys Don't Cryを選択。マーシャちゃんが踊れるクイーンだということは最初のタレントショーで自明だったと思うのですが、アクロバット的な動きまでできるとは思ってなかったので嬉しい喜びでした。歌詞を丁寧に動きで表現していたマレーシアちゃんも良かったと思うけど、溌剌とした動きが曲に合っていて納得のマーシャちゃんの勝利。


二戦目 ルーシィvsスパイス

容赦なく一番パフォーマンス経験の少ないスパイスを選ぶルーシィのガチさ、好きです。ルーシィは前回トップに入れなかったことの不満さもまだ残っているのか、誰に何と思われようが手堅く勝ちに行く、何が何でも残る、という真剣さが伝わってきました。曲はJoan Jet のDo You Wanna Touch、ルーシィも今までリップシンクをしていなくてパフォーマンス力が読めない部分もあったのですが(最初コンフェッションで狙い所はスパイス、マーシャ、ルーシィかねぇ〜なんてミストレスに言われてたし)ちょっと衣装の紐が邪魔そうなところも見られたけど、曲調にあった力強さと、相手の小道具まで利用するところなど、本当に確実に勝ちにきてるなぁという印象でした。スパイスちゃんも頑張ったよ!曲に合った不敵な表情を見せてくれて好感度大でした。


三戦目 ラックスvsサリーナ

ここに来てセリーヌ・ディオン。It's All Coming Back To Me Nowといえば私の愛するカナダs2の王座をかけたリップシンクの曲でねぇ…あの時はみんな切ない曲の歌詞をまっすぐにエモーショナルに表現していて泣かされたものですけど、今回はサリーナはん、まさかのエグめのコメディタッチでの表現で笑ってしまいました。ダイナミックな技もたくさん決まっていたけど、これは吉と出るか凶と出るか本当にわからないな、と思っていたので、シャンティと言われた瞬間、ロマンスカーの中でガッツポーズしてしまいました。よかったよかった、リスクを取る人が報われる世界。untuckedに入っていくところもやかましくて最高、好きですサリーナはん。正統派でしっとりと語りかけてきたラックスも良かったですよ!!!サビに向かうところでランウェイのど真ん中を突き進んでくるところ、気持ちよかったです。


四戦目 ミストレスvsジャックス

自分のやりたい曲を選んでくれそうだから…(ウィロウメソッド)とジャックスを対戦相手に選択したミストレス。そして望んだ通りになったようです、ミストレスはこういうメンタルゲームがまじ強いし胆力があるので、外さないと思ってた、かっけぇ。そしてミストレスは事前にコンフェッションでアネトラとサーシャとはみんな絶対対戦したくねぇべ〜と言っていたので、その二人が残って対戦することになり、結果的に視聴者たちはこの決断に感謝し、大きな拍手を贈ることになるのでした…。

でもあーしはこの勝負は、いつもの小気味良さが曲に合ってたジャックスちゃんの勝ちだと思ったよ!untuckedの仲間たちもそう思ってたみたいだよ!ミストレスはちょっとヒートアップするのがちょっと遅かったかな、と思ったのですが、逆にいうとその分後半にしっかり存在感でアピールできたのかなぁと。スライディングとかヘアフリップとか迫力満点でしたもんね、うん。でもちょっと結果にびっくりして「!!?」って声なき声が出ましたね、ロマンスカーで。


五戦目 サーシャvsアネトラ

untuckedのみんなもワクワク、そして私もこの勝負がこのエピソード一番の名勝負だと思いました。二人とも格好良かった〜ー!ここまでアネトラさんと呼んでいた気がしますが、これからアネトラ様と呼ばせていただくことにします。相手がサーシャ様でなければ誰でも勝てたわ、アネトラ様。今までの衣装で一番好きだわ、アネトラ様。膝と股関節が強くて最高だわ、アネトラ様。いやでもサーシャ様、強ぉ〜!!!!ダイナミックなダンスも、持ち技として知られるヘアフリップも、表情も、視線を集めてからのお尻ぷりぷりも、その後のモモ上げも、ザ・最高。曲の最後の部分、格好良すぎて二人ともそういう振り付けなの!?とすら思っちゃったもんね、もうこの勝負は二人とも今までのリップシンクの誰よりも素晴らしかったと思うし、私だったらルールを曲げてでもダブルステイにしますね。それに値するでしょ!?いやー素晴らしいショーをありがとうございました。こういうパフォーマンスを見るために喜んでお金を払っているんじゃ!wowの月会費、いや年会費すら元が取れた気がする。何度も見たら実質無料じゃん、リピしよ。

f:id:akzkiss:20230304001416j:image
ラウンド2

一戦目 マレーシアvsスパイス

またガラガラポンでスーパー初手・玉出になって、若干うんざり感のあるマレーシアちゃんかわいい。そしてマレーシアはこの曲の歌詞を覚えていないに違いない!という戦略で曲を選び、それが的中するものの、なんと自分も歌詞を覚えていなかったというスパイスちゃんに大爆笑してしまいました。もーなんなの、憎めない。そうなったら表現力の勝負になるのでマレーシアちゃんが勝つのは見えましたが、愛おしさポイント100点満点です。勝って安堵するマレーシアちゃんもかわいい、最近コンフェッションでニコニコして目が蕩けちゃってるマレーシアちゃんを見て赤ちゃんだな…って思いながら見ています。(今回一瞬で過ぎ去ったワークルームで狐耳付きのベレー帽かぶってたのも可愛かったな…)でも素晴らしい勝負してても勝ち抜けできない人がいる中で、二人とも歌詞覚えてなかったのに残れるのはちょっとラッキーだよね…


二戦目 アネトラ様vsジャックスvsラックス

この勝負も全員シャンティで良かったんじゃないですかね?三人三様で良くて、誰が勝つのか、一人なのか二人なのか分からな〜いと思いながら見ていました。ラックスちゃんは基本的にステージのセンターを絶対譲らない、そのハートの強さが最高だなと。三人三様で全員素晴らしかった中でラックスちゃんが一人抜けになったのは、その執念みたいなものが評価されたのかなと思いました(あとラップパートの口の動きかな?)でも本当みんな良くて、このあたりから、そうだこの辺りで抜けないと、本当に帰っちゃう可能性があるんだ、こんなに素晴らしいのに!?理不尽じゃない!?っていう気持ちが湧き上がってきて、リップシンクを楽しむどころじゃなくなってきましたね…

 

そして、ここで、残された3人に、今回のひねりが発表されます。

またくじ引きで一人選んで、選ばれた一人は、残りの二人のうちどちらが残るかを選ばないといけない、そして選ばなかった方と対戦する…というもので。

このひねりが発表されるまでは正直、スパイス、アネトラ様、ジャックスが並んでて、ああこれはスパイス厳しいだろうなって思ってたじゃないですか。っていうかなんならリップシンクララパルーザってことが分かった先週の予告を見た時点で、あっスパイスちゃん危ういぞって思ったじゃないですか。そんな中で運命を選ばされる役を決めるくじ引きでアネトラ様が選ばれて、スパイスちゃんを残す、って選んだじゃないですか。もう情緒がめちゃくちゃですよ〜…

アネトラ様がスパイスを選ぶこと自体は分かる、アネトラ様絶対体育会系っていうかテコンドー部(部活かは知らない)だから勝てる戦いをするかどうかよりもフェアな戦いをするかどうかを選びそうな性格なの伝わる、でも、ここまであんなに素晴らしい、どれも勝ってもおかしくなかったようなリップシンクをしてきていたジャックスとアネトラ様のどちらかが帰ってしまうの…!?本当に…!?って気持ちがぐちゃぐちゃになってしまいました。

 

私の気持ちがぐちゃぐちゃでも、ファイナルラウンドは行われ、二人とも素晴らしい動きで素晴らしいパフォーマンスをしてくれて、アネトラ様が残ることを告げられ、ジャックスが帰ることになって…なんか…去年も、チャレンジでボトムになりつつもリップシンクで何度も何度も食らいついてきていたジャスミンがこのララパルーザで帰ることになったよなぁ、なんてぼんやり考えました。ララパルーザってなんなんだろう、リップシンクが上手な人がいて、でもその人を番組的にはもう帰らせたくて、最後にいっぱいパフォーマンスする機会を作ってあげる花道みたいなものだと思ってるのかなぁ。なんかひたすら最後まで、チャレンジの活躍やランウェイでルポールに刺さらなくて、リップシンク勝負では残ってたけれど、結局こうして全員並べてみたところで一番刺さらなかったから帰されちゃったのかな、みたいな気持ちになってしまって(しかもルポールが直接決めるのでなく、アネトラ様に間接的に運命を握らせて)悲しかったです。今回たくさん素敵なパフォーマンスが見られた、嬉しい、どれも良かったと思う、落ち度はないと思う、それでも帰らなきゃいけないの、辛いし納得いかないな…(去年も悲しかったのだけど、去年のジャスミンはルポールの好きなダイアナ・ロスの曲で、今まで見せてなかったキャンピィなところを見せる!ってアプローチにしたのが裏目に出たのかな、と思う部分があったので…今年は本当、最終戦の出来がアネトラ様の方が良かった、といってしまえばそれだけのことだったのだけど、肩を並べる良さだったし、そこまでの対戦も普通に良かったからスッキリしない…)


また悲しいのが、ララパルーザ回は勝った人たちが全員untuckedに下がってしまっているから、誰からも拍手されることなく、一人でステージから去らないといけないわけですよ。去年もそう思ったけど、辛い…こんなにリップシンクが素晴らしいパフォーマーを、リップシンクがゆえに帰ることにさせて、しかもみんなにねぎらわれることなく帰っていく、そんな報われない思いをさせることが悲しくて仕方なかったです。誰が悪いわけでもなくて番組の構成がひたすら悪いんですけど…なんかこう、番組的に残したいクイーンとかこの辺りで帰したいクイーンとか色々あるんだろうけど、あんまりあからさまにやらないで欲しいです…あとアネトラ様はララパルーザの負け残りで最後ギリギリ残ったみたいな扱いになってるけどそれも気に入らない…!あれは負けじゃなくて引導を渡す必殺仕置人みたいな重要な役割だったんだ…と自分に言い聞かせてます。みくびられたりすることはないと信じてますが…


160cmのチアリーダーことジャックスちゃん、溌剌としていて、いつも小気味いいキレのある動きが格好良かったよ…!!本当、たくさんのブッキングオファーがあって、たくさん人の前でパフォーマンスできる機会に恵まれますように…!いつも頑張っていて、誰よりも真剣に批評を聞いて、時には厳しい声に表情を曇らせることもあったし、今回も無理して笑っている瞬間があったと言っていたけれど、のびのびとしたパフォーマンスで、たくさんの人をステージで笑顔にさせて、たくさん本当の笑顔で過ごすことができますように。

 

 

次回はボール!みんな大好きソーイングチャレンジ!…あれ?リップシンク対決でひねりまで入れてスパイスちゃんをセーブしたけど、これはこれで次回もまたなかなかの受難なのではないだろうか…?とか思ってしまった私でした。がんばれチームグルーガン!私は来週までに今回のモヤモヤを振り払うために、何度もサーシャ様とアネトラ様のリップシンクをリピすることにするよ!(すでに鬼再生中)