あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

RuPaul's Drag Race UK season4 episode10 "Grand Finale - UK Season 4"感想

フィナーレお疲れ様でした!ep1の時点から素晴らしいコンテスタントが揃っていてこれは期待できそうだぞと思っていた通り、いやそれ以上に、本当に楽しいシーズンになりました。あきづきの2022年ベストシーズンともう言ってしまっても良い気がします。フィナーレも最高だった…!

 

 

 

 

Estoy viendo Grand Finale - UK Season 4 en WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/rdruk-410

 

 

 


最後のチャレンジは定番のルポールの曲に合わせて作詞して、歌って、リップシンクで踊るパフォーマンスをするというものだったのですが、今回は一曲でなくてメガミックスということで各自担当曲が違っていたのが面白かったです。どの曲だから得をするということも損をするということもなく、全員それぞれの個性がより伝わってくるよいチョイスの曲とそれに合わせた振り付けで、みんな最後まで気を抜くことなく最終課題に取り組んだよなぁと思います。


っていうか曲の出だしのところ、4人じゃなくて、先に帰ったコンテスタントたちが肩を並べて入ってくるの反則じゃない?いきなり泣いちゃうじゃん!


出だしはブラックペッパさんのSissy that walk。4度のリップシンクを制し、ファイナルまで残されたのはここに立つ価値があるということ、それを証明するかのようなパフォーマンスでした。ダンスはキレの良さで魅せる、という感じでどこか余裕すらありましたが、歌が今までになく力強くて本当に良かった…!いつもコンフェッションでもふわりとした話し方をしているので(歌詞にもそんな感じのことを入れていましたが)ファイナルにしてこんなにパッションを声に乗せてくれるのが嬉しい喜びでした。そしてやっぱり一番手を一番踊れる人が務めると華やかで見栄えがよくて勢いづくなぁ…

二番手チェダーさんは4曲の中で私の一番好きなThe Realness担当で嬉しい〜。(フラットが三つの曲に弱い)ここにきてまたルックも、歌詞も、エイリアン感を出してきてるのがらしいなぁと思いました。ちょっと色合いのせいでウルトラマンのことを思い出したのは秘密だ。ダンサーの方との絡みのあるセクシーな振り付けをもらっていたのですが、なんだか扇情的というよりは異種間交流感があるというか、ピンクレディのUFOの男女逆転版みたいな妄想をしてしまいました。私の心を揺さぶるアナタ…

三番手ダニーさん、レッスン時点では一番ワタワタしていたのにいざ本番になるとステージを掌握してる感が強くて感心してしまいました。っていうかど真ん中から登場する時にあの特徴ある声で"Let's go!"って叫ばれるだけでもう完全にダニーさんのことしか考えられなくなっちゃう。ダニーさんの持ってる強い存在感がCall me motherという曲とマッチしていて、マザー!!!ってなりました。

四番手Kitty girl担当ジョンバーズさん、鳥、犬に続いて今度は猫かい!とちょっと突っ込んでしまいましたがあんまりニャンニャン感はなかった。歌詞に鳥女の鳴き声を入れてきてるのはニヤリとしてしまいました。振り付け的には一番チャレンジングだったのではないでしょうか?こんなにリフトだったりの派手な動きを入れ込んでくると思ってなかったので、意外な驚きでした。あとパステルカラーに弱い私なので、あのウィッグとボディスーツの可愛さには参りました。ズルい…


4人とも素晴らしいパフォーマンス、そして4人とも素晴らしいランウェイで、ファイナルだけで点数をつけるのは本当に難しい、レベルの高い回だなぁと感じました。ペッパさんのハードな感じの素材でエレガントな形を作り出すの、強さ満点で最高だったし、何より薄いラベンダー色のドレッドヘアのウィッグがとても好みで、スタイリング全体としてとても素敵でした。チェダーさんは荘厳なエイリアンクイーンリアルネスで、今までで一番自分らしい衣装だったんじゃないかなぁなんて思って、ここまで見せてきてくれたルックの幅広さに想いを馳せたのでした。ダニーさんは、おそらくダニーさんの一番得意な形である膝丈のボディコンシャスな黒のタイトワンピースに金の翼のような前飾りが映えて素晴らしかった。ジョンバーズさんはダニーさんの黒とは逆に白ベースに金のアクセントを効かせていて、この2人が並ぶのがなんかファンタジー感あって素敵だなぁと思いました。すっきりとしたクリーンなルックで素敵だった…


幼い頃の自分に語りかけるパートもそれぞれとてもよく、ちょっとしんみり、ちょっと笑って(ダニーさんのお父ちゃんからオレンジだって言われた話、序盤の面談でも話してたけど鉄板ネタすぎる)いい雰囲気になったところで戻ったワークルームで待っていたのは今までのUKシーズンの歴代ウィナーである、ザ・ヴィヴィアン、ローレンス・チェイニィ、クリスタル・ヴェルサーチの三王者!私たちと肩を並べることになるのは誰かな?と叱咤激励してくれると同時に、ここまでの努力を讃えてくれて、楽しくもキツい同じ道を通って頂点に立った人たちからの言葉ほど響くものはないんじゃないかなぁなんて思ったりしました。やったことある人だからこそ説得力が違う…

でも去年まではこの時間は同じシーズンを越えてきた仲間たちとの談笑タイムだったんですよね、リユニオンのないシーズンだからこそ、そうやって仲間たちで称え合う時間がなかったのがちょっと寂しいなぁなんて思いました。やっぱり同じシーズンを作り上げた仲間たちとで交流できる時間がもう少し欲しかったな。それぞれ短時間だけどランウェイで美しい姿が見られて、それはよかったけれど…みんな良かったけど、特にスターレットのシンデレラファンタジーが非常によかったです、あとスミンティちゃんがまたアレやってくれて本当サービス精神に溢れたいい子だなぁと思いました。

(ベイビーちゃんはep9に引き続き不参加だったので、仕方ないとはいえ少し寂しかったけれど、インスタストーリーでダコタちゃんが一緒にニコニコしてる写真をあげてくれていたのでとてもホッとしました。「クイーン」って呼ばないでほしいって呟いたりもしていたので、やっぱりこれだけ話題性のある番組に出演してあれだけインパクトのある退場をすると色々注目されるだろうし、自分のやりたいことと番組で与えたイメージとの差が出てきたりもするだろうし、難しさもあるんだろうな、今後は自分のペースでやりたいようにパフォーマンスを続けてくれたらいいな…と思っています)


ファイナルリップシンクに駒を進めたのはダニーさんとチェダーさんの2人。ここで皆が「まぁーそうでしょうね!」思ったのに一票。だってファイナルまでの9つのチャレンジの中で、この2人がバッジを4つずつ攫って行ったんですもんね…そりゃこの2人の最終決戦になると思っていましたとも、そうなってなかったらびっくりしましたとも。曲は"This is my life"、2人とも情感のこもったいいリップシンクでした、あの大舞台、UKのネクスドラァグスーパースターを決めるという決勝戦で、「これが私の人生だ!」と高々と歌い上げるドラマチックさといったらないですよね…どちらが勝つとしても一番頂点に近いところで、魂をぶつけて全力を出し切ることの美しさよ。終わった後にダニーさん本人だったり、後ろの仲間の何人かも涙ぐんでいたのが見えましたが、私も胸を打たれました。


本当にここまで接戦の勝負は珍しい、どちらが勝つかリップシンクが終わってもまだ分からない…と思いながら決定の声を待っておりました。シーズンウィナーとして名を呼ばれたのはダニーさん。初めての、お髭のクイーンの戴冠です…!すごい!今シーズンまてルポール傘下のシーズンではお髭のクイーンの参加はなかったわけですよ、初めてルポールが自分のジャッジするシーズンにお髭のクイーンを招いて、そこで文句なしの好成績で優勝する、ある種の痛快さを感じます。私は即興コメディで体を張って全力で笑わせてくれたこと、ルージカルでタイトルロールをコミカルに演じ切ったこと、ロースト回でウィットの効いたジョークでテンポよくウケていたこと、この辺りのユーモアが副賞である冠番組の制作をしやすそうだと判断されたのかなぁ、と思っています(余談ですが、s2のローレンスの番組が公開されたのが今年初夏だったのでs3のクリスタル分は来年公開になるかと思いますが、コメディはさっぱりのファッションクイーンだったのでどんな毛色の違ったものが来るのか楽しみ…)そして何よりもvulnerabilityですよね、何かあるとホロっと涙を流してしまうその人間味が最高にキュートでした。コンフェッションも初期から名ツッコミ役という感じで重用され、映るたびに楽しかったので、そういうところから伝わる人間性の面白みも決め手になったんじゃないでしょうか。


さてここで私の去年のUKs3の時のブログの一部を引用させていただきます。

「UKシーズン4こそは応援してた人が勝てないジンクスをどうにかできないかな?とちょっぴり思ってます…w 」

…すみません、なんだかホントすみません、これはもしや呪いなのか…?お友達の何人がスナッチゲームで推しが落ちる呪いにかかっている(貴方のせいじゃないよ!と毎回思っている)のですが、もしかして私も同じような感じのアレにハマってますか…?

s1もs2もRunner upになったクイーンを応援していて、s3は応援してた人が途中で抜けてしまったのでこの3人の中だったらこの2人のどっちかかな〜と思っていた人じゃない最後の1人が勝って、今回もまたRunner upになったクイーンを応援していたので、発表になった瞬間に天を仰いでしまいました。いやでも今回はね、今までの中で一番「うん、それもいいよね、分かる分かるおめでとう」ってストンとノータイムで祝福できた気がします。多分成績がほぼ横並びで、ボトムに一度もなっていない分ダニーさんの方がちょっとトラックレコードがいいかな、という感じだったのと、このシーズンは本当に皆素敵で全員好きになっていたので…


というわけでチーム・チェダーだったんですけど、私今回「これはあかん…優勝は難しいかもな…」って思った瞬間があったんですね。それはルポールとミシェルとの面談で「あなたにとってネクスドラァグスーパースターになるってどういう意味を持つこと?」って聞かれて「戴冠できたとしても、できなかったしても、やることは変わらない…100%…150%自分でい続けることだけ、そこに冠があれば正当性が認められる」って答えてて、「そ、そこは自分が勝つ価値があるってガツガツアピールしていいんだよ〜!!どっちでも同じって言ったら、じゃあ勝たせなくてもいいやね、ってなっちゃう〜!」って思って…その時にちょっと予感というか、覚悟をしてたのも、ダメージコントロールになった気がします。いやーでも戴冠姿見たかったな、エイリアンに統治されたかったな…

ダニーさんがドラァグレースのエンターテイメント性を象徴していたと例えるなら、チェダーさんは学びの部分を担っていたと思っていて。本当に嫌味なく、自然に、こちらが知らなかったことや知識を深めたかったことについて、話題に上げてくれて教えてくれて、もっとこの人の話を聞きたいなって思わせてくれるクイーンでした。語るだけでなくて、高い傾聴力で色々なクイーンの話を遮ることなく受け止めている懐の深さもすごかったです。毎エピソード後、脱落したクイーンとコラボした写真をインスタに載せて、その人の良さを語る長いラブレターのような投稿をしていたのも、本当に愛に溢れた人なんだなぁって感動しました。ルックもメッセージ性の強いもの、ファッションとして面白いものなど、幅広いスタイルを見せてくれて嬉しかったなぁ。エントランスの時点でレジェンド枠!という感じでしたが、そういうクイーンが意外と考えすぎの罠にハマって上手くいかないケースもある中で、頭を使いながらも柔軟に適合していたところも素晴らしかったと思います。なるほどレジェンドと言われるわけだと納得したし、すっかりファンになりました。長くドラァグをやっていて、久しくワクワクすることもなくなっていたけれど、この番組からの出演決定電話が来てとても興奮したんだ、と語っていたし、これからもこの番組で受けた刺激を素晴らしい形でアウトプットに変えて、素敵なものを見せてくれるんだろうなぁと期待しています。


そしてファイナルリップシンクには惜しくも届かなかった2人も素晴らしかった!

ペッパさんはパフォーマーとしても素晴らしいんですが、私は今までのフランチャイズの中で、ブラッククイーン随一のファッションクイーンだと評価してますし、ファッションクイーンと名高いクイーンたちの間に今すぐ並べたいと思ってます。ファッションってどうしても1人だけで学べるもの・作れるものには限界があると思うので、人との出会いに恵まれるかどうかが結構大事だと思うんですけど、ある程度大きくなってから祖国から離れてイギリスに来て、移民として自分1人で一から築いてきた人脈だってことを考えると、ちょっとそこに至るまでの努力だったり、その人たちに認められるだけの魅力だったり人間性だったり…みたいなところを想像して、この場に立つまでに人一倍大変なことがあったんだろうなぁ、みたいなことを思って、すごいことだなぁと思います。パフォーマンスの素晴らしさはもちろんだけど、ファッション方面にもたくさん扉が開かれるといいなぁ…というのが私の願望でした。

ジョンバーズさんは、もうひたすら可愛かった…本人曰くファッションクイーンということですし、勿論ファッションも良かったんですけど、それ以上になんというか愛すべきキャラクターという感じの人間力でここまで跳ねた感じがとてもします。素直で、時には拗ねるもへこたれず、いろんなことを笑い飛ばす明るいキャラクターにとっても元気をもらいました。最近あんまり最終順位予想みたいなことをしていないんですけど(暇がない…)それでもシーズン序盤はなんとなくこの人たちはアーリーアウトかな…みたいな意地悪な予想がよぎったりしてるんですよ。その中に実はMtQを見てなんか掴みどころのない印象だな〜と感じてたジョンバーズさんが入っていた(ごめんよ!)、なのであきづき的にはめちゃめちゃダークホースで、まさかTOP4にまで入ると思ってなかったので、見る目がなくてごめん、大活躍で格好良かったよ!と頭を下げたい気持ちです。ルポールのツボに入るのも結構意外だったなぁ、なんか孫を見るかのような愛でられ方をしていて、微笑ましかったです。


本当に全員大好きになった素晴らしいシーズンだったので、重ね重ね最後にみんなで揃ってお疲れ様!ってお話しする場がなかったのだけが心残りです。幸い1月にドラァグコン(ドラァグクイーンが集まる楽しいコンベンション)がイギリスでありますもんね、大体のクイーンがきっと参加しますもんね、なのでその時にパネルトークか何かで皆でお話しする機会があればいいなぁ、いつかその様子を見られたらいいなぁ(ベイビーちゃんも来てくれるといいなぁ)というのが最後の希望です。

UKはs1が良くて、s2がさらに良くて、s3は制作期間の短さからかちょっとあれ?という感じだったのですが(クイーンに罪はない)今シーズンはs2と同じくらいのハイレベルかつ見ていて楽しいシーズンだったと思います。丁寧に作ってくれたんだろうことが伝わってきて良かったので、是非s5もこの調子で…!そして、そろそろUKだけのオルスタも視野に入ってきていたり…しませんかね?もっと魅力が見たいクイーンがたくさんいるので、ぜひそれも実現してほしいなぁなんて期待しちゃいます。

 

最後に今週一番好きだった日本語字幕のコーナー(下ネタで締めてすみません!)

f:id:akzkiss:20221127231823p:image