今週のイタリアはルージカル!みんな大好きなチャレンジ、かつ今回はみんな大好きレディ・ガガトリビュートのルージカルだったので、とても見応えがありました。実は私はレディ・ガガはミリしらとまでは言わないけど(何曲か聞けば分かる)一センチくらいしか知らない、センしらなのですが…(本当一般教養的ポップミュージックに疎い…すみません…)
Estoy viendo Festival Drag en WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/dri-205
でも本当、いいルージカルでした。6人が2人ずつのペアになって1曲ずつの披露と、6人で2曲の披露だったのかな?随所にハモリを入れてることにとってもびっくりしました。今まであんまりここまでコーラス的な作りになってることなかった気がする。
今回のチャレンジではとにかくダンス隊長であるプチノワールさんに期待していたので、逆にペアを組まされたジョフレさんが食われないか心配だったのですが、キレのいいダンスのプチノワールさんに負けじと迫力のある目力と表情で素敵でした。ダイアモンドさんは気合い入った衣装で見ただけでガガだ!って伝わってきたし、スカンダラブさんはいつもどこか余裕がある感じの笑顔が素晴らしいんですよね。ネヘレニアちゃんはとにかく伸びやかなお歌が見事で、オーラちゃんは美貌とダンスで魅惑する…という感じで、本当ルージカルだけだったらトップはなんとなく見えつつも、ボトムが決められないくらい素晴らしかったと思います。
全員への講評が終わって、残されたのが4人…見るからに誰がトップで誰がボトムかわかるような感じで。おそらくトップだろうなぁと予想できるのは、ルージカルでダンスが素晴らしく見せ場たっぷりだったプチノワールさんと、ソロ歌唱の出だしだけでがっちり心を掴んだネヘレニアちゃん。そしておそらくボトムだろうなぁと予想できるのは、ルージカルで全員素晴らしかったからこそ、衣装で判断されたのかなぁという感じで…オーラちゃんはここ何回かランウェイでちょっと他の人に比べて弱いかな、危ういかな?と思っていたし、今回ジョフレさんもいつもよりはちょっと振るわないかなと思っていたので(マスクのボリュームがある分、やっぱりいつもみたいにウィッグがないほうがすっきりして良くないですか?ウィッグの重みがバランスを崩してないかなぁとちょっと思ったのでした…)仕方ないかなと思ったのですが…
オーラちゃんがセーフと言われ、あれ?と思い、ジョフレさんもセーフと言われ、あーなるほど、と思い。たまにある、エリミなしのトップをリップシンクで決める回だなぁということが視聴者からするとすぐに察せられました。見てる方からはすぐ分かるのにネヘレニアちゃんとか「うまくやったつもりだったけどボトムなの!?」ってプルプルしてたから早く言ってあげて!ってなった。あんまりクイーンの心をかき乱さないで!
というわけで、帰る人でなくトップになる人を決めるリップシンク、私はプチノワールさんのガシガシ踊るところを見るのを心待ちにしていたので嬉しかったなぁ〜と思いつつ、ネヘレニアちゃんのパワフルな表現力にも感動して。二人ともまだ一度もウィナーになっていなくて、喉から手が出るほど欲しい勝利だったと思うので、いっそダブルウィナーにして!と願ってしまいました。プチノワールさんおめでとう、ネヘレニアちゃんはあともうちょっとだったね、そしてもう一週間オーラちゃんとジョフレさんを見られるようにしてくれてありがとう…そんな週でした。
あとランウェイについて書いておこう。ダイヤモンドさんは毎回力の入った衣装で一人頭ひとつ抜けてる感じ、先ほど書いたけどオーラちゃんとジョフレさんはもう一歩なにかでバランスを取りたかった(とは言えジョフレさんの「あの時代はあの丈感だったの!不勉強!っていうツッコミは釈迦に説法だったんかな〜ってふふっとなってしまった)スカンダラブさんはメインチャレンジの衣装はちょっと他の人と比べてシンプルだったけどランウェイは素敵だなとか、プチノワールさんはドラァグレースで前に見たことある形だけどギターの衣装ロックでいいなぁとか、そんな中でネヘレニアちゃんですよ。コンフェッションでも着ているTシャツを取り入れたポップなミックスコーデで超かわいい!って思ったんですけど、ジャッジのニコロ・セリオーニさんが「素敵だけどTシャツは袖を捲ってV字のシルエットにしたほうがいい、あと腕に網グローブを使うなら足も網タイツにしたほうがいいね」ってコメントしてて、なんて的確!!!と感動してしまったのです。そうしたらより素敵になることが目に見えるよう。プロフェッショナルによる具体的な指摘が大好きな私は思わず唸ってしまいました。マネスキンのスタイリストとして活動されてる方とのことですが、さすがですね…
そして今回、ちょっとクイーンたちの練習中にキアラさんが出張ってスクリーンタイム取りすぎじゃないか?ルージカルの最中にジャッジの顔挟みすぎじゃないか?もっとクイーンの活躍を見せて欲しいのに…って気になってたんですけど、Twitterのお友達のつぶやきでちょっとハッとなりました。許可をいただけたので引用させていただきます。
「イタリアの編集嫌いになれない理由、イタリアは今極右政党が第一政党でクィアコンテンツの風あたりは以前より強くなっている。非クィアの人にも番組を見てもらったり視聴者を増やすにはご当地の往年物である程度興味を引くことやフィレンツェ大学卒業の才媛人気女優のキアラを大きく前面に出してなんか人気美人女優が綺麗な服を着て楽しんでるから、それを目玉としてヘテロ視聴者も呼び込もうと苦肉の策なのかな?とも穿ってしまう。」
な、なるほど〜!!同じ時期に、イタリア人男性の方と結婚されているTwitterのお友達が、「イタリアの社会はまだまだクィアを許容しない雰囲気なので、夫がイタリア版ドラァグレースがあることにびっくりしていた」「制作側の葛藤も見えるし、コンテスタントも相当な覚悟で出演してると思います」というようなことを教えてくれたので、クィア層以外にアプローチするための編集なのだとすると非常に納得がいきました。(同時に夫の方の「放送時間が長いのはイタリア人が無駄のない編集や、他の国と足並みを揃える努力をするとは思えない」という談も教えてくれて爆笑しちゃったんですが)
私みたいにドラァグレースのコテコテのオタクでどのシリーズも更新したらすぐ見るような人たちでなく、メイン視聴者として設定されているのはイタリア現地で見ている人たちで、多数がクィアではなく、そしてクィアに対して友好的でない可能性もある人たちですものね。去年s1に出演していたAva Hangarさんが放送後に 「DRイタリアは普段からDRを見ている視聴者からすると期待値に達しなかったとかレベルが低いとか受け取られたかもしれないけど、イタリアというLGBTQ+に不寛容な国の国民をメイン視聴者として設定した上で作っている、クィアの人権を認めず差別しているイタリア人たちに「クィアはクィアとしてこうやって存在している」と示すために番組が作られていることを理解して欲しい…」という声明を出していたなぁ、と改めて思い出して、毎週分かんない〜!って言ってないで、ちゃんと番組がイタリア国内に受け入れられるように作られているであろうその意図を受け止めていかないといけないなぁと反省しました。
次回はメイクオーバーチャレンジで、どうやらローマにあるサッカークラブの人たちがメイクオーバーされにやってくるようです…さっきインスタを見つけましたがlgbtqフレンドリーなクラブのようなのですが、それこそヘテロ男性の好むスポーツの筆頭のサッカークラブの人がやってくるというのも、また国内への受け入れを狙った選択なような気がしてなりません。このクラブの人たちもきっと勇気を持って出演してくれたんだろうなぁ、次回もしっかり受け止めるぞ、と少し気合いを入れ直した私でした。