あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul’s Drag Race Season14 ep16 "Season 14 Grand Finale"感想

最後まで本当に楽しいシーズンでした!!!とてもいいフィナーレだったし、納得のウィナーだし、本当に満足度が高かったです。

 

 

 

 

 

 

 

I'm watching Season 14 Grand Finale on WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/rdr14-grand-finale

 

 

 

 

 

 

 

 


まず、2年ぶりにステージで観客を入れてフィナーレができたというだけで本当に泣きそうになるくらい嬉しかったです。昨シーズンも無観客とは言えステージでやっていたけれど、やっぱりお客さんからの熱い応援があるからこそ出来上がるものがあるんだなぁと実感しましたし、何よりも素晴らしいシーズンの締めくくりを観客の声援と拍手で祝福できたのが良かった!まだまだ油断ならない日々ですが、少しずつだけど、やっと新たな日常の過ごし方のスタンダードが見えてきたのかなぁって、希望を感じました。(とはいえまだマスクなしなのは早くない…?とも思いつつ。でも収録の時みんなマスクだとちょっと興醒め…みたいなこと言われちゃうと何も言えない…)


声援を受けてステージに上がってくるs14クイーンたち、皆素敵だった!今回会場がラスベガス、カテゴリーがViva Las Vegasなのでショーガール的なアプローチをしているクイーンが多くて、キラキラや羽は多ければ多いほどときめく私の心を鷲掴みでした。みんな好きだったけど、美女と野獣を一人で表現したコーンブレッド、エルビスプレスリー意識のマディ(プレスリーにViva Las Vegasという曲があるんですよね)、memeを生かしてサノスのグローブとスーパーヴィラン風衣装のケリーあたりがお気に入りでしょうか。あともしクイーンたちの今回のルックでアクスタが出るんだったらダヤちゃんのは2個買う、そのくらいトータルで完成度の高い見栄えの衣装だったと思います。

そのあとルポール先生が上から降りてきたのでちょっと笑いました。あれ、おそらくきっとみんながランウェイに登場してきてる間ずーっと上で一人で待機してたんだよねぇ。私なら高いの怖くて失禁しちゃうし、待ってるの暇で携帯いじってうっかり手を滑らせてステージに落としちゃうわ。


s9からずっとフィナーレはTop4が準決勝決勝と2回リップシンクの直接対決を行なって決める…みたいな形式だったのですが、今回はs7、8のようなオリジナル曲でのパフォーマンスを5人それぞれ行ってから、その評価で決勝に進む2人を決める…というような初の試みでした。久しぶりのオリジナルパフォーマンス嬉しい!なんかリップシンクでの勝負ってどうしても身体勝負になりがちというか、ダンスが上手なクイーンにどうしても惹かれがちになるじゃないですか。もちろんフィジカル強いクイーンも大好きなんですが、ドラァグの良さってそれだけじゃないし、見せてくれる世界観でびっくりできるっていうのも魅力だと思ってるので、5人5様の個性をじっくり味わえる今回のような形式はとても良かったと思います(リップシンクスマックダウンだったらもしかしたらファイナルの展開も結構変わっていたかもしれませんね…!)


アンジェリアはすごく良かったんだけど、歌詞がちょっと惜しかったかな、と…!私のトラックレコードはいい感じ♪みたいな感じの歌詞だったのですが、実際のところアンジェリアのトラックレコードより良い人がいる以上、ちょっとパンチが足りなかったし、もっとアンジーらしさが伝わってくる歌詞だったら良かったのかなぁ(チェック!は初手でやっちゃってるからできなかったのかもしれないけど)と少しもったいなく感じました。

ボスコは、天使から悪魔に変化するっていうのが綺麗なだけじゃなくてストーリー性があって、すごくオンブランドで良かったです。あのヘッドピース、開閉できるのがとても良くて、ルポールに「ジョージャスに1エピソードで3回ボトムになったって言われてたけど…」って言われた時にファサっと閉店ガラガラーってしてて可愛かった。

ダヤも持ち味のパンクさを盛り込んだステージで素敵でした。やっぱりトンボを食べた事件はシーズン中かなり印象的で、そういうシーズン中に手に入れた自分のキャラクターみたいなのを入れ込んでくるの、大好きです。

カムデン婦人はバレエを活かした優雅な導入で始まった後、衣装とウィッグをリビールしてロックテイストになるのがとても良かったです。よかったんだけど、バックの映像がバーンとユニオンジャックになっていたので、アメリカのネクスドラァグスーパースターを決めるに当たってこんなにイギリス色を打ち出しちゃって大丈夫?って少し心配になってしまいました。でもここまで女性ボーカルの曲が続いてた中、ここでクイーンぽさが感じられる男性ボーカルを持ってきたことにとてもグッと来ました。

ウィロウ、あの頭三つの衣装、s13のユーティカがデザインしたとのことがユーちゃんのインスタで分かって、びっくりしたと同時にとても納得しました。スタイリッシュなのにどこか気味の悪さも感じられて、ヘッドピースの下から隠されていた頭が二つ出てきた瞬間、ドラァグファミリーのイヴィもフィナーレで鏡を使って頭三つに見せるかのような感じだったもんね!って家族色を感じて良かったです。I hate peopleって曲もウィロウ節で最高でした。終わった後口パクでAll of youって言ってるのも最高。前回も「コーンブレッドが帰った時一番落ち込んだ…コーンブレッドが好きっていうか、他の人たちのこと嫌いだからさぁ」みたいなこと言って一同大ウケしていたのですが、言う人によってはヒヤッとしそうなこういうセリフを「わかるー人間やだよねーそんなこと言っても嫌いだけど愛おしくてアンビバレンスだよねーいや嫌いなの分かるわー」みたいに笑い飛ばせる感じで受け止められるのって、発してる側の人徳がなかったら上手くいかないと思うんですよ。愛憎は表裏一体ですし、ブラックジョークやシニカルな笑いを射抜いてくるウィロウらしくて、本当に良かったです。片方の肩がカーソンで、もう片方がロスで、股間にミシェルもいまーす!って言うところでめちゃめちゃ笑いました。あと地球にエイリアンが来てドラッグクイーンって何?って聞かれたらなんて答える?ってルポールに聞かれて精神疾患とラインストーン!って答えるのもウィロウらしくて好き。

私が仮に5人のパフォーマンスに順位をつけるならば、披露した順番に5、4、3、2、1番…いや1位と2位は迷うな…みたいな印象だったので、ファイナリスト2人については全く異論ありませんでした。もちろんアンジェリア、ボスコ、ダヤも良かったよ…本当素晴らしいステージを見せてくれて嬉しかったです。


幕間に挟まれたラスベガスでのショーのメンバーによるLosing is the new winningもとても良かったですね…私、大富豪になったら叶えたい夢の一つが、コロナ禍のせいでオンライン決勝になってしまって大舞台に立てていないs12のクイーン全員でステージで戴冠式をやることなんですけど、このs12で生まれた曲で、出だしの重要なパートをs12王者のジェイダが任されていたことで、少しだけ報われたような気がしました。その後続いて出てくるのがs12クイーンじゃなくて寂しいなぁと思いながら、でもみんな皆大好きなのでまぁいいやとなってしまいました(単純)筋肉プリンセス・キャメロンが華やかに踊り指し示す指先の方向から降りてくるのが、去年のオルスタでまた評価を上げたトリニティ・K・ボネィなの、リップシンクアサシンの夢の共演感があってグッと来ました。私が今オルスタ出場して欲しいクイーン上位に入るs11のカハナの溌剌とした動き、「ラスベガスのショーガールと言えば〜」デリックのポップアイドル感、そしてあの脚の長さを拝むだけで何かご利益がありそうなナオミ 、皆良くて、いつかはラスベガスに観に行きたいな〜!って強く思いました。私がおばあちゃんになるころにもまだやっててね…(それはどうかな)

迫力のあるパフォーマンスが見られたので大満足だったのですが、このフィナーレはs14クイーンのものだと思っているので(ラスベガスの日々のショーの場所と時間を使わせてもらってるので仕方ないとは思いますが)s14クイーンたちにももっとスポットライトを当てて欲しかったな。下手するとラスベガスクイーンたちのほうがスポットライト浴びてる時間長かったのでは…


ミスコンジニアリティ、私の中での有力候補は人が落ち込んでる時に言葉を尽くしてその人の素晴らしさを伝えて励ますことができるカムデン婦人、温かさでみんなを支えてこのシーズンの精神的支柱だったアンジェリア、多くの人にとってメンターのような存在だったのではと思われるケリー、例え人が滑った時でも笑ってくれて雰囲気を柔らかくするデジャ、そして今回実際にミスコンジニアリティを獲った、チャーミングさで場を和ませてくれる、早期離脱が本当に惜しまれたコーンブレッド、という感じだったのですが、それ以外のクイーンも誰が獲ってもおかしくないよなぁと思えるくらい素敵な人が揃ったシーズンだったと思います。誰が誰に投票したのかとかちょっと知りたい。

コーンブレッドはs15には呼ばれなかったそうだし(もうオルスタレベルだって制作側が判断したのかしら)しばらくはトランジションに主眼を置いて、その後はミュージカルなどドラァグ以外のキャリアを頑張りたいというようなことを話していた記事を読んだので(ドラァグをきっぱり止める、というまでのことではないと思いましたが)ここでドラァグレースの歴史の中にきっちりとコーンブレッドの名前が刻まれることはすごく意味のあることだと思うし、粋だなぁと感じました。

ミスコンジニアリティの引き継ぎでやってきたララリーちゃん、先週のゴールデンブートアワードの引き継ぎに続き大活躍ですね。ゴージャス&ラブリーな衣装で可愛かったです。そうそう、ウィナー引き継ぎにやってきたシモーンの衣装も素晴らしかったですね!!シモーンはシーズン中もドゥーラグやバンダナなど黒人文化を取り入れたルックがとても印象的だったので、ここで豪華なガウンではなくて自分の持ち味が伝わるようなデニムスタイルを披露するの、シモーンにしかできないルックで本当に素晴らしいなぁと思いました。制作過程をアップしていたのを見ましたが、濡れたTシャツのように見える服もしっかり型取りして計算して作られた形だということが良くわかったし、デニムに無数のスワロフスキーをつける作業の手間隙を思うと気が遠くなりそうでした。


さてファイナルリップシンク!二人とも素晴らしかったです。二人ともまぁ何か隠し球を用意してくるんだろうなぁと思っていたのですが、カムデン婦人は一見何も仕込んでなさそうにも見えるクリーンなルックから、あのランウェイで転ぶと見せかけてリビールするという今シーズン屈指の驚きモーメントの再現をしてくれたのがとても良かったです。そして見た瞬間に笑ってしまうウィロウのルックもとても良かった。私、ウィロウからちょっとうすた京介先生の漫画の匂いを感じることがあるのですが、日常の中にあるものをちょっと大袈裟にするとか、「普通」と「変」は本当に少しの差のところで地続きで存在するんだって感じさせるようなところがそう思わせるのかなって思いました。いやスーツでか!(ガビーン)ってところからリビールして、いやパンツもでか!(ガビーン)ってなるの最高に楽しかったです。二人とも脱いだ後は赤と紫だったから思わず「ポケットモンスター スカーレット/ヴァイオレットじゃん…」って呟いちゃった私でした。(あとからそう思ったのが私だけじゃないと知って嬉しかった)いやーでもこんなに平和な、というか仲の良さが伝わってくるファイナルリップシンクもそうないですよね、後半お互いの方を見たりとか、最後ウィロウがでんぐり返ししたのを見て(カムデン婦人がウィロウに促してるかの様にも見えた)カムデン婦人が合わせてスプリットするのとか本当に痺れました。


さて皆さま、ネタバレを見ずに優勝者発表まで辿り着けておりましたでしょうか?実は私はツメが甘くて、wow更新きたど〜!って呟いた瞬間に見てしまったのです、ブルーちゃんの「カムデン婦人が今回の賞金の半額をUK優勝者たちに送ってくれたらやっと平等じゃない?(UKはBBS制作のせいで賞金が出ないので)」というつぶやきを…!そう、私「あっ、カムデン婦人優勝…!?」ってドキドキしながら名前がよばれる瞬間を見ていたのです。超びっくりした。ウィロウだった。びっくりしすぎて笑い泣きしちゃった。いやーでも二人とも大活躍だったので、どちらでも嬉しかったですが、ウィロウの勝利、嬉しいなぁ。おめでとう!

ウィロウだけなくてこのシーズンのクイーン全員に多かれ少なかれ感じることなのですが、手の届かないスーパースター!という感じよりは、少しgirl next door感があるというか、親しみ深く感じるのですよね。どこかにいそうな、でも唯一無二の存在、そういう人が戴冠したことが面白いなぁと思っています。

なんかs11と似てるよね、っていう声があって、たしかにイヴィの時もデンバー出身の変わり者クイーンvs別の国出身のプロのバレエダンサーという感じだったし、面白いよなぁと思います。その理屈でカムデン婦人がゆくゆくはUKシリーズのホストをやってくれてもいいのよ…!(流石にそれはUKクイーンたちが怒りそうだね)


ウィロウが一言求められて、「家族や友達に感謝だし、何よりコーンブレッドの足首に感謝」って言ってるのも良かったです。ep1から意気投合して仲良くなって、一緒にフィナーレの舞台で戦いたいと思ってたんだろうな、あの足首の怪我がなければまた違った展開になっていたかもね、ということが一言で伝わったし、最終的にこの二人がウィナーとミスコンジニアリティになったことは尊いことだなぁと思います。トランスクイーンがウィナー・ミスコンジニアリティ同時受賞するのも初めてだし、この仲良しの二人が揃って戴冠して、おそらく来年揃って譲位に来てくれるだろうことが本当に嬉しい!


はー、楽しい楽しいシーズンでした。最後Do the Jorgeous!で締めるのも仲良し幸せシーズンの象徴のようでよかったです。長いシーズンではありましたし、途中全然人が減らない時期もありましたが、全体的に今シーズンはストレス少なく見られた気がします。14人それぞれの素晴らしい個性と、レベルの高い戦いと、深まる絆を見せてくれて、全員好きになれてとても嬉しかった!素晴らしいシーズンを作り上げてくれたs14クイーンたち全員に感謝してますし、これからの活躍に期待しています。シーズン中一緒に追いかけてきた皆様も4ヶ月間お疲れ様でした!

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