あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul’s Drag Race Season15 ep12 "Wigloose: The Rusical!" 感想

今週はみんな大好きルージカル!待ってましたー!!!前はエピソードの早い段階で来て大人数でわちゃわちゃしている印象が多かったのですが、最近は後半に少人数でやることが増えてきていますね。もちろん出来る人たちが残っているのでクォリティは高いし、見応えはあるのですが、あのわちゃわちゃ感も懐かしかったりして。今回もバックダンサーも入って本物のショーみたいだったけど、バックダンサー入れるくらいならもう一人くらいメンバー増やせなかったかな、とか思ったりして…(先週、早くルージカル来ないかな〜と願っていたマーシャちゃんが帰ってしまったのを根に持っている)

 

 

 

Estoy viendo Wigloose: The Rusical! en WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/rdr-1512

 

 

 

 

しかし最近…最近でもないのですが、ミストレスとルーシィの相性が悪すぎて、ちょっとぴえんとなってしまう私でした。元々ep1の時点でアイリーンと結構きつめのShade合戦を繰り広げ、周りをちょっとビクビクさせていたミストレスですし、パジェント振る舞いというか、悪意からでなく、おちょくる感じで人を煽っていく性格の人で、こう言う感じの茶々を入れるような会話が日常だった人なんだろうなぁとは思うのですが、ルーシィが過去に高校で喋るたびに笑われていたトラウマを刺激されてしまって涙してしまっているレベルまできてしまって、もうやめてあげてよ〜という気持ちになってしまいました。ここまではセーフが続くルーシーをおちょくるみたいな感じのからかい方だったので、前回勝利したことでちょっと変わるかななんて期待してたんですけど、そんなことはなくて…「本当はヘブン役が主役で目立ちたいからやりたいんでしょ?本当のこといいなよ、嘘つきじゃん」みたいに、人のことを決めつけていう感じ、そりゃルーシィ傷つくわぁと思ってしまいます。なんで同じ役を狙っているラックスにはそれを言わないのにルーシィには言うんだろう、ルーシィになら言っても許されると思ってることは、関係性に甘えてるし、ある種舐めてるし、本人が嫌がっているならやめようよ、という感じですよね…編集もあると思うので見えているものが全てとも言えないですが…こんな編集して誰が得するんだろう、本当!編集が意地悪い!

最終的にラックスが譲ってルーシィがヘブン役を手に入れたとはいえあんまりスッキリしませんよね。私だったらあれだけ言われたらやりたかった役でもちょっとモヤモヤしちゃうと思う、そんな中きっちり演じ切ったルーシィは本当に立派だったと思います。(ちなみにこの時、二人がヘブン取り合うならクリスチャンはもらっていいよねー?となんとなくサリーナに決まりかけていたのに、最初ヘブンかクリスチャンかな、と言っていたラックスが「じゃあヘブンはルーシィに譲ってクリスチャンやるわ、サリーナはタックやってペア組もうよ」とさりげなく役を奪っていたのを私は見逃さなかった。しれっとやりますなぁラックスはん…)


役決めの揉め事は置いておいて、とても素晴らしいルージカルでした。フットルースは未見なのですが(一般的なエンターテイメントに疎くていつもすみません!)それをベースにしたウィッグルースというミュージカルで、ドラァグがタブーになっている町で、本格的に禁止されてしまう法律まで決まってしまう中、それはおかしいぞ!と立ち上がる人々…という筋書きが、今現在ドラァグに対してアメリカの一部の州で規制しようする流れになってしまているという現実にシンクロしているかのような感じで、これがこのタイミングで放送される意義…!と思いながら見ていました。ドラァグに救われたというコンテスタントたち自身が、そういうメッセージを持つ演目を、テレビでこういう風刺の中に大きな主張を込めたエンターテイメントに昇華させて見せてくれる、そして視聴者をエンパワメントしてくれる、ということがどれだけ意味があることなのだろうかと思います。人の生き方を規制することのどれだけ馬鹿らしいことか、そしてそれが人の人生を悲しい方向に変えたり、命を奪ったりしかねないということがなんで分からないんだろう!アメリカもそうですが、日本も最近LGBTQ+絡みのニュースで理不尽すぎるものが多いので、どうしたら私も声を上げられるんだろう、力になれるんだろうと考えるばかりです(まずは学ぶことからだ、と牛歩のようにでも前に進んでいるつもりですが…)


パフォーマンス自体もめちゃめちゃ素晴らしかったです。前半パートはアネトラ様とミストレス以外は全員ボーイドラァグで始まるというちょっと面白い感じで、数年前のルポール御大の考え方ならなかったような展開だよなぁ、なんて思っちゃいました。全員良かった、本当にルージカルだけでボトムを決められないんじゃないかと思うくらい、全員それぞれの良さが出せていたので、だからこそ後述しますが、「あの質問」がこのタイミングでやってくるんだろうなぁと思ってしまいました。


勝利に関しては、アネトラ様のウィンで納得でした!アネトラ様のママ役だけ、他の役と違ってドラァグアップという大きなキャラの変化がないんですよね。でもゲームチェンジャー的な場面というか、一番大事なところで出てきてバラードで説得力たっぷりにドラァグの素晴らしさを語りかけるというとても表現力が必要とされる場面で、普段得意とする派手なスプリットやディップなどとは違う、語りかけるような大きな動きと、愛情に溢れた豊かな表情で評価されたことがとても嬉しかったです。

クリスチャンとタックのペアも、他のパートに比べるとアンサンブル的な位置だったけれど決して存在感で劣ることなく素敵だった。クリスチャン役のラックスの細かい表情の動きは生き生きとしていてとても良かったし、タック役のサリーナは途中でコーラスを入れているところの横顔のチャーミングさがたまらなかったです。二人ともドラァグ後もそれぞれのらしさが出てて良かった、クリスチャンはメガネのちょっと地味そうなタイプからBad  Bitchになって出てくるのが気持ちよかったし、タックはカントリーボーイから溌剌とした弾むようなキャラクターのクイーンになって出てくるのが良かったです。

ミストレスは一人だけダンスの経験が不足してるから不安、と言いつつ、やっぱり自分自身のキャラクターに確固とした軸がある人は強いですね。ヴィラン役、ハマり役すぎて、いつものミストレス感も残しつつ、憎みきれないいいキャラクターになっていたと思います。

あとはサーシャ!自分みたいな人がおじさんキャラやるの、面白くない?ミストレスとの結婚生活想像するだけでウケない?と選んだ役、最初サーシャだとわからないくらいで(ジャッジの反応が「カール、(恋愛対象として)イケるわ…」ってちょっとときめいてたの笑っちゃいました)本当に自分の魅せ方が上手い人だなぁと思いますが、そうやって意外性のあるおじさん役を見せた後にドラァグ姿でいつものサーシャのカリスマ性を見せつけてくるのが本当に賢いなぁと思いました。でも、素晴らしかったんだけど、なんで最後真ん中に立ってるんだろう、そこは主役であるヘブンが真ん中なほうが良かったんじゃないだろうか…!とかも思ったりして…サーシャが真ん中に立つと華で全部持っていっちゃうじゃん…!

だからヘブン役のルーシィがドラァグ後ちょっと目立たなくなってしまったという指摘はちょっと納得いかなかったんですよね、主役なんだし、最後まで前に出したれや!真ん中に置いたれや!という感じで。私は前半のソロパートの頑張りだけでもう充分以上役目を果たせたと思うし、ボトムなのが本当に納得いかなかったです。もっと褒めてあげてほしかった、主役として素晴らしい働きをしてたのに!!これで次回冒頭また何か言われたりするんじゃないかと思うと、先走って悲しくなっちゃう。泣いていた時支えてくれたサリーナは自分が帰してしまうことになるし…


そうなのよ、ルーシィとサリーナがボトムになってリップシンクすることになってしまって、サリーナが帰ってしまったのよ、しょんぼり。本当さっきも書いたけどルージカルだけだとボトム決められなくない?という感じだし、ランウェイだって二人とも悪くなかったと思うし(何回か言ってるけど、番組の傾向としてキャンピィ路線に対してちょっとジャッジが辛いと思ってます。パジェントっぽい人とキャンピィっぽい人がいたらパジェントに加点つけがちというか…)明らかに「誰が帰るべきだと思う?」という質問が多少影響したんだろうなぁと思うのですが…

今回この質問、いつも「トラックレコードによるとぉ…」みたいな意見で票が集中しがちなんですが、「一番の強敵だからサーシャ」と答えるミストレスがいたり、「2勝してるルーシィかラックス」と答えるサーシャがいたり、突然全員について「全員を分析すると、この人はこうで、この人はこうで、すなわち結論は…ルーシィ」と語りだすラックスがいたりして(正直にいうとラックスのことここでさらに好きになってしまった!なんて面白えやつなんだ!)今までより見ていて興味深かったです。untuckedで「だってトラックレコードなんてジャッジだってわかりきってるんだし、そこを聞きたいわけじゃないじゃん」とミストレスが話していて、この人こういうところクレバーなんだよな…と思いました。今回のジャッジだけの対話を見ても、誰って答えるかであげられる名前そのものよりも、その質問を投げかけられた時にどう返答するかを見たかったんだろうなぁ、ってよく分かったんだよね。でも泣きそうになりながら「トラックレコードに基づくとサリーナ」って一番手で言ったルーシィのことも責められない。そしてこれでサリーナが不機嫌になるのも分かるけど、実際にミストレスとかラックスとか揉めがちな人の名前を上げててたらあとから何倍にもなって言われるわけでしょ?そりゃ言えないよ、ルーシィの気持ちわかるよ…となってしまいました。ホント…酷な質問だ。この質問によってあとあとクイーン同士に禍根が残ったりするのが一番嫌なんですよね…


リップシンク、面白手袋勝負みたいになっていたのですが、外しなよ!という外野の声は余計だったなぁ…と。サリーナはんが手袋を外したタイミングが「もし何も問題なく、あの丘を駆け上れていたならば…」という歌詞で、あたかもあの大きな手が「問題」だったんだなぁなんてことが伝わるようなタイミングで。絶対に外すのはあそこが適切だったし、私はあの部分と、その後大きなグローブを抱えて絶望する表現で泣いてしまうほどやられてしまったんですけど。でもルーシィも情感たっぷりで素晴らしかったし、サリーナはんはやっぱりリップシンク4回目となると、流石にもう厳しい…仕方ない。先週、ここまで残ると思っていなかった、とすでに書いてしまった通り、中盤くらいからずっとそろそろ危ないかもしれないなという覚悟をしていたのですけれど、でもやっぱり寂しいし、帰る時のAre you sure?と聞く小さな声に心が痛んでまた泣いてしまいました。この言葉を言った人は番組中二人目だと思うのだけど、一人目は冗談めかして笑顔で言っていてそれはそれはチャーミングだったんだけど、今回は、自分では納得できてないんだろうな、みたいな無念さが滲み出ているようで…

サリーナはんのコンフェッションのチャーミングさがどれだけ番組にポジティブさを足すのに貢献していたか、と思うと本当に辛いです。はぁ私の癒しが…!さみしい!!でもuntuckedで片付けてる中どさくさに紛れてミストレスからミシェル人形も掻っ攫って帰ってくれたから、少しは道中寂しくなかったと信じたい。あとあの魚バッグめっちゃ欲しい。

 


次回はメイクオーバーチャレンジ!コロナ禍のせいで昨シーズンはできなかったチャレンジなので(s13はコンテスタント同士がメイクし合う形で新鮮で楽しかったですが)どうなるかとても楽しみです。技術的には難易度の高いチャレンジですが、メイクオーバーされにくる人とのケミストリーが楽しかったりするので、新鮮な出会いがあるといいなあと思います。いよいよ最終局面ですね!!

 

 

しかし、ステージに3人残されて、ウィナーもボトムも発表されていない中、明らかに褒められていたし誰からも帰るべきだって名指しされてなかったアネトラ様がウィナーって言われる直前まで殺し屋の顔をしていたのが最高でした。その後ウィナーと告げられた後の泣きそうな笑顔も最高だけど。ルポールに自分の役が自分と共鳴するんだって語りながら感傷的になってるのも愛おしかったし、untuckedでビデオレターで泣いちゃうところもたまらなかったな、あー可愛い。

あとサーシャ様のミニスカツインテールはマジで反則。あー可愛い。