あきづきのドラァグレースブログ

ル・ポールのドラァグレースの感想をつれづれ書いています。ネタバレあり。

Drag Race Italia Season2 episode1 "Little Italy"感想〜

今年も分かんね〜!!!イタリアs2〜!!!

 

 

 

 

I'm watching Little Italy on WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/dri-201

 

 

 

 

 

冒頭から取り乱しましたすみません。今までで断トツで理解が難しかった謎シーズン、イタリアs1ですが、今年は大丈夫かな…?とビクビクしながら途中までは順調に見進めていましたが、なんと最後の最後、全員の講評が終わってトップとボトムとセーフを分けるところで、急激な謎展開になり「今シーズンもかー!!」と叫んでしまいました。皆様いかがでしたか…?理解できた…?

講評ではみんな割と好意的なことを言われていて、5人がセーフだよって先に帰らされて、残りの5人とボトムとトップだよって言われたところまではなんとなく着いていけていた。そのあとジャッジだけの話し合いでなんだか暗雲立ち込め、私はてっきりオバマさんがボトムで、パンテーラちゃんがトップなのだと思っていたのだけど結果はまさかの逆で…あれ??いつ道を間違えてしまったの私?みたいになってしまいました。私の中ではトップがダイアモンドさん、2位がパンテーラさん(むしろその上にジョフレさん)そしてボトム3人がオバマさんオーラちゃんナルシソさんだったんだけど…ナルシソさんはギリギリリップシンクを免れる予定だったんだけど…おかしいな??そんなこんなで今シーズンも私のファンタジーと合わなさそうなことが初回から露見してしまいましたので、今シーズンはあまり頑張りすぎず、視聴も感想もとりあえず完走することを目標にしてゆるく行こうと思います…むりしない…


でも各シーズン恒例のコンテスタントたちへの雑感はちゃんと書いておこう。エントランス順です。


Nehellenia

名前の由来がセーラームーンからって分かった時点で愛おしくなっちゃう。コンフェッションも一番目立っている、おしゃべりがチャーミングなクイーンですね。ミニチャレンジの洗車しながらのフォトシュートは石鹸で滑って転びながらも「なにやってんのちゃんと撮ってよ!」と転倒もシャッターチャンスに変える逞しさで勝利を掴みました。メインチャレンジは今回、箱の中にある材料だけを使ってイタリア美術を表現しろ、というなかなか過酷で面白いものだったのですが、バロック時代の彫刻家であるジャン・ロレンツォ・ベルニーニの天使像を表現していたネヘレニアちゃんは正直「天使か…?」という印象で、羽は使っているもののちょっと現代的アレンジすぎるというか、あんまりピンときませんでした。メガネは必要だったのだろうか。まあ次回アクティングチャレンジっぽいので間違いなく活躍してくれるはず!


Aura Eternal

エントランスで美声を響かせたDIVAっぷりが素敵!若さ、そしてコンパクトなボディにキュートなお顔でアイドル的な人気が出そうです。フォトシュートは気取った表情やセクシーな姿が多い中、一枚ヒールがはまってしまって素で笑ってしまってる写真が混ざっていて、私はその自然な笑顔が可愛くて仕方ありませんでした。メインチャレンジはイタリアの印象派画家、ジョヴァンニ・ボルディーニを意識した…とのことでしたが、思っていたよりも素材が硬くて風を纏わなかったのか、歩きが少しぎこちなかった気がしました。歌うチャレンジまでは残って欲しいなー!


Skandalove

スキャンダル+ラブでスカンダラブ。好きな名前です。2012年ごろにいくつかパジェントで賞をとった後、しばらくドラァグをお休みしていたようですが、このドラァグレースへの参加を機に復帰したとのことで、そういう「もう一回やってみようかな」というカムバックのきっかけにこの番組がなるのはとてもいいよなぁと思いました。コンテンポラリーアートがテーマというメインチャレンジは輪っかにニコちゃんマークを飾りつけたヘッドピースが印象的で、個人的にはちょっとコンテンポラリー…?ちょっとモダンな感じとポップな感じがマッチしていなくはないか…?と不思議に思ったのですが、ジャッジが絶賛していたのできっとイタリアでは最先端なんだと思います。


Narciso

お飲み物を持って登場、そしてコンフェッションでも同じ飲み物を持っていたので笑ってしまいました。中身は本物なの?それとも小道具なの…?私はこういう「いわゆる"女性的"なドラァグ」とはちょっと一線を画したスタイルも好きなのでどうか評価されてくれ、と思っていたのですが、残念ながら初回サシェイになってしまい、ちょっとだいぶ不満です。メインチャレンジは1人だけボタンを押すと光るというギミックを盛り込んでいて、人を驚かせようという仕掛けを入れ込むパフォーマンス魂はもっと評価されるべきだと思うのですが…!昨シーズンもイタリアは芸術加点というか「美しい」ことを重視していたと感じていたのですが、こういう面白いことをやってくれる人をちゃんと評価できないなら、せっかく多様性のあるメンバーを揃えても結局昨シーズンと同じことになるんじゃないかとちょっと疑念を持ってしまいました。ちなみにマルコ・ロドラという現代のコンテンポラリーアーティストがモチーフらしいです。


La Petite Noire

踊れるクイーンを待っていた!!エントランスから大迫力で、パフォーマンスでの活躍を期待しちゃいます。ミニチャレンジの時も滑る床を厭わず大胆に体を使っていたので好印象でした。開脚に圧倒されて軽く引いてるキアラさんも可愛かった。メインチャレンジは港とかによくある人魚の像…とちょっとふわっとした感じのモチーフでしたが、するっとセーフ抜けできて良かったです。


Panthera Virus

昨シーズンで私が一番好きだったアヴァさんのドラァグドーターということで期待しておりました。メイクがくっきりしてて独自路線なので、もうちょっとブレンドして的なことは言われるかもな、でもランウェイの衣装はフトゥリズモ(未来派)感ある気がするし、何より形が今までのデザインチャレンジであんまり見ない形で面白いし、生尻も可愛いからこりゃ大加点だな!と思ってたら、講評ではさらっと褒められたのにジャッジたちの密談で突然酷評されボトム2になったので本当にびっくりしました。えっ!?本人も意外だったんじゃないでしょうか。なんかジャッジはクイーンたちに優しいことだけ言って欲しい、あんまり厳しくしないで欲しいと思っているとはいえ、これだけ突然豹変するのはもっと嫌だぞ…と思いました。


Tanissa Yoncè

ちょっとエントランスが奥ゆかしい感じでまだあまり印象に残ってないです。ごめんよ!メインチャレンジはシチリア陶器の代表的なモチーフであるムーア人の頭、らしいのですが、あんまりそれが伝わってこなかったのでちょっと残念でした。首から上だけもっと目立つようにするとか、ドレスの盛りを少し減らすとか、頭からバジルを生やしたりとかもう一捻り欲しかったな。


Obama

エントランスはルック的には一番良かったと思うんです!セネガルにルーツがあるということで、それが伝わるようなセットアップで、フューシャピンクに青の柄がよく映えて。でも申し訳ないけどボッティチェリの「春」をモチーフにしたランウェイは私はボトムだったと思っていたので、セーフどころかトップ2か!?みたいな扱いでびっくりしてしまいました…だってウィッグや飾りで綺麗な首が隠れちゃってたし、体のくびれもお花で台無しになっちゃってて、シルエットがもったいなかったんだもの…ジャッジが「衣装がイマイチでもあなたの体型だとなんでも着こなせちゃうね」って言っていたのは、素材の良さに頼って衣装が良くないよという指摘でなく文字通りの褒め言葉の方だったとは…個人的には誰が着るとか関係ない、純粋な衣装の出来だけでジャッジして欲しいなぁと思うので、今回の分からないポイント第一位でした。でも勝気そうなパーソナリティとか気になるよ、たくさんいいところ見られるといいな…


La Diamond

虫の目かのようなサングラスがエントランスでは印象的でした。コンフェッションでいきなり咳き込んじゃうものの、周りの反応からすると多分強敵なのかな?ミニチャレンジではエントランスルックの下にちゃんとレオタードを仕込んでいていつでも臨戦体制になれることをアピールしてつよつよでした。メインチャレンジは文句なしのトップだったと思います。ジュゼッペ・アルチンボルドの「夏」、マスクに野菜をもりもりにして分かりやすく、かつドレスもそれを邪魔しないエレガントな作りで、素晴らしい出来だと感じました。


Gioffré

今シーズン私が一番注目している人です。今週始まったドラギュラタイタンズのメインビジュアルに使われているブレ・ブラザーズの衣装を作っているんですけど、もうとにかくクリエイティビティと審美眼が素晴らしい。プロモからマスク姿・エントランスもマスク姿で皆様「この人リップシンクとかどうするんだ…?」とか思われてたかと思うんですが、ミニチャレンジのフォトシュートでマスクを外した途端にホットなお顔が出てきて、私は鼻の下を伸ばしながら微笑んでしまいました。セクシー…。ところでメインチャレンジのカラヴァッジョのメデューサの首、私だったらトップに入れるくらい素晴らしかったと思うのですがジャッジから「いつもの貴方の作品と比べるとちょっと見劣りするね」と言われていて憤慨です。クソみたいな材料(失礼)であれだけ出来れば充分やろ!弘法に筆を選ばせろ!その時一回一回のチャレンジのアウトプットで評価されるべきで、その人の普段の功績を加味して減点するのは、ちょっと納得いかないなぁと思いました。首元を斬られたかのような特殊メイクとか素晴らしかったのにね!私の一押しなのであんまり不当に扱われたら暴れるかもしれません。


というわけで今シーズンもまだ楽しむというところまでは至っておりませんが、まぁまだ始まったばかりですし。そして何と私、最近気づいてしまったんです。今まで携帯もしくはipadのアプリが、firestick経由でテレビで視聴していたので知らなかったのですが、ブラウザで開けば速度を変えて見られるということに…!やったー!!というわけでイタリアは1.25倍で見るくらいがちょうどいいな、というのが私の結論です。情緒がない!って誰かに怒られそうだ…謝っておきます!すみません!

RuPaul's Drag Race UK season4 episode5 "Lairy Poppins - The Rusical"感想

今週のUKはルージカル!好きなチャレンジは?とアンケートを取ったら上位に来るであろう人気チャレンジ、そしてUKではs2でキャッツをもじったラッツという素晴らしいルージカルが生まれていたので(s1、s3はルージカル実施せず)期待していたのですが、期待以上、それこそ今までの全てのルージカルの中でもトップクラスのレベルの高いものになりました。良いものを見た!

 

 

 

 

I'm watching Lairy Poppins - The Rusical on WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/rdruk-405

 

 

 

 

 

今回はレイリー・ポピンズというメリー・ポピンズをもじった作品でしたが、本当に全員素晴らしかった…!

今回は役決めをミニチャレンジのリーディングで勝ったピクシーさんが主導して行ったのですが、全員がハッピーになれるように配役した結果自分がやりたい役のリサーチを忘れていたという、なんとも愛おしいハプニングが起こり、それで明らかに動揺しているピクシーさんを見てダニーさんが「自分のもらった役と同じ系統な気がするけど、こっちのほうが上手くできそうなら交換しようか?」と快く申し出て、最初の希望を譲った上で、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたのが痺れました。タイトルロール(作品名と同じ名前の役)すなわち主役とも言えるポジションで、ダークヒーローというか、ある種の汚れ役というか、作品のトーンを決める大事な役を素晴らしく演じていたと思います。こういう役柄って出オチ感があるというか、最初のインパクトだけで終わってしまう可能性もある中で、最初から最後までチャーミングな酔いどれやさぐれキャラを保っていてとても良かった!

ピクシーさんも役柄変更して、より自分らしさが出るキャラクターを受け持てて良かったのではないでしょうか。結果的にダニーさんがウィナーになり、自分は一歩届かなかったとは言え、ちょっととぼけて生き生きとした演技の中にピクシーさんならではのチャームがよく出ていたと思います。前回はバッジが手に入らないことにちょっと不満な表情も見えて、そこも人間臭く好きだな〜と思っていましたが、今回の「自分も頑張ったけど今回はダニーだよね分かる!」みたいな納得した表情を見て、いいやつだな〜!!!大好き!となってしまいました。

もう1人のトップはジョンバーズさん、正直ガールグループの時にリズムの中に言葉を入れるのに苦労していたのを見て、今回一番心配していたのですが、はっちゃけた鳥女の役で自分の殻を破るくらい振り切った演技が出来ていて本当に良かったと思います。演技指導の時にディタ・フォン・ティースっぽく…って言われてたその感じは全くなくて笑ってしまったけれども。セクシーにも、悲哀感ある感じにもどちらにもできるキャラだと思うのですが、オーバーなくらいコミカルにしたのがインパクトがあって功を奏したなぁと思います。今1人だけバッジがない、ってことになってるけど、大多数の人はep2ガールグループの大量配布の恩恵のおかげだし、引け目に思わず喰らいついて頑張って欲しい。


ボトムの3人もね、全然ボトムというレベルじゃなかったよね?本当に素晴らしかった!ベイビーちゃんはルージカル中、動きも大きくて、ダンス的にはトップクラスのキレだったと思うのだけど、出番が前半だったのと、ちょっと神経質な感じのキャラクターで、元のキャラクターの魅力というか共感性がちょっと薄かったのが惜しかったのかなと。ダコタちゃんはミュージカル嫌いとか言っていたけど、すごく自然な演技で、歌も踊りもきっちりこなせていたと思う。ルフィルちゃんも今回の裏・主人公というか、タイトルロールのレイリー・ポピンズの元キャラのメリー・ポピンズで、最後に出てきて難しい早口パートの中心をうまく回していたと思う(インスタで、アジア人は主役級の役をもらえることなんてまれなことなのに、こうやって国営放送でメリーポピンズという主役級の役ができて感謝しかない!って書いていてちょっと泣けた…)

じゃあ他に誰をボトムに…?ってなると、重箱の隅をつつかないといけないし仕方ないのかなぁとも思えて…今週はちょっと難しすぎてジャッジに同情しましたね、ボトムを決めるのも難しかったと思うし、何ならトップを決めるのも大変だったと思います。セーフ組のチェダーさんのフランス語訛りの演技も、ペッパさんの溌剌とした若さ溢れるJKも良かったもんね〜!!本当に全員にバッジあげて、トップもボトムも作りたくないくらいでした。


そして、ランウェイも全員良かった〜!まずウェストエンドミュージカルというテーマが良い、ミュージカル詳しくないながらも分かる〜〜!!!と叫びながら見てしまいました。みんな良かったけど、ダニーさんの「リトルショップオブホラーズ」の吸血植物の迫力が素晴らしかったですね。ああいうキャンピィなルックって時に小劇場感というか、ちょっとB級感が出てしまうのですが(それはそれで良い時もある)今回はどんなに大きいステージでも映えそうなスケール感と、ディテールの細かさに唸ってしまいました。今回のウィナーを決める際のダメ押しになっただろうなぁ。

みんな良かったけど、あとは「王様と私」のルフィルちゃんの王様のゴージャスさと気品とカリスマ性が素晴らしかった…!優雅に踊るかのようなプレゼンテーションも良くて、これで加点貰えなかったら怒るど!と思いながら見てました(この二回のエピソードは本当リップシンクになるんじゃないかとヒヤヒヤしてホッとするという感じで心臓に悪かったです…)チェダーさんのヘドウィグも清潔感のあるロックテイストで良かったし、ペッパちゃんのライオンキングも「この人にこれをやって欲しかったんだよ〜!」という完璧なチョイスに美しい具現化だったし、ボトムやセーフの人もランウェイ加点で点数突き抜けちゃうんじゃないの?という良さでしたね…本当に今回は本当に全員にバッジあげて、来週もみんなで頑張ろうね!で終わりにしたい回だった…あと私は断固としてジョンバーズさんの薄い唇を守りたい会です。ええやんセクシーで…


それでも誰かは帰らないといけないわけで、リップシンクの幕は開くわけで。少しずつ足りないところがあったかな、というベイビーちゃんとダコタちゃんのリップシンクになったわけなんですが、これも2人とも良かった…!この2人はこの間ソーイングチャレンジで組んでバッジを手にしていたペアなので、リップシンクで戦うことになるのは複雑だろうな、と思いつつ、2人とも1回目のリップシンクの時もそれぞれいい戦いを見せてくれていたので今回も期待していたのですが、本当に勝るとも劣らずの素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。多彩な動きと溌剌とした表現で有効ポイントを次々に稼いでいくベイビーちゃんに対して、途中退場したかのように見せてハラハラさせた上で「No?」ってひょっこり顔を出してくれる瞬間の多幸感で一本取ったのでは?と思わせてくるダコタちゃん。どちらも最高に良かったので、これはジャッジングが難しいな、ダブルシャンティになってもいいくらいだな、でもどっちになるのかな…?とドキドキ見ている中、まさかの展開になるのでした。


ルポールが「心が決まりました」と述べて、どちらかの名前が呼ばれる…という瞬間、ベイビーちゃんが「話してもいいですか?…私が帰ります」とまさかの自主退場宣言。その前の回でボトムになってだいぶ弱っているな、心配だな、とは思っていたのですが。一番自分の得意分野だと思っていた歌とダンスのパフォーマンスの分野で勝てなかったりボトムになったりして、根底の自信が揺らいでしまったのかな、この後に残されているチャレンジで頑張る力がもう出せなくなっちゃったのかな…と感じました。

リップシンクで渾身のパフォーマンスを見せてくれていたのは、何としても残るぞという気持ちからでなく、最後に自分のパフォーマーとしての仕事を最大限残していくぞ、というプライドと、それ以上に番組への愛とリスペクトからだったのか…と思うと心から愛おしいです。リップシンクを放棄するのでなく、全力で戦った上で、その上で一番良いであろうタイミングで去っていくというところに、ショーマンシップと引き際の美学を感じました。(残る人として自分の名前が呼ばれたあとだと、負けたダコタちゃんに「譲ってあげる」みたいな感じになっちゃうのでそれを一番避けたかったんだと思うし、勝敗をブラックボックスの中に残しておくのは自分のプライドのためにも尊いことだなあと思います)もちろん最後まで戦い抜いて欲しいという気持ちがかけらもないと言ったら嘘になるけれど、でも本人の心身の健康を守るための行動であることはよく分かるので、私もジャッジたちや番組制作側、その場にいたコンテスタントたち同様、尊重したいし理解できるなぁと思うのでした…

表情豊かなところ、大きな笑顔が最高のチャームだと思っていたので、その笑顔が曇っていくのを見ているのはちょっと辛かった。でも自分で自分の引き際を決めて、すっきりした顔で去っていくのを見て、寂しさ以上に自分で決断できるの格好いいな、誇らしいな、という気持ちになったのでした。本当、雄弁に動く眉毛がとっても大好きだった!ぜひゆっくり心身を休めて、また万全の状態で色々なことにチャレンジして欲しいです。

 

次回スナッチゲーム!!このブログを長く読んでくださってる皆様にはこのチャレンジが一番私の胃を痛くするチャレンジであること知っていただいているはず。だって魔物が住むんだもん…絶対好きな人が帰っちゃうやつなんだもん…まあもはやこのシーズン誰が帰っても悲しいやつなんですけど…とにかくハラハラしながら次回を待ちたいと思います。はー誰が帰るかの心の準備もできないよ!とりあえずバガチが遊びにくる心の準備だけはできたよ!

RuPaul's Drag Race UK season4 episode4 "Catty Man"感想

今週は即興コメディチャレンジ!ここのところ何だかちょっとコメディチャレンジが少ないような気がするなぁ…と思い返してみたら、なんとこういうトークショー系のチャレンジは春のエスパーニャs2以来でした。ちょっと久しぶりなせいか、メンツが良いせいか、いつもより楽しめた気がします(ネタが面白かったかどうかというと微妙と言うか、面白くないことが面白かったみたいな不思議な面白さだったんですけど…)

 

 

 

 

 

I'm watching Catty Man on WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/rdruk-404

 

 

 

 

 

前回、コメディチャレンジだし、そろそろダニーさんやピクシーさんにいい感じの波が来て欲しいなぁと書いたのですが、その通りの回になりましたね。ミニチャレンジの椅子取りゲーム(さまざまな尻を模した椅子を見て、タモリ倶楽部のオープニングを思い出しました)では決断力とケツ弾力の強さでピクシーさんが圧勝。メインチャレンジは2人とも良かったのでどうなるか…と思っていたらダニーさんがバッジを奪取し、ピクシーさんの浮かない表情に「前々回は6個、前回も2個とバッジ大盤振る舞いしてるんだから今回も出し惜しみしなくてもええやんけ…」と少し思いつつ、でもまあこれが通常営業だから仕方ないなぁとも思いました。私も今回はダニーさんが一番良かったと思います、面白い返しも良かったし、瞬発力高く体全体で反応する姿もとても面白かったです。ピクシーさんもチャレンジは良かったし、ランウェイも良かったのだけど、若干ランウェイテーマの「毛」としてのメッセージ性が弱かったかな…と。でもあれだけ悔しいのを顔に出す人もちょっと久しぶりな気がして、こちらも少し胸が痛みました。


このダニーさんピクシーさん、そしてチェダーさんのチームはすごく安定感があって、一番手として安心して見られたのですが、残りの2チームはそれぞれ味わい深さがありましたね…二つ目のチームはダコタちゃんが自分の低い声に受けてしまって笑ってしまっているのが可愛くて、一緒になって笑ってしまいました。ベイビーちゃんはもう少し声の入れ替わり前後が分かるように声色というかトーンを分かりやすく変化をつけてたらもっと面白かったのに、とか、ルフィルちゃんは生真面目な感じにおかしみがあったのでもう少し膨らませられたかもなぁ、とか、少しもったいない感じがありました。


三つ目のチーム、私はスミンティちゃんが悶えるほど面白かったんですけど…ダメ?会話での切り返しはうまく行ってなかったんだけど、あのしょっぱいトゥワークとか、最後1人で取り残されちゃうところとか、計算じゃできない面白さがたまらなくツボに入ったんですが…でもきっと番組的に「意図して笑わせるのが目的なんだから、意図せずに笑われるのは失敗」ってことなんですよね。ペッパちゃんとジョンバーズさんはお笑いとしては可もなく不可もなく、という印象でしたが、でも頑張っていたと思います。


というわけでボトムはきっとベイビーちゃん、ルフィルちゃん、スミンティちゃんの三人だろうなぁということはランウェイ前から予想していて、ベイビーちゃんはランウェイもルポールの言う通り「アイディアはいいんだけど、もう少しうまく活かせられたんじゃないかと思う」という感じだったので厳しいかな、と思っていて。あと1人のリップシンクは普段の心証からルフィルちゃんになる…多分なる…きっとなる…とビクビクしていたので、セーフで抜けてちょっとびっくりしました。よ、よかった…!よく考えたらスミンティちゃんはバッジを持っていない、そしてボトム2回目なのですよね…でもランウェイが飛び抜けて良かったのと、ルポール先生の好感度的にスミンティちゃんのほうが残るんだろうなぁと何となく思っていたのです。良かった…アジアの子は冷遇されがちなので本当今回もその波が来るかと思った…


さて先にランウェイの話をしましょうか。このランウェイに入る前にワークルームで髪の毛についてのトークをしているのがすごく良かったですよね!!誰しも髪の毛に対して愛憎こもごもの感情を持っていたりすると思うんですけど(私も太・多・剛・うねり・若白髪…みたいな業の深い髪を持っているもので…もう若白髪って歳でもなくなってきましたが…)でも自分自身がどうこうということだけじゃなくて、社会的に押し付けられる抑圧としての髪の毛の扱い、という感じの話が多かったのがまた難しいしもどかしいし、どこの文化も難儀だなぁと思いました。親から人形遊びを禁止されたけれど、おばあちゃんの家でだけはカーテンのタッセルを髪の毛に見立てて遊ばせてもらえた…と語るダコタちゃん、体裁が良い髪型はこれだ!と親から押し付けられた髪型にするために地毛がなくなるほどのダメージを与えなくてはいけなくて、今ではウィッグで自分の黒人文化を表現しているというペッパさん、親元から離れて初めて髪の毛を伸ばすことができて革命的だと感じたルフィルちゃん、髄膜菌炎にかかって大切にしていた髪の毛がどんどん衰えていく中、剃る決断をしたことである種の解放を味わったチェダーさん…こうやってランウェイにかける思いの背景の部分の一部を聞いた上で、それぞれの表現したいものを見るとなんだか感動もひとしおだなぁと思いました。この話を踏まえてのダコタちゃんのタッセルをウィッグにしたスタイル、ペッパさんの自分の黒人としてのアイデンティティを表現するブレイズ満載のルック、ルフィルちゃんのウィッグを取って自分の地毛を解放するところ、チェダーさんの毛…毛玉…吐くところ…チェダーさんはいつもランウェイのスケールがちょっと一回りでかいよね…みたいなところ、みんな良かったです。ダニーさんの赤毛に銀色のリードのワンワン・デ・キャンポも良かったな…


リップシンクも良かった…!ベイビーちゃんが途中で全部脱いじゃったので、果たしてこれは加点となるか減点となるか!?ってハラハラしていたんですけど、個人的には邪魔な拘束具を振り払って本来の自分になった、みたいな魅力を感じていたので、評価されて良かったです。スミンティちゃんも表情豊かに頑張ったけれどここは全身で表現するパフォーマンスでの年季の差が表れてしまったかな、と…いやーでも退場シーンは間違いなく伝説に残りますね。こんなに胸を打つtwerkはもうないだろう、という愛おしさでいっぱいになりました。スミンティちゃん、可愛くて可愛くて大好きだったので居なくなっちゃうの本当に寂しい!ツンとした現代っ子なのかと思いきや、素直で、感情を躊躇わずに表に出してくれて、サービス精神がたくさんあって、本当に愛おしい!という感じの存在でした。Mothy Kendollちゃんね!Gothyがやってたあのガオ!やってよ!ってリクエストに応えてくれるところとか本当可愛いさ振り切れちゃった…

 

 

次回8人になるのでスナッチゲーム来るかな?と思っていたのですがルージカルと言うことでとても嬉しい!人数が多いと大変なのもわかるけれど、ルージカルは人数が多ければ多いほど楽しい。ライブで歌うとのことで難易度もかなりハードモードかと思いますが、皆の活躍を期待しています。

Drag Race Philippines Season1 episode10 "Grand Finale - Philippines Season 1"感想

ついにフィナーレ!ドラァグレースフィリピン!!!

セミファイナル回が1時間30分あったので、フィナーレは2時間とかあったらどうしよう、と思っていたのですが杞憂でした。55分間、でも決して短いと感じることもなく、盛りだくさんの濃密な最終回でした。

 

 

 

 

I'm watching Grand Finale - Philippines Season 1 on WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/drp-110

 

 

 

 

 


最初、ファイナリスト以外のクイーンも予告で出てきていたので、リユニオンも兼ねてこのシーズンを振り返りながらファイナリストを決めるのかな〜?なんて思っていたのですが、ファイナリストによる二つのランウェイと、リップシンクのトーナメントという優勝者を決めるためのガチな構成でびっくりしました。あとママパオのパフォーマンスと、ルポールのビデオレターの茶番ね(いらなくない?)

ファイナリスト以外のクイーンたちもママパオのパフォーマンスに合流した時のダンスと、ランウェイとファイナル決戦中に美しいドレスとを披露できていたので、それは良かったけれど、もっとそれぞれに話を聞く機会も欲しかったな…!untuckedが来たのでリユニオン的なものを期待していたのですが、残念ながら今までのuntuckedのハイライト集みたいな感じだったので、これだったら別に…となってしまったのでした。もうちょっとトップ4以外のクイーンから話を聞きたかったな〜!


ミスコンジニアリティはレディ・モルガナさんが受賞して嬉しい限りです。この方、妙なおかしみというか、親しみ深さというか、飲み屋さんで1人でまったり飲んでるときにカウンターの隣に座っててちょっと話したらすっかり意気投合してしまう謎のお客さん感があるというか、親近感の塊みたいな存在なので納得の受賞です。すごく盛大に戴冠してもらって、長いスピーチで感謝を述べて、感極まってるところを見て心が暖かくなりました。ダンスが上手いとか、ルックが強いとか、そういう分かりやすい魅力とは違うけれど、こういう味わい深いクイーンは絶対にシーズンにいて欲しいと思っていて、ミスコンジニアリティの受賞がその証明になるよなぁ、と思いました。


さてファイナリスト4人!最初のランウェイはキャンピィルックで、キャンプといえばテントやろ!というルックのプレシャスちゃん、春巻き盛り盛りのイヴァちゃん、袖の部分に髪の毛をあしらったシェールを讃えるような衣装のシルエット、缶蹴り(というよりは靴飛ばし?)のマリナちゃん、みんなキュートで新鮮で良かったです。各シーズン、キャンピィなファッションに対していつも評価が低くない?と憤っているので、ファイナルの場でこうやっていい表現を見せてもらえるの、とても嬉しかったです。

もう一つのフィリピン土着・エレガンザなんですけど、ep1のランウェイがテルノというフィリピンの民族衣装テーマだったじゃないですか、なんだかそれを思い出すなぁ…という感じでここまでの道のりを思って愛おしく思いました。プレシャスちゃんはその時も山岳民族ルーツをうまく組み込んでいたよなぁとか、イヴァちゃんはあの時はカラフルに決めてたけど今回はイノセントカラーで素敵だなぁとか、シルエットさんは黒も良かったけど白もまた似合うなぁとか、マリナちゃんは伝統的な素材を使いつつぎゅっと締め上げたウエストがドラァグ感あっていいなぁとか、それぞれの良さが出てましたね…見応えあったなぁ。


リップシンクバトルは第一回戦イヴァ対プレシャス。もうね、何よりもね、これについて語りたい。鳥。なんだったのあの鳥。2人とも(っていうかファイナリスト4人とも)リビールします下に何か隠してますみたいな衣装で出てきて、先にイヴァちゃんがバッとリビールして、プレシャスちゃんからは何が出てくるか…と思った途端のまさかの鳥。大笑いしたんですが、そこでがっちりハートをキャッチした上でパワフルなリップシンクを炸裂させてくれると、こちらはもう目が離せないですよね…イヴァさんも良かったのだけど、ステージを大きく使いつつ、そこステージが小さく見えるような力強いリップシンクでした。

イヴァさんが退場する前に一言求められて「この番組に関わった全員に感謝を述べたいけれど、何よりも、カメラには映らない裏方の人たちに最大の感謝を!」と語ったことに涙が出そうになりました。本当イヴァさんのそういう誠実で真摯なところ大好き。私たち視聴者の見えないところで、たくさんのスタッフさんが支えているんだろうなぁ、一人一人本当にお疲れ様という気持ちです。


第二戦はマリナちゃんとシルエットさんで、初回から因縁があることが分かっていたこの2人が最終回で直接対決するこの展開、熱い!と思いました。しかも曲がCall me motherなんて、ドラァグマザーとドーターの戦いにピッタリすぎるでしょ。このシーズンのダンシングクイーン・マリナちゃんのリップシンクはとにかく圧巻でしたが、シルエットさんの「マザーと呼びな!」っていう威厳ある笑顔も素晴らしかったです。2人が手を繋いでこっちに歩いてくるところ、本当シーズンフィナーレにふさわしい清々しさでした。

シルエットさんは本当にファイナリストに残ってくれて良かった、フィリピンのドラァグの歴史を愛し尊重しようという姿勢の人がここに立っているということは、今までの歴史と、これからの未来を繋いでいるかのようで、とても美しいことだと思いました。しんどい瞬間もあったと思いますが、最後に笑顔で感謝の気持ちを伝えられるような旅になって良かったよなぁ、と思います。


そしてママパオの衣装替えも挟みつつの最終リップシンク。これがもう本当に素晴らしかった!今回、他のフランチャイズではあまりなかったことなんですが、ステージで特効で風を吹かせていたようなんですけど、2人とも衣装を活かして美しくたなびかせながら優雅にリップシンクを始めて、そのあとは2人ともそれぞれ感情を体の動きに乗せて、力強くエモーショナルに訴えてきて…これは本当に勝負を決めるのが難しかっただろうなぁと思いました。私はトラックレコードを加味して若干マリナちゃん寄りかな、と思ったのですが…

(セミファイナルで脱落した2人がきっちりいいコメントを残してくれたので、マリナちゃんにももう少しスポットライトを当ててあげたかったな…このシーズンずっとずっと良かった割にバッジに結びつかなかったみたいなシーンが一番多かったんじゃないかと思うので、できれば戴冠という形で報われて欲しかったなという気持ちがあり、それが叶わなかった今何らかの形で番組側はマリナちゃんの頑張りに報いてあげて欲しいなぁと思います…) 

 

でもプレシャスちゃんも素晴らしかったのでそれに水を差すつもりはない!嬉しい!おめでとう!!感情が昂るとすぐ泣いちゃう、その時の下がった眉と笑顔が本当に可愛かったです。最初から最後までムードメーカーのような存在で、場を常に明るくしてくれて、チャレンジやランウェイでも自分のやりたいことを表現してくれて、表現できる喜びの感情がそのまま伝わってくるというコネクト力の高さと、常に何か一つ爪痕を残そうとするサービス精神の強さが随一だったと思います。こういうパフォーマンスが強くて、言語を超えてお客さんに伝える力を持っているクイーンが頂点に立つことは、確実に今後ドラァグレースの歴史がインターナショナルに広がっていく中でプラスに進むと思うし、早速1月にあるドラァグコンとかでも愛されるだろうだろうなぁと思うと嬉しくなりますね。アジアから誕生した新しい王者が世界レベルで活躍する機会がたくさんありますように!


っていうか最後にどうしてもこれだけはツッコミを入れたい。

セプター小ちゃくね????(それ最後に書くことか?)

Drag Race Philippines Season1 episode9 "Charot of Fire"感想

フィリピンは今回がファイナルチャレンジ!MV撮影です!!

 

 

 

I'm watching Charot of Fire on WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/drp-109

 

 

 

 

 

というわけで1時間半は長いヨォ〜!!と泣きながら見ました。1時間がちょうどいい、アメリカ初期シーズンの45分くらいもコンパクトで好き、1時間15分くらいでも頑張れる、でも四捨五入して2時間に乗っちゃうと正直見るのが辛いんだ!でもフィリピンは無駄があんまりないのもわかってる、今回もそれぞれへのインタビュー、MV、ジャッジとの対話…みたいな要素、全部必要なことも分かっている…濃い…untuckedまで別立てである…


でもねぇ、今回だいぶジャッジングにおいてMVの比重が多かったと思うんですけど、センターはってキメキメに踊ってるマリナちゃんがウィナーになるのは分かる、パーソナリティの伝わってくる表情や動きの良さでプレシャスちゃんがセーフ抜けするのも分かる、残念ながらダンスがどこも遅れ気味だったシルエットさんがボトムになってしまうのも分かる。残りの二人の勝負かな、どうなるかな…と思ったものの、最終的にミンティちゃんがボトムになったのは、ここまでのトラックレコードなども考えて正直ちょっとびっくりしました。


えっ、ていうかMVで全員踊ってるパート、逆光キツすぎて後列で歌ってる人大体後光と一体化して見えなかったんですが!?それで評価されるのミンティちゃん不利すぎでは???


正直ちょっとフィリピンのジャッジングは共感度加点が強めだなぁと思っていて、プレシャスちゃんとかビーニャスちゃんとかニコニコで茶目っ気のあるタイプに対してはジャッジが若干ほだされてる感あるなぁと感じていたのですが、その逆として、ミンティちゃんみたいにちょっと心の壁があるというか、全部をさらけ出してくれないように見えるタイプに対して辛めかな、という印象です。今回なんか声を詰まらせてスピーチする姿に私はグッと来たりしたんですけれど…vulnerabilityを出せ!とルポールが圧力をかけてくるのは見ててあまり好ましくないのですが、言ってくれるだけ優しいのかも…ミンティちゃんはuntuckedで映ってる姿にたくさん人間味を感じる場面がたくさん多かった反面、ジャッジに見せるメインチャレンジとランウェイとその際の受け答えだけだと、ちょっと物足りなかったのかなぁ…私はステージの上ではクールビューティな振る舞いで、それ以外のところでは闘志に燃えていたり、ガッツリおつまみに齧り付いていたり、喫煙禁止の場所でタバコを吸っていたりするマイペースぶりのギャップが最高に好きだったのですが…!勿体無いなぁ…シルエットさんとの母娘対決は愛情とリスペクトに溢れていたエモーショナルなもので、とても素晴らしかったです。


さてファイナリスト4人が出揃いました。イヴァさんが残ってくれて嬉しいよぉ〜!残っていた人たちの中では一人だけ勝ち星がなくちょっとトラックレコードが弱かったので心配していたのですが、ジャッジとの面談で「別に気にならない、仲間がうまくやって評価されることは心から嬉しいし、それによって自分の素晴らしさが損なわれるわけではないし」という確固たる自信が根底にあるということを見せられたのがとても良かったと思います。今まで一つ一つのチャレンジに誠実に取り組んでいたことに好印象を持っていましたが、対話の中でその誠実さが滲み出てるのが素晴らしいのですよね。自分がウィナーになったらドラァグパフォーマーをプロとして生活できるような職業にしたい、みたいに語っているのがとても良くて、自分だけでなくてコミュニティの発展を願っているのが伝わってくるので、結果に繋がってくれるといいなぁと思います。

 

シルエットさんもパフォーマーではなく、少し一歩引いたクリエイティブディレクター側のような立場でありながらここまで残ったということは本当にすごいなぁと思います。今までこういうタイプの人があまりドラァグレースでいなかった気がするのですが、もし王冠を手にしたらさらに事業を大きくできるわけで、そうしたらまた新たな素晴らしいドラァグアーティストを産み出す土壌ができて…って絶対面白くなると思うんですよね。初めの頃はなかなか厳しいジャッジングを受けながら幕を開けましたが、序盤のランウェイで世界に伝えたい・残したいメッセージを見せる機会に使っていたということが、フィリピンドラァグの歴史に敬意を払いたいという主張として、ファイナリストとして立つ際の背骨のようなものになっていて格好いいなぁと思います。


イヴァさんもシルエットさんのどちらかが勝っても面白いけど、でもやっぱりマリナちゃんかプレシャスちゃんが優勝の本命ラインかな〜?初代フィリピンのネクスドラァグスーパースターになって、他の各国の王者たちと肩を並べることを考えると、トラックレコードも大事ですが、それ以上に今後ツアーとかで世界にアピールする機会ができた時にパフォーマンスが強い人が冠を持っていたほうがやはり番組的に美味しいのかな、と思うので…開始当初はドラマの中心に来るのかな?と思いきや周りとうまく距離を保って淡々と自分のパフォーマンスに徹してきたマリナちゃん、番組出場に際して金銭的に準備がキツかった旨赤裸々に語りつつ、いつも笑顔で時に涙もろく人間味のあるキャラクターが魅力のプレシャスちゃん、どちらが勝ってもおかしくないよなぁ〜と思います。

 

次回が最終回のようですが、チャレンジは今回で最後だよ、と言っていたので、次回はアメリカ版s4〜6でやっていたようなリユニオンとウィナー発表を兼ねるような座談会メインの回になるのかしら?予告編だと全員集合してくれそうなことと、ママパオのパフォーマンスによる余興タイムがありそうなことくらいしか分からなかった…でもとにかく、ドラァグレースの歴史の中に新たにアジアからの王者が誕生することをとても楽しみにしています!

RuPaul's Drag Race UK season4 episode3 "Naff-ta Awards"感想

今週はデザインチャレンジ!しかもペアでやるやつ!!

 

 

 

 

I'm watching Naff-ta Awards on WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/videos/rdruk-403

 

 

 

 

布が出てくるデザインチャレンジと言えば私の大好物なんですけど、さらにペアでやるということでウキウキ最高潮でした。s2でもやってて楽しかったよね、あの時は途中までは和やかにペアで制作してたのに、後出しで突然二人の衣装で競わせてトップ組とボトム組みに分けるから…みたいな感じだったんだよね…なんだったんだ本当…(メンツが穏やかだったのでまっっったく揉めませんでしたが…)

今回は最初から最後まで協力体制でいけたので、一緒に制作して絆を深めていくところを本当に楽しく眺めることができました。ペア組はくじ引きで分けていたけど全く揉めず不満も出ず良かったです…みんないい子だ…


それぞれの衣装について思ったところなど。


青の衣装のルフィル&スミンティ組

いい出来〜!!すごく細かいディテールまで丁寧に作られていたと思います。ルフィルちゃんのほうはとにかくドレープが美しく、パワーショルダーのドラマチックな形も素晴らしい。スミンティちゃんのほうはただの水着と言われないようなこだわりのあるカッティングが美しいのと、フードの部分がファッショナブル。(布の上にゴロン…と横たわった時、やる気なさすぎて不貞腐れてるのか!?と思ったらフードの型を直接取ってて笑った)何よりも二人の素晴らしい腹筋を引き立てるような大胆なデザインと、端の始末など細部までこだわって作っているのが素晴らしいと思いました。最初いい布が入っていなくてテンションダダ下がりだったスミンティちゃんを明るくポジティブに盛り上げて持ち直させたルフィルちゃんの素晴らしさを、ジャッジはもっと褒めてください!


緑の衣装のペッパ&ジョンバーズ組

布地を細く切ったものを編み合わせて作ろう、というアイディアは素晴らしかった、デザイン自体は素敵だった、でもとことん時間が足りなかった…!他の組はどれも仕上がっていたということもあり、ボトム入りも仕方ない。布地を均等に測って切っていく作業がとにかく時間のロスだったと思うので、もし箱の中に長いリボンのような素材が大量に入っていたとしたら、時間内の完成も夢じゃなかったかもしれないし、もしかしたら勝利する未来もあったかも…?未完成度はペッパちゃんのほうが上でしたが(スカートも落ちてきちゃってジッパーが前に回ってきちゃうし…)デザイン的にはそのペッパちゃんのものの方が好きでした。ジョンバーズさんはスカートがちょっとシンプル過ぎたかなぁ。あと私は暗めの髪色の方がいいというのには異を唱えます。ブロンドとミントグリーンの組み合わせ最高やんか!


紫の衣装のピクシー&ダニー組

ごめんよ、あっさりセーフ抜けするのを見て「えっセーフなの!?」と驚いてしまいました…ごめんよ…だって面白くなかったんだもん…デザイン画の時点でなんだか地味になりそうだな…とか思っていて(ごめん)出来上がりもリアルクローズ寄りで全体的に無難というか面白みに欠けて(ごめん)二人の滲み出るパーソナリティが買われた結果のセーフなんだろうけど、私は「ドラァグの一番の罪ってなんだと思う?それはつまらないことだよ」って誰かが前に言っていた(ロスかな?)ことに深く頷いていたので、衣装自体の面白みはむしろ未完成の緑チームのほうがよっぽどあるのにな…と遠くを見てしまいました。まあでも頑張ったよね、服の形に仕上げたの偉いよね、普通に素敵なお洋服だよね、ウキウキしないけど…ごめんよ…


黒の衣装のダコタ&ベイビー組

二人はプリキュアじゃん!!!(違う)ダコタちゃんはパフスリーブ、ベイビーはバルーンスカート…と膨らんだ形を別な場所に使って、ダコタちゃんは脚、ベイビーは腕…とスカーフ柄を上手に効かせて、本当にうまく纏めていたと思います。黒一色で纏めずにスカーフで色味を足せていたのも華やかで素敵だった。ウィッグも色違いで、私ああいうハーフアップの髪型に弱いのでめちゃめちゃツボでした。優勝を選ぶ際、青チームと黒チームどちらも甲乙つけ難いな…という状況だったと思いますが、縫い物など技巧的な部分を多めに加味すると青チームの勝ち、二つのルックを並べた時のバランス、デザイン性、ハイファッション度を多めに加味すると黒チームの勝ちかなぁと思いました。勝利嬉しい〜、前回頑張ったのに悔しい思いをしたベイビーちゃんがバッジ貰えて嬉しいし、まさか初回リップシンクしたダコタちゃんが早々に二つ目のバッジを手にしてトップランナーに躍り出るとは誰が予想しただろうか?ファッションクイーンがファッションで活躍してくれるとなんか嬉しい私でした。


ゴールドの衣装のチェダー&コッパー組

もう〜見ていて歯痒かった。大体同じような感じのことしてるのに、片方はベタ褒め、もう片方はなんか違う…みたいに刺さってないの見るの本当に辛い。ジャッジのお気に入りと、そうでもない人がいるのは毎シーズン伝わってくるのだけど、二人の衣装のほんの少しずつの違い全てに対してチクチク来るのでそんなに違う?そんなに差が出る?って悲しくなっちゃいました。ましてや今回、そりゃ二人で並べたら良いほう・良くないほうになるだろうけど、全体で見たらコッパーさんの衣装、決して悪くなかったと思うんですよね…お顔につけた金箔も私は素敵だと思ったし、白のブーツも善悪対比なの理解できるし、なによりもケープにちゃんと裏地まで付けてたのにさ…!ベタ褒めしていたチェダーさんの衣装もミシン部分はコッパーさんの頑張りによって支えられているわけで、この扱いは本当に残酷だなぁと思いました。しょんぼり。「どうして水着の切れ込みのカットを二人同じようにしなかったの?」って聞かれてチェダーさんが「私の方が好色で、いつも通りにしただけなんだけど…」って言ってるの笑いました。


そんなわけでこれでリップシンクになるのは本当酷だよな…と思いつつ、そしてペッパさんのリップシンクがやべぇだろうことは初回「リップシンク見ると疲れるよ、こっちじゃなくて見てる側がさ」と語っていたことから予想できてたし、前回のダンスチャレンジでもバキバキだったので、本当にコッパーさん不運過ぎる、相手が悪過ぎる…とくちびるを噛んで見守っていたのですが、素晴らしい勝負でした。ペッパーさんは予想通り素晴らしかったんですよ!スカートを脱ぐところまでパフォーマンスとして見せて、音に完全に合った大技、ステージを大きく使ったキレのいいダンス、眼光鋭い表情…さすがだなぁと思う強いリップシンクだったのですが、私はコッパーさんの繊細で、丁寧で、でも心のこもったリップシンクにとても感動しました。言葉を丁寧に拾って、語りかけるように表現して、自分のできること全部差し出して、たとえ勝てなかったとしても、リップシンクの神様がいるのならばこれを捧げられたならば幸せだろうなぁ…と思いました。初回はボトムになったと言えど私はステートメントのある表現が好きだったし、ep2はボトムになったことを振り払うような力強いパンクなパフォーマンスで違った一面を見せてくれたし、今回も制作とリップシンク共に誠実な仕事ぶりを見せてくれて好感を持っていたので、もっともっと見たかったなぁ…サシェイが本当に残念です。


次回は即興コメディチャレンジっぽくて、パーソナリティの爆発を求められるチャレンジなので、ここまでちょっと目立たないでいるピクシーさんとかダニーさんの活躍が見たいなぁ!と期待しています(そのために今回セーフ抜けさせたんじゃないかと邪推すらしている) 多分その次のエピソードではスナッチゲームが来るので、このシーズン豊作のファッションクイーンたちが無事にコメディ続きのターンを抜けられるかどうかも気になるなぁ。みんながんばれ!

これも見てたよ: RuPaul's Secret Celebrity Drag Race s2

シリーズこれも見ていたよ: ルポールのシークレットセレブリティドラァグレースs2!ネタバレにならない程度にフワッと全体の感想です。

 

 

 

 

I'm watching RuPaul's Secret Celebrity Drag Race on WOW Presents Plus
http://www.wowpresentsplus.com/celebrity-drag-race

 

 

 

 


セレブリティドラァグレースのs1は「セレブが各回3人やってきて、それぞれにメンターがついてドラァグアップして、リップシンク勝負して一番の人がその人の名前で好きなチャリティプロジェクトに賞金を寄付できる・負けた人も金額は劣るけどやはり賞金を寄付できる」という別のフォーマットでやっていたのですが、メンターのドラァグクイーンたちを見るのは毎回眼福だし変身するところは見ていて楽しいけど、セレブに詳しくないから別に誰が勝ってもあんまり感動ないじゃん…とか、メイク担当のクイーン(シャネル、メイヘム、レイラ)に至ってはスクリーンタイムももらえないのおかしいじゃん…みたいな感じで、完全に流し見で終わってしまっていたのですが、いやーこのシーズンでがらっとフォーマットを変えてきて一気に面白くなりましたね。

日本では最近マスクドシンガーで取り入れていたフォーマットですが(マスクドシンガーもs2の優勝者のネタバレを見て俄然見たいと思っているのですが〜!!)正体を隠した形でパフォーマンスして、その回のボトム2が番組に残れるかと正体を賭けてリップシンクして、負けた時に誰だったか明かして帰っていくというパターンで、セレブリティに詳しくないにしろ、この人本業は何でどんな人なんだろう?みたいなワクワクがあって非常に良かったです。


今回優勝したクイーンは、開始時点で一人だけ「これってあの人じゃない…?」みたいに話題に上がってて、膨大にいるその人のファンの中から「あー一時期トレードマークの〇〇を〇〇〇いたけどそう言うことだったのね!」みたいな声が聞こえていて、ショービズに疎い私でさえ分かるほどの超・大物だったのですが、ep1、2時点でちょっとパフォーマンスが圧倒的すぎてさすがだなぁ!と思いました。ep2のパフォーマンスが一番好きかなぁ、すごく観客に魅せるのが上手で、パワフルに場を掌握していて、素晴らしかったです。

あとミスコンジニアリティを獲ったクイーンが私の一番のお気に入りの人だったので嬉しかった!なんというかすごくもっと見たいと思わせるような、ハートに訴えるような温かみのあるパフォーマンスができる人で、とても好きになりました。


トップ5が決まったタイミングでちょっとひと捻り入るのだけど、その辺りまでくるともはや全員好きで最高だったなぁ〜。特にセミファイナルでリップシンクの結果帰ってしまったクイーンは勿体無くて!優勝候補だと思っていたし、実質決勝戦のようなバトルだったなぁと思いました。茶目っ気溢れる動きが可愛かったんだよなぁ…でもその人を抑えてダークホース的にファイナル進出を決めた、セミファイナルのイレギュラーなチャレンジで大活躍したクイーンの覚醒ぶりも素晴らしかったです。総じてみんなよかった、みんな頑張った。


一番見応えがあったのがドラァグレース出場クイーンたちが登場してデュオでパフォーマンスする回で、チャチキ様とかこういうのに出てくれるんだ!?相手に合わせるとかしてくれなさそうなタイプとか思ってたんだけど!?と思っていたらチャチキ節全開かつ最高のパフォーマンスで痺れました。もちろん全クイーン素晴らしかったんですけど…もし1epくらいお試しで見てみようかな〜と思っている方がいらしたら、このep4を見るのをお勧めします。

そうそう、出場するセレブをシーズン通して支えるメンターのクイーンも、モネ、ブルックリン、ジュジュビーと良いクイーンを揃えていて素晴らしかった!コンテスタントのクイーンに寄り添って支えてくれて、頼もしいところを見せてくれました。これ、3人だけじゃなくて人数分メンター揃えて、メンターのクイーンの威信も賭けて争うようにしても面白いかも。最後のリップシンクで親玉が勝負するとかさ。単に私がたくさんクイーンを見たいだけですが。


新しいフランチャイズが告知されてどんどんワールドワイドに広がっていくのを見るたびに、もしや近い未来にドラァグレースジャパンが来てしまったりするのか…!?なんてビクビクしてるのですが、もしかすると日本でやるのならばこういうフォーマットのほうが向いているのかなぁ?とか思ったりしました。マスクドシンガーで実績があるし、一般視聴者としてまったく未知のドラァグクイーンが勝負する番組よりも、知ってる芸能人がドラァグアップして勝負する番組の方が親しみやすいものとして受け入れやすいんじゃないかな…とか。でもアメリカでも14シーズンもドラァグレースをやって、ドラァグというものが大衆に受け入れられる基盤が出来上がった上でやっとこれが出来たのだし、その基盤なしにただ著名人がドラァグするだけの番組をやるとするとそれってある種の「文化の盗用」だよなぁ、と思い…すごく魅力的なフォーマットだなぁと思うと同時に、まずはドラァグ文化を受け入れ尊重する土壌を作るところからだよなぁ、と思い直しました。日本はまだまだこれからだ〜。


とにかく全8ep、リップシンクパフォーマンスがメインなので華やかで楽しめました。一個気になってるのが、基本的に帰る時点でその人がチャリティー先に選んだ団体にいくらか寄付するど〜みたいな残念賞があるのですが、Runner upのクイーンのチャリティー先にはお金は渡っているのだろうか…明言がなかったので…それ以外は本当に楽しい、ゆるく楽しめるシーズンでした。